— 30秒でわかる結論 —

Q. 学校の目の前や徒歩数分の距離でも、通所自立支援加算は算定できますか?

学校の目の前の事業所で、横断歩道を一緒に渡る練習をしている方へ。同一敷地内・学校の目の前・徒歩数分の距離の通所は、横断歩道などの場面があっても算定できません。途中までを別の手段で移動し、固定された経路の途中の地点から付き添う場合は算定し得ますが、極めて近距離は対象外です(こども家庭庁 令和6年度報酬改定(障害児支援)Q&A VOL.1 問44(2026年10月12日確認))。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 学校の目の前や近くに事業所があり、一緒に歩く練習を通所自立支援加算で請求してよいか迷っている放デイの方
  • 送迎バスのバス停から事業所まで付き添う支援を、加算にできるか確かめたい児発管・管理者の方
  • 90日間の数え方や、職員の交通費を誰が持つかに自信がない方

ご相談いただくと、こう進みます

  1. 最初の60分の無料相談で、通所自立支援加算を算定している子どもの経路と、計画・記録を一緒に見ます
  2. ご依頼後は、経路ごとに近距離に当たらないかを整理し、通所支援計画・安全計画・記録の様式づくりまで進めます
  3. その後は、進級や転居などで再度の算定を考えるときや、運営指導の前に、同じ点検表で見直します

「事業所は学校の目の前。横断歩道を一緒に渡る練習をしているから、通所自立支援加算でいいよね?」と思っている方へ。同一敷地・学校の目の前・徒歩数分は、横断歩道があっても算定できません

放課後等デイサービスで、学校から事業所まで子どもと一緒に歩き、信号の見方や横断歩道の渡り方を練習している。これは自立した通所に向けた支援だから、通所自立支援加算になるはず。そう考えて迷う場面です。国のQ&Aにも、ほぼそのままの質問が載っています。「例えば徒歩5分程度の距離の場合や、目視できる近距離ではあるが横断歩道をわたるなど支援の場面がある場合などはどうか。」

答えはこうです。同一敷地内での通所はもとより、学校の目の前に事業所がある場合や、徒歩数分の距離の通所などは、その間に横断歩道などの場面があるとしても、加算により評価する通所自立支援に当たるとは考えられず、本加算は算定できない、とされています(制度。こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A」VOL.1 問44・令和6年3月29日(2026年10月12日確認))。

一方で、道のりの全部に付き添う必要はありません。途中までを別の手段で移動し、途中の地点から事業所に移動する場合、それが日々変わるものでなく固定された通所経路であれば、その地点からの通所自立支援で算定し得る、とされています。ただし、この場合も極めて近距離の通所は対象外です(同 問44)。

通所自立支援加算とは——職員が付き添い、ひとりで通えるようにする支援への加算

通所自立支援加算とは、学校・居宅等と事業所間の移動について、障害児が自立して通所が可能となるよう職員が付き添って計画的に通所自立支援を行った場合に、算定開始より90日間を限度に算定する放課後等デイサービスの加算です(制度。留意事項通知 ⑫の10。令和8年5月28日改正の新旧対照表で改正後・現行とも同文(2026年10月12日確認))。

対象は、公共交通機関の利用経験が乏しいことや、単独で移動する経験が乏しいことなどにより、単独での通所に不安がある障害児です。十分なアセスメントを行い、その状態や特性を踏まえて支援の実施を判断します。なお、重症心身障害児は本加算の対象とならない、とされています(同(一))。

付き添う中身は、移動経路、公共交通機関の利用方法、乗車中のマナー、緊急時の対応方法等の習得についての助言・援助が想定されています(同(二))。「送っていく」ではなく「ひとりで通えるように教える」ことに対する評価だ、と押さえておくと線引きが見えやすくなります(当事務所の見解)。

場面ごとの早見表——算定できるか、どう考えるか

ひとことで言うと、通所自立支援加算は「距離」「経路が固定か」「支援か送迎か」「費用を誰が持つか」の4つで判断します。Q&Aと留意事項通知に載っている場面を、迷いやすい順に並べました。

その日の付き添い扱い根拠
同じ敷地の中にある学校から事業所へ歩いた算定できないVOL.1 問44・留意事項(六)
学校の目の前の事業所へ、横断歩道を一緒に渡った横断歩道などの場面があっても算定できないVOL.1 問44
徒歩数分の距離を一緒に歩いた算定できないVOL.1 問44
学校の送迎バスで近所のバス停まで来て、そこから事業所まで付き添った(毎回同じバス停)固定された通所経路なら、その地点からの通所自立支援で算定し得る。ただし極めて近距離は対象外VOL.1 問44
自転車で通う練習に付き添った算定は可能。通所手段も含め、安全性を確保した支援とするVOL.1 問46
子どもを自転車の後部座席に乗せて連れてきた支援の要素が乏しく送迎の要素の強い形態なので算定されないVOL.1 問46
付き添った職員の電車・バス代を保護者に請求したい保護者から徴収することはできない。子ども本人の乗車料金は利用者側が準備して負担VOL.1 問45・留意事項(二)
付き添った時間を、放課後等デイサービスの提供時間に数えたい含まれないVOL.2 問8

(制度。こども家庭庁 令和6年度報酬改定(障害児支援)Q&A VOL.1(令和6年3月29日)・VOL.2(令和6年4月12日)、留意事項通知 ⑫の10。千葉県の障害児通所支援のページにQ&Aを掲載(2026年10月12日確認))

どこからが「極めて近距離」かを、何メートル・何分で示した数字は、Q&Aにも留意事項通知にもありません。Q&Aに出てくる例は「同一敷地内」「学校の目の前」「徒歩数分」です。その間の距離で迷うときは、算定を始める前に指定権者に確認するのが確実です(要確認)。

