— 30秒でわかる結論 —
Q. 児童発達支援で、隣の事業所の浴室を使って入浴支援加算は算定できますか?シャワー浴や清拭でもよいですか?
事業所に浴室がなく、隣の事業所のお風呂を使えるか迷っている方へ。浴室・浴槽・入浴機器は事業所に備えるのが基本で、同一法人により運営される隣接する事業所の設備なら共用できます。異なる法人の事業所や、同一法人でも隣接しない事業所の設備は認められません。ミスト浴や洗身を行うシャワー浴は認められ、清拭・水遊び・単にシャワーを浴びせるだけは入浴支援に当たりません(こども家庭庁Q&A VOL.1 問21・留意事項通知⑫の8(2026年10月22日確認))。
この記事は制度の解説です。運営中の事業所の顧問・相談窓口は、料金と流れを専用のページでご案内しています。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 医療的ケア児や重症心身障害児を受け入れていて、事業所に浴室がないため、隣の事業所の浴室を使えるか確かめたい児童発達支援の管理者・児童発達支援管理責任者の方
- シャワー浴や清拭、部分浴で入浴支援加算を数えてよいか迷っている方
- 千葉県で入浴支援加算の体制届を出す前に、別紙74と添付書類をそろえたい方
ご相談いただくと、こう進みます
- 最初の30分の無料相談で、図面と入浴の方法を見ながら、算定できる形かどうかを一緒に判定します
- ご依頼後は、子どもごとの入浴の手順書・機器の点検表・安全計画の入浴の項目と、別紙74・体制届を指定権者の案内に合わせて整えます
- その後は、入浴支援をする子が増えたときや設備を変えたときに、同じ点検表で書面と届出を見直します
「うちの事業所には浴室がない。隣の事業所のお風呂を使って入浴支援加算は取れる?シャワーや清拭でもいい?」と迷っている方へ。同じ法人が運営する隣接の事業所なら共用できます。清拭は認められません
医療的ケア児や重症心身障害児を受け入れている児童発達支援で、入浴支援加算を考え始めた。けれど、事業所に浴室がない。隣に同じ法人のグループホームがある。近くには別の法人の施設もある。湯船ではなく、シャワーや体を拭くだけでもよいのか。国のQ&Aにも、ほぼ同じ質問が載っています。
答えを先に書きます。浴室・浴槽・入浴機器は、事業所に備えることが基本です。そのうえで、同一法人により運営される隣接する事業所の設備を共用することも可能とされています。異なる法人の事業所や、同一法人でも隣接しない事業所の設備は認められません(制度。こども家庭庁 令和6年度報酬改定(障害児支援)Q&A VOL.1 問21・令和6年3月29日(2026年10月22日確認))。
入浴の方法は、対象児の状態や特性に応じて、ミスト浴やシャワー浴も認められます。清拭は認められません。児童発達支援の一環で行う水遊びや、洗身とはいえない、単にシャワーを浴びさせる等も入浴支援には当たりません(制度。同 問21)。
入浴支援加算とは——対象の子と回数
入浴支援加算とは、医療的ケア児又は重症心身障害児に対して、発達支援とあわせて入浴支援を行った場合に、月に8回を限度に算定する加算です(制度。留意事項通知 児童発達支援⑫の8(2026年10月22日確認))。放課後等デイサービスの入浴支援加算も、同じ取扱いを準用しています(同。放課後等デイサービス⑫の8)。
月8回の上限は事業所ごとに数えます。同じ子が2つの事業所を使う場合も、それぞれの事業所で月に8回まで算定でき、合算する仕組みではありません(制度。Q&A VOL.3 問8・令和6年5月2日)。
浴室の広さについて、国は具体的な平米数等による面積等の要件を定めていません。ただし、対象の子の身体の状況や特性等に応じて、安全かつ適切な入浴支援ができる構造や面積等を持っている必要があります(制度。Q&A VOL.1 問20)。
浴室の場所と入浴の方法で判定する——取れる・取れない
結論として、見る点は「設備がどこにあるか」と「何をしたか」の2つです。Q&A VOL.1 問21と留意事項通知⑫の8(七)の文言を、場面ごとに並べると次のとおりです。
| 場面 | 算定 | 根拠の文言 |
|---|---|---|
| 事業所の浴室・浴槽・入浴機器を使う | できる(基本の形) | 事業所において備えることを基本とする(問21) |
| 同じ法人が運営する、隣接する事業所の浴室を使う | できる | 同一法人により運営される隣接する事業所の設備を共用することも可能(問21) |
| 別の法人の事業所の浴室を使う | できない | 異なる法人の事業所の設備によることは認められない(問21) |
| 同じ法人だが、隣接していない事業所の浴室を使う | できない | 同一法人であっても隣接しない事業所の設備によることは認められない(問21) |
