— 30秒でわかる結論 —
Q. NPO法人を設立するには、何をどの順番でやればよいですか?
7段階で、思い立ってから設立まで約3〜4か月です。①設計(定款の目的・事業を3年先まで書き切る。社員10人・理事3人以上・監事1人以上の候補。所轄庁の確認)②設立総会(定款・役員・事業計画・予算を決議し議事録を作る)③所轄庁へ設立認証を申請(申請書類10点)④縦覧2週間⑤所轄庁の審査(縦覧期間経過後2か月以内に認証または不認証)⑥認証書の受領後2週間以内に設立登記(登記した日が設立日。登記は司法書士の業務)⑦所轄庁への登記完了の届出、税務・社会保険の届出。費用は、認証の手数料0円・登録免許税0円・定款認証不要で、かかるのは自分の時間か行政書士・司法書士の報酬です。いちばん時間がかかるのは①の設計で、定款の目的・事業の変更には認証が要り数か月かかるため、3年以内にやる可能性のある活動まで書き切ります。設立後は、毎事業年度初めの3か月以内の事業報告書、役員の任期ごとの届出と登記(重任でも)、年1回以上の総会が回ってきます。活動分野は問いません(2026年9月19日時点)。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- NPO法人の設立を考え始めて、全体の流れと期間を知りたい方
- 株式会社・一般社団法人とどちらにするか迷っている方
- 子ども食堂・まちづくり・国際協力など、福祉以外の活動でNPO法人を考えている方
NPO法人の設立は、申請から登記まで約3〜4か月です
NPO法人(特定非営利活動法人)の設立は、株式会社のように「登記すれば今日から法人」ではありません。所轄庁(都道府県または指定都市)に設立認証を申請し、2週間の縦覧と最長2か月の審査を経て認証を受け、その後2週間以内に登記して初めて法人になります。書類の準備を含めると、思い立ってから設立まで3〜4か月が現実的な線です。
この記事は、当事務所のNPO法人の記事15本を「設立の順番」でつないだ総論です。各段階の詳細は、表の中のリンクから個別の記事に進めます。活動分野は問いません——子ども食堂、学習支援、まちづくり、環境、文化・スポーツ、国際協力、当事者・家族の支援、福祉事業。いずれも定款の設計と設立後の運営の要点は共通です。
NPO法人とは——「非営利」は利益を出さないことではない
NPO法人とは、特定非営利活動促進法にもとづいて所轄庁の認証を受け、20分野のいずれかに当たる非営利の活動を行う法人です。「非営利」とは、利益を社員(会員)に分配しないという意味であって、利益を出してはいけない、職員に給料を払えない、という意味ではありません。株式会社・一般社団法人との使い分けはNPO法人とは?わかりやすくで整理しています。
設立の7段階
| 段階 | やること | 期間の目安 | 詳しく |
|---|---|---|---|
| ①設計 | 目的・事業を3年先まで決める。社員10人・理事3人・監事1人の候補。所轄庁(千葉県か千葉市か)の確認 | 2〜4週間 | 定款の目的・事業の書き方/役員構成と社員10人 |
| ②設立総会 | 定款・役員・事業計画・予算を決議し、議事録を作る | 1日(準備2週間) | 総会と議事録の実務 |
| ③認証申請 | 申請書類10点を所轄庁へ提出 | 書類作成に2〜3週間 | 申請書類10点とつまずき |
| ④縦覧 | 定款・役員名簿などが2週間公衆の縦覧に | 2週間 | — |
| ⑤審査・認証 | 所轄庁の審査。縦覧期間経過後2か月以内に認証または不認証 | 最長2か月 | 不認証になる理由と認証の基準8項目 |
| ⑥登記 | 認証書を受け取ってから2週間以内に主たる事務所の所在地で設立登記。登記した日が設立日 | 2週間以内 | 登記は司法書士の業務 |
| ⑦設立後の届出 | 登記完了の届出を所轄庁へ。税務署・都道府県税事務所・市町村への届出、社会保険 | 登記後すみやかに | 毎年の事業報告書 |
いちばん時間がかかるのは①の設計です。定款の目的・事業は「3年以内にやる可能性のある活動」まで書き切る——ここが設立で最も大事な判断で、あとから変えるには所轄庁の認証が要り、数か月かかります。社員10人と役員(理事3人以上・監事1人以上、親族制限あり)の候補も、この段階で固めます。
費用——行政への手数料はゼロ
| 費用の項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 設立認証の手数料 | 0円 | NPO法人の設立に行政への手数料はない |
| 設立登記の登録免許税 | 0円 | NPO法人は非課税 |
| 定款の認証 | 不要 | 株式会社と違い公証役場の認証は要らない |
| 行政書士に依頼する場合 | 当事務所は税込200,000円 | 日行連統計の相場は行政書士の費用相場(日行連統計) |
| 司法書士(登記) | 別途 | 提携司法書士の報酬 |
| 設立後の毎年 | 事業報告書等の提出(手数料0円)、法人住民税の均等割(収益事業なしなら減免の自治体が多い) | 税務は税理士へ |