— この段階でご相談いただく理由 —

通所自立支援加算は、経路・計画・記録・90日の数え方がそろって初めて説明できます。今算定している子どもの経路を地図で並べ、近距離に当たらないか、計画と記録が足りているかを一緒に確かめます。

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算定する前にそろえるもの——自己点検表

結論として、距離の条件を満たしていても、計画・体制・記録が欠けていれば説明できません。留意事項通知は、保護者の同意を得た上で通所支援計画に位置づけること、安全計画に位置付けること、実施した日時などの記録を作成することを求めています(留意事項通知 ⑫の10)。

確認すること見る書類
単独での通所に不安があり、自立した通所につながることが期待される子どもか。アセスメントの記録があるかアセスメントの記録
あらかじめ子どもと保護者の意向を確認し、保護者の同意を得たうえで、通所支援計画に位置づけているか同意の記録・個別支援計画
経路が同一敷地・学校の目の前・徒歩数分など、極めて近距離になっていないか経路の記録(地図)
職員1人で子ども1人を基本にしているか。子ども2人に職員1人にするときは、安全かつ円滑な支援が確保される理由があるか勤務の記録・支援の記録
医療的ケアを要する子どもには、看護職員等、必要な医療的ケアを行える職員が同行しているか勤務の記録
安全確保の取組を安全計画に位置付け、職員に周知し、付き添う職員に研修等を行っているか安全計画・研修の記録
実施した日時、支援の実施状況、子どもの様子、次回の取組で留意するポイント等を記録しているか通所自立支援の記録
職員の交通費等を事業所の負担にしているか(保護者に請求していないか)会計の記録・利用者への請求書
算定開始から90日間を超えて算定していないか請求データ

(項目は、留意事項通知 ⑫の10(一)〜(七)とQ&A VOL.1 問44〜問47の内容を、当事務所が点検の順に並べたもの)

人事を15年やってきた身からすると

この加算でつまずきやすいのは、制度より「誰が付き添うか」なんですよね。Q&Aは、付き添う従業者を指定基準により置くべき従業者に限ることは求めていない、としています(VOL.1 問47)。ただ、職員1人で子ども1人が基本なので、夕方の一番人が足りない時間帯に、外へ1人出ることになります。始める前に、付き添いの時間帯だけ別のシフトを組むのか、誰を充てるのかを決めておく。ここが決まっていないと、記録も計画も追いつかず、結局「一緒に歩いただけ」になりがちです(当事務所の見解)。

90日間の数え方と、もう一度算定できる場面

ひとことで言うと、通所自立支援加算は支援開始より90日間を限度に算定する加算です。ずっと続ける支援ではなく、ひとりで通えるようになるまでの期間を区切った支援、という位置づけです(留意事項通知 ⑫の10(七))。

ただし、進学や進級、転居等の環境の変化により、改めて自立した通所につなげるために通所自立支援が必要と判断される場合には、再度算定できる、とされています。その際は、環境変化を踏まえた十分なアセスメントを行い、支援の必要性及び支援内容について丁寧に判断することが求められます(同)。再度の算定を考えるときは、どの環境の変化があったのかをアセスメントの記録に書いておくと、あとから説明しやすくなります(当事務所の見解)。

令和8年度の報酬改定の資料(令和8年3月31日のQ&A VOL.1、令和8年7月13日のQ&A VOL.2、留意事項通知の改正に関するQ&A、算定告示の改正、改定事項の概要)を確認したところ、通所自立支援加算についての記載はありませんでした。留意事項通知 ⑫の10も、令和8年5月28日の改正の前後で同じ文言です(2026年10月12日確認)。単位数は算定告示の原文で確認してください(要確認)。

送迎と支援の時間の関係は早退した日の時間区分と算定に、送迎そのものの安全の仕組みは放課後等デイサービスの送迎の運営と安全に、記録の足りない加算が運営指導でどう扱われるかは報酬返還が起きる3つのパターンにまとめています。

地域差分——国のQ&Aと、指定権者の運用

本記事の取扱いは、こども家庭庁が都道府県・指定都市・中核市・児童相談所設置市に送付した全国共通のQ&Aと留意事項通知によるものです。千葉県は、障害児通所支援の指定・変更等の手続のページにこのQ&A(VOL.1〜VOL.6)を掲載しています。「極めて近距離」をどう確認するか、算定を始めるときの届出の要否や記録の様式は、指定権者によって違うことがあります。お住まいの指定権者の集団指導資料や案内もあわせて確認してください(2026年10月12日確認)。

今日やること——3つだけ

まず、通所自立支援加算を算定している子どもの経路を、地図で1本ずつ並べます。で、同一敷地・学校の目の前・徒歩数分に当たる経路がないか、途中の地点から付き添う場合はその地点が毎回同じかを確かめます。最後に、算定開始日から90日間を数え、計画と記録がそろっているかを見ます。この3つで、通所自立支援加算の説明できない所がほぼ見えてきます。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|Q&Aの探し方

令和6年度報酬改定(障害児支援)のQ&Aは、千葉県の「障害児通所支援及び障害児入所支援の指定・変更等の手続」のページにVOL.1〜VOL.6がまとめて掲載されています。千葉市・船橋市・柏市など市が指定する事業所も、国のQ&A自体は同じです(2026年10月12日確認)。

※2026年10月12日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

学校のすぐ近くに事業所があるのは、保護者にとっては安心材料です。ただ、その近さは通所自立支援加算の対象外になる理由にもなります。加算にこだわるより、近い事業所なら近いなりに、日々の支援の中で横断歩道の練習を続ければいい。加算にするなら、経路と計画と記録をそろえる。その2つを分けて考えるのがいいと思っています。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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