— 30秒でわかる結論 —

Q. 就労継続支援B型は、令和8年度の見直しで何が変わりましたか?

令和8年4月から就労移行支援体制加算の就職者数が定員数までになり、令和8年6月から平均工賃月額の区分の基準額が3千円引き上げられ、令和8年6月1日以降の新規指定事業所は基本報酬が所定単位数の1000分の984になりました。既存の事業所は単価は従前どおりで、令和6年度改定の前後で区分が上がっていない事業所は区分の見直しの対象外です(2026年10月20日確認)。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 説明会で「1人1日いくら」という売上の試算を聞いたが、令和8年6月1日以降の新規指定であることを織り込んでいるか分からない方
  • 運営中の事業所で、6月から報酬区分が下がるのではないかと心配している方
  • 指定申請の前に自治体から面談を求められたが、コンサルタントに任せてよいのか迷っている方

ご相談いただくと、こう進みます

  1. 最初の30分の無料相談で、開業予定日・所在地・定員・生産活動の内容と販路を伺い、応急的な報酬単価・総量規制・事前協議の流れに当てはめて整理します
  2. ご依頼後は、1000分の984で試算し直した収支計画と、生産活動の収入見込み(生産活動シート)の作成をお手伝いします
  3. その後は、指定申請書類の作成、開所後の平均工賃月額の計算と区分の届出、就労移行支援体制加算の要件確認まで、必要に応じて続けて支援します

これから就労継続支援B型を始める方、運営中の方へ。令和8年度は3つの見直しが入りました

  1. 令和8年4月から:就労移行支援体制加算で、1事業所が年間に算定できる就職者数に「定員数まで」の上限が付き、ほかの事業所で過去3年間に算定実績がある人は原則として算定できなくなりました
  2. 令和8年6月から:平均工賃月額による基本報酬区分の基準額が3千円引き上げられ、中間的な区分が新設されました(配慮措置あり)
  3. 令和8年6月1日以降に新しく指定を受ける事業所は、令和9年度報酬改定まで、基本報酬が所定単位数の1000分の984になります

(制度。令和8年4月24日 報告資料8頁・9頁・21頁(2026年10月20日確認))。これから開業する方は、3つ目の単価で収支を試算し直すことと、国が自治体向けに示している新規指定のガイドラインで何を確認されるかを先に知っておくことが大切です。

1. 平均工賃月額の区分の見直し(令和8年6月施行)

令和6年度報酬改定で平均工賃月額の計算方法が変わり(年間工賃支払総額 ÷(年間延べ利用者数 ÷ 年間開所日数)÷ 12月)、全国の平均工賃月額が令和4年度から令和5年度にかけて約6千円上がりました。想定より高い区分の事業所が増えたため、国は基準額を、上昇幅の半分の3千円引き上げました(制度。令和8年4月24日 報告資料9頁(2026年10月20日確認))。

配慮措置は次の3つです。

  • 令和6年度改定の前後で区分が上がっていない事業所は、見直しの対象外(従前の報酬区分を適用)
  • 区分が下がる事業所も、基本報酬の減少額が3%程度に収まるよう、中間的な区分を新設
  • 区分七と八の間の基準(平均工賃月額1万円)は据え置き

告示の新しい区分は14段階です。境目はどの定員規模でも同じで、単位数は定員規模・人員配置ごとに違います。サービス費(Ⅰ)・利用定員20人以下の例は次のとおりです。

告示の区分Q&Aでの呼び方平均工賃月額単位数(サービス費(Ⅰ)・定員20人以下)
㈠(一)4万8千円以上837単位
㈡(A)4万5千円以上4万8千円未満812単位
㈢(二)3万8千円以上4万5千円未満805単位
㈣(B)3万5千円以上3万8千円未満781単位
㈤(三)3万3千円以上3万5千円未満758単位
㈥(C)3万円以上3万3千円未満738単位
㈦(四)2万8千円以上3万円未満738単位
㈧(D)2万5千円以上2万8千円未満726単位
㈨(五)2万3千円以上2万5千円未満726単位
㈩(E)2万円以上2万3千円未満705単位
(十一)(六)1万8千円以上2万円未満703単位
(十二)(F)1万5千円以上1万8千円未満682単位
(十三)(七)1万円以上1万5千円未満673単位
(十四)(八)1万円未満590単位

