— 30秒でわかる結論 —
Q. グループホームに入りたい方が現れたら、すぐ契約して入居してもらえますか?
すぐには入居できません。GHの利用には市町村の支給決定(受給者証)が必要で、申請から決定までに時間がかかります。また、いきなり本入居ではなく体験利用を挟むのが一般的で、ご本人にとっても事業所にとっても「ここで暮らせるか」を確かめる大切な段階です。事業者側は、見学対応→体験利用の受け入れ→支給申請の案内→重要事項説明・契約という一連の流れを、書式と担当を決めて開業前に設計しておくことをおすすめします。最初の入居希望はある日突然来ます。
この記事は制度の解説です。運営中の事業所の顧問・相談窓口は、料金と流れを専用のページでご案内しています。
ご相談いただくと、こう進みます
- 最初の30分の無料相談で、運営規程と重要事項説明書・契約書、体験利用の受け入れの考えを一緒に見ます
- ご依頼後は、見学から体験利用、契約までの書類と記録の様式を整え、運営規程と食い違いのない受け入れ書式一式まで進めます
- その後は、家賃や体制を変えて変更届を出すときや運営指導の前に、同じ書式一式を見直します
GHの開業準備というと指定申請に目が行きがちですが、指定が取れた瞬間から始まるのが「入居希望者への対応」です。今日は、見学から契約までの流れと、事業者側が整えておくものを歩きます。
ステップ①:見学・相談——紹介元との関係が入口
入居希望は多くの場合、収支の記事でも触れた紹介経路——相談支援事業所・特別支援学校・病院など——から来ます。見学対応では、住まいの雰囲気だけでなく支援方針と生活ルールを率直に伝えることが、後のミスマッチを防ぎます。
ステップ②:体験利用——「お試し」ではなく制度上のサービス
共同生活援助には体験利用の仕組みがあり、本入居の前に一定期間暮らしてみることができます。事業者側で押さえるべきは、体験利用も支給決定にもとづくサービス提供だということ——受け入れには記録・請求の実務が伴い、「なんとなく泊めてみる」ではありません。体験時の支援記録は、本入居後の個別支援計画の貴重な材料にもなります。
ステップ③:受給者証——市町村の支給決定を待つ
本入居には、ご本人がお住まいの市町村へ支給申請を行い、受給者証の支給決定を受ける必要があります。申請から決定までの期間は市町村によって幅があるため、入居希望から実際の入居まではある程度の日数を見込む——この時間軸を紹介元とご家族に最初に共有しておくと、調整がスムーズです。
ステップ④:重要事項説明と契約——「最新版」であることがすべて
契約前には重要事項説明を行い、利用契約を結びます。ここでの落とし穴が「書式の鮮度」——家賃や体制を変更したのに重説が古いまま、運営規程と食い違っている、という状態は運営指導の定番指摘です。変更届と重説・契約書の更新は、必ずセットで動かしてください。
開業前に整えておく「受け入れ一式」
まとめると、開業までに——見学対応の案内資料/体験利用の書類と記録様式/重要事項説明書・利用契約書(運営規程と整合)/個別支援計画の様式/断る場合の説明とつなぎ先リスト——を一式そろえておくこと。当事務所では指定申請とあわせて、この受け入れ書式一式の整備までお手伝いしています(GH開業の全体像へ)。
📍 千葉県ローカルメモ|受給者証は「住んでいる市町村」へ
受給者証の支給申請は入居者がお住まいの市町村ごとに行うため、千葉県内でも松戸市・柏市・流山市…と相手先が分かれます。広域から入居者を受け入れるGHほど、市町村ごとの申請の流れを把握しておくことが調整力になります。
※2026年7月28日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
たとえば、こんな場面で迷っていませんか
障害者グループホームの指定を受けたばかりの法人の管理者の方。開所の準備を進めていたところ、相談支援事業所から入居を希望する方の紹介がありました。
ご本人もご家族も早く入りたいと話していて、管理者の方も来週からでも住んでもらえないかと考えています。
ところが、受給者証がまだ出ていないこと、体験利用から始めるのかどうか、体験利用のときの記録や請求をどうするのかが分かりません。重要事項説明書と契約書も、指定申請のときのひな形のままです。
このまま受け入れると、支給決定の前に入居が始まってしまったり、家賃や体制の書き方が運営規程と食い違ったまま契約して、運営指導で指摘を受けたりしかねません。
この場面なら、まず受給者証の支給決定がいつ出るかを紹介元と確かめ、次に体験利用の書類と記録の様式、重要事項説明書と契約書が運営規程と合っているかを見ます。本文では、その順に説明しました。
当事務所にご相談いただいた場合の進め方
- 1. ご相談の前に手元に用意していただくもの
運営規程、重要事項説明書と利用契約書(いま使っているもの・ひな形)、家賃・食材費・光熱水費の設定が分かる資料、個別支援計画の様式、体験利用の受け入れの考え、見学の案内資料(あれば)をお手元にご用意ください。 - 2. 初回30分の無料相談で一緒に確認すること
重要事項説明書・契約書と運営規程を並べ、家賃や体制の書き方に食い違いがないかを一緒に確かめます。見学から体験利用、受給者証の支給決定、契約・入居までの流れのうち、書類や担当が決まっていないところをその場でお伝えします。 - 3. ご依頼後の進め方当事務所がやること:重要事項説明書・利用契約書などの運営書類を、運営規程・家賃設定・体制と合う形で作成します。体験利用の書類と記録の様式、個別支援計画の様式もあわせて整えます。家賃や体制を変えるときは、変更届と運営書類の書き換えを一緒に進めます。お客様にお願いすること:見学の対応、入居を希望する方・ご家族・紹介元との調整、支給申請のご案内、重要事項説明と契約の締結、体験利用中の支援の記録は、お客様の事業所で行っていただきます。
- 4. その後
家賃や体制を変えるとき、新しい住居を加えるとき、運営指導の前に、運営書類が運営規程と合っているかを同じ書式一式で見直します。運営指導の前の点検は「書類点検・模擬運営指導」としてもお受けしています。
料金は料金表と料金シミュレーションでご確認いただけます。
💬 目加多のひとこと
体験利用を終えて「ここに住みたい」と言ってもらえた瞬間の事業者さんの顔は、何度見てもいいものです。制度の書類仕事は、その一言のためにある——そう思うと、書式整備も悪くない仕事です。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)
障害福祉・障害児支援の指定申請を専門とする行政書士。放課後等デイサービス・児童発達支援・グループホーム(共同生活援助)・就労継続支援A型/B型・就労移行支援・生活介護・居宅介護・重度訪問介護など障害福祉・障害児の全類型に対応し、千葉県指定と千葉市/船橋市/柏市の市指定どちらの窓口も日常的に扱っています(オンラインで全国対応)。開業後の変更届・体制届・処遇改善加算の届出、運営指導への備えまで伴走します。
前職では従業員約800名規模の3社合併にともなう人事制度統合を主導し、正社員・パート等あわせて約800名の給与計算と社会保険実務を運用。処遇改善加算のキャリアパス要件は、突き詰めれば賃金表と等級制度の設計そのもの——加算の届出だけでなく、その先の賃金設計まで踏み込めることが強みです。国家資格キャリアコンサルタントとして、サビ管・児発管など資格者の採用と定着も支援しています。
保有資格:行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/財務コンサルタント(ASJ)/2級FP技能士(AFP)/人事総務検定2級ほか計11種。制度改正のたびに一次資料を確認しながら、note・LinkedIn・Instagram・Threadsで介護・障害福祉の実務情報をほぼ毎日発信しています。