— 30秒でわかる結論 —
Q. 共生型サービスとは何ですか?普通の指定と何が違いますか?
介護保険と障害福祉の「相互乗り入れ」を可能にする特例です。通常、両方の事業を行うには双方の基準を満たして両方の指定を受ける必要がありますが、共生型はどちらか一方の指定を持つ事業所が、基準の特例によりもう一方の指定を受けやすくしたもの。対象はホームヘルプ系・デイサービス系・ショートステイ系です。最大の意義は、障害のある方が65歳になって介護保険優先になっても、慣れた事業所に通い続けられること——「65歳の壁」への制度側の答えです。
「65歳になったら、長年通ったこの事業所を出て、介護保険のデイに移ってください」——制度の切れ目が、人の暮らしを切ってきました。共生型サービスは、その反省から生まれた仕組みです。制度の骨格と、事業者にとっての意味を解説します。
背景——「65歳の壁」という長年の課題
障害福祉サービスを使ってきた方が65歳になると、原則として介護保険が優先されます。すると、障害福祉の指定しかない事業所には通えなくなり、環境の変化が本人に大きな負担を強いる——これが「65歳の壁」です。共生型は、事業所の側が両制度に対応することで、利用者が動かずに済むようにする発想の転換。高齢化が進む障害福祉の現場で、意義は年々大きくなっています。
仕組み——「持っている指定」を足がかりに
通常、介護保険と障害福祉の両方をやるには、それぞれの人員・設備基準をフルに満たす必要があります。共生型の特例は、一方の指定を受けている事業所なら、もう一方の指定を基準の特例のもとで受けられるというもの。たとえば障害福祉の生活介護をやっている事業所が、共生型通所介護の指定を受けて高齢者も受け入れる。訪問介護と居宅介護、ショートステイ系も同様の枠組みがあります。ただし本体の基準を満たした指定に比べ、報酬上の区分が異なる(低くなる)設計があるため、「取れるか」だけでなく「いくらになるか」まで確認して判断するのが実務です。
事業者にとっての意味——利用者層と給付源の分散
経営面のメリットは、①利用者層の拡大(地域の高齢者・障害者の両方が対象に)、②給付源の分散(介護報酬と障害福祉の給付の二本立てで、制度改定リスクを分散)、③稼働率の底上げ(空き枠を他制度の利用者で埋める)、④職員にとっても支援の幅が広がる。一方で、両制度の記録・請求・運営基準の使い分けという事務負担は増えます。小規模多機能な地域密着経営を目指す事業所には、有力な選択肢です。
検討の進め方——「誰のために取るか」から
共生型は制度ありきで取るものではありません。出発点は、①いま通っている利用者に65歳が近い方がいるか、②地域に受け皿のないニーズ(高齢障害者・介護保険の谷間)があるか。そこにYESがあるなら、③特例でどの指定が取れるか、④報酬区分と収支への影響、⑤人員・記録体制の設計——と進めます。指定権者への事前相談から申請、開業後の請求体制まで、両制度に対応する当所が一気通貫で支援します。
📍 千葉県ローカルメモ|共生型の指定申請はどこへ?
共生型は「介護保険側」と「障害福祉側」それぞれの指定権者への手続きになります。千葉県内の障害福祉は千葉市・船橋市・柏市が各市、それ以外は千葉県。介護保険側は、通所介護(19名以上)は県・市、地域密着型は市町村と分かれます。両制度をまたぐ相談は窓口も2つ——交通整理ごと当所にお任せください。
※2026年7月22日時点の一般的な区分です。個別の管轄・手続きは各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
共生型のご相談で印象的だったのは、ある管理者の「65歳の誕生日が、お別れの日になるのが辛かった」という言葉です。制度の壁を越える手続きは、その人の日常を守る手続き。事務的にはやや複雑ですが、意味のはっきりした仕事です。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
障害福祉・障害児支援の指定申請を専門とする行政書士。放課後等デイサービス・児童発達支援・グループホーム(共同生活援助)・就労継続支援A型/B型・就労移行支援・生活介護・居宅介護・重度訪問介護など障害福祉・障害児の全類型に対応し、千葉県指定と千葉市/船橋市/柏市の市指定どちらの窓口も日常的に扱っています(オンラインで全国対応)。開業後の変更届・体制届・処遇改善加算の届出、運営指導への備えまで伴走します。
前職では従業員約800名規模の3社合併にともなう人事制度統合を主導し、正社員・パート等あわせて約800名の給与計算と社会保険実務を運用。処遇改善加算のキャリアパス要件は、突き詰めれば賃金表と等級制度の設計そのもの——加算の届出だけでなく、その先の賃金設計まで踏み込めることが強みです。国家資格キャリアコンサルタントとして、サビ管・児発管など資格者の採用と定着も支援しています。
保有資格:行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/財務コンサルタント(ASJ)/2級FP技能士(AFP)/人事総務検定2級ほか計11種。制度改正のたびに一次資料を確認しながら、note・LinkedIn・Instagram・Threadsで介護・障害福祉の実務情報をほぼ毎日発信しています。
まとめ
共生型は介護保険×障害福祉の相互乗り入れ特例。65歳の壁を越えて利用者の暮らしを守りつつ、事業者には利用者層と給付源の分散をもたらします。報酬区分の確認から指定申請・請求体制まで伴走します。初回相談60分無料。松戸・柏・流山・船橋・市川をはじめ首都圏の介護・障害福祉事業を支援しています(オンラインで全国対応も可)。
※対象サービス・報酬区分の詳細は報酬改定で見直されます(2026年7月22日時点の骨子)。個別の判断は指定権者の最新の手引きでご確認ください。