— 30秒でわかる結論 —
Q. 実地指導(運営指導)では、何を見られるのですか?
大きくは①人員配置(勤務実績が基準どおりか)、②個別支援計画(作成・同意・見直しのプロセス)、③サービス提供記録、④請求との整合(記録にないサービスを請求していないか)の4点です。恐れるべきは指導そのものではなく、記録と請求の不整合による報酬の返還。日常的に「記録から請求へ」の流れが整っていれば、運営指導は怖いものではありません。
この記事は制度の解説です。運営指導の事前点検・対策のご依頼は、料金と流れを専用のページでご案内しています。
「運営指導の通知が来ました。何を準備すれば…」——通知後のご相談は毎回、時間との戦いになります。この記事は、通知が来る前に読んでいただきたい「日常整備」の話です。開業支援だけでなく運営の継続支援を掲げる当事務所として、要点を整理します。
この記事の対象——障害福祉の全サービス類型に共通です
放課後等デイサービス/児童発達支援/グループホーム(共同生活援助)/就労継続支援A型・就労継続支援B型・就労移行支援・就労定着支援/生活介護/同行援護/行動援護/短期入所/自立訓練/保育所等訪問支援/相談支援(その他類型の依頼ガイド)——いずれにも対応しています(指定申請サポート トップ)。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- まだ運営指導を受けたことがない事業所の方
- 日常の記録が指導に耐えるか不安な方
- 通知が来る前に準備を始めたい管理者
ご相談いただくと、こう進みます
- 最初の30分の無料相談で、勤務の記録と個別支援計画の綴りを一緒に見て、記録で追えないところがないかを確かめます。
- ご依頼後は、人員配置・計画・提供記録・請求の突き合わせを整理し、月ごとに回せる点検の表まで整えます。
- その後は、運営指導の通知が来たときや報酬改定・体制の変更の前に、同じ点検の表で見直します。
実地指導(運営指導)とは——摘発ではなく「定期健診」
指定権者(自治体)が数年に一度、事業所の運営状況を確認する制度です。名称は「運営指導」に整理されてきていますが、実務では実地指導の呼び名も残っています。目的は基準どおりの運営の確認と助言であり、通常は事前に通知と資料リストが届きます。重大な不正の疑いがある場合の「監査」とは別物——まずこの区別を知るだけで、過度な恐怖は消えます。
ここは必ず確認を——通知が来てからでは間に合わないもの
当日までに作れる書類もありますが、日々の支援記録や勤務実績は後から作れません。指導対策の本体は日常整備で、通知後にできるのは整理と確認だけです。今日から記録を「その日のうちに」書く習慣に変えてください。
見られる4点セット
①人員配置——勤務形態一覧表・シフト・タイムカードが、人員基準(放デイの例はこちら)と一致しているか。②個別支援計画——アセスメント→原案→会議→本人・家族の同意(署名)→定期的なモニタリング、というプロセスが記録で追えるか。「計画書はあるが同意日が空欄」「モニタリング記録がない」は、指摘を受けることがあります。③サービス提供記録——日々の支援内容が具体的に記録されているか。④請求との整合——提供記録のないサービスの請求、加算要件(研修・会議の実施記録など)を満たさない加算算定がないか。
指摘が重いと何が起きるか
軽微な不備は改善報告で済みますが、記録の裏付けのない請求や加算の要件不足は過誤調整(報酬の自主返還)の対象になり、期間が長いほど金額は膨らみます。返還は資金繰りへの直撃です。つまり運営指導への備えは、コンプライアンスであると同時に財務リスク管理でもあります。
日常整備リスト——月次でここだけ回す
- 勤務実績とシフト・雇用契約の突合(月1回)
- 個別支援計画の期限一覧(同意日・次回モニタリング日)の更新
- 加算ごとの要件(会議・研修・体制)の実施記録の保存
- 提供記録と請求データの件数突合
- 運営規程・重要事項説明書と実運用のズレ確認(年1回)
当事務所の福祉顧問 トータルプランは、この月次点検を外部の目として回す仕組みです。処遇改善加算の計画・実績報告もあわせて管理します。
たとえば、こんな場面で迷っていませんか
開業して2年目の児童発達支援の管理者の方。まだ運営指導を受けたことはなく、日々の記録は職員がそれぞれのやり方で書いています。
ある日、個別支援計画の綴りを見返したところ、計画書はあるのに保護者の同意の日付が空いているものや、モニタリングの記録が見当たらない子どもがいることに気づきました。
勤務のシフトとタイムカードも、職員が入れ替わった月はきちんと突き合わせたことがありません。加算の要件になっている研修や会議の記録も、どこに保存したか分からないものがあります。
運営指導の通知が来てから整えればよいのか、いまのうちに何から手をつけるべきか、記録が足りない分の請求はどう扱えばよいのかが分かりません。
