JINZAI GUIDE

人材の悩み、どこから手を付ける?
——採用・定着・評価・面談の選び方ガイド

人材の打ち手は世の中に溢れています。採用媒体、評価制度、1on1、研修——全部はできません。大事なのは自社の「症状」に合った一手から始めること。人事の現場15年で見てきた優先順位の付け方を、症状別の逆引きで整理しました。

30秒でわかる:症状から逆引きする

応募が来ない→求人票の書き方とRJP(現実も伝える採用)から。②入っても数か月で辞める→採用を増やす前に、受け入れ(オンボーディング)と初期の面談から。③3〜5年目の中堅が辞める→評価とキャリアの見通しの問題。評価制度とキャリア面談から。④不満が退職時に初めて分かる→日常の1on1と、守秘義務のある外部面談(セルフ・キャリアドック)から。

原則はひとつ——穴の空いたバケツに水を注がない。辞める原因を放置したまま採用を強化しても、コストが流れ出るだけ。迷ったら「定着が先、採用は後」です。

症状別の逆引き早見表

症状最初の一手次の一手
応募が来ない・欲しい人が来ない求人票の見直し(仕事の解像度を上げる)RJP=大変さも事前に伝える採用へ
早期離職が多い(〜1年)最初の90日の受け入れ設計採用面接での相互確認(ミスマッチ予防)
中堅・エースが辞める(3年目〜)評価のフィードバック面談の質を上げる評価制度の整備+キャリア面談で見通しを作る
不満・退職が突然表面化する定期1on1を仕組みにする守秘義務のある外部キャリア面談(セルフ・キャリアドック)
評価への不満・「なぜあの人が」評価基準の言語化と評価者のすり合わせ処遇(賃金・等級)との接続を設計
何から手を付けるべきか分からない離職の理由とタイミングの棚卸し(データで見る)症状を特定してから施策を選ぶ

※症状は複合するのが普通です。その場合も「いま一番人が流出している穴」から塞ぐのが投資効率の原則です。

優先順位の考え方——なぜ「定着が先」なのか

理由① 離職コストは採用コストより大きい

一人辞めると、採用費・教育にかけた時間・現場の穴埋め残業・引き継ぎロスが一気に発生します。離職コストを試算すると、多くの会社で「定着施策の費用対効果は採用強化を上回る」ことが数字で見えます。まず流出を止める——投資判断として、それが合理的です。

理由② 定着している職場は、採用でも強い

求職者は口コミと面接の空気で「辞めない会社か」を敏感に見抜きます。定着の実績はそのまま採用力になり、逆に高離職の評判は求人広告費をいくら積んでも覆せません。RJP(現実も伝える採用)が機能するのも、見せられる職場が土台にあってこそです。

理由③ 「言える場」がないと、症状は退職届で初めて分かる

不満は小さいうちに聞ければ対処できます。そのために社内の定期1on1と、上司には言いにくいテーマのための守秘義務のある外部面談の二段構えを。国家資格キャリアコンサルタントには法律上の守秘義務があり、会社に渡るのは本人同意の内容と匿名の傾向のみ——だから本音が出ます。セルフ・キャリアドックとして制度化すれば、退職前の早期警報システムになります。

評価制度は「何人から」つくるか

評価制度の整備はおおむね10人前後が着手の目安。それ以下の規模なら、精緻な制度より「社長が理由を言葉にして処遇を決め、本人に説明する」運用で足ります。制度をつくる場合も、紙より先にフィードバック面談の質——評価は「決める仕組み」ではなく「育てる対話」だと捉えると、失敗しません。

当事務所の関わり方——手続きの事務所が、人材まで見る理由

私は企業人事の現場に15年いた行政書士で、国家資格キャリアコンサルタントとして個人のキャリア相談も約70件お受けしてきました。許認可や融資のご支援先で最後に必ずぶつかる壁が「人」だったから、この領域を三本柱の一つにしています。求人票の改善からキャリア面談の実施、評価の仕組みづくりまで——人材活躍サポートとしてお手伝いします(就業規則の作成や雇用関係助成金は社労士の領域のため、提携社労士と連携します)。

よくあるご質問

何から相談すればいいか、自分でも分かっていません。

それが一番多いご相談です。最初にやるのは施策選びではなく、直近1〜2年の退職者の「辞めた理由と辞めたタイミング」の棚卸し。ここで症状を特定してから打ち手を選びます。無料相談ではこの棚卸しのやり方からご案内しています。

小さな会社でも1on1やキャリア面談は必要ですか?

人数が少ないほど一人の離職の打撃が大きいため、むしろ効果的です。形式ばった制度でなくても、月1回15分の定期的な対話から始められます。上司に言いにくいテーマは外部のキャリアコンサルタント面談を併用する二段構えがおすすめです。

キャリア面談で退職を後押しされたりしませんか?

キャリアコンサルタントは本人の意思決定を支援する立場で、退職をそそのかすことも引き留めることもしません。実際には、モヤモヤを言語化できた結果「いまの会社で頑張る理由」が明確になり定着に向かうケースが多くあります。面談内容には法律上の守秘義務があり、会社へは本人同意の内容と匿名の傾向のみが共有されます。

助成金を使って人材施策をやりたいのですが。

雇用関係助成金(キャリアアップ助成金・人材開発支援助成金など)の申請代行は社会保険労務士の独占業務のため、当事務所では提携社労士をご紹介し、施策の設計・運用面を当事務所が担当する連携体制でお手伝いします。制度の要件・金額は改定が多いため、最新情報の確認から始めましょう。

「人が定着する会社」を、
症状の特定から一緒につくります。

退職の棚卸し→症状の特定→打ち手の優先順位づけ→実行(求人票・面談・評価)まで伴走します。人事15年×国家資格キャリアコンサルタントの実務目線で、紙だけの制度は作りません。

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