NPO法人の設立は、認証の手数料も登録免許税も定款認証も要りません。かかるのは、自分でやる時間か、行政書士・司法書士の報酬です。「自分でもできる」のに頼む人がいる理由と、頼まなくていい場合は行政書士に頼むメリットと頼まなくていい場合で正直に書いています。
活動分野ごとに、書き忘れやすい事業
| 活動分野(例) | 定款で書き忘れやすい事業 | 設立後に効く制度 |
|---|---|---|
| 子ども・教育(学習支援・居場所・子ども食堂) | 食事提供、保護者支援、受託調査 | 自治体の委託・助成、認定NPOで寄付の税制優遇 |
| 地域・まちづくり | 指定管理、受託調査、物販(その他の事業) | 指定管理者の応募 |
| 環境・文化・スポーツ | 講座・出版・物販 | 会員(賛助会員)の会費設計 |
| 国際協力・多文化共生 | 通訳翻訳の受託、日本語教室 | 非営利法人限定の助成財団 |
| 当事者・家族の支援 | 相談事業、ピアサポート、研修 | 認定NPO(寄付者100人) |
| 福祉事業 | 根拠法と事業名を法令の用語で | 指定申請とセットの線表 |
設立でつまずく典型と、防ぎ方
| 設立でつまずく典型 | 防ぎ方 |
|---|---|
| 定款の目的が狭く、あとから事業を足せない | 3年以内にやる可能性のある活動まで書き切る。変更は認証が必要で数か月かかる |
| 社員10人が集まらない/役員の親族制限に触れる | 社員は「賛同者」でよい。役員の親族は総数の3分の1まで(役員が5人以下なら親族不可) |
| 「非営利」を誤解して、給料も利益も出せないと思う | 職員に給与を払える、利益を出してよい。分配できないだけ |
| 認証後の登記を忘れて設立が遅れる | 認証書の受領後2週間以内。司法書士に事前に依頼しておく |
| 設立して2年後、重任の手続きを忘れる | 役員変更は重任でも届出と登記 |
設立してからが本番——毎年の義務と、認定NPOへの道
認証は入口です。設立後は、毎事業年度初めの3か月以内に事業報告書等を所轄庁へ提出(3年間出さないと認証取消しの対象)、役員の任期満了ごとの選任・届出・登記(重任でも)、年1回以上の総会(招集5日前・議決権1人1個・通知した事項のみ議決)が回ってきます。
寄付で活動を広げるなら、認定NPO法人は設立日から設計するものです。設立5年以内なら特例認定を先に取り、その間に3,000円以上の寄付者を年平均100人積んで本認定へ。5年線表の作り方は認定NPO法人の5年線表をご覧ください。
「うちの活動で、NPO法人にする意味があるか」から一緒に考えます
NPO法人が向いているかどうかは、活動の中身と、お金の集め方(会費・寄付・委託・事業収入)で決まります。株式会社や一般社団法人のほうが合う場合もあります。当事務所では60分の無料相談で、活動の内容と3年後の姿を伺い、法人格の選択、定款の目的・事業の下書き、社員・役員の集め方、所轄庁の確認までを一緒に整理します。
設立サポートは税込200,000円(登記は提携司法書士・報酬別途)。ご依頼にならなくて構いません。オンラインで全国対応です。NPO法人の設立・運営サポート、またはお問い合わせフォームからどうぞ。
参考にした一次資料
- 特定非営利活動促進法(設立の認証:第10条〜第13条、縦覧、認証の基準、設立の登記、役員:第15条〜第21条、事業報告書等の提出:第29条)
- 内閣府NPOホームページ「認証制度について」「NPO法人の設立」(2026年9月19日確認)
- 千葉県・千葉市のNPO法人設立の手引(所轄庁の区分、申請書類、縦覧、審査期間)
- 当事務所のNPO法人設立・運営サポートの実務
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|千葉県でNPO法人を設立する方へ
所轄庁は、千葉市内のみに事務所を置く場合は千葉市、それ以外は千葉県(県民生活課NPO法人班043-223-4137)です。松戸・市川・流山の団体は千葉県が所轄庁になります。申請書類の様式と手引は所轄庁のページで公開されており、縦覧・審査の期間は法律で決まっているため、どこに出しても大きくは変わりません。設立後に障害福祉サービスの指定を受ける場合は、定款の目的・事業に根拠法と事業名を法令の用語で書いておく必要があります。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
NPO法人の設立相談で、私が最初に伺うのは「3年後、何をしていたいですか」です。設立の手続きは法律で決まっていて、誰がやっても3〜4か月。差がつくのは、定款にどこまで書いておくかです。書き忘れた事業を1つ足すのに、認証で数か月かかる。だから最初の設計に、いちばん時間をかけます。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
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