(制度。告示第14・1イ⑴、令和8年4月24日 報告資料10頁、令和8年度報酬改定Q&A VOL.1 問30(2026年10月20日確認)。(十三)(十四)は告示では「略」で、単位数は報告資料の表によります)。届出の様式やQ&Aでは「(A)〜(F)」の記号で呼ばれています。ほかの定員規模・サービス費(Ⅱ)(Ⅲ)は、隣り合う区分で単位数が同じになる組み合わせが変わるため、必ず告示の単位数表で確認してください。区分の変更に必要な届出、対象外になる事業所の根拠書類は令和8年6月の基本報酬区分の見直しと届出の記事で扱っています。毎年の区分の届出を加算の体制届と一緒に管理する方法は体制届の年間カレンダーの記事、工賃そのものの上げ方は平均工賃の育て方の記事にまとめています。

届出は、見直しに係るものは令和8年6月中に行うのが基本で、令和8年4月に「令和8年4月・5月分」と「令和8年6月以降分」を同時に出させる扱いも差し支えないとされています。(七)(八)の事業所は区分が変わらないので区分変更の届出書は不要、見直しの対象外の事業所は、区分変更の届出書の代わりに、令和6年3月と令和6年4月の基本報酬区分が分かる書類などの根拠書類を出します(制度。令和8年度報酬改定Q&A VOL.1 問30(2026年10月20日確認))。

参考:全国の平均工賃月額は令和5年度22,649円です(当初公表の23,053円から修正。令和8年1月22日 資料1 6頁(2026年10月20日確認))。この修正で、目標工賃達成加算の工賃目標の下限(令和8年度の目標は前年度実績を上回る額)も変わりました。計算のしかたと千葉県の計画シートの注意は目標工賃達成加算の工賃目標はいくら以上かに書いています。

2. 新規指定の事業所は「応急的な報酬単価」(令和8年6月施行)

項目内容
対象事業所令和8年6月1日以降に新規に指定された就労継続支援B型
単価基本報酬が所定単位数の1000分の984
期間令和9年度報酬改定まで
既存事業所従前どおり(合併・分割・事業譲渡で実質的に継続して運営される場合も既存と同じ扱い)

(制度。告示第14・1注17、令和8年4月24日 報告資料20頁・21頁(2026年10月20日確認))。国は、就労継続支援B型の令和6年度の収支差率を6.2%、令和5年度から6年度にかけての総費用額の伸びを20.1%(5,242→6,294。単位は億円)と示しています。事業所数(国保連データによる請求事業所数)は15,070(R3年度末)から18,704(R6年度末)に増えています(制度。令和8年1月22日 資料1 10頁・27頁・34頁(2026年10月20日確認))。

従前の単価のままになる場合

  • 医療連携体制加算(Ⅳ)を算定する利用者に係る基本報酬
  • 視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅰ)(Ⅱ)、高次脳機能障害者支援体制加算を算定する事業所に係る基本報酬
  • 離島・中山間地域など特別地域加算の対象地域にある事業所
  • 自治体が客観的に必要であるとして設置する事業所(公募でサービスが不足する地域に設置する事業所、自治体から補助等の経済的支援を得て設置する事業所)

