— 30秒でわかる結論 —

Q. 加算の要件は満たしているのに算定できないと言われました。なぜですか?

最も多い原因は体制届(体制等に関する届出)の未提出または提出遅れです。加算は「要件を満たすこと」と「届出をすること」の両方が揃って初めて算定できます。そして届出には算定開始月に対する提出期限があり(自治体・サービス種別で異なります)、期限を過ぎると算定開始が翌月以降にずれ、遅れた月の分は取り戻せません。逆に、職員の退職で要件を欠いたのに届出せず算定を続けると返還リスクになります。「要件」と「届出」を別のものとして、期限をカレンダーで管理するのが対策の本丸です。

運営のご相談で胸が痛むのが、「要件はずっと満たしていたのに、届出が遅れて数か月分算定できなかった」というケース。制度の難しさではなく、期限管理の仕組みがなかったことによる損失です。今日はその防ぎ方を、運営の型としてお話しします(2026年7月時点。届出期限の定めは指定権者ごとに必ずご確認ください)。

この記事の対象——介護・障害福祉の全サービス類型に共通です

放課後等デイサービス児童発達支援グループホーム(共同生活援助)就労継続支援A型・就労継続支援B型・就労移行支援・就労定着支援/生活介護/同行援護/行動援護/短期入所/自立訓練/保育所等訪問支援/相談支援(その他類型の依頼ガイド)——いずれにも対応しています(指定申請サポート トップ)。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 加算を取りたいが、いつ届出すればよいか分からない方
  • 担当者の交代で、届出の引き継ぎが不安な方
  • 算定漏れの月があったかもしれないと感じている方

加算の構造——「要件」と「届出」は別物

加算は①要件を満たすことと②体制届を期限までに出すことの二段構えです。①だけでは算定できず、②が遅れれば算定開始が後ろにずれる。そして③体制が変わったら速やかな届出——ここを怠って算定を続けると、運営指導での指摘や過誤調整・返還につながります(運営指導への備え)。

ここは必ず確認を——前月◯日を1日過ぎると1か月遅れる

体制届は「前月の◯日までに届出→翌月から算定」という運用が一般的です。つまり1日遅れると、算定開始が丸1か月後ろにずれます。人員体制が整った日ではなく、届出の締切日から逆算して動いてください。締切日は指定権者ごとに違います。

年間カレンダー管理の型(独自フレーム)

対策は、バラバラに管理されがちな期限を1枚の年間カレンダーに集約することです。載せるのは4系統——

系統カレンダーに載せるもの
①加算・体制届算定中の加算一覧/年度更新が要るもの/届出期限の月
②人員要件職の資格・研修の有効期限/退職リスク時の代替計画
③処遇改善・研修計画・報告のサイクル/法定研修の実施月(令和8年改定の実務
④指定・変更6年更新の時期/変更届が要る事項の一覧(更新と変更届

ポイントは、担当者の記憶ではなく事業所の仕組みにすること。担当が代わっても回るカレンダーが、加算収入の守りの要です。

「うちは大丈夫」の点検——3つの質問

①いま算定している加算を、届出書類とセットで一覧にできますか? ②要件職が明日退職を申し出たら、いつまでに何を届け出るか即答できますか? ③年度替わりに出すものが、カレンダーに載っていますか?——ひとつでも詰まったら、仕組み化のタイミングです。当事務所は算定加算の棚卸し→年間カレンダーの初期設定→変更時の届出代行まで、運営の伴走をしています(お金と人の総合支援指定申請の流れ)。

参考にした一次資料

  • 厚生労働省が定める介護給付費・訓練等給付費等の算定に関する告示および留意事項通知
  • 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に関するQ&A」
  • 各指定権者が公表する体制届の様式・提出期限および加算の算定開始時期の案内

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・通知および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|複数指定権者は「違いの一覧化」を

千葉県・千葉市・船橋市・柏市など指定権者によって、届出の様式・提出方法・期限の運用は異なります。複数市で事業所を運営している法人は、指定権者ごとの違いを一覧にした管理表が特に有効です。棚卸しからお手伝いします。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

加算の届出漏れの相談を受けるたび、悪いのは担当者ではなく仕組みの不在だと感じます。人は忘れる前提で、カレンダーに覚えさせる——人事の実務で学んだ原則は、介護の運営でもまったく同じでした。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

障害福祉・障害児支援の指定申請を専門とする行政書士。放課後等デイサービス・児童発達支援・グループホーム(共同生活援助)・就労継続支援A型/B型・就労移行支援・生活介護・居宅介護・重度訪問介護など障害福祉・障害児の全類型に対応し、千葉県指定と千葉市/船橋市/柏市の市指定どちらの窓口も日常的に扱っています(オンラインで全国対応)。開業後の変更届・体制届・処遇改善加算の届出、運営指導への備えまで伴走します。

前職では従業員約800名規模の3社合併にともなう人事制度統合を主導し、正社員・パート等あわせて約800名の給与計算と社会保険実務を運用。処遇改善加算のキャリアパス要件は、突き詰めれば賃金表と等級制度の設計そのもの——加算の届出だけでなく、その先の賃金設計まで踏み込めることが強みです。国家資格キャリアコンサルタントとして、サビ管・児発管など資格者の採用と定着も支援しています。

保有資格:行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/財務コンサルタント(ASJ)/2級FP技能士(AFP)/人事総務検定2級ほか計11種。制度改正のたびに一次資料を確認しながら、note・LinkedIn・Instagram・Threadsで介護・障害福祉の実務情報をほぼ毎日発信しています。

プロフィールを見る →