— 30秒でわかる結論 —

Q. 令和8年6月からの就労継続支援B型の基本報酬区分の見直しで、うちの事業所は何をすべきですか?

まず見直しの対象かどうかを確かめます。対象外は2種類で、①令和7年度の工賃実績に基づく平均工賃月額が1万5千円未満(区分七・八)、②令和6年度改定の前後で基本報酬区分が上がっていない事業所です。②は、令和5年4月以前に指定を受けた事業所なら「令和6年3月の区分」と「令和6年4月の区分」を比較し、変わらないか下がっていれば対象外。令和5年5月〜令和6年3月に指定を受けた事業所は経過措置(区分八)の最終月の翌月の区分で比較します。令和6年4月以降に指定を受けた事業所は①に当たらない限り対象です。対象なら、基準額が3千円ずつ上がった新しい区分(一・A・二・B・三・C・四・D・五・E・六・F)で届出をし、対象外なら令和6年3月と4月の区分が分かる根拠書類を指定権者に出します。国の想定は令和8年4月15日までに4月・5月分と6月以降分の届出書を同時提出でしたが、期限は指定権者で異なりました。届出がなければ正確に報酬が算定されず過誤調整の対象になります(厚生労働省別添資料・改定事項資料・大阪市の案内、2026年9月26日確認)。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 就労継続支援B型を運営していて、6月以降の区分が正しいか確かめたい方
  • 令和6年4月以降に指定を受けたB型の経営者の方
  • 「対象外」で届出を省いたが、根拠書類を綴じていない方

令和8年6月から、B型の基本報酬区分の「基準額」が3千円ずつ上がりました

令和8年6月の見直しとは、就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)〜(Ⅲ)の基本報酬区分を決める平均工賃月額の基準額を、それぞれ3千円引き上げ、中間的な区分(A〜F)を新設した改定です(制度。厚生労働省・こども家庭庁「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について」(2026年9月26日確認))。背景は、令和6年度改定で平均工賃月額の算定方式が変わり、平均工賃月額が約6千円上昇して高い区分の事業所が想定以上に増えたことです。引き上げ幅は上昇幅の2分の1の3千円に留められました。

令和8年5月まで(現行)令和8年6月以降(見直し後)単位数の例【サービス費(Ⅰ)・定員20人以下】
(一)4万5千円以上(一)4万8千円以上/(A)4万5千円以上4万8千円未満837/812
(二)3万5千円以上4万5千円未満(二)3万8千円以上4万5千円未満/(B)3万5千円以上3万8千円未満805/781
(三)3万円以上3万5千円未満(三)3万3千円以上3万5千円未満/(C・四)2万8千円以上3万3千円未満758/738
(四)2万5千円以上3万円未満(C・四)/(D・五)2万3千円以上2万8千円未満738/726
(五)2万円以上2万5千円未満(D・五)/(E)2万円以上2万3千円未満726/705
(六)1万5千円以上2万円未満(六)1万8千円以上2万円未満/(F)1万5千円以上1万8千円未満703/682
(七)1万円以上1万5千円未満据え置き(七)673
(八)1万円未満据え置き(八)590

単位数は改定事項資料の「サービス費(Ⅰ)・定員20人以下」の値です。定員規模とサービス費(Ⅱ)(Ⅲ)で単位数は変わりますが、区分の境目(基準額)は共通です。区分七と八の境(1万円)と、七の下限(1万5千円)は据え置かれました。

見直しの「対象外」になる事業所が2種類あります

厚生労働省の別添資料「就労継続支援B型の基本報酬区分の基準の見直しについて」は、次の事業所を対象外としています(制度(2026年9月26日確認))。

対象外の類型内容6月以降の扱い
① 平均工賃月額が1万5千円未満令和7年度の工賃実績に基づく区分が(七)または(八)区分は変わらない。見直し後の届出は不要(指定権者が1万5千円未満であることを確認)
② 令和6年度改定の前後で区分が上がっていない令和5年4月以前の指定なら「令和6年3月の区分」と「令和6年4月の区分」を比較し、変わらないか下がっていれば対象外。令和5年5月〜令和6年3月の指定は、経過措置(区分八)の最終月の翌月の区分で比較するシステム上は「R8改定対象外(一)〜(六)」に自動で切り替わり、変更届は不要。ただし対象外であることが分かる根拠書類(令和6年3月と4月の区分が分かる書類など)が必要