このまま通知を待つと、後から作れない記録の不足が見つかり、請求との不整合として報酬の返還につながりかねません。
この場面なら、まず人員配置・個別支援計画・サービス提供記録・請求との整合の順に、いまの記録で追えるかを確認します。本文では、その順に説明しました。
当事務所にご相談いただいた場合の進め方
- 1. ご相談の前に手元に用意していただくもの
勤務形態一覧表、シフト表とタイムカード、雇用契約書、個別支援計画とアセスメント・モニタリングの記録、サービス提供記録、加算の要件にかかわる研修・会議の記録、請求の明細、運営規程と重要事項説明書をお手元にご用意ください。 - 2. 初回30分の無料相談で一緒に確認すること
人員配置・個別支援計画・サービス提供記録・請求との整合の順に、いまの記録で追えるかを一緒に確かめます。同意の日付が空いている計画や、記録の無い請求があれば、その場でお伝えし、指定権者への確認が要るものとして整理します。 - 3. ご依頼後の進め方当事務所がやること:運営指導で見られる項目に沿って書類点検・模擬運営指導を行い、指摘になりそうな箇所と直し方を一覧にします。通知が届いた後は、運営指導の直前対策として資料の並べ方や想定質問の整理もお手伝いします。お客様にお願いすること:日々のサービス提供記録や計画の同意・モニタリング、勤務の記録は、お客様の事業所でその都度つけていただきます。過去の記録を後から作ることはできないため、足りない分は正直に把握していただくことが前提です。労働時間など労務の確認は、提携の社会保険労務士が担当します。
- 4. その後
月ごとの点検は、福祉顧問 トータルプランで運営指導前の点検として継続してお受けしています。報酬改定や職員の入れ替わりがあったときも、同じ点検の表で見直します。
料金は料金表と料金シミュレーションでご確認いただけます。
参考にした一次資料
- 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス事業者等の指導監査について」(障発0123第2号)
- 厚生労働省「介護保険施設等運営指導マニュアル」
- 各サービス類型の指定基準を定める厚生労働省令(人員・設備及び運営に関する基準)
- 各指定権者が公表する運営指導の実施要綱・確認項目一覧
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・通知および指定権者の案内をご確認ください。
💬 目加多のひとこと
人事・総務時代、労基署の調査対応を何度も経験して学んだのは、行政の調査は「日常が出る」ということです。直前に書類を『作る』事業所と、日常の記録を『見せるだけ』の事業所——どちらの立場が楽かは言うまでもありません。運営指導を恐れる必要はありません。恐れる代わりに、月次の仕組みを作りましょう。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)
障害福祉・障害児支援の指定申請を専門とする行政書士。放課後等デイサービス・児童発達支援・グループホーム(共同生活援助)・就労継続支援A型/B型・就労移行支援・生活介護・居宅介護・重度訪問介護など障害福祉・障害児の全類型に対応し、千葉県指定と千葉市/船橋市/柏市の市指定どちらの窓口も日常的に扱っています(オンラインで全国対応)。開業後の変更届・体制届・処遇改善加算の届出、運営指導への備えまで伴走します。
前職では従業員約800名規模の3社合併にともなう人事制度統合を主導し、正社員・パート等あわせて約800名の給与計算と社会保険実務を運用。処遇改善加算のキャリアパス要件は、突き詰めれば賃金表と等級制度の設計そのもの——加算の届出だけでなく、その先の賃金設計まで踏み込めることが強みです。国家資格キャリアコンサルタントとして、サビ管・児発管など資格者の採用と定着も支援しています。
保有資格:行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/財務コンサルタント(ASJ)/2級FP技能士(AFP)/人事総務検定2級ほか計11種。制度改正のたびに一次資料を確認しながら、note・LinkedIn・Instagram・Threadsで介護・障害福祉の実務情報をほぼ毎日発信しています。
まとめ
運営指導の対策は、通知が来てからの突貫工事ではなく、月次の自己点検の仕組み化です。「うちの記録、これで大丈夫?」の段階からご相談ください。初回相談30分無料。松戸・柏・流山・船橋・市川・三郷・千葉市・東京23区・埼玉東部・茨城県南部を含む首都圏の介護・障害福祉事業所を支援しています(オンラインで全国対応も可)。
※指導の運用・確認項目はサービス種別・自治体により異なります。労務管理(労働時間・就業規則等)は社会保険労務士の領域のため、提携社労士と連携して対応します。指摘の有無・結果を保証するものではありません。