— 30秒でわかる結論 —

Q. NPO法人の総会は、いつ・どう開けばよいですか?

通常総会は少なくとも年1回開きます(NPO法第14条の2)。招集の通知は少なくとも5日前までに、会議の目的・内容・日時・場所を示して行います(第14条の4)。社員は各1個の議決権を持ち(第14条の7第1項)、会費の額などで差を付けることはできません。書面または代理人による表決も可能です(同条第2項)。重要なのは、あらかじめ通知した事項についてのみ議決できること(第14条の5)。当日の動議で定款変更を決める、といった進め方はできません。また、総社員の5分の1以上から会議の目的を示して請求があったときは、理事は臨時総会を招集しなければなりません(第14条の3第2項。定款でこれを下回る割合を定めることも可能)。議事録には、日時・場所、社員総数と出席者数(書面表決・表決委任を含む)、議事の経過の要領と結果、議長・議事録署名人を書きます。とくに定足数を満たしていることが分かる書き方が重要です。この議事録は、定款変更の認証申請、役員変更等届出、理事の変更登記、事業報告書のすべてに使われます(2026年9月17日時点)。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • NPO法人を設立して、初めての総会を控えている方
  • 毎年総会を開いているが、議事録の書き方に自信がない方
  • 所轄庁や法務局に提出する書類で議事録の不備を指摘された方

NPO法人の総会は「開けばよい」ものではありません

NPO法人の運営で、設立のあと最初に回ってくるのが総会です。ところが「毎年やっている」法人でも、招集の通知の期間、定足数の数え方、議事録の書き方のどれかが定款とずれている、ということが珍しくありません。

総会の議事録は、定款変更の認証申請、役員変更等届出、理事の変更登記、事業報告書のすべてに関わります。1回の総会の記録が、その後の手続き全部の土台になるということです。この記事は、NPO法の定めと定款の関係を整理し、議事録に何を書くかまでを実務の順に並べたものです。

NPO法が定めていること、定款が定めること

項目NPO法の定め定款で確認すること
通常総会少なくとも年1回開催(第14条の2)開催時期を定款で定めているか(事業年度終了後◯か月以内など)
臨時総会必要がある場合に招集(第14条の3)理事が必要と認めたとき/社員の一定数の請求があったとき
社員による招集請求総社員の5分の1以上から会議の目的を示して請求があったとき、理事は臨時総会を招集しなければならない(第14条の3第2項)定款で「5分の1」を下回る割合を定めることができる
招集の通知少なくとも5日前までに、会議の目的・内容・日時・場所を示して通知(第14条の4)定款で期間を長く定めているか
議決権社員は各1個の議決権を有する(第14条の7第1項)出資額や会費額で差を付けることはできない
書面・代理書面または代理人によって表決できる(第14条の7第2項)委任状・議決権行使書の様式を用意しているか
議決事項の制限あらかじめ通知した事項についてのみ議決できる(第14条の5)当日の動議で定款変更などを決議することはできない

とくに注意していただきたいのが最後の行です。あらかじめ通知した事項についてのみ議決できます(第14条の5)。当日「ついでに定款も変えましょう」という進め方はできません。定款変更や役員の選任を予定しているなら、招集通知の段階で議案として示してください。

議決権は社員1人につき1個です(第14条の7第1項)。会費を多く払っている人に議決権を多く与える、という設計はできません。ここはNPO法人が株式会社と決定的に違うところです。

議事録に書くこと

議事録に書くこと注意
日時・場所オンライン開催なら、その旨と接続方法
社員総数と出席者数(書面・代理を含む)定足数を満たしていることが分かる書き方に。定款の定めと照らす
議事の経過の要領と結果賛成・反対の数。定款変更など特別な議決要件がある議案は、要件を満たしたことが分かるように
議長・議事録署名人定款の定めどおりの人が署名・記名押印しているか
添付提出議案、委任状・議決権行使書は保管する

議事録でいちばん指摘を受けるのが、定足数が満たされていることが分からない書き方です。「社員総数◯名、出席◯名(うち書面表決◯名、表決委任◯名)」と書けば、定款の定めと照らして判断できます。委任状と議決権行使書は、議事録とセットで保管してください。

その議事録は、あとでこう使われます

議事録が要る場面理由
所轄庁への定款変更の認証申請・届出総会の議決を証する書類として添付
所轄庁への役員変更等届出選任の議決を証する書類
法務局への変更登記理事の変更登記に添付
毎年の事業報告書等の提出承認の経緯を説明する材料
助成金・委託の申請運営の適正さを示す資料として求められることがある

役員変更は、所轄庁への届出と法務局への登記が別系統で必要です。重任(同じ人の再任)でも手続きが要ります(役員変更の届出と登記)。総会のたびに議事録を整えておくと、この2つがそのまま進みます。

オンライン総会はできるか

NPO法は総会の開催方法を細かく定めていないため、定款に定めがあればオンラインでの開催や併用が可能と解されています。ただし、議決権の行使方法(書面・代理・電磁的方法)や、議事録への記載の仕方は所轄庁の手引で確認が必要です。定款に規定がない場合は、まず定款変更を検討してください(定款変更は認証が必要な事項です)。

要確認:総会の招集手続・定足数・議決要件は、NPO法の定めと各法人の定款によります。オンライン開催の可否・方法、議事録の様式や署名の要否は、所轄庁(都道府県・指定都市)の手引でご確認ください。登記の申請は司法書士の業務であり、当事務所は行いません。本記事は2026年9月17日時点の整理です。

介護・障害福祉の事業者の方へ
NPO法人で指定サービスを運営している場合、総会の議事録は所轄庁への届出だけでなく、指定権者への変更届(代表者・役員の変更など、10日以内)の添付書類としても使われます。所轄庁・法務局・指定権者の3つを同じカレンダーに載せておくと漏れません。

定款と、実際の運営が合っているか確認します

総会の運営でつまずく法人の多くは、定款を読み返していないだけです。招集通知の期間、定足数、議決要件、議事録署名人。この4つを定款で確認し、直近の議事録と突き合わせれば、ずれはすぐ見つかります。

当事務所では60分の無料相談で、定款と直近の議事録を拝見し、次の総会までに整えることを一覧にします。定款そのものに無理がある場合は、変更認証の要否も含めてお伝えします。ご依頼にならなくて構いません。オンラインで全国対応です。NPO法人の設立・運営、またはお問い合わせフォームからどうぞ。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|千葉県のNPO法人の方へ

千葉県内のNPO法人の所轄庁は、千葉市内のみに事務所がある場合は千葉市、それ以外は千葉県(県民生活課NPO法人班043-223-4137)です。議事録の様式や添付書類は所轄庁の手引で確認できます。定款変更の認証申請や役員変更等届出には総会の議事録を添えるため、総会のたびに整えておくと、その後の手続きがそのまま進みます。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

総会の相談でまずお願いするのは、定款を出していただくことです。NPO法が「5日前」と定めていても、定款が「2週間前」なら2週間前です。法律だけを見ても、定款だけを見ても足りない。この二段構えが分かりにくいので、私は定款の該当条文に付箋を貼ってお返しするようにしています。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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