令和6年4月以降に指定を受けた事業所は、①に当たらない限り見直しの対象です(制度)。「うちは新しいから関係ない」ではなく、逆です。

— この段階でご相談いただく理由 —

この見直しは、届出をしたかどうかで報酬が変わる制度です。大阪市は、期限までに届出がない場合は正確に報酬が算定されず過誤調整が必要になり、後日、報酬の差分を納付してもらうこともあると案内しています。対象外だと思っている事業所ほど、根拠書類が手元にあるかを確かめておく必要があります。

<ご相談時にお持ちいただくもの>令和6年3月・4月の基本報酬区分が分かる書類(体制届の控え・国保連の通知)/令和7年度の平均工賃月額の算定資料/令和8年4月以降に提出した届出書の控え。60分無料相談はこちら

届出はどう流れたか——4月に2枚、または6月に1枚

国の想定は、サービス費(Ⅰ)〜(Ⅲ)の事業所は令和8年4月15日までに「ア:令和8年4月・5月分の届出書(現行の区分)」と「イ:令和8年6月以降分の届出書(見直し後の区分)」を同時に提出する、というものでした(制度。別添資料②)。見直しは6月施行なので、本来は6月中の届出ですが、事務負担を減らすために4月にまとめて出してもよいとされました。対象外の事業所はイの代わりに根拠書類を出します。指定権者はアで台帳に登録し、6月にイで再登録します。

実際の提出期限は指定権者で違いました。青森県は4月15日に2枚同時提出、箕面市(池田市・箕面市・豊能町・能勢町)は6月18日必着です。京都府は対象かどうかを問わず平均工賃1万5千円以上の全事業所に5月29日までの提出を求め、愛知県は「単位数に変更がない場合も届出を必須」としています(各自治体の公表ページ(2026年9月26日確認))。

いま(9月)確認すべき3点

  • ①国保連の支払通知の区分が、令和7年度の工賃実績と合っているか——6月以降の請求で「(R8改定対象)(B)」のような新しい区分名が付いているか、または「(R8改定対象外)」になっているかを確認します。対象なのに従前の区分のままなら、届出漏れの可能性があります。
  • ②対象外を選んだなら、根拠書類が綴じてあるか——別添資料③は、運営指導などで従前の区分の事業所には「R8改定の対象外となる要件とその根拠書類」を確認すると明記しています。令和6年3月と4月の区分が分かる書類(体制届の控え、国保連の通知)をすぐ出せる状態にしてください。
  • ③上位区分なら工賃向上計画の写しがあるか——新設区分はいずれも平均工賃月額1万5千円以上の区分で、指定権者によっては上位区分の届出に工賃向上計画の写しの添付を求めます(実務の目安。様式は指定権者ごとに異なる)。

届出漏れや届出内容の不備が分かった場合は、指定権者に連絡して過誤調整の段取りを取るのが原則です。自主的に申し出るのと、運営指導で指摘されるのとでは、その後の扱いが変わります。

📗 過誤調整の流れは報酬の自主点検・過誤調整・返還の流れ、平均工賃月額の育て方は就労継続支援B型の「平均工賃月額」の育て方にまとめています。令和8年6月以降に新規指定を受けるB型の応急単価(所定単位数の1000分の984)は令和8年6月から新規指定の放デイ・児発・B型・GHは基本報酬が下がりますをご覧ください。

本記事で確認できていないこと

千葉県・千葉市・船橋市・柏市がこの見直しの届出をどの期限・様式で受け付けたかは、本記事の執筆時点で公表ページを確認できていません(要確認)。千葉県は体制届の一般ルール(単位数が減る場合は速やかに)を案内しているため、対象で未届の事業所は、まず指定権者に電話で確認してください。基準額と対象外の要件は厚生労働省の別添資料と改定事項資料で確認済みですが、個別の事業所が対象かどうかの最終判断は指定権者が行います。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内のB型事業所の方へ

就労継続支援B型の指定権者は、松戸市・市川市・流山市などは千葉県(障害者福祉サービス事業指定班)、千葉市・船橋市・柏市は各市です。千葉県がこの見直しの届出をどの期限・様式で受け付けたかは本記事の執筆時点で確認できていません(要確認)。千葉県の体制届の一般ルールでは、加算の単位数が増える届出は前月15日まで、減る場合は速やかに提出です。6月以降の国保連の支払通知で区分名を確認し、対象なのに従前の区分のままなら、指定権者に電話してから過誤調整を進めてください(2026年9月26日確認)。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

この見直しで怖いのは「下がる」ことより「届け出ていないことに気づかない」ことです。6月以降の支払通知に新しい区分名が付いていれば届出は通っています。付いていないなら、対象外の根拠書類があるかを見る。この2つで、ほとんどの事業所は自分の状態が分かります。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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