| 浴槽はないが、ミスト浴の機器と環境を備えている | できる | 必要な入浴機器と入浴環境を備えている場合には算定を可能とする(問21) |
| シャワー浴で洗身をする | できる | 洗身を行う場合は認められる(通知⑫の8(七)) |
| 浴槽を使った部分浴 | できる | 浴槽を使用した部分浴は算定できる(通知⑫の8(七)) |
| 単にシャワーを浴びせるだけ | できない | 単にシャワーを浴びせるだけの場合は算定できない(通知⑫の8(七)) |
| 清拭(体を拭く) | できない | 清拭は認められない(問21)・清拭は算定しない(通知) |
| 発達支援の一環としての水遊び | できない | 入浴支援には当たらない(問21) |
(制度。Q&A VOL.1 問21、留意事項通知⑫の8(七)(2026年10月22日確認))。どこまでを「隣接」と言うか(同じ建物の別の階、道路を挟んだ向かいなど)は、Q&Aに書いてありません(要確認)。共用を考えている場合は、図面を持って指定権者に先に確かめるのが安全です(当事務所の見解)。
医療的ケア児の受け入れ全体の準備は医療的ケア児を受け入れる児童発達支援・放課後等デイサービスの準備に、延長の時間帯の看護職員の考え方は延長支援加算と看護職員の配置にまとめています。
— この段階でご相談いただく理由 —
浴室の場所と入浴の方法を図面で確かめ、届出の前にそろえる書面(入浴の手順・安全計画・研修の記録)を一緒に洗い出します。体制届の締切から逆算した日程も作ります。
届出の前にそろえる書面——留意事項通知の6つの点
ひとことで言うと、浴室があるだけでは足りず、「子どもごとの手順」「機器の点検」「研修」「安全計画」「計画への位置付け」を書面でそろえます。留意事項通知⑫の8は、次のことを求めています(制度(2026年10月22日確認))。
| 点検する点 | 通知の文言(要点) | 根拠 |
|---|---|---|
| 設備と衛生 | 浴室・浴槽・衛生上必要な設備を備え、衛生的に管理する。対象児の状態等に応じて入浴させるに適した構造や面積等 | ⑫の8(一) |
| 子どもごとの手順 | 特性等を踏まえた入浴方法や支援の体制、手順などをあらかじめ書面で整理し、入浴支援を行う従業者に周知 | ⑫の8(二)① |
| 入浴機器の点検 | 入浴支援を行う日及び定期的に、安全装置を含め、安全性と衛生面から点検 | ⑫の8(二)② |
| 研修と訓練 | 入浴支援にあたる全従業者に、定期的に手法・機器の使い方・突発事故の対応等の研修や訓練 | ⑫の8(二)③ |
| 安全計画 | 指定通所基準 第40条の2の安全計画に、入浴支援の安全確保の取組等を定め、周知し、実施 | ⑫の8(三) |
| 計画への位置付けと見守り | 家庭での入浴の状況などを把握し、配慮事項や体制を通所支援計画に位置付ける。入浴中に職員の見守りがなくなる時間を作らない。意に反する異性介助をしない | ⑫の8(四)・(六) |
(制度上の根拠は表の右の列のとおり(2026年10月22日確認))。情報を集めるときは、必要に応じてかかりつけ医や、すでに使っている居宅介護の入浴支援・訪問入浴サービス等の事業者にも聴き取りを行うことが望ましい、とされています(⑫の8(四))。
安全計画は、もともと全ての児童発達支援事業所に義務があります。基準 第40条の2は、事業所ごとに設備の安全点検、安全に関する指導、従業者の研修及び訓練などについての計画を作り、従業者に周知し、研修及び訓練を定期的に実施することを求めています(制度。指定通所基準 第40条の2(2026年10月22日確認))。入浴支援を始めるときは、この計画に入浴の項目を足す形になります(当事務所の整理)。
同じように届出と書面がセットになる加算として、千葉県の専門的支援実施加算と別紙70、千葉県の専門的支援体制加算と別紙69も書いています。
入浴の費用を保護者からもらえるか——加算を取るかどうかで変わる
結論として、入浴支援加算を算定している事業所は、入浴に係る費用を保護者から実費として受け取れません。算定していない事業所は、日常生活に要する費用の通知に沿って、実費として受け取ることができます(制度。Q&A VOL.2 問4・令和6年4月12日(2026年10月22日確認))。
理由は、保護者から費用をもらうには、給付の対象のサービスと重複していないことが求められるからです(同)。「加算も取って、入浴代ももらう」はできない、と覚えておくと迷いません。
財務の目で見ると
入浴支援加算を取るか、取らずに実費をもらうかは、二者択一になります。加算を取るなら、入浴の手順書・機器の点検・研修・安全計画の手間と、月8回という上限の中での収入になります。取らないなら、実費の金額を決めて保護者に説明し、通知に沿って扱う手間がかかります。どちらが合うかは、入浴支援をする子の人数と回数、職員の配置で変わります。単位数は今日の記事では扱っていません。告示と指定権者の案内で確かめてから試算してください(当事務所の見解)。
