— 30秒でわかる結論 —

Q. 障害福祉・障害児支援の開業は、何から始めればいいですか?

順番が9割です。①事業計画と資金の見通し(創業融資は開業前から申込可)→②法人設立(定款の目的に事業の記載を)→③物件(人員・設備基準を確認してから契約)→④資格者の確保→⑤指定申請(原則毎月1日指定・概ね2〜3か月前から準備)。物件契約を先走らない——これだけで失敗の大半は防げます。

「障害のある方の就労支援をやりたい」「放課後等デイサービスを開きたい」「訪問介護で独立したい」——障害福祉・障害児支援の開業相談で最初にお伝えするのは、この分野の開業は"順番"がすべてだということです。手続きが多いだけでなく、法人・お金・物件・人・行政協議が互いに絡み合っていて、順番を間違えると数か月単位のロスや、最悪「開業できない物件を契約してしまった」という事故が起きます。この記事では、開業準備の全体像を五段階に整理します。

この記事の対象——介護・障害福祉の全サービス類型に共通です

放課後等デイサービス児童発達支援グループホーム(共同生活援助)就労継続支援A型・就労継続支援B型・就労移行支援・就労定着支援/生活介護/同行援護/行動援護/短期入所/自立訓練/保育所等訪問支援/相談支援(その他類型の依頼ガイド)——いずれにも対応しています(指定申請サポート トップ)。

第1段階:法人設立——定款の「目的」が最初の関門

介護・障害福祉サービスの指定は、原則として法人でなければ受けられません。株式会社・合同会社・NPO法人・社会福祉法人など形態は選べますが、見落とされがちなのが定款の目的規定です。定款の「目的」に「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業」といった記載がないと、指定申請が受け付けられません。すでに法人がある場合も、目的の変更(追加)が必要になるケースが多くあります。設立の段階から、指定申請を見据えて定款を設計するのが正解です(設立登記そのものは提携司法書士と連携して進めます)。

第2段階:資金調達——「指定までの数か月」が盲点

障害福祉・障害児支援の開業資金で特徴的なのは、指定を受けるまでの期間、売上がゼロだという点です。物件を契約し、人員を雇用し、備品を揃えてから、指定審査を経て事業開始——この間の家賃と人件費は持ち出しになります。さらに開業後も、介護給付費・訓練等給付費の入金はサービス提供の約2か月後。つまり開業から3〜4か月分の運転資金を、売上入金なしで回す前提の資金計画が必要です。

日本政策金融公庫の創業融資や自治体の制度融資を使う場合は、この「指定前+入金までの空白期間」を織り込んだ事業計画書を作ります。福祉事業は社会性の高さから金融機関の理解を得やすい分野ですが、計画の数字(利用者数の立ち上がり想定・加算の見込み)に根拠があるかが問われます。

第3段階:物件——契約前に「基準」の確認を

物件は、広さや家賃だけで決めてはいけません。用途地域(そのエリアで福祉サービスが開設できるか)、消防法の基準(避難経路・消防設備)、そしてサービス種別ごとの設備基準(訓練室の面積、相談室、トイレなど)——この3つをクリアできる物件かを、契約前に確認します。「契約してから基準を満たせないと判明した」は、この業界でもっとも高くつく失敗です。

第4段階:人員確保——実は最難関。物件より先に動く

五段階の中で、実務上いちばん時間がかかるのが人の確保です。特にサービス管理責任者(サビ管)・児童発達支援管理責任者(児発管)は、実務経験と研修修了が要件の希少人材で、募集してもすぐには見つかりません。物件を押さえてから探し始めると、家賃だけが出ていく空白期間が生まれます。「人の目処が立ってから物件を確定する」——この順番を強くおすすめしています。

当事務所は国家資格キャリアコンサルタント・人事の現場15年の経験を持つ行政書士として、求人票の作り方や採用面接の設計、開業後の定着まで、この「人」の段階も支援できます。手続きの専門家に採用の相談ができるのは、当事務所の特徴です。

第5段階:指定申請——自治体との事前協議とスケジュール

ここまで揃って、ようやく指定申請です。多くの自治体では申請前に事前協議があり、図面や人員体制の確認を経て、本申請→審査→指定となります。指定日は毎月1日付など自治体のスケジュールで決まっているため、「◯月1日開業」から逆算して、申請期限・事前協議の時期・工事完了の時期を工程表に落とし込みます。開業後も、変更届・処遇改善加算の届出・実地指導(運営指導)への備えと手続きは続きます。

💬 目加多のひとこと

開業準備で消耗する最大の原因は、手続きそのものではなく「窓口の分断」だと感じています。法人は司法書士、融資は銀行か商工会、採用は求人媒体、指定申請は行政書士——それぞれに一から事情を説明し、間の調整は自分でやる。この往復だけで数週間が溶けます。当事務所は、法人設立の準備から融資・採用・指定申請・開業後の運営まで、ひとつの窓口で工程表ごと管理します。餅は餅屋の部分(登記・労務)は提携専門家につなぎますが、全体の段取りに責任を持つ窓口はひとつ。それが開業までの最短ルートだと考えています。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

障害福祉・障害児支援の指定申請を専門とする行政書士。放課後等デイサービス・児童発達支援・グループホーム(共同生活援助)・就労継続支援A型/B型・就労移行支援・生活介護・居宅介護・重度訪問介護など障害福祉・障害児の全類型に対応し、千葉県指定と千葉市/船橋市/柏市の市指定どちらの窓口も日常的に扱っています(オンラインで全国対応)。開業後の変更届・体制届・処遇改善加算の届出、運営指導への備えまで伴走します。

前職では従業員約800名規模の3社合併にともなう人事制度統合を主導し、正社員・パート等あわせて約800名の給与計算と社会保険実務を運用。処遇改善加算のキャリアパス要件は、突き詰めれば賃金表と等級制度の設計そのもの——加算の届出だけでなく、その先の賃金設計まで踏み込めることが強みです。国家資格キャリアコンサルタントとして、サビ管・児発管など資格者の採用と定着も支援しています。

保有資格:行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/財務コンサルタント(ASJ)/2級FP技能士(AFP)/人事総務検定2級ほか計11種。制度改正のたびに一次資料を確認しながら、note・LinkedIn・Instagram・Threadsで介護・障害福祉の実務情報をほぼ毎日発信しています。

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まとめ——五段階を、一枚の工程表に

法人設立、資金調達、物件、人員、指定申請。障害福祉・障害児支援の開業は、この五段階を正しい順番で、互いのタイミングを合わせながら進める総合戦です。「何から手を付ければいいか」の段階からで大丈夫です。初回相談60分無料で、貴社の状況に合わせた工程表づくりからお手伝いします。松戸・柏・流山・船橋・市川・三郷・千葉市・東京23区・埼玉東部・茨城県南部を含む首都圏で開業をお考えの方を支援しています(オンラインで全国対応も可)。

※指定の基準・手続き・スケジュールはサービス種別・自治体により異なります。融資の実行や指定の取得を保証するものではありません。設立登記は司法書士、労務・社会保険の手続きは社会保険労務士の業務のため、提携専門家と連携して対応します。