— 30秒でわかる結論 —
Q. 自立サポート加算は、中学校卒業後に進学しない子や高校を中退する予定の子も対象になりますか?
中学3年生や中退予定の子を対象外だと思って見送っている方へ。対象になり得ます。卒業・中退などが予定される日から遡って1年間が対象期間です。対象は高校2年生・3年生が基本で、算定は月に2回が限度、上限は事業所ごとに数えます(Q&A VOL.1 問48・VOL.5 問4、留意事項通知 ⑫の9(2026年10月25日確認))。
この記事は制度の解説です。運営中の事業所の顧問・相談窓口は、料金と流れを専用のページでご案内しています。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 中学3年生で卒業後に進学しない予定の子が通っていて、自立サポート加算を見送ってよいか迷っている方
- 高校を中退する予定の子の進路の支援を、計画にのせられるか確かめたい児童発達支援管理責任者の方
- 自立サポート加算を算定しているが、計画・同意・記録がそろっているか点検したい管理者の方
ご相談いただくと、こう進みます
- 最初の30分の無料相談で、利用している子の学年と予定を一緒に見て、自立サポート加算の対象になり得る子を洗い出します
- ご依頼後は、自立サポート計画の書式と同意・記録の欄を、留意事項通知の(一)〜(七)に沿ってそろえます
- その後は、個別支援計画のモニタリングの時期に合わせて、自立サポート計画の見直しと記録を一緒に確かめます
「中学3年生で、卒業後は進学しない予定の子がいる。自立サポート加算は高校生だけ?」と迷っている方へ。対象になり得ます。卒業や中退が予定される日から遡って1年間が、支援の対象期間です
放課後等デイサービスに、中学3年生で卒業後は進学しない予定の子が通っている。あるいは、高校を中退する予定の子がいる。進路の時期の支援を計画的にやりたいが、自立サポート加算は「高校2年生・3年生」と聞いたので、対象外だと思って見送っている。国のQ&Aには、ほぼそのままの質問が載っています。
「中学校卒業後に進学しない児童や、高校を中退する予定の児童も対象となり得るか。」答えは、なり得る、です。この場合、卒業、中退などが予定される日から遡って1年間の期間を支援の対象期間とする、とされています。例えば中学校卒業後に進学しない児童の場合、中学3年生の期間を対象とする、という例も書かれています(制度。こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A VOL.1」問48・令和6年3月29日(2026年10月25日確認))。
つまり「高校2年生・3年生」は入口の目安で、決め手は「進路を選択する時期にあるか」です。ただし、対象期間は無期限ではなく、予定日から遡った1年間に限られます(当事務所の見解。Q&A VOL.1 問48の文言による)。
自立サポート加算とは——進路の時期の支援を、計画にして月2回まで評価する加算
自立サポート加算とは、進路を選択する時期にある就学児に対して、学校卒業後の生活を見据えて、学校等と連携しながら、相談援助や体験等の支援を計画的に行った場合に、月に2回を限度に算定する加算です(制度。留意事項通知 ⑫の9(2026年10月25日確認))。
令和6年度の改定で新しくできた加算で、単位数は100単位/回(月2回を限度)です(制度。厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」令和6年2月6日(2026年10月25日確認))。この単位数は改定の概要の数字です。報酬告示の本文は今回読んでいないため、算定の際は指定権者の案内で確かめてください(要確認)。
対象は誰か——資料によって書き方が違う。「限る」と「基本とする」
結論として、いま運用の目安にするのは、留意事項通知の「基本とする」とQ&Aの「なり得る」です。改定の概要と、その後の通知・Q&Aで、対象の書き方が変わっています(当事務所の見解)。
| 資料 | 対象の書き方 | 読み方 |
|---|---|---|
| 改定の概要(令和6年2月6日) | 高校生(2年生・3年生に限る) | 改定の段階の説明 |
| 留意事項通知 ⑫の9(一) | 高校2年生及び3年生を基本とする | 「基本」なので例外の余地がある |
| Q&A VOL.1 問48(令和6年3月29日) | 中学校卒業後に進学しない児童や、高校を中退する予定の児童も対象となり得る | 例外の範囲と対象期間を示した |
(制度。改定の概要・留意事項通知 ⑫の9・Q&A VOL.1 問48。留意事項通知は船橋市掲載の新旧対照表で、⑫の9は改正後・現行とも同文(2026年10月25日確認))。改定の概要だけを読んで「高校2年生・3年生に限る」と覚えていると、中学3年生の子を最初から外してしまいます。逆に、高校1年生でも「進路の時期だから」と算定してよい、とはどの資料にも書かれていません(当事務所の見解)。
