— 30秒でわかる結論 —
Q. 送迎加算の要件と、必要な記録は何ですか?
送迎加算は、利用者の居宅等と事業所の間の送迎を行った場合に片道ごとに算定します。成人系(生活介護・就労系等)の(Ⅰ)は、1回の送迎につき平均10人以上(定員20人未満は定員の50%以上)が利用し、かつ週3回以上送迎を実施する場合、(Ⅱ)はいずれか一方を満たす場合です。放課後等デイサービスは学校からの送迎が中心で、片道ごとに算定し、看護職員等の同乗で上乗せされる区分があります。記録は、日付・利用者・乗降場所・運転者・車両を残し、誰をどこで乗せ降ろししたかが分からない送迎は運営指導で否認されます。保護者が玄関前まで連れてきた場合や、利用者が欠席した日の送迎は算定できません。区分の変更は算定開始月の前月15日までの体制届が通例です。
この記事は制度の解説です。運営中の事業所の顧問・相談窓口は、料金と流れを専用のページでご案内しています。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 送迎加算の(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらに該当するか確認したい方
- 運行記録の様式を見直したい管理者の方
- 運営指導で送迎の記録を指摘されたことがある事業所の方
ご相談いただくと、こう進みます
- 最初の30分の無料相談で、運行記録と出席の記録、届け出ている区分を一緒に見て、今の区分が要件に合っているかを確かめます。
- ご依頼後は、乗降場所や運転者が残る運行記録の様式を整え、区分を変える必要があるときは体制届の作成まで進めます。
- その後は、利用者の数や送迎の範囲が変わったときや運営指導の前に、同じ運行記録で見直します。
📖 この記事は「加算・減算辞典」シリーズの1本です。加算1つ・減算1つにつき1記事で、要件の骨子/必要な体制と書類/算定できなくなる典型/体制届のタイミングを同じ形で整理しています。一覧は加算・報酬ナビへ。
送迎加算とは——「送迎の実施」と「記録」で決まる加算
送迎加算は、利用者の居宅等と事業所の間の送迎を行った場合に、片道ごとに算定する加算です。生活介護・就労系・放課後等デイサービス・児童発達支援など通所系に設けられ、利用者数の多い事業所では月の加算額が大きくなります。要件はシンプルに見えますが、「何をもって送迎とするか」と「記録」で運営指導の指摘が多い加算です。
区分と要件の骨子(成人系の例)
| 区分 | 要件の骨子 |
|---|---|
| (Ⅰ) | ①1回の送迎につき平均10人以上が利用(定員20人未満は定員の50%以上)、かつ②週3回以上の送迎を実施 |
| (Ⅱ) | (Ⅰ)の①または②のいずれかを満たす場合 |
| 障害児通所(放デイ・児発) | 片道ごとに算定。重症心身障害児など、看護職員等の同乗で上乗せされる区分がある |
送迎の起点・終点は「居宅」が基本ですが、放課後等デイサービスは学校から事業所の送迎が中心になります。同一敷地内や事業所の近隣の場所を「送迎」と扱えるかは指定権者の解釈で異なるため、事前に確認してください。
必要な体制と書類
- 送迎の運行記録——日付・利用者・乗降場所・運転者・車両。誰をどこで乗せ降ろししたかが記録されていない送迎は算定を否定されます。
- 車両の管理——車検・任意保険・日常点検の記録。事故時の報告体制(事故報告の基準)。
- 運転者の管理——免許証の確認、健康状態の把握。
- 体制届——区分(Ⅰ・Ⅱ)を届出。
算定できなくなる典型
- 記録が「実施した」のチェックのみ——乗降場所・時刻の記載がなく、運営指導で否認。
- 保護者が事業所まで連れてきて、玄関前で引き渡した——送迎ではない。
- 平均利用人数が(Ⅰ)を下回っているのに(Ⅰ)で算定——3か月の実績で平均を確認する運用が一般的。
- 利用者本人が休んだ日の送迎——算定不可。欠席時対応加算とは別(欠席時対応加算)。
体制届のタイミング
区分の変更は算定開始月の前月15日までに体制届(通例)。平均利用人数が下がって(Ⅰ)の要件を外れた場合は、区分を(Ⅱ)へ変更する届出を速やかに。
