— 30秒でわかる結論 —

Q. 個別支援計画は、相談支援事業所にも交付しなければいけませんか?

個別支援計画を保護者に渡したあと、相談支援事業所にも渡すのか迷っている方へ。児童発達支援管理責任者は、計画を作成した際には、通所給付決定保護者と、その保護者に対して指定障害児相談支援を提供する者に交付しなければなりません。こども家庭庁のQ&Aは、障害児相談支援事業者への交付は「更新毎」としています(運営基準 第27条・Q&A VOL.1 問39(2026年10月19日確認))。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 個別支援計画を保護者に渡したが、相談支援事業所にも渡す必要があるのか分からない放デイ・児発の児発管・管理者の方
  • 計画を見直したとき・計画時間を変えたときに、どこまで渡し直せばよいか確かめたい方
  • 運営指導の前に、計画の交付の記録をどう残しておけばよいか知りたい方

ご相談いただくと、こう進みます

  1. 最初の30分の無料相談で、子どもごとの計画の作成日・同意日・交付日を並べ、相談支援の事業者へ渡した記録が抜けていないかを一緒に見ます
  2. ご依頼後は、交付の記録台帳と見直しの期限の一覧を作り、児発管と事務の分担、指定権者に確かめる点を整理します
  3. その後は、計画の見直しや運営指導の前に、同じ台帳で交付の抜けがないかを見直します

「個別支援計画は保護者に渡したけれど、相談支援事業所にも渡すの?」と迷っている方へ。交付先は保護者と、その保護者に障害児相談支援を提供する事業者の両方で、Q&Aは「更新毎」としています

放課後等デイサービスや児童発達支援で、児発管が個別支援計画を作り、保護者に説明して同意をもらい、控えを渡した。ここで手が止まります。障害児支援利用計画を作った相談支援専門員にも、こちらの計画を渡さないといけないのか。渡すなら毎月なのか、見直しのたびなのか。国のQ&Aにも、ほぼそのままの質問が載っています。「個別支援計画書の障害児相談支援事業者への交付は、個別支援計画書の更新毎に行えば良いのか。」

答えは「お見込みのとおり。」の一言です(制度。こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A」VOL.1 問39・令和6年3月29日(2026年10月19日確認))。Q&Aの見出しには「※基準関係」とあり、元になっているのは運営基準の条文です。

条文はこう書いています。児童発達支援管理責任者は、児童発達支援計画を作成した際には、当該児童発達支援計画を通所給付決定保護者及び当該通所給付決定保護者に対して指定障害児相談支援を提供する者に交付しなければならない(制度。児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第27条の第7項(2026年10月19日確認))。つまり、渡す相手はふたりいます。保護者と、その子の障害児相談支援を担当している事業者です。

条文で確かめる——作成・同意・交付・見直しは第27条にまとまっている

個別支援計画の交付とは、児童発達支援管理責任者が作成した計画を、保護者と障害児相談支援の事業者に渡すことで、運営基準の第27条に定められた計画づくりの工程の1つです。放課後等デイサービスでは、第71条で第27条が準用され、「児童発達支援計画」は「放課後等デイサービス計画」と読み替えます(制度。同基準 第71条(2026年10月19日確認))。

第27条の項書いてあること(要旨は原文から)実務で残すもの
第6項通所給付決定保護者及び障害児に対し、計画について説明し、文書によりその同意を得なければならない同意の署名と日付
第7項計画を作成した際には、通所給付決定保護者及び当該保護者に対して指定障害児相談支援を提供する者に交付しなければならない保護者へ渡した日と、相談支援の事業者へ渡した日
第8項少なくとも六月に一回以上、計画の見直しを行い、必要に応じて計画の変更を行うモニタリングの記録と、次の見直しの期限
第10項第2項から第7項までの規定は、計画の変更について準用する変更したときも、同意と交付をやり直した記録

(制度。児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第27条・第71条、e-Govの法令データで確認(2026年10月19日確認)。右の列は当事務所の見解で、条文が「残すもの」を指定しているわけではありません)。

見落としやすいのは第10項です。第7項の交付は「作成した際」の決まりですが、第10項で計画の変更にも準用されます。見直しの結果、計画を変更したときは、保護者への説明と同意、保護者と相談支援の事業者への交付まで、もう一度そろえる必要があります。Q&Aの「更新毎」は、この流れと同じ意味で読むのが自然です(当事務所の見解)。逆に言えば、毎月の利用実績のたびに渡すことまでは求められていません。

