— 30秒でわかる結論 —

Q. 障害福祉サービスにはどんな種類がありますか?開業する類型はどう選べばいいですか?

大きく5つに分かれます。①訪問系=居宅介護(ホームヘルプ)、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援。②日中活動系=生活介護、自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型・B型、就労定着支援、療養介護。③居住・宿泊系=共同生活援助(グループホーム)、短期入所、施設入所支援。④障害児支援(児童福祉法)=児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援、居宅訪問型児童発達支援など。⑤相談支援=計画相談支援、障害児相談支援、一般相談支援。指定権者は原則として都道府県(政令市・中核市はその市)ですが、計画相談支援と障害児相談支援は市町村、一般相談支援は都道府県です。類型を選ぶときは、支援したい対象(大人か子どもか)、収支の主軸(訪問系は人、日中活動系は物件と定員、居住系は消防・用途変更)、サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者を確保できるか、併設・多機能化を見据えるか、の4点で考えてください。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 障害福祉での開業を考えていて、どの類型が自分に合うか決めかねている方
  • いま運営している類型に、2つ目の事業を併設しようとしている法人の方
  • 「障害福祉サービスって何種類あるの?」から知りたい方

📗 関連の深掘り——類型を選んだあとの話——各類型で「量」の天井が何で決まり、単価をどこで伸ばせるか(加算が積み上がる4つの層)はこちらの記事で扱っています。

障害福祉サービスは「何種類あるのか」から始める

「放課後等デイサービスをやりたい」「就労支援を考えている」——相談はたいてい類型名から始まります。ただ、話を聞いていくと別の類型のほうが合っていることが少なくありません。生活介護を考えていた方が短期入所の併設で収支が安定したり、就労継続支援B型より就労移行支援のほうが理念に合っていたり。

この記事は、障害者総合支援法と児童福祉法に基づくサービス類型を1枚で見渡せる一覧にしたものです。根拠法・内容・主な人員・指定権者を並べ、それぞれの詳しい解説記事に繋いでいます。開業の類型を決める前に、まず全体像を。

①訪問系(自宅に行く)

類型根拠法内容主な人員指定権者詳しく
居宅介護(ホームヘルプ)障害者総合支援法自宅での入浴・排せつ・食事などの介護、調理・洗濯・掃除等の家事サ責+従業者2.5人以上(常勤換算)都道府県/政令市・中核市解説
重度訪問介護障害者総合支援法重度の肢体不自由等で常時介護が必要な方への、長時間の総合的な支援同上(従業者に研修要件あり)同上解説
同行援護障害者総合支援法視覚障害により移動に著しい困難がある方への外出時の情報提供・援護従業者に同行援護従業者養成研修等の要件同上解説
行動援護障害者総合支援法知的・精神障害により行動上著しい困難がある方への危険回避・外出支援従業者に行動援護従業者養成研修と実務経験同上解説
重度障害者等包括支援障害者総合支援法特に重度の方に、複数のサービスを包括的に提供サビ管の配置ほか同上

②日中活動系(通ってもらう)

類型根拠法内容主な人員指定権者詳しく
生活介護障害者総合支援法常時介護が必要な方への入浴・排せつ・食事の介護、創作的活動・生産活動の機会サビ管(60:1)・看護職員・生活支援員(平均障害支援区分に連動)都道府県/政令市・中核市人員・設備基準
自立訓練(機能訓練・生活訓練)障害者総合支援法身体機能・生活能力の維持向上のための訓練(原則18か月・24か月の標準利用期間)サビ管・看護職員・理学療法士等または生活支援員同上解説
就労移行支援障害者総合支援法一般就労を目指す方への訓練・求職活動の支援(原則2年)サビ管・職業指導員・生活支援員・就労支援員同上完全ガイド
就労継続支援A型障害者総合支援法雇用契約を結んで働く場を提供(最低賃金の適用あり)サビ管・職業指導員・生活支援員同上完全ガイド
就労継続支援B型障害者総合支援法雇用契約によらない就労機会と工賃の支払いサビ管・職業指導員・生活支援員同上費用試算
就労定着支援障害者総合支援法一般就労した方の職場定着を支援(就労移行等の利用を経た方が対象)就労定着支援員・サビ管同上解説
療養介護障害者総合支援法医療と常時介護を必要とする方への、病院等での機能訓練・療養上の管理医師・看護職員・サビ管等同上

③居住・宿泊系(住む・泊まる)

類型根拠法内容主な人員指定権者詳しく
共同生活援助(グループホーム)障害者総合支援法夜間・休日の相談、入浴・排せつ・食事の介護等(介護サービス包括型・外部サービス利用型・日中サービス支援型)サビ管(30:1)・世話人・生活支援員都道府県/政令市・中核市完全ガイド
短期入所(ショートステイ)障害者総合支援法介護者の病気等の際に、施設に短期間入所して介護を受ける(併設型・単独型・空床利用型)併設型は本体施設に準ずる/単独型は独自配置同上開業費用
施設入所支援障害者総合支援法施設に入所する方への夜間の介護等(生活介護等と一体で運営)生活支援員・サビ管等同上

④障害児支援(児童福祉法)

