— 30秒でわかる結論 —
Q. 生活介護の開業には結局いくら必要ですか?
賃貸テナント・定員20名・入浴支援あり・送迎ありの例で、概算750〜1,500万円です。放デイや就労系より重くなる理由は2つ——①重度の方を想定した設備(バリアフリー改修100〜500万円、リフト車100〜250万円)と、②看護職員を含む手厚い人員体制(運転資金3か月で400〜500万円)。つまり生活介護の費用は「箱と車と人」がすべて重度対応仕様になることで積み上がります。幅の主因は改修と車両——契約前の物件確認(バリアフリー化の程度)が試算の精度を決めます。
費用試算モデルシリーズ(GH・就労・放デイ・訪問介護・デイサービス)の生活介護編——これで主要類型が出揃います。
⚠️ 本記事の金額はすべて概算・一例です(2026年7月時点)。実際の計画では必ず個別に試算してください。
試算の前提
・賃貸テナント(賃料月20万円と仮定)
・定員20名・入浴支援あり・送迎あり(リフト車)
・株式会社を新設
なぜ生活介護は「重い」のか——費用の構造
生活介護は、常時介護を必要とする方の日中活動を支えるサービスです。この特性が費用に直結します——設備はバリアフリー・浴室・広めの区画が前提になり、送迎はリフト車が現実的になり、人員は看護職員を含む手厚い配置が求められる場面がある。つまり「箱・車・人」の全部が重度対応仕様になるのが、放デイ・就労系との違いです(人員基準・設備基準)。
内訳と合計——この前提なら「概算750〜1,500万円」
| 項目 | 概算(この前提での一例) | 変動要因 |
|---|---|---|
| ①法人設立 | 約10〜25万円 | 株式会社か合同会社か |
| ②テナント初期費用 | 約80〜120万円 | 賃料水準×契約条件 |
| ③改修(バリアフリー・浴室) | 約100〜500万円 | 物件の現況と入浴支援の設計(最大の変動要因) |
| ④備品・車いす対応設備 | 約50〜150万円 | 利用者像・活動プログラム |
| ⑤送迎車両(リフト車) | 約100〜250万円 | 台数・リース活用 |
| ⑥運転資金(3か月) | 約400〜500万円 | 看護職員を含む人員体制の厚さ |
| 合計の目安 | 概算750〜1,500万円 | 改修と車両で振れる |
※すべて概算・一例(2026年7月時点の当事務所の整理)。報酬の入金はサービス提供から約2か月後のため、運転資金を削らないことが生命線です。
抑える順番
①改修が軽い物件を選ぶ(元が福祉・医療系の居抜きは大きな圧縮点)→②車両はリースで平準化→③看護職員の確保方法を先に設計(採用か、訪問看護等との連携か——ここが決まらないと人件費が読めません)→④運転資金は創業融資で厚くする(創業融資の窓口)。千葉県は市町村意見申出制度により指定日の4か月前から手続きが始まる点も時間軸に織り込みを(最新スケジュール)。
この「型」で、あなたの数字を
生活介護は投資が重いぶん、地域で不足しているかどうかの見極めが先です。当事務所は指定申請(生活介護の開業支援)に加え、財務コンサルタントとして試算と融資を、キャリアコンサルタントとして看護職員・生活支援員の採用を一体で支援します(お金と人の総合支援)。
📍 千葉県ローカルメモ|対象者像が費用構造を決めます
千葉県内の生活介護は、千葉市・船橋市・柏市に事業所を置く場合のみ各市、それ以外は県が窓口です。重症心身障害の方を主な対象とする場合は設備・人員の設計がさらに変わるため、対象者像の構想段階からのご相談をおすすめします。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
生活介護の相談では、費用の前に必ず「どんな方の日中を支えたいですか」と伺います。対象者像が決まれば、設備も人員も車両も逆算できる。費用の試算とは、実は支援の構想を数字に翻訳する作業です。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
障害福祉・障害児支援の指定申請を専門とする行政書士。放課後等デイサービス・児童発達支援・グループホーム(共同生活援助)・就労継続支援A型/B型・就労移行支援・生活介護・居宅介護・重度訪問介護など障害福祉・障害児の全類型に対応し、千葉県指定と千葉市/船橋市/柏市の市指定どちらの窓口も日常的に扱っています(オンラインで全国対応)。開業後の変更届・体制届・処遇改善加算の届出、運営指導への備えまで伴走します。
前職では従業員約800名規模の3社合併にともなう人事制度統合を主導し、正社員・パート等あわせて約800名の給与計算と社会保険実務を運用。処遇改善加算のキャリアパス要件は、突き詰めれば賃金表と等級制度の設計そのもの——加算の届出だけでなく、その先の賃金設計まで踏み込めることが強みです。国家資格キャリアコンサルタントとして、サビ管・児発管など資格者の採用と定着も支援しています。
保有資格:行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/財務コンサルタント(ASJ)/2級FP技能士(AFP)/人事総務検定2級ほか計11種。制度改正のたびに一次資料を確認しながら、note・LinkedIn・Instagram・Threadsで介護・障害福祉の実務情報をほぼ毎日発信しています。