— 30秒でわかる結論 —
Q. 生活介護を開業するときの人員基準と設備基準を教えてください。
人員は、サービス管理責任者(利用者60人まで1人が基本)、医師(必要数・嘱託で足りる場合あり)、看護職員・理学療法士等・生活支援員といった直接処遇職員、管理者(常勤・兼務可)で構成されます。直接処遇職員の必要数は利用者の平均障害支援区分に応じて変わり、区分が高いほど手厚い配置が必要です。設備は、訓練・作業室(訓練に支障のない広さ。面積の基準は自治体の条例による)、相談室(間仕切り等でプライバシーを確保)、洗面所・便所、事務室、消火設備等。多目的室は支障がなければ相談室と兼用できる場合があります。単独で行う場合の定員は原則20人以上で、多機能型やサテライトの扱いは指定権者により異なります。物件は面積の測り方(内法か壁芯か)と用途変更・消防設備の要否を契約前に確認してください。具体的な数値は基準省令と指定権者の条例で確認が必要です。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 生活介護の開業を検討していて、人員と設備の要件を具体的に知りたい方
- 物件を探し始めたが、どのくらいの広さが必要か分からない方
- 利用者の区分構成で人員が変わる仕組みを理解しておきたい方
生活介護の基準は「平均障害支援区分」で動く
生活介護は、常時介護を必要とする方に、入浴・排せつ・食事の介護や創作的活動・生産活動の機会を提供するサービスです。人員基準の特徴は、利用者の平均障害支援区分によって、必要な直接処遇職員(生活支援員・看護職員・理学療法士等)の数が変わること。同じ定員20人でも、区分の構成が違えば必要な人員が変わり、収支も変わります。
人員基準——4つの職種と、区分連動の考え方
| 職種 | 配置の考え方 |
|---|---|
| サービス管理責任者(サビ管) | 利用者60人まで1人(以降40人ごとに1人を加算するのが基本)。実務経験と研修修了の要件があり、外部から採用する場合は要件の確認に時間がかかる |
| 医師 | 日常生活上の健康管理・療養上の指導のために必要な数(嘱託医で足りる場合がある) |
| 看護職員・理学療法士等・生活支援員(直接処遇職員) | 平均障害支援区分に応じて常勤換算の比率が変わる——区分が高いほど手厚い配置が必要。看護職員と生活支援員はそれぞれ1人以上、機能訓練を行う場合は理学療法士等を配置 |
| 管理者 | 常勤(支障がなければ兼務可) |
直接処遇職員の必要数が区分で変わるということは、利用者の構成が変われば人員基準も変わるということです。開業時の想定と、1年後の実際の利用者像がずれると、人員が足りなくなります。収支と人員配置の連動については平均障害支援区分で決まる収支の設計で詳しく書いています。
設備基準——「訓練・作業室」が中心
| 設備 | 要点 |
|---|---|
| 訓練・作業室 | 訓練・作業に支障がない広さと、必要な機械器具等。面積の基準は自治体の条例で定められていることが多く、1人あたり◯㎡という基準を置く指定権者もある |
| 相談室 | 間仕切り等でプライバシーが確保されていること。カーテンのみでは不可とする指定権者もある |
| 洗面所・便所 | 利用者の特性に応じたもの。車いす利用を想定するなら有効幅員と回転スペース |
| 多目的室 等 | 支障がなければ相談室と兼用できる場合がある |
| その他 | 事務室、静養室、消火設備等。消防法令適合と建築基準法の用途は物件契約前に確認 |
物件で最も多い失敗は、契約後に「面積が足りない」「用途変更が必要だった」と分かることです。内法(有効面積)で測るか壁芯かも指定権者で運用が違うため、図面を持って事前に相談してください(物件の3大落とし穴)。
定員の考え方
単独で行う場合の最低定員は原則20人以上です。ただし、他の事業と多機能型として一体的に行う場合や、サテライト型を認める運用がある場合など、指定権者の条例・手引きで扱いが分かれます。「20人集まるか」は開業判断の分かれ目なので、地域の相談支援事業所やケアマネ、特別支援学校との関係づくりを、指定申請と並行して始めてください。
運営基準で見落としやすい3つ
- 個別支援計画——サビ管がアセスメントし、原案を作り、担当者会議を経て、本人の同意を得て交付。作成しないと未作成減算になります。
- 虐待防止・身体拘束・BCP・情報公表——委員会の設置と研修の実施、記録。4つの未実施減算の対象です。
- 送迎——送迎加算を算定するなら、運行の記録と車両の管理。事故時の報告体制もあわせて整えます。
当事務所の関わり方
指定申請サポート(税込220,000円〜)では、物件の面積・用途の確認、平均障害支援区分の想定に基づく人員計画、指定権者への事前相談の段取りまでを一緒に進めます。開業費用の目安は試算モデルをご覧ください。
参考にした一次資料
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律にもとづく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(基準省令)
- 各指定権者(都道府県・政令市・中核市)の条例および指定申請の手引き
- 当事務所「障害福祉・障害児支援の指定申請 完全実務ガイド」(2026年8月版)
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内で生活介護を開くとき
千葉市・船橋市・柏市に事業所を置く場合はその市、松戸・流山・市川などは千葉県(障害福祉事業課)が指定権者です。訓練・作業室の面積や相談室の仕様は、県と市で運用が異なることがあります。物件が決まったら、まず該当する指定権者の手引きを取り寄せ、図面を持って事前相談してください。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
生活介護の相談で最初に聞くのは「どんな方に来てほしいですか」です。区分の重い方を受け入れる想定なら人員も設備も変わり、収支も変わる。誰を支援したいかを決めないまま物件を探すと、あとで作り直しになります。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
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