— 30秒でわかる結論 —
Q. 放デイ・児発で、定員を超えて受け入れてもよい場合はありますか?
原則ありません。児童発達支援・放課後等デイサービスは基準省令第39条等により、利用定員および指導訓練室の定員を超えてサービス提供を行ってはならないとされ、千葉県は「定員超過利用減算にならない範囲であれば受入可能というわけではなく、指導の対象となる」と明示しています。減算になるのは、1日の利用者数が利用定員の150%を超えた場合(定員11人以下は定員+3人を超えた場合)にその月、過去3か月の平均利用者数が定員の125%を超えた場合にその翌月で、いずれも利用者全員の基本報酬が所定単位数の70%になります(こども家庭庁 留意事項通知・令和6年3月29日改正)。災害や虐待事案の受入れなどやむを得ない事情による一時的な超過は減算されない扱いがありますが、利用希望が多いことは理由になりません。定員を増やしたい場合は、利用定員の増加は変更を適用する月の前月15日までに指定変更申請が必要です(千葉県、2026年9月26日確認)。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 保護者からの利用希望が定員を超えている放デイ・児発の管理者の方
- 「減算にならなければ大丈夫」と聞いて受入れを増やした方
- 定員変更を検討しているが、いつ出せばよいか分からない方
定員を超える受入れは、減算の有無にかかわらず「原則禁止」です
千葉県は、障害児通所支援の指定・変更の手続ページで次のように明示しています(制度(2026年9月26日確認))。児童発達支援事業所・医療型児童発達支援事業所・放課後等デイサービス事業所は、基準省令第39条等により利用定員および指導訓練室の定員を超えてサービス提供を行ってはならないとされており、事業所が定める利用定員を超えた受入れは原則禁止。定員超過利用減算にならない範囲であれば受入可能というわけではなく、指導の対象になる。定員を超えて受け入れている日がある場合は、毎月の報酬請求で「定員超過利用減算対象確認シート」により減算の要否を確認する。
この案内の元は、厚生労働省の令和4年2月28日付け事務連絡「障害児通所支援における定員超過利用減算の取扱いについて」です。会計検査院の検査で、児童発達支援・放課後等デイサービスの定員超過利用減算が適切に算定されず、給付費が過大に支給されている事例が確認され、要件の周知と確認様式の提示が求められました(制度)。つまり「減算ライン」と「受入れの上限」は別物で、指定権者は後者を指導します。
減算のラインは「1日150%」と「3か月平均125%」です
減算になるのは次の場合です(制度。こども家庭庁 障害児通所支援の留意事項通知・令和6年3月29日改正(2026年9月26日確認))。
| 判定 | 条件 | 減算 |
|---|---|---|
| 1日単位 | 1日の利用者数が利用定員の150%を超えた(定員11人以下は定員+3人を超えた) | その月の利用者全員の基本報酬が所定単位数の70% |
| 3か月平均 | 過去3か月の平均利用者数が利用定員の125%を超えた | その翌月の利用者全員の基本報酬が所定単位数の70% |
減算は各種加算がなされる前の所定単位数にかかり、人員欠如減算と両方に該当する場合は大きい方のみ適用されます(制度)。定員10人の事業所なら、1日に14人以上、または3か月平均で12.5人超が減算ラインです。ただしこれは「減算になる線」であって、「ここまでは受け入れてよい線」ではありません。
— この段階でご相談いただく理由 —
「保護者に頼まれて1人だけ多く受けた」が続くと、3か月平均のラインに近づいていることに気づかないのが典型です。しかも千葉県は減算にならなくても指導の対象と明示しています。受入れの実績を月次で表にし、定員変更(指定変更申請)をいつ出すかを先に決めるのが、この場面の実務です。
<ご相談時にお持ちいただくもの>直近3か月の日別利用実績/利用定員と指導訓練室の面積が分かる図面/利用希望の待機状況。60分無料相談はこちら
上限は2つ——「利用定員」と「指導訓練室の定員」
