— 30秒でわかる結論 —

Q. 就労定着支援を開設するには、どんな要件がありますか?

就労定着支援は、就労移行支援・就労継続支援A型・B型・生活介護・自立訓練のいずれかを行っている事業者が指定を受けられるサービスで、単独の新規事業者は対象になりません。対象者は一般就労後6か月を経過した方で、利用は最長3年。人員は就労定着支援員(利用者40人に1人以上が基本)とサービス管理責任者(60人に1人)、管理者。設備は事務室・相談スペースで既存事業所と共用できる場合があります。指定権者は都道府県(政令市・中核市はその市)で既存事業と同じ提出先です。報酬は職場定着率に応じて区分されるため、送り出した人数ではなく続いている人数が収入を決めます。開設の判断は、自法人の卒業生が毎年何人一般就労しているか、就労先企業との関係があるか、就労定着支援員を確保できるかの3点です。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 就労移行支援や就労継続支援を運営していて、就労定着支援の追加を検討している法人の方
  • 就労定着支援を単独で始められるか知りたい方
  • 定着率が報酬にどう関わるか理解したい方

ご相談いただくと、こう進みます

  1. 最初の30分の無料相談で、今の事業の指定の内容と卒業生の就職の状況を一緒に見て、就労定着支援を追加できるかを確かめます。
  2. ご依頼後は、人員・設備の確認と申請書類の作成を進め、既存事業の変更届や体制届とあわせて指定権者への提出まで進めます。
  3. その後は、職員の入れ替わりや報酬改定のときに、同じ人員と届出の表で見直します。

就労定着支援は「就労移行の出口」に置く事業

就労定着支援は、就労移行支援や就労継続支援などを利用して一般就労した方が、職場に定着できるよう、企業・家族・医療機関等との連絡調整や本人への相談支援を行うサービスです。対象は一般就労後6か月を経過した方で、利用は最長3年。つまり、単独では成り立ちにくく、就労移行支援や就労継続支援A型・B型を運営している法人が、その「出口」として置くのが典型です。

指定を受けるための要件(骨子)

項目要件の骨子
指定を受けられる事業者就労移行支援、就労継続支援A型・B型、生活介護、自立訓練のいずれかを行っている事業者であることが求められる(単独の新規事業者は対象外)
人員就労定着支援員(利用者40人に1人以上が基本)とサービス管理責任者(60人に1人)。管理者は常勤(兼務可)
設備事業に必要な事務室・相談スペース。既存事業所と共用できる場合がある
指定権者都道府県(政令市・中核市はその市)。既存事業と同じ提出先
報酬の性格利用者ごとの月額報酬に、職場定着率に応じた区分がある。定着率が報酬に直結する

収支は「定着率」で決まる

就労定着支援の報酬は、事業所の職場定着率で区分が分かれます。定着率が高いほど単価が上がる設計なので、「何人送り出したか」ではなく「何人が続いているか」が事業の成績です。就労移行支援の支援の質が、そのまま就労定着支援の収入になる、という構造を先に理解してください。

開設の判断——3つの問い

  • 送り出した卒業生が、毎年何人いるか——利用者は自法人の就労移行等の卒業生が中心になります。年間の一般就労者数が少ないと、利用者が集まりません。
  • 企業との関係を持っているか——定着支援は企業訪問と連絡調整が仕事です。就労先企業との関係が薄いと、支援が形になりません。
  • 就労定着支援員を確保できるか——資格要件は厳しくありませんが、企業と本人の間に立てる人が必要です。

「就労移行のうち何人が一般就労し、そのうち何人が半年以上続いているか」——この数字を出せる法人は、就労定着支援を開く準備ができています。就労系全体の整理は就労支援の開業ガイドを。

要確認:人員・設備・運営の基準と報酬・加算の要件は、障害者総合支援法・児童福祉法にもとづく基準省令、報酬告示、各指定権者(都道府県・政令市・中核市)の条例・手引きで定められ、報酬改定や制度改正で変わります。本記事は2026年9月4日時点の一般的な整理で、研修要件の名称・実務経験の年数・標準利用期間などの細目は、開業予定地の指定権者の最新の「指定申請の手引き」で必ず確認してください。