当事務所の関わり方
運行記録の様式づくり、区分の判定、体制届をお受けしています。運営指導の前に送迎の記録を点検することもできます(無料診断)。
たとえば、こんな場面で迷っていませんか
開業して2年目の生活介護の管理者の方。開業のときに送迎加算の区分を届け出て、そのまま算定を続けています。
最近、送迎を使う利用者が減り、ひと便あたりの乗車人数が少なくなってきました。運行記録は、運転する職員が「実施」の欄に印をつけるだけの様式です。
運営指導の案内が届き、今の区分のままでよいのか、記録はこれで足りるのか、ご家族が玄関前まで連れてきてくれる日も送迎に数えてよいのかが気になり始めました。
このまま算定を続けると、要件を外れた区分で請求したり、乗降場所の分からない送迎が否認されたりして、算定した分を返すことになりかねません。
この場面なら、まず今の利用人数と送迎の実施状況で区分の要件に当たるかを確かめ、次に運行記録に誰をどこで乗せ降ろししたかが残っているかを見ます。本文では、その順に説明しました。
当事務所にご相談いただいた場合の進め方
- 1. ご相談の前に手元に用意していただくもの
送迎の運行記録、出席の記録、送迎を利用している方の名簿と乗降場所の一覧、届け出ている体制届の控え、車両の車検証・任意保険の証券・日常点検の記録をお手元にご用意ください。 - 2. 初回30分の無料相談で一緒に確認すること
運行記録と出席の記録を並べて、平均の利用人数と送迎の実施状況が届け出た区分の要件に当たるか、乗降場所・運転者・車両が記録に残っているかを一緒に確かめます。玄関前での引き渡しや欠席した日の送迎など、算定できないものが混ざっていないかも、その場でお伝えします。 - 3. ご依頼後の進め方当事務所がやること:報酬告示・留意事項通知に照らして区分を判定し、運転する職員が書きやすい運行記録の様式を整えます。区分の変更が必要なときは体制届を作成します。居宅以外の送迎先の扱いなど、指定権者の解釈で分かれるものは、確かめる事項として整理します。お客様にお願いすること:日々の運行記録の記入、運転する職員の免許証の確認と健康状態の把握、車両の点検と保険の管理は、お客様の事業所で行っていただきます。
- 4. その後
利用者の数や送迎の範囲が変わったときや運営指導の前には、同じ運行記録で区分と記録を見直します。運営指導の前の点検は「書類点検・模擬運営指導」としてもお受けしています。
料金は料金表と料金シミュレーションでご確認いただけます。
参考にした一次資料
- 障害福祉サービス等報酬告示および留意事項通知・Q&A(令和6年度報酬改定)
- 当事務所「介護・障害福祉の運営指導 完全実務ガイド」(2026年8月版)
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内の事業所の方へ
運営指導では運行記録と出席記録の突合、車両の任意保険・車検の確認が行われます。松戸・柏など送迎範囲が広い地域では、運行記録の様式に「乗降場所」の欄を必ず設けてください。
※2026年9月4日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
送迎加算の記録で一番多い指摘は「実施○」のチェックだけの記録です。誰をどこで乗せたかが書いてない。運転手さんが書きやすい1行様式を作るだけで、この指摘は消えます。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/2級FP技能士(AFP)/国家資格キャリアコンサルタント。
障害福祉・障害児支援とNPO法人を専門にしています。放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援A型・B型・グループホーム(共同生活援助)などの指定申請、処遇改善加算・変更届・指定更新・運営指導(実地指導)への対応を支援します。NPO法人は、設立認証から事業報告書・役員変更などの運営まで支援します。
企業人事15年の経験を土台に、児発管・サビ管の採用・定着、融資・補助金や資金繰りまで、「書類・人・お金」を一体で支えます。