Q&Aの例は「中学校卒業後に進学しない児童」と「高校を中退する予定の児童」の2つです。これ以外の場面で対象にできるかは、指定権者に確かめてから算定してください(要確認)。
対象期間の数え方——「予定される日」から遡って1年間
ひとことで言うと、高校2年生・3年生以外の子は、カレンダーを後ろから数えます。基準になるのは、卒業、中退などが予定される日です(制度。Q&A VOL.1 問48(2026年10月25日確認))。
| 子どもの状況 | 起点にする日 | 対象期間 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 高校2年生・3年生 | ― | 高校2年生・3年生の期間(基本) | 留意事項通知 ⑫の9(一) |
| 中学校卒業後に進学しない予定 | 中学校の卒業が予定される日 | そこから遡って1年間(中学3年生の期間) | Q&A VOL.1 問48 |
| 高校を中退する予定 | 中退が予定される日 | そこから遡って1年間 | Q&A VOL.1 問48 |
| 予定日が動いた(例:中退の時期が延びた) | ― | 要確認(Q&Aに記載なし) | 指定権者に確認 |
(当事務所が Q&A VOL.1 問48 と留意事項通知 ⑫の9から整理(2026年10月25日確認))。表の4行目のように、予定日が後から変わった場合の扱いは、Q&Aに書かれていません。中退の予定は本人や家庭の事情で動きやすいので、予定日をいつ、誰から聞いたかを記録に残しておくと、あとで説明がしやすくなります(当事務所の見解)。
算定の前にそろえるもの——通知の(一)〜(七)を自己点検
結論として、自立サポート加算は「支援をしたか」より先に「計画と同意があるか」で決まります。留意事項通知は、あらかじめ障害児及び給付決定保護者の同意を得た上で、自立サポート計画を作成すること、としています(制度。留意事項通知 ⑫の9(二)(2026年10月25日確認))。
| 点検項目 | 通知の文言 | 根拠 |
|---|---|---|
| □ 対象児か | 高校2年生及び3年生を基本とする(例外はQ&A問48) | (一) |
| □ 計画の前に同意 | あらかじめ障害児及び給付決定保護者の同意を得た上で、自立サポート計画を作成する | (二) |
| □ 計画に書く中身 | 学校卒業後の生活に向けた意向等及び学校における取組等を確認し、通所支援計画及び学校で取り組まれている内容等を踏まえ、必要な支援について記載 | (二) |
| □ 支援の中身 | 自己理解の促進に向けた相談援助/進路の選択に資する情報提供や体験機会の提供/必要な知識・技能を習得するための支援 | (三) |
| □ 見直し | 通所支援計画のモニタリングや見直しを行う場合には、あわせて自立サポート計画の確認と見直しの検討 | (四) |
| □ 説明と同意 | 作成又は見直しについて説明し、同意を得る | (五) |
| □ 学校との連携 | 在学している学校との日常的な連携体制を確保し、日常的な連絡調整を行う | (六) |
| □ 記録 | 実施した日時及び支援内容について記録 | (七) |
(制度。留意事項通知 ⑫の9(一)〜(七)(2026年10月25日確認))。見落としやすいのは(三)の最後の一文です。放課後等デイサービスにおいて基本とされる総合的な支援の提供を確保した上で、これらの支援を進めるよう留意すること、とされています。進路の支援だけをする日が続く組み方は、通知の想定から外れます(当事務所の見解)。
(四)は、個別支援計画(通知の言い方では通所支援計画)のモニタリングと同じ時期に、自立サポート計画も確認することを求めています。2つの計画を別々の時期に見直していると、片方だけ古いまま残りがちです。個別支援計画の交付と見直しの流れは個別支援計画の交付と見直しにまとめています。
月2回の数え方と、ほかの加算との関係
ひとことで言うと、月2回の上限は事業所ごとに数え、学校との会議は別の加算で評価されます。どちらも、知らないと取りこぼしか取りすぎのどちらかになります(当事務所の見解)。
| 論点 | 資料の答え | 根拠 |
|---|---|---|
| 2か所の放課後等デイサービスに通う子の月2回 | 1月当たりの算定回数の上限は、事業所間で通算されず、事業所ごとに上限回数をカウント | Q&A VOL.5 問4 |
| 学校との会議 | 学校との連携における会議等の実施については、関係機関連携加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)の算定を可能とする | 留意事項通知 ⑫の9(六) |
| 多機能型で同じ子に複数のサービス | 家族支援加算と関係機関連携加算は各サービスを合計して上限回数をカウント(自立サポート加算は列挙なし) | Q&A VOL.5 問4 |
