— 30秒でわかる結論 —

Q. ケアマネとして独立したいです。何が必要ですか?

要件の骨子は、①法人であること、②管理者は主任介護支援専門員(研修修了が必要。既存事業所向けの経過措置は新規開業には適用されないため、独立開業では原則必須と考えてください。主任ケアマネの確保が著しく困難などやむを得ない事情を保険者が認めた場合の例外はあります)、③常勤の介護支援専門員1人以上、④事業に必要な区画・設備——つまり主任ケアマネの資格があれば、ひとりでも開業できるサービスです。ただし経営面の現実として、ケアマネ1人が担当できる件数には標準があり、ひとり開業の売上には構造的な天井があります。件数×単価の収支設計と、その先の広げ方(増員・加算・併設)まで描いてから独立するのが安全です。

「自分の理想のケアマネジメントがしたい」——居宅介護支援の独立相談は、志の高い方ばかりです。だからこそ、制度の要件と経営の現実の両方を、開業前にお伝えするようにしています。

要件の骨子——主任ケアマネという入口

居宅介護支援事業所の管理者は、主任介護支援専門員であることとされています(主任研修の修了が必要)。ここで誤解が多いのが経過措置——2021年3月末時点で主任ケアマネでない方が管理者を続けている既存事業所に限った猶予(2027年3月末まで)であり、これから新設する事業所は対象外です。つまり独立開業では主任ケアマネが原則必須。ただし、主任ケアマネの確保が著しく困難であるなどやむを得ない理由を保険者(市町村)が認めた場合に、介護支援専門員を管理者とできる例外の取り扱いがあります(確保計画の届出等が求められるのが一般的)。人員は常勤の介護支援専門員1人以上、設備は事業に必要な区画があれば、自宅の独立した一室でも認められ得る——初期投資が最も軽い介護系の開業と言えます。だからこそ、勝負は要件ではなく設計です。

ひとり開業の収支——天井を知ってから跳ぶ

ケアマネ1人あたりの担当件数には標準(居宅介護支援費の逓減制の仕組み)があり、件数×報酬単価で売上の上限がほぼ決まります。ここから事務所経費・システム利用料・移動コストを引いた残りが収入——「雇われ時代より自由だが、劇的に儲かるわけではない」が正直な相場観です。それでも独立する価値は、①ケアプランの質を自分で決められる、②定年のない働き方、③次の展開の土台になること。収支シミュレーションを作ってから決断——ここは財務コンサルタントとしてお手伝いできる領域です。

広げ方の設計——加算・増員・併設

売上の天井を上げる道は3つ。①特定事業所加算——主任ケアマネ・常勤ケアマネの複数配置、24時間連絡体制、研修・会議などの体制要件を満たすと報酬が上乗せされ、質の高い事業所ほど報われる設計になっています。②増員——2人目・3人目のケアマネを迎え、管理とプレイの比率を変えていく。③併設——訪問介護や通所介護を併設し、法人としての収益源を複線化する(公正中立なケアマネジメントの確保に留意しつつ、地域の受け皿を自前で持つ形)。独立時に「3年後どの形か」を決めておくと、事務所選び・法人設計から変わってきます。

開業の実務——利用者はどこから来るか

立ち上げ期の紹介元は、地域包括支援センター・病院の退院支援室・既存の人脈が中心です。開業前の挨拶回りと「空きあります」の定期発信、そして困難事例を断らない姿勢が、地域での信頼の最短ルート。関係機関に配る事業所案内・パンフレットの作成もお手伝いしています。指定申請そのものは書類量の多い手続きですが、要件が明確なぶん、段取りさえ組めば着実に進みます——理想のケアマネジメントの器づくり、一緒にやりましょう

📍 千葉県ローカルメモ|居宅介護支援の指定申請はどこへ?

居宅介護支援の指定権者も他の介護サービスと同じ枠組みで、千葉市・船橋市・柏市に事業所を置くなら各市、松戸市・流山市・市川市などそれ以外の県内市町村なら千葉県です。自宅開業の可否(区画の独立性)や管理者要件の経過的な取り扱いなど、開業時点の運用は窓口確認が確実——事前相談から当所が代行・同行します。

※2026年7月22日時点の一般的な区分です。個別の管轄・手続きは各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

ケアマネさんの独立支援は、私にとって特別な仕事です。制度の要であるケアマネジメントが、疲弊ではなく誇りで続けられる事業になるように——収支表と加算の体制表を一緒に作りながら、「理想」を「経営」に翻訳するお手伝いをしています。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

障害福祉・障害児支援の指定申請を専門とする行政書士。放課後等デイサービス・児童発達支援・グループホーム(共同生活援助)・就労継続支援A型/B型・就労移行支援・生活介護・居宅介護・重度訪問介護など障害福祉・障害児の全類型に対応し、千葉県指定と千葉市/船橋市/柏市の市指定どちらの窓口も日常的に扱っています(オンラインで全国対応)。開業後の変更届・体制届・処遇改善加算の届出、運営指導への備えまで伴走します。

前職では従業員約800名規模の3社合併にともなう人事制度統合を主導し、正社員・パート等あわせて約800名の給与計算と社会保険実務を運用。処遇改善加算のキャリアパス要件は、突き詰めれば賃金表と等級制度の設計そのもの——加算の届出だけでなく、その先の賃金設計まで踏み込めることが強みです。国家資格キャリアコンサルタントとして、サビ管・児発管など資格者の採用と定着も支援しています。

保有資格:行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/財務コンサルタント(ASJ)/2級FP技能士(AFP)/人事総務検定2級ほか計11種。制度改正のたびに一次資料を確認しながら、note・LinkedIn・Instagram・Threadsで介護・障害福祉の実務情報をほぼ毎日発信しています。

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まとめ

居宅介護支援は主任ケアマネ資格があればひとりでも開業できる、初期投資最軽量の介護系事業。ただし売上の天井を知り、加算・増員・併設の広げ方まで設計してから独立を。指定申請から収支設計まで伴走します。初回相談60分無料。松戸・柏・流山・船橋・市川をはじめ首都圏の介護事業を支援しています(オンラインで全国対応も可)。

※管理者要件・担当件数・報酬の詳細は改定・経過措置により変わります(2026年7月22日時点の骨子)。開業判断の前に指定権者の最新の手引きで確認します。