計画を変更するきっかけは、6か月ごとの見直しだけではありません。令和6年度の改定で、個別支援計画に支援に要する時間(計画時間)を定め、その時間に応じて基本報酬を算定することが基本になりました。計画時間と実利用時間に乖離がある状態が継続する場合には、速やかに個別支援計画の見直しを行うこととされています(こども家庭庁 令和6年3月15日 事務連絡(2026年10月19日確認))。計画時間を変えた日も、交付をやり直す日だと考えておくと漏れません。

交付は一方通行ではない——相談支援からは障害児支援利用計画が届く

結論として、計画は事業所と相談支援の事業者のあいだを行き来します。相談支援専門員の側にも、障害児支援利用計画を作成した際には、当該障害児支援利用計画を障害児等及び担当者に交付しなければならない、という決まりがあります(制度。児童福祉法に基づく指定障害児相談支援の事業の人員及び運営に関する基準 第15条(2026年10月19日確認))。ここでいう担当者には、利用計画に位置付けた福祉サービス等の担当者として、通所の事業所も入ります。

向き渡すものいつ根拠
相談支援の事業者 → 保護者・事業所(担当者)障害児支援利用計画作成した際(変更のときも準用)相談支援の基準 第15条
事業所 → 保護者・相談支援の事業者個別支援計画(児童発達支援計画・放課後等デイサービス計画)作成した際(変更のときも準用)。Q&Aは「更新毎」通所支援の基準 第27条・Q&A VOL.1 問39
相談支援の事業者 → 市町村障害児支援利用計画の写し作成したとき、遅滞なく相談支援の基準 第6条
事業所 → 市町村個別支援計画を出す決まりは、今回読んだ条文・Q&Aには無い—要確認(指定権者・市町村による)

(制度。児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第27条、児童福祉法に基づく指定障害児相談支援の事業の人員及び運営に関する基準 第6条・第15条、こども家庭庁 Q&A VOL.1 問39(2026年10月19日確認))。

この表で見ると、相談支援専門員は利用計画を事業所に渡し、事業所は個別支援計画を相談支援専門員に返す、という往復になっています。相談支援専門員は、モニタリングで利用計画の実施状況を把握し、必要に応じて利用計画を変更します(同 第15条)。事業所の個別支援計画が手元に届いていないと、相談支援専門員はその子が事業所で何を目標にしているのかを書類で確かめられません。

— この段階でご相談いただく理由 —

子どもごとに、作成日・同意日・交付日・次の見直しの期限が1枚で見える台帳を一緒に作ります。相談支援の事業者へ渡した記録が抜けている子がいないかも、その場で確かめます。

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交付の記録台帳——子どもごとに「誰に・いつ・どう渡したか」を1行で残す

ひとことで言うと、交付したことを後から示せる形にしておくことです。条文は交付の方法や記録の様式までは決めていません。一方で、計画そのものは、提供した日から五年間保存する記録として第54条に挙がっています(制度。同基準 第54条(2026年10月19日確認))。計画と一緒に、交付の記録も同じ期間とっておくと、運営指導で聞かれたときに迷いません(当事務所の見解)。

欄書き方の例(当事務所の見解)
子どもの名前・受給者証番号台帳は子ども1人につき1行。兄弟で利用していても行を分ける
計画の種類と作成日「新規」「見直し(変更あり)」「見直し(変更なし)」を区別して、作成日を書く
保護者の同意日署名をもらった日。説明した日と別ならどちらも書く
保護者へ交付した日手渡し・郵送などの方法も一言
相談支援の事業者へ交付した日事業所名と担当の相談支援専門員の名前、方法(手渡し・郵送など)。受け取った側の確認をもらえるなら日付も
相談支援の事業者がいない場合「障害児相談支援の利用なし(受給者証で確認)」と書き、確認した日を残す。扱いは指定権者に確認
次の見直しの期限作成日から6か月以内の日を先に書いておく。計画時間を変えたときは、その日で行を足す

(制度上の根拠は、児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準 第27条・第54条、こども家庭庁 令和6年3月15日 事務連絡。右の列は条文の項目に沿って当事務所が例を書いたものです(2026年10月19日確認))。

「見直し(変更なし)」の行をどう扱うかは、条文とQ&Aでは言い切れません。第10項が準用するのは「変更」のときで、変更しなかった見直しの結果まで渡すかは書かれていないからです。迷う場合は、見直しの結果を相談支援の事業者にも共有しておき、指定権者の運営指導での確認の仕方を事前に聞いておくのが安全です(当事務所の見解)。計画の作成の流れそのものが欠けたときの減算は個別支援計画未作成減算の判定と期限管理表に書いています。