(制度。令和8年4月24日 報告資料21頁(2026年10月20日確認))。国のQ&Aでは、令和8年6月1日以降に就労継続支援A型から就労継続支援B型へ転換する場合は新規指定が要るため対象になり、従たる事業所の追加・定員増加は新規指定ではないため対象外、共生型・基準該当は新規の申請でも適用しない、とされています。自治体からの補助でも、運営への補助(指定管理料を含む)や、サービスの質・人材確保のための補助は、それだけでは適用対象外になりません(制度。令和8年度報酬改定Q&A VOL.1 問13・問14・問16・問24(2026年10月20日確認))。新規指定の減額の全体像は令和8年6月からの新規指定の減額と配慮措置の記事にまとめています。

財務の目で見ると

就労継続支援B型の収支は、基本報酬の区分(平均工賃月額)と、新規指定の1000分の984の両方で動きます。開業直後の区分の扱いは指定権者の案内で確かめたうえで、試算は「新規指定の単価×想定の区分」で作り、工賃の原資になる生産活動の収支とは別に見てください。給付費を実質的に工賃に回す形は、国のガイドラインで確認の対象になっています(当事務所の見解)。

3. 就労移行支援体制加算の見直し(令和8年4月施行)

前年度に就労継続支援B型などを利用したあと一般就労に移り、6月以上就労を続けている人が1名以上いる場合の加算です。同じ利用者が事業所と一般企業の間で離職と就職を繰り返し、そのたびに加算を取る、という本来の趣旨と異なる算定の報道を受けて、次のように見直されました(制度。令和8年4月24日 報告資料8頁(2026年10月20日確認))。

  • 1事業所で算定できる年間の就職者数は、その事業所の定員数まで
  • ほかの事業所で過去3年間に算定実績がある人は算定できない(ハラスメントなどやむを得ない事情で退職した人など、市町村長が適当と認める人を除く)

対象は就労継続支援A型・B型、生活介護、自立訓練(機能訓練・生活訓練)です。過去3年間は、体制届を受理した年度の前年度末日から数えます(令和8年4月に受理した場合は、令和5年度から令和7年度)。指定権者が体制届の確認を行い、支給決定をした市町村も給付の審査のときに確認することが想定されています(制度。令和8年度報酬改定Q&A VOL.1 問32(2026年10月20日確認))。この加算のあり方は、令和9年度報酬改定に向けて改めて議論されます。

休職していた人が復職支援として利用したあと復職した場合について、国のQ&Aは、実際に企業へ復職した日を1日目として、その企業での就労が6月以上続いてから算定できるとしています(休職期間や休職以前に雇用されていた期間は算定しない)(制度。令和6年度報酬改定Q&A VOL.1 問55(2026年10月20日確認))。生活介護での扱いは生活介護の令和8年度の見直しの記事にも書いています。

新規指定で自治体が確認すること(国のガイドライン)

国は「指定就労継続支援事業所の新規指定や運営状況の把握に関するガイドライン」を自治体向けに示しています(令和8年1月22日 資料1 14〜17頁に抜粋)。指定を受けたい側が押さえておきたいのは次の点です。

  • 面談の相手:自治体の面談は、委託しているコンサルティング会社や代理の人ではなく、必ず法人の代表者、事業所の管理者やサービス管理責任者などに対して行う
  • 運営の一貫性:審査で面談した代表者などが、少なくとも最初の運営指導まで一貫して運営することが望ましく、自治体は事前にその旨を伝えるとされている
  • 事業計画で見られる点:開所予定地の市町村への事業計画の説明とニーズの把握、サービスを選んだ理由、利用者の募集方法、生産活動の具体的な内容と収入の見込み(生産活動シート)
  • 生産活動として適さない可能性がある例:eスポーツ、植物の水やりを1日数回行うだけの活動、所定の場所に居ればよいという活動など
  • 在宅での利用:原則は対面。重度障害者で通所が困難であることなどを理由に在宅を希望し、在宅での支援効果が認められると市区町村が判断した場合に認められる
  • 会計:福祉事業の会計と生産活動の会計を分けているか、自立支援給付費等を実質的に工賃に充てていないかが確認される

