— 30秒でわかる結論 —
Q. 放課後等デイサービスの開業には結局いくら必要ですか?
賃貸テナント・定員10名・送迎ありの例で、概算700〜1,200万円です。内訳は、法人設立(10〜25万円)、テナント初期費用(80〜120万円)、児童向けの内装・改修(100〜300万円)、備品・教材(50〜100万円)、送迎車両(中古2台で100〜200万円)、そして運転資金3か月分(350〜450万円)。幅の主因は改修と車両です。改修はテナントの現況次第、車両はリース活用で初期を圧縮できます。報酬入金は約2か月遅れのため、運転資金を削ると開業直後に資金が尽きます——金額の断定より、この型で漏れなく積み上げることが大切です。
この記事は制度の解説です。開業資金・融資と採用のご相談は、料金と流れを専用のページでご案内しています。
ご相談いただくと、こう進みます
- 最初の30分の無料相談で、物件の図面と内装・車両の見積り、運転資金の見込みを一緒に見ます
- ご依頼後は、指定申請の段取りと創業融資の事業計画を同じ線表にまとめ、設備資金と運転資金を分けて積み上げ、申請まで進めます
- その後は、開業後の契約児童の増え方や報酬の入金の時期に合わせて、同じ線表で資金繰りを見直します
費用試算モデルシリーズ(グループホーム編・就労支援編)の放課後等デイサービス編です。
⚠️ 本記事の金額はすべて概算・一例です(2026年7月時点)。実際の計画では必ず個別に見積もり・試算してください。
試算の前提
・賃貸テナント(賃料月20万円と仮定)
・定員10名・送迎あり(中古車両2台)
・株式会社を新設
①法人設立——概算10〜25万円
合同会社なら概算10万円前後、株式会社なら概算25万円前後(法定費用の内訳)。
②テナント初期費用——概算80〜120万円
商業物件は保証金が重めで、賃料の4〜6か月分が目安。契約前に、指導訓練室の面積など指定基準を満たせる図面かを必ず確認してください(物件と設備基準)。
③児童向けの内装・改修——概算100〜300万円
区画・トイレ・手洗い場に加え、児童の安全対策(角の養生、飛び出し防止、見通しの確保)が放デイ特有の費用です。現況が事務所仕様か店舗仕様かで大きく変わるため、契約前の見積もりが鉄則です。
④備品・教材——概算50〜100万円
療育プログラムに応じた教材・遊具・机椅子・マット類。プログラムの軸(運動療育か、学習支援か、創作か)を先に決めると、投資の的が絞れます。
⑤送迎車両——概算100〜200万円(放デイ特有の項目)
学校へのお迎えと自宅への送りは、放デイの利用ハードルを下げる生命線。中古2台で100〜200万円の例を置きましたが、リースなら初期費用を月額に平準化できます。台数はエリア設計(どの学校区まで迎えに行くか)で決まり、これは開業後の集客力にも直結します。
⑥運転資金(3か月分)——概算350〜450万円
報酬の入金はサービス提供月からおおむね2か月後。児童発達支援管理責任者(児発管)・保育士・児童指導員の人件費(月90〜120万円規模)と賃料が先行します。さらに開業直後は契約児童が定員まで埋まらないのが普通——立ち上がりの持久力までここに含めてください。
合計——この前提なら「概算700〜1,200万円」
| 項目 | 概算(この前提での一例) | 変動要因 |
|---|---|---|
| ①法人設立 | 約10〜25万円 | 株式会社か合同会社か |
| ②テナント初期費用 | 約80〜120万円 | 賃料水準×契約条件 |
| ③内装・改修 | 約100〜300万円 | テナント現況(二大変動要因その1) |
| ④備品・教材 | 約50〜100万円 | 療育プログラムの軸 |
| ⑤送迎車両 | 約100〜200万円 | 台数とリース活用(二大変動要因その2) |
| ⑥運転資金(3か月) | 約350〜450万円 | 人員体制/契約児童の立ち上がり |
| 合計の目安 | 概算700〜1,200万円 | 改修と車両で振れる |
※すべて概算・一例(2026年7月時点の当事務所の整理)。
費用を抑える「順番」
①改修が軽い物件を選ぶ(契約前の見積もりが最大の節約)→②車両はリースで平準化→③教材はプログラムの軸を決めてから→④運転資金は削らず創業融資で厚くする(創業融資の窓口ガイド)。なお千葉県は市町村意見申出制度により指定日の4か月前から手続きが始まるため、資金計画の時間軸にも織り込みを(最新スケジュール)。
この「型」で、あなたの数字を
放デイは児発管の確保と学校・相談支援との関係づくりが収支の立ち上がりを決めます。当事務所は指定申請に加え、財務コンサルタントとして試算と融資を、キャリアコンサルタントとして児発管・保育士の採用を一体で支援します(放デイ開業の完全ガイド・お金と人の総合支援)。
