— 30秒でわかる結論 —
Q. 居宅介護・重度訪問介護のサービス提供責任者には、どんな要件がありますか?
資格要件と実務経験の両方が問われます。介護福祉士、実務者研修修了者、居宅介護職員初任者研修課程修了者で一定の実務経験がある者などが該当し、類型により異なります。配置数は事業所の規模(利用者数・訪問回数等)に応じて増員が必要です。従業者は常勤換算2.5人以上(サ責を含む)で、居宅介護は初任者研修修了以上が基本。重度訪問介護は重度訪問介護従業者養成研修、同行援護・行動援護はそれぞれの養成研修の修了が必要で、行動援護は実務経験も求められます。常勤換算2.5人は常勤職員が2.5人いる意味ではなく、事業所の常勤の所定労働時間で割った値で、たとえば週40時間が常勤なら週20時間のパートは0.5人です。管理者は常勤で資格要件はなく、サ責と兼務できる場合が多いです。具体的な要件は基準省令と指定権者の条例で確認してください。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 居宅介護・重度訪問介護の開業を考えていて、人員要件を確認したい方
- サービス提供責任者の候補はいるが、要件を満たすか分からない方
- 常勤換算2.5人の数え方が分からず、採用計画を立てられない方
訪問系で最初につまずくのは「サ責が置けるか」
居宅介護・重度訪問介護などの訪問系サービスは、物件も設備投資も小さく、障害福祉の中では最も始めやすい類型です。ところが実際には、サービス提供責任者(サ責)の要件で止まる相談が多い。人員基準の中で、資格と実務経験の両方が問われる唯一の職種だからです。
人員基準の骨格
| 職種 | 要件の骨子 |
|---|---|
| サービス提供責任者 | 資格要件:介護福祉士、実務者研修修了者、居宅介護職員初任者研修課程修了者で一定の実務経験がある者など(類型により異なる)。配置数:事業所の規模(利用者数・訪問回数等)に応じて増員が必要 |
| 従業者(ヘルパー) | 常勤換算2.5人以上(サ責を含む)。居宅介護は初任者研修修了以上が基本 |
| 重度訪問介護の従業者 | 重度訪問介護従業者養成研修の修了者等。居宅介護の資格だけでは従事できない場合がある |
| 同行援護・行動援護の従業者 | それぞれ同行援護従業者養成研修・行動援護従業者養成研修の修了と、行動援護は実務経験も必要 |
| 管理者 | 常勤。資格要件はなく、サ責との兼務が可能な場合が多い |
ここで見落とされがちなのが、「居宅介護のサ責」と「重度訪問介護に従事できる人」は別物だということです。二枚看板で始めるなら、研修の受講計画を採用計画と一緒に立ててください。
「2.5人」の数え方でつまずく
常勤換算2.5人は、常勤職員が2.5人いるという意味ではありません。事業所が定める常勤の勤務時間で割った値です。たとえば常勤の所定労働時間が週40時間なら、週20時間のパートは0.5人と数えます。
| 例 | 常勤換算 |
|---|---|
| 常勤サ責1人(週40時間)+週20時間パート3人 | 1.0+1.5=2.5人(基準を満たす) |
| 週30時間の職員4人 | 0.75×4=3.0人(満たす) |
| 常勤2人+週15時間パート1人 | 2.0+0.375=2.375人(満たさない) |
数え方の元になるのは勤務形態一覧表で、これは指定申請の差し戻しが最も多い書類でもあります。雇用契約書の所定労働時間と一致しているか、シフトと矛盾していないかを、提出前に必ず突き合わせてください。
採用と定着——訪問系の生命線
訪問系は設備投資が小さい分、事業の価値がそのまま人の確保に直結します。登録ヘルパーの確保が難しい地域では、開業しても稼働が上がりません。開業前に、次の3つを確認してください。
- 地域の求人相場(時給・移動時間の扱い・キャンセル時の補償)
- 研修の受講機会(重度訪問介護従業者養成研修などを、どこで・いつ受けられるか)
- サ責候補が辞めたときの代替(資格職が突然辞めたときの初動と同じ構造の問題が起きます)
指定申請での確認事項
- 実務経験証明書——前の勤務先に証明印を依頼するため、2〜4週間見込むのが安全。最も時間がかかる書類です。
- 資格証の写し——旧姓のままになっていないか、紛失していないか。再交付には日数がかかります。
- 事務室と相談スペース——訪問系でも、事業に必要な専用区画は必要です。自宅の一室を使う場合は、生活空間との区分を指定権者に確認してください。
当事務所の関わり方
指定申請サポート(税込220,000円〜)では、サ責候補の要件確認、勤務形態一覧表の作成、実務経験証明書の取得段取りまでお手伝いします。二枚看板(居宅介護+重度訪問介護)で始める設計はこちらの記事をご覧ください。
参考にした一次資料
- 障害者総合支援法にもとづく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(基準省令)
- 各指定権者(都道府県・政令市・中核市)の条例および指定申請の手引き
- 当事務所「障害福祉・障害児支援の指定申請 完全実務ガイド」(2026年8月版)
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内で訪問系を始めるとき
指定権者は千葉市・船橋市・柏市はその市、松戸・流山・市川などは千葉県です。訪問系は事務室と相談スペースがあれば始められるため物件のハードルは低い一方、サ責の要件確認で時間がかかります。研修の開催日程は年度により異なるので、千葉県や関係団体の案内を早めに確認してください。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
訪問系の相談で「すぐ始められますよね」と言われることがあります。物件と設備はそのとおりです。でも、サ責の要件と実務経験証明書で1か月以上かかることが珍しくありません。始めやすい類型ほど、人の準備を早めに始めてください。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
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