千葉県の案内が「利用定員及び指導訓練室の定員」と2つを並べているのは、指定申請で届け出た利用定員のほかに、指導訓練室の広さで決まる定員があるからです(制度。基準省令第39条等)。多機能型で午前に児発、午後に放デイを行う事業所は、時間帯が重なる場面で指導訓練室の定員を超えないかも見られます。定員を増やしたいときは、利用定員の増加は変更を適用する月の前月15日までに指定変更申請が必要です(千葉県(2026年9月26日確認))。事後の変更届では足りません。
毎月の請求前にやること
- 日別の利用者数を表にする——出席記録から、1日ごとの実利用者数を定員と並べます。150%(定員11人以下は+3人)を超えた日がないかを見ます。
- 3か月の平均を出す——当月を含む直近3か月の平均利用者数が定員の125%を超えていないかを見ます。
- 超えた日があれば確認シートを使う——千葉県は「障害児通所支援事業所における定員超過利用減算対象確認シート」を公表しています。減算に該当するなら、その月の請求で減算を反映し、該当しない場合でも超過の事実は運営指導で説明できる記録にしておきます。
- やむを得ない事情は記録する——災害や虐待事案の受入れなど、やむを得ない理由による一時的な超過は減算されない扱いがありますが、「利用者が増えたから」は理由になりません(制度・実務の目安)。理由と日付を記録してください。
📗 減算の仕組み全体は人員欠如減算・定員超過減算の仕組み、定員を増やす手続きは放デイ・児童発達支援の「定員10名」は増やせる?、多機能型の時間帯設計は多機能型(児発+放デイ)の定員設計にまとめています。
本記事で確認できていないこと
定員超過利用減算の要件の細目(やむを得ない事情の範囲、多機能型での数え方)は、千葉県が公表する別紙2「障害児通所支援における定員超過利用減算の要件等について」に整理されていますが、本記事の執筆時点で当該PDFの本文を機械的に読み取れず、留意事項通知の記載で代替しています(要確認)。指導訓練室の定員(面積あたりの人数)の具体的な運用は指定権者によって異なるため、千葉県の指定申請の事前相談で確認してください。
参考にした一次資料
- 千葉県「障害児通所支援及び障害児入所支援の指定・変更等の手続」(定員超過利用減算の取扱い・基準省令第39条等・指導の対象・確認シート・利用定員増加は前月15日までに指定変更申請)2026年5月15日更新(2026年9月26日確認)
- 厚生労働省 事務連絡「障害児通所支援における定員超過利用減算の取扱いについて」令和4年2月28日(会計検査院の指摘・要件と確認様式の周知)(2026年9月26日確認)
- こども家庭庁「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」新旧対照表(令和6年3月29日改正)定員超過利用減算(150%・11人以下は+3・125%・70%)(2026年9月26日確認)
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内の放デイ・児発の方へ
松戸市・市川市・流山市などの事業所は千葉県(障害児支援事業指定班)、千葉市・船橋市・柏市は各市が指定権者です。千葉県は指定・変更手続ページに定員超過利用減算の取扱いを掲載し、「定員超過利用減算対象確認シート」を毎月の請求前に使うよう求めています。利用定員の増加は前月15日までに指定変更申請で、令和8年4月以降はちば電子申請サービスで提出します。千葉市は障害児通所の相談時に各部屋の面積が分かる図面の持参を求めており、指導訓練室の定員はここで確認できます(2026年9月26日確認)。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
「減算にならない範囲なら」という言い方を、私は相談の場で何度も聞きました。気持ちは分かります。待っている親子がいるからです。ただ千葉県はその考え方をはっきり否定しています。受けたいなら定員を増やす。前月15日までに指定変更申請を出す。それが、待っている親子に対しても、いちばん誠実な答えだと思っています。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
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