— 30秒でわかる結論 —
Q. 短期入所(ショートステイ)を開業するには、いくらかかりますか?
型によって大きく変わります。空床利用型(入所施設の空き居室を使う)は、指定申請の手続きと記録・請求体制の整備が中心です。併設型(生活介護やグループホーム等に併設)と単独型(短期入所のみで運営)では、開業までに居室の改修、浴室とトイレ、寝具と備品、消防設備、開業前の人件費、運転資金にお金がかかり、単独型はこれに建物の用意が加わります。金額は物件と規模で大きく変わるため、個別にお見積りします。とくに消防設備の追加と浴室改修の要否で費用が大きく動くので、この2つを物件契約前に確定させることが重要です。
この記事は制度の解説です。開業資金・融資と採用のご相談は、料金と流れを専用のページでご案内しています。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 生活介護やグループホームに短期入所を併設しようと検討している法人の方
- 短期入所の開業でお金がかかる項目を知りたい方
- 単独型と併設型のどちらで始めるか迷っている方
ご相談いただくと、こう進みます
- 最初の30分の無料相談で、始めたい型と物件の図面を一緒に見て、消防設備と浴室の改修の要否で確かめる点を整理します。
- ご依頼後は、型と提出先を確定し、設備・人員の確認事項を整理して、短期入所の指定申請と本体の変更届まで進めます。
- その後は、居室を増やすときや運営指導の前に、同じ確認表で設備と体制を見直します。
短期入所の費用は「型」で変わる
短期入所(ショートステイ)の開業費用は、どの型で始めるかでまったく変わります。既存の施設の空床を使う形なら手続きと体制整備が中心で、単独型なら建物から用意することになります。まず型を決めてから、費用の話をしてください。
| 型 | 内容 | 初期費用の性格 |
|---|---|---|
| 空床利用型 | 施設入所支援等の入所施設で、空いている居室を短期入所に使う | ほぼ追加投資なし。指定申請の手続き費用と、記録・請求体制の整備が中心 |
| 併設型 | 生活介護やグループホーム等に併設し、本体の設備・人員を活用 | 小〜中。居室の追加や改修、寝具・備品。本体の人員基準に上乗せする形 |
| 単独型 | 短期入所のみを単独で運営 | 大。建物(購入・賃借・新築)、居室・浴室・食堂・便所の整備、消防設備、人員の新規採用 |
開業までにお金がかかる項目
併設型・単独型で開業までにお金がかかる主な項目です。単独型は、これに建物(購入・賃借・新築)の費用が加わります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 居室の改修 | 間仕切り、床・壁の改修、照明。既存の部屋を転用できるかで大きく変わる |
| 浴室とトイレ | 本体と共用できる場合は改修が要らないこともある。バリアフリー化が必要なら増える |
| 寝具と備品 | ベッド、寝具、収納、カーテン等 |
| 消防設備 | 用途区分の変更により自動火災報知設備等の追加が必要になる場合がある |
| 開業前の人件費 | 夜勤体制を組む場合の採用・研修期間 |
| 運転資金 | 報酬の入金は提供月の2か月後。開業から入金まで持ちこたえる資金 |
金額は物件と規模で大きく変わるため、個別にお見積りします。とくに消防設備の追加と浴室の改修が「要る/要らない」で費用が大きく動くため、この2つを物件契約前に確定させることが大切です。
単独型を考えるなら、先に確認する3つ
- 建物の用途——単独型は宿泊を伴うため、建築基準法の用途と消防法の区分が居住系に近づきます。用途変更の要否と、必要な消防設備を先に。
- 夜勤体制——人件費の主役は夜勤です。何人体制で何日回すかで、年間の人件費が大きく変わります。
- 稼働率——短期入所は利用が読みにくいサービスです。空床を前提にした収支計画を立て、生活介護等との併設で埋める設計が現実的です。
費用より先に決めること
短期入所は「家族のレスパイト(休息)」を支える事業で、地域の相談支援事業所からの紹介が生命線です。開業費用の計算より前に、地域に短期入所が足りているか、相談支援専門員が何に困っているかを聞きに行ってください。空きがあるのに紹介が来ない事業所と、常に埋まっている事業所の差は、たいていそこにあります(併設型・単独型の違いと事業設計)。
当事務所の関わり方
