— 30秒でわかる結論 —
Q. 放課後等デイサービス・児童発達支援は、日本版DBS(こども性暴力防止法)の義務対象ですか?認定を申請するのですか?
義務対象です。認定を申請する制度ではありません。こども性暴力防止法(令和6年法律第69号)は2026年12月25日に施行され、学校・認定こども園・認可保育所・児童福祉施設(障害児入所施設・児童発達支援センター等)に加えて、指定障害児通所支援事業=児童発達支援・放課後等デイサービス・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援が「学校設置者等」として義務対象に含まれます(こども家庭庁のガイドライン・Q&Aおよび都道府県の案内)。認定制(任意)なのは学習塾・スポーツクラブ・放課後児童クラブ・認可外保育施設などの民間教育保育等事業者です。義務の中身は、①犯罪事実確認(子どもと接する業務のすべての従事者。現職者は施行から3年以内、新規採用者は業務開始前、確認から5年後に再確認)②早期把握の面談等③相談体制④調査・保護・支援⑤研修⑥おそれがある場合に従事させない等の措置⑦情報の管理⑧GビズIDプライムの取得と所轄庁を通じた事業者情報の登録、です。放デイ・児発には既に虐待防止委員会・身体拘束適正化・研修の義務があるため、これらに統合して設計するのが現実的です。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 放デイ・児発を運営していて、日本版DBSで何をしなければならないか整理したい経営者・管理者の方
- 「うちは任意」と思っていた事業所の方
- 2026年11月以降に放デイ・児発を開業予定で、施行日をまたぐことになる方
2026年12月25日、こども性暴力防止法が施行される
「日本版DBS」と呼ばれるこども性暴力防止法(正式名称:学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律、令和6年法律第69号。令和6年6月26日公布)が、2026年12月25日に施行されます。子どもと接する仕事に就く人について、特定の性犯罪の前科を確認する仕組み(犯罪事実確認)と、性暴力を防ぐための体制整備を事業者に求める法律です。所管はこども家庭庁で、手続きは原則として「こまもろうシステム」(こども性暴力防止法関連システム)を通じて行います。
放デイ・児発は「義務対象」——認定を申請する制度ではない
| 区分 | 該当する事業(障害福祉分野) | 何が求められるか |
|---|---|---|
| 学校設置者等(義務対象) | 学校、認定こども園、認可保育所、児童福祉施設(障害児入所施設・児童発達支援センター等)、そして指定障害児通所支援事業=児童発達支援・放課後等デイサービス・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援 | 施行日から、犯罪事実確認と安全確保措置を講じる義務。認定申請(と認定手数料)は不要。現職者は施行から3年以内、新規採用者は業務開始前に確認 |
| 民間教育保育等事業者(認定制・任意) | 学習塾、スポーツクラブ、放課後児童クラブ、認可外保育施設 等 | 国の認定を受けた場合に同じ措置が義務に。認定申請(手数料あり)・認定事業者マークの表示 |
| 対象外(原則) | 成人のみを対象とする障害福祉サービス(生活介護・就労支援・GH等) | 対象外。児童と接する事業を併設する場合はその事業について要確認 |
「うちは任意だから様子見」は成り立ちません。放デイ・児発は法律の施行と同時に対象になり、認定申請(と認定手数料)は不要で、代わりに義務が発生します。愛知県など都道府県の障害福祉担当も、義務対象として児童発達支援(センター含む)・放課後等デイサービス・居宅訪問型・保育所等訪問支援を列挙しています。
義務の中身——「確認」と「体制」の2本立て
| 義務 | 内容 | 期限・注意 |
|---|---|---|
| ①犯罪事実確認 | 子どもと接する業務に従事するすべての者(雇用形態を問わない)について、こまもろうシステムを通じて特定性犯罪の前科の有無を確認。結果は確認書として交付 | 現職者は施行日から3年以内、新規採用者は業務開始前。確認した者は5年後(確認日の翌日から5年を経過した日の属する年度末まで)に再確認 |
| ②早期把握のための面談等 | 児童等との面談その他の措置で、性暴力等のおそれを早期に把握 | 日常の記録・面談の仕組みに組み込む |
| ③相談体制 | 児童等・保護者が相談しやすい体制(窓口・周知) | 既存の苦情・虐待防止の窓口と統合可 |
| ④調査・保護・支援 | 疑いがある場合の事実調査、児童等の保護と支援 | 対処の手順を規程化(こども家庭庁の対処規程ひな型あり) |
| ⑤研修 | 従事者への研修(こども家庭庁の研修教材・解説動画あり) | 虐待防止研修と統合可 |
| ⑥おそれがある場合の措置 | 確認結果・面談・相談等を踏まえ、性暴力等のおそれがあると認められる者を子どもと接する業務に従事させない等 | 特定性犯罪前科ありは「おそれあり」と判断して措置 |
