— 30秒でわかる結論 —

Q. 実地指導(運営指導)では何を指摘されやすいですか?

実務上、指摘は10項目に集約されます——①個別支援計画・ケアプランの不備(作成・同意・モニタリングの記録漏れ)②アセスメントの記録不足 ③勤務形態一覧表と実際の勤務の不一致 ④加算要件の記録不足 ⑤重要事項説明・契約書の不備 ⑥身体拘束の適正化・虐待防止の体制と記録 ⑦BCPと研修・訓練の記録 ⑧感染症対策 ⑨苦情対応 ⑩サービス提供実績と請求の整合。共通するのは「実際にやっていても、記録がなければやっていないと扱われる」という構造です。とくに加算に関わる指摘は過去に遡った返還につながり得るため、影響が大きい。対策は通知が来てからの準備ではなく、様式・担当・月次点検という日常の記録設計です。

運営指導(実地指導)の通知が届いてからご相談をいただくことがあります。もちろん対応しますが、正直に申し上げると——本当に効くのは、通知が来る前の日常です。今日は指摘されやすい10項目と、その備え方を整理します(2026年7月時点の一般的整理。運用は指定権者により異なります)。

この記事の対象——介護・障害福祉の全サービス類型に共通です

放課後等デイサービス児童発達支援グループホーム(共同生活援助)就労継続支援A型・就労継続支援B型・就労移行支援・就労定着支援/生活介護/同行援護/行動援護/短期入所/自立訓練/保育所等訪問支援/相談支援(その他類型の依頼ガイド)——いずれにも対応しています(指定申請サポート トップ)。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 数年内に運営指導を受ける可能性がある事業所の方
  • 記録の書き方に自信がない管理者・サビ管
  • 過去に指摘を受け、再発を防ぎたい方

📗 関連の深掘り——届出の内容と実態がずれていた場合に、どの順番で自主点検し、どこまでが返還の対象になるかはこちらの記事で扱っています。

指摘されやすい10項目(独自整理)

項目典型的な指摘
①個別支援計画・ケアプラン作成・説明・同意の記録、モニタリングの実施が確認できない
②アセスメント計画の根拠となる情報収集の記録が薄い
勤務形態一覧表実際の勤務と一致しない——人員基準の充足を疑われる入口
加算要件の記録算定しているが要件を満たした証拠(研修・会議・体制)がない
⑤重要事項説明・契約書内容が運営規程と不一致、改定が反映されていない
⑥身体拘束の適正化・虐待防止委員会・指針・研修の実施記録が確認できない
⑦BCP(業務継続計画)計画はあるが研修・訓練の実施記録がない
⑧感染症対策委員会の開催・研修の記録が不足
⑨苦情対応受付から対応までの記録、窓口の周知
⑩実績記録と請求サービス提供記録と請求内容の整合が取れない

ここは必ず確認を——後からの書き足しは「改ざん」

指摘の多くは改善報告で挽回できますが、記録を後から書き足す・日付を遡って作成する行為は、不備よりはるかに重い評価につながり得ます。抜けは抜けのまま正直に説明することが、結果的に事業所を守ります。

共通構造——「やっていても、記録がなければ、やっていない」

10項目を貫くのはこの一点です。研修は実施した、会議も開いた——でも議事録も参加者名簿も残っていない。運営指導は記録を通じて運営を見る手続きなので、記録がなければ確認しようがありません。とくに④加算要件に関わる指摘は重く、算定していた期間に遡って返還を求められる可能性があります——ここが運営指導の実質的な怖さです。

③勤務形態一覧表——最も入口になりやすい

提出した勤務形態一覧表と、実際のシフト・タイムカードがずれている。これは人員基準を満たしていないのではという疑いの入口になり、そこから加算の要件充足へと確認が広がります。対策は単純で、シフト作成と勤務形態一覧表を同じ数字から作ること。別々に作るから、ずれます(体制届の年間管理)。

備え方——「様式・担当・月次点検」の3点

①様式を決める(研修記録・委員会議事録・モニタリング記録の型を固定し、書く負担を下げる)②担当を決める(誰がいつ記録するかを役割として明示)③月次で点検する(毎月15分、10項目のチェックリストを見る)。この3点が回っていれば、通知が来てからの準備は「確認作業」で済みます。前日に慌てて作った記録は、日付や筆跡から見抜かれるものです——誠実な運営を、誠実に記録する。それが最良の対策です(運営指導の準備リスト)。

運営指導の対策をお手伝いします

当事務所は、①事前点検(10項目の書類チェックと不足の洗い出し)②記録様式の整備③通知後の準備支援まで対応します。継続的な備えなら運営顧問プラン(月額35,000円〜・税込)で、加算の届出・変更届・運営指導対策をまとめてカバー。都度のご依頼も承ります(料金の一覧)。運営指導・記録のナビもご覧ください。初回60分無料——「通知が来たのですが」というご相談も、まずはお電話ください。

参考にした一次資料

  • 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス事業者等の指導監査について」(障発0123第2号)
  • 厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」
  • 各サービス類型の指定基準を定める厚生労働省令(人員・設備及び運営に関する基準)
  • 各指定権者が公表する運営指導の実施要綱・確認項目一覧

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・通知および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|点検リストは申請先の運用に合わせて

運営指導の頻度・方式(実地か書面か)・確認項目の重点は指定権者により異なります。千葉県内では千葉市・船橋市・柏市が指定権者、それ以外は千葉県。御社の申請先の運用に沿った点検リストをお作りします。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

記録は、疑われないための道具ではなく、支援を振り返るための道具だと思っています。書く目的がそこにあると、記録の質が変わる。結果として指導にも強くなる——順番はこちらが自然です。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

障害福祉・障害児支援の指定申請を専門とする行政書士。放課後等デイサービス・児童発達支援・グループホーム(共同生活援助)・就労継続支援A型/B型・就労移行支援・生活介護・居宅介護・重度訪問介護など障害福祉・障害児の全類型に対応し、千葉県指定と千葉市/船橋市/柏市の市指定どちらの窓口も日常的に扱っています(オンラインで全国対応)。開業後の変更届・体制届・処遇改善加算の届出、運営指導への備えまで伴走します。

前職では従業員約800名規模の3社合併にともなう人事制度統合を主導し、正社員・パート等あわせて約800名の給与計算と社会保険実務を運用。処遇改善加算のキャリアパス要件は、突き詰めれば賃金表と等級制度の設計そのもの——加算の届出だけでなく、その先の賃金設計まで踏み込めることが強みです。国家資格キャリアコンサルタントとして、サビ管・児発管など資格者の採用と定着も支援しています。

保有資格:行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/財務コンサルタント(ASJ)/2級FP技能士(AFP)/人事総務検定2級ほか計11種。制度改正のたびに一次資料を確認しながら、note・LinkedIn・Instagram・Threadsで介護・障害福祉の実務情報をほぼ毎日発信しています。

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