— 30秒でわかる結論 —
Q. 就労移行支援はどんな事業ですか?就労継続支援と何が違いますか?
就労移行支援は「一般就労への移行」を目的とし、標準利用期間が原則2年の事業です。働く場を提供し続ける就労継続支援A型・B型と違い、利用者を企業へ送り出すことが成功——つまり成果を出すほど利用者が減る特異な構造を持ちます。それでも成り立つのは、就職実績と定着状況が報酬に反映される仕組みがあるためで、逆に実績が低調だと収入面は厳しくなります。したがって生命線は3つ——①企業開拓(就職先がなければ実績は出ない)②訓練プログラムの質 ③新規利用者の獲得(送り出した分の補充)。人員は管理者・サビ管・職業指導員・生活支援員に加え就労支援員を配置するのが特徴です。就労定着支援とセットで設計すると、卒業生との関係が続き事業が循環します。
就労移行支援は、障害福祉サービスの中でもかなり特異な事業です。利用者を送り出すことが成功であり、成功するほど利用者が減る——この構造を理解しないまま参入すると、2年目以降に苦しくなります(2026年7月時点の一般的整理。報酬・基準の詳細は最新の告示等でご確認ください)。
就労継続支援との違い
| 観点 | 就労移行支援 | 就労継続支援A型・B型 |
|---|---|---|
| 目的 | 一般就労への移行 | 働く場の提供(A型は雇用契約あり) |
| 利用期間 | 標準2年(期限のある支援) | 期限の定めなく利用が続く形 |
| 収益の源泉 | 給付費(就職実績・定着状況が反映される) | 給付費+生産活動(二階建て構造) |
| 事業の性格 | 送り出すほど補充が必要 | 継続利用で稼働が安定しやすい |
生命線は「企業開拓」
就職実績が出なければ、利用者の人生にとっても事業の収支にとっても厳しい——だから企業開拓は移行支援の中核業務です。B型の「仕事を受注する」営業とは目的が違い、「人を受け入れてもらう」営業になります。実務では、①地域のハローワーク・障害者就業生活支援センターとの連携②企業への職場実習の依頼③受け入れ後のフォロー体制の提示——この3点セットで信頼を作ります。開業前から企業とのつながりを作り始めることが、初年度の実績を左右します。
3つの循環を回す
①訓練プログラムの質——「何ができるようになって卒業するのか」を言語化できるか。PC操作・ビジネスマナー・作業訓練など、対象とする就職先から逆算して設計します。②新規利用者の獲得——送り出した分を補充し続ける必要があるため、相談支援専門員・特別支援学校・医療機関との関係づくりが不可欠です(紹介経路の設計と同じ発想)。③就労定着支援との接続——就職後の支援を担う就労定着支援を併設すれば、卒業生との関係が続き、企業からの信頼も厚くなります。
人員と指定申請
人員は管理者・サービス管理責任者・職業指導員・生活支援員に加えて就労支援員を配置するのが移行支援の特徴です(配置基準の詳細は最新の基準でご確認ください)。設備は訓練に必要な設備・備品。指定権者は所在地により千葉県または千葉市・船橋市・柏市(千葉県の就労支援開業ガイド)。2025年10月に創設された就労選択支援との関係整理も、これから開業する事業所には重要な論点です(制度の詳細は最新情報でご確認ください)。
開業をお手伝いします
当事務所は指定申請に加えて、企業開拓の設計(営業出身の視点)・収支計画と資金調達(財務コンサルタント)・職員の採用と定着(キャリアコンサルタント)まで一体で支援します。人材紹介業ではありませんが、「働く人と企業をつなぐ」という文脈はキャリアコンサルタントの本業——就労移行支援は、当事務所が最も伴走しやすい事業の一つです。料金は費用の記事に明示(指定申請220,000円〜・税込)。指定申請サポートから初回60分無料でどうぞ。
📍 千葉県ローカルメモ|企業開拓の見通しも含めて事前相談を
千葉県内では千葉市・船橋市・柏市が指定権者、それ以外の市町村は千葉県が指定権者です。就労移行支援は事業計画の内容が事前協議で問われるため、企業開拓の見通しを含めた構想段階でのご相談をおすすめします。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
「卒業させるほど利用者が減る」——この構造を聞いて怯む方もいますが、私はここに事業の誇りがあると思います。人が次の場所へ進むのを支える仕事。キャリアコンサルタントとして、心から応援したい事業です。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
障害福祉・障害児支援の指定申請を専門とする行政書士。放課後等デイサービス・児童発達支援・グループホーム(共同生活援助)・就労継続支援A型/B型・就労移行支援・生活介護・居宅介護・重度訪問介護など障害福祉・障害児の全類型に対応し、千葉県指定と千葉市/船橋市/柏市の市指定どちらの窓口も日常的に扱っています(オンラインで全国対応)。開業後の変更届・体制届・処遇改善加算の届出、運営指導への備えまで伴走します。
前職では従業員約800名規模の3社合併にともなう人事制度統合を主導し、正社員・パート等あわせて約800名の給与計算と社会保険実務を運用。処遇改善加算のキャリアパス要件は、突き詰めれば賃金表と等級制度の設計そのもの——加算の届出だけでなく、その先の賃金設計まで踏み込めることが強みです。国家資格キャリアコンサルタントとして、サビ管・児発管など資格者の採用と定着も支援しています。
保有資格:行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/財務コンサルタント(ASJ)/2級FP技能士(AFP)/人事総務検定2級ほか計11種。制度改正のたびに一次資料を確認しながら、note・LinkedIn・Instagram・Threadsで介護・障害福祉の実務情報をほぼ毎日発信しています。