— 30秒でわかる結論 —

Q. 10分ほどの家庭訪問でも、家族支援加算は算定できますか?

短い訪問の請求で迷っている方へ。家族の状況から短時間でも訪問が必要だった場合や、利用者の都合で短くなった場合は、「所要時間1時間未満」の区分で算定できます。ただし訪問は30分以上が基本で、事前の計画は30分以上で立てます。事業所内の個別やグループの相談援助は、30分未満なら算定できません(こども家庭庁 令和6年度報酬改定(障害児支援)Q&A VOL.1 問28(2026年10月10日確認))。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 家庭訪問が玄関先の短い話で終わり、家族支援加算で請求してよいか迷っている放デイ・児発の方
  • お迎えの時間の相談や保護者会を、どこまで加算にできるか確かめたい児発管・管理者の方
  • 多機能型で、家族支援加算の月の回数の数え方に自信がない方

ご相談いただくと、こう進みます

  1. 最初の60分の無料相談で、今月算定した家族支援加算の記録と、その日の勤務表を一緒に見ます
  2. ご依頼後は、訪問・事業所内・グループの区分ごとに計画・記録・請求を突き合わせ、相談記録の様式づくりまで進めます
  3. その後は、運営指導の前や報酬改定のときに、家族支援加算の記録と回数を同じ点検表で見直します

「10分しか話せなかった訪問も、家族支援加算で請求していいの?」と迷っている方へ。訪問は30分以上が基本で、短くなった理由しだいです

放課後等デイサービスや児童発達支援で、保護者の相談に乗るために家を訪ねた。でも、玄関先で10分ほど話して終わった。こういう日に「これも家族支援加算になるのかな」と迷う方は少なくありません。国のQ&Aにも、ほぼそのままの質問が載っています。「居宅を訪問して相談援助等を行う場合について、極めて短時間の場合(例えば10分程度の相談援助)であっても「所要時間1時間未満」として算定することが可能か。」

答えはこうです。居宅を訪問しての個別の相談援助は、30分以上行うことが基本です。そのうえで、障害児や家族の状況から短時間でも訪問しての相談援助を行う必要がある場合や、利用者の都合により相談援助時間が短くなってしまった場合には、「所要時間1時間未満」の区分で算定できます(制度。こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A」VOL.1 問28・令和6年3月29日(2026年10月10日確認))。

ただし、事前の計画では30分以上の相談援助となるよう設定します。そして、事業所で個別に行う相談援助と、グループの相談援助は、30分未満なら算定できません(同 問28)。短くてもよいのは「訪問」だけ、と覚えておくと迷いにくくなります。

場面ごとの早見表——算定できるか、どう考えるか

ひとことで言うと、家族支援加算は「誰に・どこで・何分・誰が」の4つで判断します。Q&Aに載っている場面を、迷いやすい順に並べました。

その日に起きたこと扱い根拠
家庭を訪問したが、保護者の都合(利用者の都合)で10分で終わった「所要時間1時間未満」の区分で算定できる。計画は30分以上で立てておくVOL.1 問28
家族の状況から、短時間でも訪問が必要だった同上VOL.1 問28
事業所の面談室で、個別に15分だけ話した30分未満なので算定できないVOL.1 問28
保護者向けのグループ相談が20分で終わった30分未満なので算定できないVOL.1 問28
子ども本人はいないが、保護者やきょうだいの相談に乗った算定できるVOL.1 問30
講師を招いた講座・保護者会を開いた事業所の従業者がファシリテーターなどとして参画し、相談援助を行えば算定できる。介在しなければ算定されないVOL.1 問31
子どもが、その日は別の事業所に通所していた家族支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)いずれも算定できるVOL.4 問2
同じ日に、保護者が2つの事業所で相談援助を受けた両事業所で算定できるVOL.4 問3
自宅での宿泊体験で体験利用支援加算(Ⅰ)を算定し、家族に助言した家族支援加算は算定できない(体験利用支援加算で評価)VOL.2 問13

(制度。こども家庭庁 令和6年度報酬改定(障害児支援)Q&A VOL.1(令和6年3月29日)・VOL.2(令和6年4月12日)・VOL.4(令和6年5月24日)。千葉県の障害児通所支援のページに掲載(2026年10月10日確認))

回数の数え方——同じ子どもで月4回まで、きょうだいはそれぞれ

結論として、家族支援加算は、同じ子どもについて通算して月4回が限度です。きょうだいで利用している場合は、それぞれのきょうだいにつき月4回ずつ算定できます(VOL.1 問32)。

上限の回数は、事業所間で通算されず、事業所ごとに数えます。ただし多機能型事業所で、同じ子どもに複数のサービスで支援している場合は、各サービスを合計して上限回数を数えます(VOL.5 問4・令和6年6月6日)。事業所ごとに数える原則と、多機能型の合計の例外が並んでいるので、ここは数え違いが起きやすいところです(当事務所の見解)。

— この段階でご相談いただく理由 —

家族支援加算は、個別支援計画・相談の記録・その日の人員配置・請求の4つがそろって初めて説明できます。今月の算定分を一緒に並べて、どこが説明できないかを先に洗い出します。