📍 千葉県ローカルメモ|送迎エリア設計が費用と集客を決める
松戸・柏・流山エリアは共働き世帯の増加で放デイのニーズが厚い一方、事業所数も増えています。送迎エリアの設計(どの学校区をカバーするか)が集客と車両費の両方を決めるため、物件選びと同時にエリア戦略のご相談をおすすめしています。
※2026年9月19日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
たとえば、こんな場面で迷っていませんか
放課後等デイサービスの開業を準備している代表者の方。会社を新しくつくり、貸しテナントで始めるつもりで物件を探しています。
候補の物件は見つかりましたが、内装をどこまで直すことになるのか、送迎の車を買うかリースにするか、開業してから報酬が入るまでの家賃と人件費をどれだけ見ておけばよいのかが決まりません。
創業融資の申込みも考えていますが、計画書に載せる金額の根拠が手元の見積りだけでは足りない気がして、手が止まっています。
このまま物件の契約を先に進めると、指導訓練室などの基準を満たせない図面だったと後から分かったり、運転資金を薄く見積もって開業直後に資金が尽きたりしかねません。
この場面なら、まず開業までにお金がかかる項目を漏れなく並べ、次に費用が大きくぶれる改修と車両を、契約前の見積りで確かめます。本文では、その順に説明しました。
当事務所にご相談いただいた場合の進め方
- 1. ご相談の前に手元に用意していただくもの
候補物件の図面と賃貸借の条件が分かる資料、内装工事・備品・教材・送迎車両(購入かリースか)の見積書、児発管・保育士・児童指導員の採用の見込み、送迎エリアの考え、自己資金が分かる通帳の写し、事業計画のメモ(あれば)をお手元にご用意ください。 - 2. 初回30分の無料相談で一緒に確認すること
開業までにお金がかかる項目を一緒に並べ、改修と車両のどちらで費用が振れそうかをその場で確かめます。図面が指定基準を満たせそうか、運転資金を何か月分で見ているかも確認し、物件の契約前に指定権者に確かめることを洗い出します。 - 3. ご依頼後の進め方当事務所がやること:指定権者への事前相談への同席、放課後等デイサービスの指定申請書類の作成と提出、創業融資の事業計画書の作成をお手伝いします。設備資金と運転資金を分けて積み上げ、指定日と融資の実行の時期を同じ線表にまとめます。お客様にお願いすること:物件の契約と内装工事の発注、車両の購入やリースの契約、児発管などの採用、自己資金の準備、金融機関との面談は、お客様ご自身で行っていただきます。見積書や物件の条件が変わったときは早めにお知らせください。
- 4. その後
開業後は、契約児童の増え方と報酬の入金を見ながら、資金繰りと加算の届出の時期を同じ線表で確かめます。開業して間もない時期は、福祉顧問 スタートプランで随時のご相談をお受けしています。
料金は料金表と料金シミュレーションでご確認いただけます。
💬 目加多のひとこと
放デイの費用相談で車両を後回しにする方は多いのですが、送迎の有無は保護者にとって利用の決め手そのもの。費用項目ではなく集客投資として考えると、判断が変わってきます。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)
障害福祉・障害児支援の指定申請を専門とする行政書士。放課後等デイサービス・児童発達支援・グループホーム(共同生活援助)・就労継続支援A型/B型・就労移行支援・生活介護・居宅介護・重度訪問介護など障害福祉・障害児の全類型に対応し、千葉県指定と千葉市/船橋市/柏市の市指定どちらの窓口も日常的に扱っています(オンラインで全国対応)。開業後の変更届・体制届・処遇改善加算の届出、運営指導への備えまで伴走します。
前職では従業員約800名規模の3社合併にともなう人事制度統合を主導し、正社員・パート等あわせて約800名の給与計算と社会保険実務を運用。処遇改善加算のキャリアパス要件は、突き詰めれば賃金表と等級制度の設計そのもの——加算の届出だけでなく、その先の賃金設計まで踏み込めることが強みです。国家資格キャリアコンサルタントとして、サビ管・児発管など資格者の採用と定着も支援しています。
保有資格:行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/財務コンサルタント(ASJ)/2級FP技能士(AFP)/人事総務検定2級ほか計11種。制度改正のたびに一次資料を確認しながら、note・LinkedIn・Instagram・Threadsで介護・障害福祉の実務情報をほぼ毎日発信しています。