条文とQ&Aに書いていないこと——ここは指定権者に確かめる

結論として、次の3つは今回読んだ条文とQ&Aには書かれていません。1つ目は、障害児相談支援を使っていない(保護者が自分で利用計画を作っている)子の扱いです。第7項の交付先は「指定障害児相談支援を提供する者」なので、その事業者がいなければ渡す相手がいないことになりますが、扱いを明記したQ&Aは見当たりませんでした(要確認)。

2つ目は、交付の方法です。紙で渡すのか、電子データでよいのか、条文は決めていません(要確認)。

3つ目は、相談支援の事業者に交付しなかった場合に、個別支援計画未作成減算の対象になるかどうかです。留意事項通知は、減算の対象を「児童発達支援管理責任者による指揮の下、通所支援計画等が作成されていないこと」と「指定通所基準等に規定する通所支援計画等の作成に係る一連の業務が適切に行われていないこと」としています(留意事項通知。令和8年5月28日改正の新旧対照表で改正後・現行とも同文(2026年10月19日確認))。ただ、相談支援の事業者への交付がこの「一連の業務」に含まれるかを明記した資料は、今回は確認できませんでした(要確認)。減算になるかどうかとは別に、運営基準の義務を果たしていない状態であることは変わりません。運営指導で指摘されやすい書類のずれは運営指導の指摘事例に学ぶ3パターンにまとめています。

人事の目で見ると

交付が抜ける原因は、たいてい「誰の仕事か決まっていない」ことです。作成と同意は児発管の仕事と決まっていても、相談支援の事業者へ送るのは事務の人なのか、児発管なのかがあいまいだと、忙しい月にこぼれます。条文上、交付するのは児発管です。なので、送る作業を事務の人が手伝う場合も、児発管が台帳の「相談支援の事業者へ交付した日」の欄を見て、毎月1回は空欄がないかを確かめる、という分担にしておくといいと思います。児発管が退職したときも、この台帳があれば後任が引き継げます(当事務所の見解)。

児発管とほかの職員の分担の線引きは個別支援計画は児発管以外が作れるかに書いています。

地域差分——国の基準と、指定権者の運用

個別支援計画を保護者と障害児相談支援の事業者に交付すること、計画を変更したときも同じ流れを準用すること、Q&Aが「更新毎」としていることは、国の運営基準とこども家庭庁のQ&Aによる全国共通の取扱いです。相談支援の事業者が障害児支援利用計画を事業所に交付することも、国の基準に書かれています。

運営指導で交付をどう確かめるか、交付の記録にどの形を求めるか、障害児相談支援を使っていない子をどう扱うかは、指定権者ごとに違うことがあります。当事務所の台帳には、この点を指定権者の原典で確かめた登録がまだありません。お住まいの指定権者の運営指導の資料や自己点検表で確認してください(2026年10月19日確認)。

今日やること——3つだけ

まず、いま有効な個別支援計画を子どもごとに並べ、保護者へ渡した日と、相談支援の事業者へ渡した日が両方あるかを見ます。で、相談支援の事業者へ渡した記録がない子がいたら、計画の写しを担当の相談支援専門員に届け、渡した日を台帳に書きます。最後に、次の見直しの期限と、計画時間を変える予定がある子を台帳に書き込み、変更したら同意と交付を一緒にやり直す、と児発管と事務の人で決めておきます。この3つで、「渡したはず」が「渡した記録がある」に変わります。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|相談支援の事業者の確かめ方

どの事業者が障害児相談支援を担当しているかは、受け取った障害児支援利用計画の「相談支援事業者名」「計画作成担当者」の欄で確かめられます。担当が替わったときは、次の交付先も替わります。運営指導での確かめ方や交付の記録の形は、指定権者の資料で確認してください(2026年10月19日確認)。

※2026年10月19日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

個別支援計画は、保護者に渡したところで一区切りついた気持ちになりやすい書類だと思います。でも条文を読むと、渡す相手はもう1人います。まずは台帳に「相談支援の事業者へ交付した日」の欄を1つ足すところから始めてみてください。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/2級FP技能士(AFP)/国家資格キャリアコンサルタント。
障害福祉・障害児支援とNPO法人を専門にしています。放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援A型・B型・グループホーム(共同生活援助)などの指定申請、処遇改善加算・変更届・指定更新・運営指導(実地指導)への対応を支援します。NPO法人は、設立認証から事業報告書・役員変更などの運営まで支援します。
企業人事15年の経験を土台に、児発管・サビ管の採用・定着、融資・補助金や資金繰りまで、「書類・人・お金」を一体で支えます。

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