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誰が相談に乗るか——支援の時間中は、基準の人員の児童指導員・保育士以外で

ひとことで言うと、子どもが支援を受けている時間帯に相談援助をするなら、基準の人員として配置している児童指導員・保育士は使えません。Q&Aは、相談援助等を行う職員は、支援の単位ごとに必要な児童指導員又は保育士には含まれない、としています(VOL.4 問4)。

そのうえで、障害児が支援を受けている時間帯に相談援助を行う場合には、児童発達支援管理責任者による相談援助を行う等、必要に応じた対応を検討するよう求めています(同)。相談に乗る職員そのものは、指定基準により置くべき従業者に限られません。ただ、適切に家族支援を実施できる従業者により、基準により置くべき従業者を中心に、事業所としてフォローできる体制をとりながら進めることとされています(VOL.1 問29)。

人事を15年やってきた身からすると

家族支援加算でいちばん崩れやすいのは、時間でも回数でもなく「その時間に誰がいたか」です。保護者のお迎えの時間に、現場の保育士が立ち話のまま相談に乗る。気持ちとしては自然ですが、その職員が基準の人員に数えられていると、Q&Aの考え方とは合いません。相談を受ける人と時間帯を、シフト表の段階で決めておく。たとえば「お迎えの後の30分は児発管が面談に入る」と先に枠を作っておくと、現場の善意に頼らずに済みます(当事務所の見解)。

記録に残すこと——短くなった理由と、何に何を助言したか

結論として、訪問が30分未満になった日は、その理由を記録から読めるようにしておきます。Q&Aで「所要時間1時間未満」の区分が認められているのは、家族の状況から短時間でも訪問が必要だった場合か、利用者の都合で短くなった場合です(VOL.1 問28)。理由が書かれていないと、あとから見た人には区別がつきません(当事務所の見解)。

現役の児発管・管理者の声として、こんな例を聞いています。運営指導で、家族支援加算の記録が「〇〇の相談があった」だけでは足りず、どんな相談に対してどう助言したのかが、質問と回答の形で分かるように書いてほしい、と指摘を受けたそうです。同じ内容でも、指摘の細かさは指定権者や担当者によって違うとのことでした。すべての指定権者の基準というわけではありませんが、現場ではこういう例がある、という話です。

対策としては、相談記録の様式を最初から「相談内容/助言内容/次回までの対応」の3欄で作っておくのが確実です。書く人が変わっても、書く中身がそろいます(当事務所の見解)。

確認すること見る書類
訪問の相談援助を、計画の段階で30分以上で立てているか個別支援計画・訪問の予定表
30分未満で終わった訪問に、短くなった理由が1行あるか相談援助の記録
事業所内・グループで30分未満のものを算定していないか相談援助の記録・請求データ
支援の時間中の相談を、基準の人員の児童指導員・保育士がしていないか勤務表・相談援助の記録
同じ子どもで月4回を超えていないか(多機能型は各サービスの合計)請求データ
記録が「相談内容/助言内容/次回までの対応」の形になっているか相談援助の記録

(項目は、Q&A VOL.1 問28〜問32・VOL.4 問4・VOL.5 問4の内容を、当事務所が点検の順に並べたもの。最後の項目は現役の児発管・管理者の声を受けた当事務所の対策)

子どもが休んだ日の連絡や相談の扱いは欠席時対応加算の要件と記録に、基本報酬の時間の数え方は子どもが早退した日の時間区分にまとめています。

地域差分——国のQ&Aと、指定権者の運用

本記事の取扱いは、こども家庭庁が都道府県・指定都市・中核市・児童相談所設置市に送付した全国共通のQ&Aによるものです。千葉県は、障害児通所支援の指定・変更等の手続のページにこのQ&A(VOL.1〜VOL.6)を掲載しています。記録の書き方の細かさなど運営指導での見方は指定権者によって違うことがあるため、お住まいの指定権者の集団指導資料や案内もあわせて確認してください(2026年10月10日確認)。

今日やること——3つだけ

まず、今月算定した家族支援加算を、訪問・事業所内・グループに分けて並べます。で、30分未満のものに、訪問かどうかと短くなった理由が書いてあるかを確かめます。最後に、支援の時間中の相談を誰がしたかを勤務表と突き合わせます。この3つで、家族支援加算の説明できない所がほぼ見えてきます。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|Q&Aの探し方

令和6年度報酬改定(障害児支援)のQ&Aは、千葉県の「障害児通所支援及び障害児入所支援の指定・変更等の手続」のページにVOL.1〜VOL.6がまとめて掲載されています。千葉市・船橋市・柏市など市が指定する事業所も、国のQ&A自体は同じです(2026年10月10日確認)。

※2026年10月10日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

玄関先の10分の話が、保護者にとっていちばん大事な相談だったりします。だからこそ、その10分を加算にするなら、なぜ10分だったのかを1行残しておく。それだけで、現場の気づかいが、あとから説明できる支援に変わると思っています。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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