— 30秒でわかる結論 —

Q. 短期入所(ショートステイ)を開業するには、いくらかかりますか?

型によって大きく変わります。空床利用型(入所施設の空き居室を使う)はほぼ追加投資がなく、指定申請の手続きと記録・請求体制の整備が中心です。併設型(生活介護やグループホーム等に併設)は、生活介護に4床を併設する前提で、居室の改修150〜400万円、浴室・トイレの改修0〜300万円、寝具・備品40〜100万円、消防設備の追加0〜200万円、指定申請の専門家報酬220,000円〜、開業前の人件費50〜150万円、運転資金200〜400万円で、合計は概算660万〜1,750万円が目安です。単独型は建物から用意するため数千万円規模になります。幅が大きいのは消防設備の追加と浴室改修の要否で数百万円動くためで、この2つを物件契約前に確定させることが重要です。金額はすべて2026年9月時点の概算で、地域・物件・仕様により変動します。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 生活介護やグループホームに短期入所を併設しようと検討している法人の方
  • 短期入所の開業費用の相場観を知りたい方
  • 単独型と併設型のどちらで始めるか迷っている方

短期入所の費用は「型」で3倍違う

短期入所(ショートステイ)の開業費用は、どの型で始めるかでまったく変わります。既存の施設に空床を使う形なら数十万円で始まり、単独型で建物を用意するなら数千万円になります。まず型を決めてから、費用の話をしてください。

内容初期費用の性格
空床利用型施設入所支援等の入所施設で、空いている居室を短期入所に使うほぼ追加投資なし。指定申請の手続き費用と、記録・請求体制の整備が中心
併設型生活介護やグループホーム等に併設し、本体の設備・人員を活用小〜中。居室の追加や改修、寝具・備品。本体の人員基準に上乗せする形
単独型短期入所のみを単独で運営。建物(購入・賃借・新築)、居室・浴室・食堂・便所の整備、消防設備、人員の新規採用

併設型の試算モデル(前提を明示した概算)

以下は2026年9月時点の概算で、地域・物件・仕様で大きく変わります。ここでは「生活介護(定員20人)を運営中の法人が、同一建物に短期入所4床を併設する」という前提を置きます。

項目概算備考
居室の改修(4床)概算 150〜400万円間仕切り、床・壁の改修、照明。既存の部屋を転用できるかで大きく変わる
浴室・トイレの改修概算 0〜300万円本体と共用できる場合は0。バリアフリー化が必要なら増える
寝具・家具・備品概算 40〜100万円ベッド、寝具、収納、カーテン等
消防設備の追加概算 0〜200万円用途区分の変更により自動火災報知設備等の追加が必要になる場合がある
指定申請の専門家報酬税込220,000円〜当事務所の場合
人件費(開業前)概算 50〜150万円夜勤体制を組む場合の採用・研修期間
運転資金概算 200〜400万円報酬の入金は提供月の2か月後。開業から入金まで持ちこたえる資金

合計の目安は概算 660万〜1,750万円。幅が大きいのは、消防設備の追加と浴室の改修が「要る/要らない」で数百万円動くからです。この2つを物件契約前に確定させるのが、費用のブレを消す唯一の方法です。

単独型を考えるなら、先に確認する3つ

  • 建物の用途——単独型は宿泊を伴うため、建築基準法の用途と消防法の区分が居住系に近づきます。用途変更の要否と、必要な消防設備を先に。
  • 夜勤体制——人件費の主役は夜勤です。何人体制で何日回すかで、年間の人件費が数百万円変わります。
  • 稼働率——短期入所は利用が読みにくいサービスです。空床を前提にした収支計画を立て、生活介護等との併設で埋める設計が現実的です。

費用より先に決めること

短期入所は「家族のレスパイト(休息)」を支える事業で、地域の相談支援事業所からの紹介が生命線です。開業費用の計算より前に、地域に短期入所が足りているか、相談支援専門員が何に困っているかを聞きに行ってください。空きがあるのに紹介が来ない事業所と、常に埋まっている事業所の差は、たいていそこにあります(併設型・単独型の違いと事業設計)。

要確認:本記事の金額はすべて2026年9月3日時点の概算で、当事務所が相談で見聞きした範囲の目安です。実際の費用は地域・物件・仕様・工事業者により大きく変動します。設備・人員の基準、定員の下限、併設時に共用できる設備の範囲は基準省令と指定権者の条例で定められており、消防設備の要否は所轄消防署の判断によります。物件を契約する前に、指定権者と消防署への事前相談を必ず行ってください。報酬の単価・加算は報酬改定で変わります。

当事務所の関わり方

指定申請サポート(税込220,000円〜)に加えて、創業融資の事業計画づくり(着手金33,000円+成功報酬3.5%・最低110,000円)まで一本の線表で進められます。併設なら本体の変更届も同時に必要になるため、手続きをまとめてお受けします。

参考にした一次資料

  • 当事務所が相談で見聞きした範囲の概算(2026年9月時点)
  • 障害者総合支援法にもとづく基準省令および各指定権者の条例・指定申請の手引き

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内で短期入所を併設するとき

指定権者は千葉市・船橋市・柏市はその市、松戸・流山・市川などは千葉県です。併設する場合は本体事業の変更届も同時に必要になることがあり、提出先と時期を揃える必要があります。消防は所轄の消防署(松戸市なら松戸市消防局)の予防担当へ、図面を持って早めに相談してください。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

短期入所の相談で、費用の話から入る方は多いのですが、私は「地域の相談支援事業所に、短期入所が足りているか聞きましたか」と尋ねます。足りていない地域なら埋まりますし、足りている地域なら空床のまま固定費だけが出ていきます。費用の精度より、その一言のほうが効きます。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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