| ⑦情報の管理 | 確認結果・記録の適正管理(目的外利用の禁止・閲覧権限の限定) | 情報管理の規程・施錠保管・システムの権限設定 |
| ⑧事業者情報の登録 | 義務対象事業者はGビズIDプライムを取得し、所轄庁を通じてこども家庭庁へ事業者情報を登録(まとめ登録)。こども家庭庁の準備ガイドでは令和8年4月末頃までにGビズIDを取得し、令和8年4〜7月の指定期間に事前登録する段取りが示されており、未了の事業者は所轄庁に至急相談 | 所轄庁(千葉県・千葉市・船橋市・柏市等)の案内に従う。GビズIDプライムの取得は2週間程度(郵送申請の場合) |
なお、義務対象の事業者は、取組を行っている事業者であることを示す「法定事業者マーク」(こまもろう事業者マーク)を表示できます(認定事業者は「認定事業者マーク」)。保護者への説明に使える材料です。また、施行時に在職する職員の確認は、こども家庭庁の通知(令和8年7月8日)で申請を月ごとに分散する方法が示されており、人数の多い法人は工程表を作って年次・月次で分けます。
放デイ・児発にはもう「虐待防止の体制」がある——だから統合する
放デイ・児発には、運営基準として虐待防止委員会・身体拘束適正化・研修・苦情窓口の義務が既にあります。日本版DBSの面談・相談体制・研修・調査手順は、これらと大きく重なります。別々に作れば委員会が2つ、研修が2つ、記録が2つになって現場が回りません。既存の体制に日本版DBSの要素を組み込むのが、義務対象の事業所の現実的な設計です。
施行までにやること(放デイ・児発)
- GビズIDプライムの取得(2週間程度)と、所轄庁への事業者情報の登録——こども家庭庁の準備ガイドでは令和8年4〜7月が事前登録の指定期間。未了なら所轄庁に至急相談
- 対象従事者の洗い出し——職種ではなく実際の業務(子どもと一対一になる場面、送迎、見守り)で判断
- 対処規程・情報管理の整備——ひな型を実態に合わせる。就業規則との整合(社労士)
- 採用フローの変更——新規採用者は業務開始前に確認。内定と確認を並行させる設計
- 職員への説明と研修——「全員が対象」「結果の扱い」を先に説明する
- 現職者の確認計画——3年以内。人数が多い法人は年次で分ける
これから開業する事業所は、指定申請と同時に設計する
2026年11月〜2027年に開業する放デイ・児発は、施行日をまたいで開業し、開業と同時に義務対象になります。指定申請の段階で、採用時の犯罪事実確認を組み込んだ採用フロー、対処規程と就業規則の整合、虐待防止と統合した研修・相談体制を設計しておけば、施行日に慌てません。後から追加すると、就業規則の変更や職員への再説明が発生します。
当事務所の関わり方
放デイ・児発の指定申請(税込220,000円〜)と同時に、日本版DBSの義務対応(対象者の整理・対処規程と情報管理の整備・採用フロー・研修・現職者の確認計画・GビズIDと事業者登録の段取り)を設計してお受けしています。詳細と料金は日本版DBS 義務対応サポートを。就業規則の改訂は提携の社会保険労務士と分担します。指定申請の流れは児童発達支援の開業の流れ、個人情報の扱いは写真・SNS・同意書をご覧ください。
参考にした一次資料
- こども家庭庁「こども性暴力防止法(日本版DBS)」(施行日・対象事業者・施行ガイドライン令和8年1月/9月改訂・Q&A令和8年4月・対処規程ひな型・研修教材)
- 愛知県障害福祉課「こども性暴力防止法について」(障害福祉分野の義務対象事業の整理・GビズIDと事業者登録)
- 学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(令和6年法律第69号)第2条第3項・第4条ほか
- 児童福祉法にもとづく指定通所支援の基準省令(虐待防止・身体拘束適正化の義務)
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内で放デイ・児発を運営・開業する方へ
義務対象の事業者は、GビズIDプライムを取得し、所轄庁(千葉県・千葉市・船橋市・柏市等)を通じてこども家庭庁へ事業者情報を登録する必要があります。所轄庁からの案内(登録様式・時期)を確認してください。2026年9月、市川市で11月開業予定の放デイ・児発の法人さまから、指定申請・処遇改善計画書とあわせて日本版DBSへの対応(義務対応の体制設計)をご依頼いただいています。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
この記事は、初出で「放デイ・児発は認定制(任意)」と書いて間違えました。義務対象です。訂正して、お詫びします。制度が動いている今、原典を読み直すことの重さを、自分で証明してしまいました。だからこそ、読者の皆さんも、こども家庭庁のガイドラインとQ&Aを一度は開いてください。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
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