当事務所の関わり方

就労定着支援の指定申請(1事業所あたり税込165,000円)を、既存の就労移行・就労継続の変更届や体制届とまとめてお受けします。既存事業と同じ指定権者なので、提出を一本化できます。全類型の一覧は障害福祉サービス・障害児支援の全類型一覧。

たとえば、こんな場面で迷っていませんか

就労移行支援を運営している法人の代表者の方。一般就労した卒業生から「職場の人間関係で悩んでいる」と連絡が来ることが増え、就職の後も支える仕組みを作りたいと考えています。

就労定着支援という事業があると知りましたが、今の事業所に追加する形で始められるのか、別の事業所を新しく作らなければならないのかが分かりません。

就労定着支援員を誰にするか、事務室や相談スペースを今の事業所と共用できるか、申請先は今の事業と同じなのかも、はっきりしないままです。

卒業生の就職先の企業とどこまで関係を作れているかも、まだ整理できていません。このまま準備を進めると、利用者が集まらない、支援が形にならないということになりかねません。

この場面なら、まず今の法人が指定を受けられる事業者に当たるかを確かめ、次に人員・設備・卒業生の状況を見ます。本文では、その順に説明しました。

当事務所にご相談いただいた場合の進め方

  1. 1. ご相談の前に手元に用意していただくもの
    今の事業所の指定通知書、運営規程、職員の名簿と勤務表、事業所の平面図、卒業生の一般就労の状況が分かる記録(就職先・就職した時期など)をお手元にご用意ください。
  2. 2. 初回30分の無料相談で一緒に確認すること
    今の法人が就労移行支援・就労継続支援・生活介護・自立訓練のいずれかを行っているか、就労定着支援員・サービス管理責任者・管理者を誰が担うか、事務室・相談スペースを共用できそうかを一緒に確かめます。申請先が今の事業と同じ指定権者かどうかも、その場でお伝えします。
  3. 3. ご依頼後の進め方当事務所がやること:指定権者の手引きに照らして人員・設備を確認し、指定申請書類を作成します。既存事業の変更届や体制届が必要なときは、あわせて作成し、提出を一本化します。指定権者の事前相談への同席もお受けしています。お客様にお願いすること:就労定着支援員・サービス管理責任者の確保、就職先の企業との関係づくり、卒業生やご家族への説明は、お客様の法人で行っていただきます。
  4. 4. その後
    指定後は、職員の交代や報酬改定のときに変更届・加算届が要るかを一緒に確かめます。新しく開業した事業所は、福祉顧問 スタートプラン(開業1年目)でもご相談いただけます。

料金は料金表と料金シミュレーションでご確認いただけます。

参考にした一次資料

  • 障害者総合支援法にもとづく指定障害福祉サービスの基準省令(就労定着支援)
  • 障害福祉サービス等報酬告示(就労定着支援サービス費・定着率区分)
  • 当事務所「障害福祉・障害児支援の指定申請 完全実務ガイド」(2026年8月版)

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内の申請先

既存の就労移行支援等と同じ指定権者(千葉市・船橋市・柏市はその市、松戸・流山・市川などは千葉県)に申請します。既存事業の変更届と同時に進めると、提出を一本化できます。

※2026年9月4日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

就労定着支援は、就労移行の「通信簿」のような事業です。定着率が報酬になる。厳しい設計ですが、支援の質が正直に数字に出るのは、真面目にやってきた法人にとっては追い風だと思っています。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/2級FP技能士(AFP)/国家資格キャリアコンサルタント。
障害福祉・障害児支援とNPO法人を専門にしています。放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援A型・B型・グループホーム(共同生活援助)などの指定申請、処遇改善加算・変更届・指定更新・運営指導(実地指導)への対応を支援します。NPO法人は、設立認証から事業報告書・役員変更などの運営まで支援します。
企業人事15年の経験を土台に、児発管・サビ管の採用・定着、融資・補助金や資金繰りまで、「書類・人・お金」を一体で支えます。

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