— 30秒でわかる結論 —

Q. 介護タクシーの許可を取るには、どんな要件がありますか?

道路運送法にもとづく一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)の許可で、要件は5つに分けられます。①人:運転者は普通二種免許が必要。法人の役員(個人は本人)は申請受理後に法令試験を受け、年6回の実施で2回以内に合格する必要があります。台数に応じて運行管理者・整備管理者の選任も。②車:車いす等に対応した福祉車両が基本で、セダン型で参入する場合は運転者に介護福祉士等のケア資格が求められます。③場所:営業所・車庫は使用権原があり、都市計画法・建築基準法等に違反していないこと。車庫は営業所に併設が原則。④お金:所要資金(車両費・施設費・保険料・運転資金等)に対し、自己資金を所要資金の50%以上かつ事業開始当初資金以上、申請期間中常に確保し残高証明で示す。任意保険は対人8,000万円以上・対物200万円以上。⑤試験と審査:法令試験合格後に審査が始まり、標準処理期間は2か月。実務では3〜5か月を見込みます。介護保険の通院等乗降介助を算定するには訪問介護等の指定が別に必要で、それは当事務所の取扱い対象外です。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 介護タクシーの開業を考えていて、許可の要件を確認したい方
  • 介護の資格はあるが、運送業の許可について何も知らない方
  • 法令試験と自己資金の要件で申請が止まらないか不安な方

介護タクシーの許可は「運送業の許可」——要件は人・車・場所・お金・試験

介護タクシーは、道路運送法にもとづく一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)の許可を運輸局(運輸支局)から受けて行う事業です。介護の資格や介護保険の指定とは別の、運送業としての許可で、行政書士が申請書類の作成・提出を担えます。この記事では、運輸局の公示基準と申請書作成の手引きにもとづき、要件を5つに分けて整理します。

①人——運転者と役員

項目要件の骨子
運転者普通二種免許が必要(旅客を有償で運ぶため)。介護福祉士・初任者研修等の資格は、セダン型車両で乗降介助を行う場合などに求められる枠組み
役員(法人)・申請者(個人)申請が受理された後に法令試験を受験し合格する必要がある。年6回(奇数月)の実施で、2回以内に合格できないと申請取下げになる運用
運行管理者事業用自動車の数に応じて必要(少数台では運行管理責任者の選任で足りる場合がある)
整備管理者原則として常勤の有資格者の選任計画。台数によっては不要
欠格事由役員が道路運送法等の違反で処分を受けていないこと等

②車——福祉車両か、セダン型か

車いすやストレッチャーに対応した福祉車両(リフト・スロープ付き)が基本形です。セダン型で参入する場合は、運転者に介護福祉士等のケア資格が求められる枠組みになります。車両は自己所有でもリースでも可ですが、使用権原を示す書類(車検証・リース契約書等)が必要です。乗用車のまま申請し、改造費を車両取得費に含めて資金計画を作ることもできます。

③場所——営業所と車庫

項目要件の骨子
営業所使用権原があること(自己所有・賃貸いずれも可)。都市計画法・建築基準法・農地法等に違反していないこと。自宅の一室でも要件を満たせば可
車庫営業所に併設が原則。併設できない場合は営業所から一定距離内(運輸局の公示基準による)。車両を収容できる面積、前面道路の幅員が車両の通行に支障ないこと
休憩・仮眠施設運転者が休憩できる施設(営業所と一体で可)

④お金——所要資金と自己資金

申請では、事業開始に要する所要資金(車両費・営業所や車庫の費用・保険料・運転資金など)を見積もり、それに対する自己資金を示します。手引きでは、自己資金は所要資金の50%以上、かつ事業開始当初に要する資金以上を、申請期間中常に満たしている必要があるとされています。現金預金は金融機関の残高証明書で示します。

任意保険は対人8,000万円以上・対物200万円以上の加入見積書が必要で、事業用かつ患者(福祉)輸送を行う旨を保険代理店に伝えて見積もりを取ります。

⑤試験と審査——標準処理期間は2か月

申請が受理されると、役員(個人事業なら本人)が法令試験を受験します。合格後に審査が始まり、標準処理期間は2か月と定められています(書類に不備がない場合)。つまり、申請から許可までは法令試験の合格までの期間+審査2か月で、実務では3〜5か月を見込むのが安全です。

介護保険の「通院等乗降介助」との関係

介護タクシーの許可だけでは、介護保険の通院等乗降介助は算定できません。それには訪問介護等の指定が別に必要で、介護保険法に基づく指定申請は当事務所の取扱い対象外です。運送業の許可(道路運送法)と介護保険の指定は別の制度であることを、最初に整理しておいてください。

要確認:要件の細目(車庫の距離、運行管理者・整備管理者の要否、法令試験の実施回数、自己資金の算定方法、審査期間)は各地方運輸局の公示基準と手引きで定められ、地域により運用が異なります。本記事は2026年9月3日時点で中部運輸局・関東運輸局の手引きにもとづく一般的な整理で、千葉県内で開業する場合は関東運輸局千葉運輸支局の最新の公示・手引きで確認してください。タクシー事業は地域によって新規許可が難しい場合があります。

当事務所の関わり方

介護タクシー(福祉輸送事業限定)の許可申請書の作成・提出、資金計画の整理、法令試験の準備の段取りをお受けしています。料金は税込250,000円(許可申請サポート一式・登録免許税と実費別)。開業費用の目安は試算モデル、全体像は介護タクシーを始めるにはをご覧ください。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内の申請先

千葉県内で開業する場合の申請先は、関東運輸局千葉運輸支局です。営業区域・車庫の距離・法令試験の日程は関東運輸局の公示と案内によります。松戸・柏・船橋など東葛エリアは病院・施設が多く需要は厚い一方、参入も多いため、開業前に病院・施設・ケアマネ事業所への挨拶回りで紹介の見込みを確かめてください。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

介護タクシーの相談で、要件を聞いて驚かれるのは法令試験です。「介護の仕事をしてきたのに、運送法の試験?」と。でも、お金をもらって人を運ぶ以上、運送業です。そこを最初に受け入れられる方は、許可も運営もうまくいきます。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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