地域差分——国のQ&Aと、千葉県の届出
浴室の共用は同一法人で隣接する事業所まで、ミスト浴・洗身を行うシャワー浴は可、清拭・水遊びは不可、月8回は事業所ごと、という点は、こども家庭庁のQ&Aと留意事項通知による全国共通の取扱いです。
届出の様式・添付書類・締切は指定権者ごとに違います。千葉県が指定権者の事業所は、提出様式ページの「加算ごとに必要な様式」に別紙74(入浴支援加算)があります。欄は事業所の名称・異動区分・入浴設備の有無・安全計画の整備の有無で、新規の場合は入浴設備がわかる図面又は写真、あわせて入浴に係る安全確保の取り組みを記載した安全計画を提出します。
千葉県の体制届は、加算される単位数が増加する場合は毎月15日(必着)で翌月1日から適用、16日以降に届いた場合は翌々月1日からです。令和8年4月以降はちば電子申請サービス(郵送も可・メールは不可)です。柏市の事業所は、千葉県から指定・監査権限等が移譲されて柏市が指定権者です。市が指定権者の事業所は、その市の届出の案内を確認してください(2026年10月22日確認)。
今日やること——3つだけ
まず、入浴支援をしたい子が医療的ケア児又は重症心身障害児に当たるかと、使う浴室が自分の事業所か、同じ法人の隣接する事業所かを図面で確かめます。次に、入浴の方法がミスト浴・洗身を行うシャワー浴・浴槽の入浴のどれかを決め、清拭や水遊びで数えていないかを見直します。最後に、安全計画に入浴の項目を足し、子どもごとの手順書と機器の点検表をそろえてから、千葉県が指定権者なら、毎月15日(必着)の締切から逆算して体制届と別紙74を出します。
参考にした一次資料
- こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A VOL.1」(令和6年3月29日。問20・問21。千葉県掲載)(2026年10月22日確認)
- こども家庭庁「同 Q&A VOL.2」(令和6年4月12日。問4。千葉県掲載)(2026年10月22日確認)
- こども家庭庁「同 Q&A VOL.3」(令和6年5月2日。問8。千葉県掲載)(2026年10月22日確認)
- 留意事項通知 新旧対照表(令和8年5月28日。児童発達支援⑫の8・放課後等デイサービス⑫の8。船橋市掲載)(2026年10月22日確認)
- 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第40条の2(e-Gov法令検索)(2026年10月22日確認)
- 千葉県「(別紙74)入浴支援加算に関する届出書」(2026年10月22日確認)
- 千葉県「指定申請等に関する提出様式(障害児通所支援及び障害児入所支援)」(2026年10月22日確認)
- 千葉県「障害児通所支援及び障害児入所支援の指定・変更等の手続」(2026年10月22日確認)
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|千葉県の様式の探し方
千葉県の入浴支援加算の届出書は、「指定申請等に関する提出様式(障害児通所支援及び障害児入所支援)」のページの「加算ごとに必要な様式」に「(別紙74)入浴支援加算」として載っています。締切は「障害児通所支援及び障害児入所支援の指定・変更等の手続」のページの「体制等に関する届出」です。市が指定権者の事業所(柏市など)は、その市の案内を確かめます(2026年10月22日確認)。
※2026年10月22日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
入浴支援加算は、浴室があるかどうかより先に、「どこの浴室で、何をするか」で決まる加算だと思います。隣に同じ法人の事業所があっても、隣接と言えるかは図面で確かめておきたいところです。まずは図面を1枚出して、浴室までの動線を見るところから始めてみてください。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/2級FP技能士(AFP)/国家資格キャリアコンサルタント。
障害福祉・障害児支援とNPO法人を専門にしています。放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援A型・B型・グループホーム(共同生活援助)などの指定申請、処遇改善加算・変更届・指定更新・運営指導(実地指導)への対応を支援します。NPO法人は、設立認証から事業報告書・役員変更などの運営まで支援します。
企業人事15年の経験を土台に、児発管・サビ管の採用・定着、融資・補助金や資金繰りまで、「書類・人・お金」を一体で支えます。