また国は、「特段の知識や経験は不要」「簡単にできる」「利益をあげることができる」として参入や出資を勧める例を挙げています。就労継続支援B型では、eスポーツ支援を急成長のビジネスとうたうもの、本部の手厚いサポートで未経験でも安心とうたうものなどです(令和8年1月22日 資料1 13頁)。

総量規制にも注意

法律上の総量規制は、障害者総合支援法第36条第5項にあります。都道府県障害福祉計画で定めた必要な量にすでに達しているときなどに、都道府県知事が指定をしないことができる仕組みです。対象の「特定障害福祉サービス」は、施行規則第34条の20で生活介護・就労継続支援A型・就労継続支援B型と定められています(法令。e-Gov 法令検索(2026年10月20日確認))。就労継続支援B型はこの対象です。開業予定地の自治体が新規の受付を止めていないか、物件を契約する前に確認してください。

地域差分——千葉県内の指定権者

就労継続支援B型の指定は都道府県が行い、指定都市・中核市に事業所を置く場合はその市が指定権者です(障害者総合支援法の大都市等の特例)。千葉県内では、千葉市・船橋市・柏市に置く場合は各市、それ以外の市町村は千葉県が窓口になります(千葉県「障害者総合支援法に基づく事業者の指定等」(2026年10月20日確認))。

千葉県・千葉市・船橋市・柏市での総量規制の運用と、令和8年6月の区分変更の届出の期限は、この記事では確認していません。それぞれの指定権者の案内で確認してください。

たとえば、こんな場面で迷っていませんか

説明会で「1人1日いくら」という売上の試算を聞いたが、令和8年6月1日以降の新規指定であることを織り込んでいるか分からない。

運営中の就労継続支援B型で、6月から報酬区分が下がるのではないかと心配している。

指定申請の前に自治体から面談を求められたが、コンサルタントに任せてよいのか迷っている。

当事務所にご相談いただいた場合の進め方

  1. 1. ご相談の前に手元に用意していただくもの
    開業予定日、所在地、定員、生産活動の内容と販路(取引先の見込み)、手元の収支の試算。運営中の方は、前年度の工賃支払総額・延べ利用者数・開所日数が分かるもの。
  2. 2. 初回30分の無料相談で一緒に確認すること
    応急的な報酬単価・総量規制・事前協議の流れに当てはめて、開業までの日程と論点を整理します。運営中の方は、令和8年6月の区分の見直しの対象かどうかを一緒に確かめます。
  3. 3. ご依頼後の進め方当事務所がやること:1000分の984で試算し直した収支計画、生産活動の収入見込み(生産活動シート)、指定申請書類の作成を行います。料金は料金表の「指定申請(…就労継続支援B型…)」で、1事業所あたり330,000円(税込)です。お客様にお願いすること:自治体の面談には、代表者・管理者・サービス管理責任者ご本人が出てください(国のガイドラインで、面談は委託先のコンサルティング会社や代理の人ではなく法人の代表者等に行うとされています。当事務所は面談の代理はせず、事業計画の説明の準備をお手伝いします)。
  4. 4. その後
    開所後の平均工賃月額の計算と区分の届出、就労移行支援体制加算の要件確認まで、必要に応じて続けて支援します。

料金は料金表と料金シミュレーションでご確認いただけます。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

💬 目加多のひとこと

区分の表は、定員と人員配置の組み合わせで単位数が変わります。自分の事業所の欄を告示で一度引いておくと、6月以降の入金の見通しがずっと立てやすくなります。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/2級FP技能士(AFP)/国家資格キャリアコンサルタント。
障害福祉・障害児支援とNPO法人を専門にしています。放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援A型・B型・グループホーム(共同生活援助)などの指定申請、処遇改善加算・変更届・指定更新・運営指導(実地指導)への対応を支援します。NPO法人は、設立認証から事業報告書・役員変更などの運営まで支援します。
企業人事15年の経験を土台に、児発管・サビ管の採用・定着、融資・補助金や資金繰りまで、「書類・人・お金」を一体で支えます。

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