(制度。こども家庭庁 Q&A VOL.5 問4(令和6年6月6日)、留意事項通知 ⑫の9(六)(2026年10月25日確認))。学校との会議を関係機関連携加算で算定するときの要件は関係機関連携加算は電話だけでは算定できないに書いています。保護者への相談援助を家族支援加算で算定するかどうかの線引きは、家族支援加算の時間と回数と合わせて確かめてください。
同じ「自立」の名前がつく通所自立支援加算は、通所の移動に付き添う加算で、別物です。高校生の子に両方を計画するときは、計画と記録を分けておくと説明しやすくなります(当事務所の見解)。
人事15年の目で見ると
人事の仕事では、採用の面接で、自分の得意なことと苦手なことを自分の言葉で話せるかを見ます。通知の(三)のアにある「自己理解の促進に向けた相談援助」は、まさにその準備です。職場体験の回数を増やすより、体験のあとに「何が楽だったか、何がしんどかったか」を本人と一緒に言葉にする時間を、記録に残る形で取るほうが、進路を選ぶ力につながりやすいと思います。国家資格キャリアコンサルタントとしても、ここは事業所の腕の見せどころだと考えています(当事務所の見解)。
今回の資料に書いていないこと——ここは確かめる
ひとことで言うと、次の3つは今回読んだ資料では確かめられませんでした。1つ目は、報酬告示の本文の単位数です。今回は改定の概要で確かめました(要確認)。2つ目は、Q&Aの2つの例以外の子を対象にできるか、予定日が変わったときの扱いです(要確認)。
3つ目は、指定権者ごとの体制の届出の要否と様式です。自立サポート加算を算定する前に、届出が要るか、要るならいつまでに出すかは、指定権者の手引きで確かめてください(要確認)。
地域差分——国の基準と、指定権者の手続
自立サポート加算の対象、対象期間、月2回の上限、自立サポート計画・同意・記録の取扱いは、こども家庭庁のQ&Aと留意事項通知による全国共通の取扱いです。
加算の届出の要否・様式・提出期限は、指定権者(都道府県・指定都市・中核市など)で違います。お住まいの指定権者の手引きで確認してください(2026年10月25日確認)。
今日やること——3つだけ
まず、利用している子の中から、高校2年生・3年生と、中学校卒業後に進学しない予定の子、高校を中退する予定の子を書き出します。で、予定の子は、予定される日と、そこから遡った1年間の始まりの日を表に入れます。最後に、自立サポート計画の書式に「同意を得た日」「学校と確認した内容」の欄があるかを見ます。この3つで、「対象外だと思って見送っていた子」が、計画にのせられる子かどうかを判断できる状態になります。
参考にした一次資料
- こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A VOL.1」(令和6年3月29日。問48。千葉県掲載)(2026年10月25日確認)
- こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A VOL.5」(令和6年6月6日。問4。千葉県掲載)(2026年10月25日確認)
- 「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」新旧対照表(⑫の9 自立サポート加算の取扱い。船橋市掲載)(2026年10月25日確認)
- 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(令和6年2月6日。放課後等デイサービス ⑪)(2026年10月25日確認)
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|指定権者で確かめること
自立サポート加算の届出の要否・様式・提出期限と、Q&Aの2つの例以外の子を対象にできるかは、指定権者の手引きか窓口で確かめます(2026年10月25日確認)。
※2026年10月25日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
自立サポート加算は、改定の概要の「高校2年生・3年生に限る」という書き方だけが記憶に残りやすい加算だと思います。中学3年生で就職を考えている子こそ、進路の時期の支援がいちばん要る子かもしれません。まずは今通っている子の学年と予定を書き出すところから始めてみてください。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/2級FP技能士(AFP)/国家資格キャリアコンサルタント。
障害福祉・障害児支援とNPO法人を専門にしています。放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援A型・B型・グループホーム(共同生活援助)などの指定申請、処遇改善加算・変更届・指定更新・運営指導(実地指導)への対応を支援します。NPO法人は、設立認証から事業報告書・役員変更などの運営まで支援します。
企業人事15年の経験を土台に、児発管・サビ管の採用・定着、融資・補助金や資金繰りまで、「書類・人・お金」を一体で支えます。