類型根拠法内容主な人員指定権者詳しく
児童発達支援児童福祉法未就学の障害児への日常生活の基本動作・知識技能の指導、集団生活への適応訓練児発管+児童指導員/保育士(10人まで2人・うち1人以上常勤)都道府県/政令市・中核市(児相設置市区は当該市区)完全ガイド
放課後等デイサービス児童福祉法就学中の障害児への放課後・休業日の支援同上同上完全ガイド
保育所等訪問支援児童福祉法保育所・学校等を訪問し、集団生活への適応のための専門的支援訪問支援員(児童指導員・保育士・PT/OT/ST等)・児発管同上解説
居宅訪問型児童発達支援児童福祉法重度の障害等で外出が困難な児童の居宅を訪問して行う発達支援訪問支援員・児発管同上
医療型児童発達支援 等児童福祉法肢体不自由児等への児童発達支援と治療(制度改正により再編)医師・PT/OT・児発管等同上

⑤相談支援

類型根拠法内容主な人員指定権者詳しく
計画相談支援(特定相談支援)障害者総合支援法サービス等利用計画の作成とモニタリング相談支援専門員1人以上(専従が原則)市町村指定申請
障害児相談支援児童福祉法障害児支援利用計画の作成とモニタリング同上市町村指定申請
一般相談支援(地域移行・地域定着)障害者総合支援法施設・病院からの地域移行、単身生活者の緊急時対応相談支援専門員・地域移行支援従事者都道府県

相談支援だけは指定権者が市町村(一般相談支援は都道府県)である点に注意してください。ほかの類型が都道府県・政令市・中核市であるのに対し、ここだけ窓口が違います。

📘 障害福祉の類型ではありませんが、介護タクシー(福祉輸送)は道路運送法の許可で、障害福祉の訪問系・通所系と組み合わせて検討されることが多い事業です。行政書士が許可申請を担えます。

📈 この一覧に載っていない新しい類型・受け皿が足りない分野:就労選択支援(2025年10月施行)自立生活援助日中サービス支援型GH医療的ケア児対応の児発・放デイ強度行動障害への対応

類型を決めるときの4つの問い

  • 誰を支援したいか——障害のある大人か、子どもか。子どもなら児童福祉法、大人なら障害者総合支援法で、指定権者も様式も変わります。
  • 収支の主軸をどこに置くか——訪問系は初期投資が小さい代わりに人の確保が命綱。日中活動系は物件と定員で収支がほぼ決まります。居住系は物件の消防・用途変更が最大の関門です。
  • 資格職を確保できるか——サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者は研修の受講要件があり、外から採るにも時間がかかります。ここが確保できない類型は、そもそも選べません。
  • 併設・多機能化を見据えるか——生活介護+短期入所、就労B型+グループホーム、放デイ+児発など、併設で収支と人員配置が安定する組み合わせがあります。最初の1事業所を決める前に、2事業所目の絵を描いておくと選択が変わります。

迷ったら、業態の選び方FCか自力かの比較もあわせてご覧ください。

どの類型でも共通する「開業3か月前ルール」

類型が決まったら、次は日程です。指定申請の締切は指定権者ごとに違い、最も早いものは開業希望月の前々月に集まります。その前に事前相談があり、そこでは事業計画書・図面・収支予算書を求められます。つまり開業希望日の3か月前に、指定権者の特定・物件の目処・定款の目的・資金計画の4つが揃っているのが最低ラインです(締切の自治体比較関東4都県の一覧)。

定款の目的に法的根拠(「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく◯◯事業」など)が書かれていないと、申請を受理しない指定権者があります。法人設立の段階で、やりたい類型から逆算してください(定款の目的の書き方)。

要確認:本記事は障害者総合支援法・児童福祉法にもとづくサービス類型の全体像を示す一覧で、人員・設備・運営の基準の詳細は基準省令および指定権者の条例・手引きで定められています。定員・人員配置・面積の基準は類型・規模・地域・時期で分岐し、経過措置や独自基準がある場合もあります。制度改正(障害児通所支援の再編など)により類型の名称・区分が変わることがあります。開業を検討する際は、必ず当該指定権者の最新の「指定申請の手引き」で確認してください。介護保険法に基づくサービス(訪問介護・通所介護・居宅介護支援など)は本記事の対象外です。

当事務所の対応範囲

上表のうち、障害者総合支援法・児童福祉法に基づく全類型の指定申請をお受けしています(指定申請サポート 税込220,000円〜、就労継続支援A型は275,000円〜)。開業後の変更届・体制届・処遇改善加算・運営指導対応・6年更新までを一つの窓口で。千葉県指定と千葉市・船橋市・柏市の市指定のどちらにも対応し、その他の地域はオンラインで全国対応しています。介護・障害福祉のお客様へから、まずは類型選びのご相談を。

参考にした一次資料

  • 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)
  • 児童福祉法
  • 各サービスの指定基準省令および指定権者(都道府県・政令市・中核市・市町村)の条例・指定申請の手引き
  • 当事務所「障害福祉・障害児支援の指定申請 完全実務ガイド」(2026年8月版)

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内の指定権者

障害福祉サービス・障害児通所支援は、千葉市・船橋市・柏市に事業所があればその市、松戸・流山・市川・我孫子・野田・鎌ヶ谷などは千葉県(障害福祉事業課)が指定権者です。一方、計画相談支援・障害児相談支援は事業所の所在市町村が指定を行います。同じ法人で複数の類型を持つと、提出先が分かれることがあるので、平時に「類型ごとの提出先一覧」を作っておくことをお勧めします。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

相談の最初に「放デイをやりたい」と言われても、私はいったん全類型の表をお見せします。話を聞いていくと、実は生活介護のほうが理念に合っていた、就労Bと併設したほうが職員配置が楽だった、ということがよくあるからです。類型は、決める前に一度、全部を見てほしいと思っています。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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