短期入所の指定申請サポート(1事業所あたり税込330,000円)に加えて、創業融資の事業計画づくり(着手金33,000円+成功報酬3.5%・最低110,000円)まで一本の線表で進められます。併設なら本体の変更届も同時に必要になるため、手続きをまとめてお受けします。
たとえば、こんな場面で迷っていませんか
生活介護を運営している法人の理事長の方。利用者のご家族から「泊まりで預けられるところがあれば」と言われ、短期入所の併設を考え始めました。
同じ建物の空いている部屋を居室にすればよいと思っていましたが、宿泊を伴うと消防設備の追加が要るかもしれないと聞き、改修の見積りを取る前に手が止まっています。
浴室やトイレを本体と共用できるのか、夜勤の職員をどう組むのかも決まっていません。
本体の生活介護の側で、何か届出が要るのかどうかも分からないままです。
このまま改修の工事を先に決めると、あとから消防設備や浴室の改修が必要と分かって、費用と開業の時期が大きく動くことになりかねません。
この場面なら、まず併設型・単独型のどちらで始めるかを決め、次に消防設備と浴室の改修が要るかどうかを物件の契約や工事の前に確かめます。本文では、その順に説明しました。
当事務所にご相談いただいた場合の進め方
- 1. ご相談の前に手元に用意していただくもの
建物の図面(居室・浴室・便所の位置が分かるもの)、本体事業の指定通知書(併設の場合)、物件の賃貸借契約書や登記事項証明書、消防用設備等の点検結果の報告書、夜勤体制の案、資金計画のメモをお手元にご用意ください。 - 2. 初回30分の無料相談で一緒に確認すること
空床利用型・併設型・単独型のどれで始めるかを一緒に確かめ、図面を見ながら、消防設備の追加と浴室の改修が要るかどうかで確認が必要な点を洗い出します。併設の場合に本体側で届出が必要になりそうかも、その場でお伝えします。 - 3. ご依頼後の進め方当事務所がやること:型と提出先を確定し、設備・人員の確認事項を整理したうえで、指定権者の事前相談に同席し、短期入所の指定申請と本体の変更届の書類を作成・提出します。消防署に確かめる事項の整理や、創業融資の事業計画づくりもお手伝いします。お客様にお願いすること:改修の工事の発注、夜勤を含む職員の採用、消防署への相談、地域の相談支援事業所との関係づくりは、お客様の法人で進めていただきます。
- 4. その後
開業後に居室を増やすときや運営指導の前には、同じ確認表で設備と体制を見直します。顧問をご希望の場合は、福祉顧問 サポートプランなどで人員基準の確認や変更届・加算届をお受けしています。
料金は料金表と料金シミュレーションでご確認いただけます。
参考にした一次資料
- 障害者総合支援法にもとづく基準省令および各指定権者の条例・指定申請の手引き
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内で短期入所を併設するとき
指定権者は千葉市・船橋市・柏市はその市、松戸・流山・市川などは千葉県です。併設する場合は本体事業の変更届も同時に必要になることがあり、提出先と時期を揃える必要があります。消防は所轄の消防署(松戸市なら松戸市消防局)の予防担当へ、図面を持って早めに相談してください。
※2026年9月3日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
短期入所の相談で、費用の話から入る方もいますが、私は「地域の相談支援事業所に、短期入所が足りているか聞きましたか」と尋ねます。足りていない地域なら埋まりますし、足りている地域なら空床のまま固定費だけが出ていきます。費用の精度より、その一言のほうが効きます。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/2級FP技能士(AFP)/国家資格キャリアコンサルタント。
障害福祉・障害児支援とNPO法人を専門にしています。放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援A型・B型・グループホーム(共同生活援助)などの指定申請、処遇改善加算・変更届・指定更新・運営指導(実地指導)への対応を支援します。NPO法人は、設立認証から事業報告書・役員変更などの運営まで支援します。
企業人事15年の経験を土台に、児発管・サビ管の採用・定着、融資・補助金や資金繰りまで、「書類・人・お金」を一体で支えます。