— 30秒でわかる結論 —

Q. NPO法人とは何ですか?株式会社と何が違いますか?

NPO法人(特定非営利活動法人)は、特定非営利活動促進法(NPO法)にもとづき、所轄庁(都道府県または指定都市)の認証を受けて設立される法人です。「非営利」は利益を出さないことではなく、利益を構成員に分配しないことを意味し、利益を出すことも職員に給与を払うことも問題ありません(内閣府NPOホームページ・2026年9月13日確認)。活動はNPO法別表の20分野(福祉、教育、まちづくり、環境、子どもの健全育成など)から選びます。株式会社との大きな違いは、①登記だけでなく所轄庁の認証が要ること(縦覧2週間→2か月以内に決定→2週間以内に登記で、実務3〜4か月)②社員10人以上・理事3人以上・監事1人以上が要ること③利益を分配できず、出資も持分もないこと④毎年、事業報告書等を所轄庁に提出して公開されること。その代わり「公的な認証を受けた非営利団体」という信頼が付き、委託・補助・助成金・寄付を集めるときに効きます。向いているのは収入に委託・助成金・寄付・会費が混ざる活動、向いていないのは対価だけで回る事業や出資を受けたい事業です。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • NPO法人という言葉は知っているが、株式会社と何が違うのか説明できない方
  • 地域活動を法人化したいが、どの法人格がよいか迷っている方
  • 「NPOは儲けてはいけない」と思っている方

NPO法人とは——ひとことで言うと

NPO法人(特定非営利活動法人)は、特定非営利活動促進法(NPO法)にもとづき、所轄庁の認証を受けて設立される法人です。NPOは Non-Profit Organization の略で、「非営利」は「利益を出さない」ではなく「利益を構成員に分配しない」という意味です。利益を出すことも、職員に給与を払うことも、事業を大きくすることも、法律上まったく問題ありません(内閣府NPOホームページ・2026年9月13日確認)。

何を「特定非営利活動」というかは、NPO法の別表に20分野で定められています。保健・医療・福祉、社会教育、まちづくり、観光、農山漁村、学術・文化・芸術・スポーツ、環境、災害救援、地域安全、人権・平和、国際協力、男女共同参画、子どもの健全育成、情報化社会、科学技術、経済活動の活性化、職業能力・雇用、消費者保護、これらの団体の支援、そして都道府県・指定都市の条例で定める活動。ほとんどの社会的な活動はどこかの分野に入ります

株式会社・一般社団法人と、何が違うのか

NPO法人株式会社一般社団法人
目的特定非営利活動(20分野)を主目的営利(利益の分配)制限なし(非営利型は分配不可)
設立所轄庁の認証+登記(3〜4か月)登記のみ(1〜2週間)登記のみ(1〜2週間)
必要な人数社員10人以上、理事3人・監事1人以上1人から社員2人以上、理事1人以上
利益の分配不可不可(非営利型)
設立費用(登記の実費)登録免許税なし登録免許税15万円〜(株式会社)登録免許税6万円
監督所轄庁。毎年の事業報告書等の提出・公開なし(税務のみ)なし(税務のみ)

いちばん大きな違いは「認証」と「監督」です。株式会社や一般社団法人は登記だけで作れますが、NPO法人は所轄庁(都道府県または指定都市)の認証を受ける必要があります。申請書類の一部が2週間縦覧され、その経過後2か月以内に認証・不認証が決まり、認証通知から2週間以内に登記して成立します。実務では3〜4か月かかります。設立後も、毎事業年度初めの3か月以内に事業報告書等を所轄庁に提出し、公開されます。

その代わり、「公的な認証を受けた非営利の団体」という信頼が付きます。行政の委託・補助、民間の助成金、寄付を集めるときに、この信頼が効きます。認定NPO法人になれば、寄付者への税制優遇も付きます。

設立の要件——認証の基準は8項目

  1. 特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること
  2. 営利を目的としないこと(構成員への収益の分配・財産の還元を目的としない)
  3. 社員の資格の得喪に不当な条件を付さないこと
  4. 役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること
  5. 宗教活動や政治活動を主たる目的としないこと
  6. 特定の公職者・政党の推薦・支持・反対を目的としないこと
  7. 暴力団またはその統制下にある団体でないこと
  8. 10人以上の社員を有すること

このほか、理事3人以上・監事1人以上、役員の親族制限(役員総数5人以下なら親族を入れられない)があります。詳しくは役員構成と社員10人の実務をご覧ください。

よくある誤解を5つ

よくある誤解実際
「NPOは利益を出してはいけない」出してよい。禁じられているのは構成員への分配。利益は次の活動に使う
「NPOは給料を払えない」払える。職員の給与は事業費・管理費。制限があるのは報酬を受ける役員の数(3分の1以下)
「NPOは税金がかからない」かかる場合がある。法人税は収益事業(34業種)の所得に課税。住民税均等割も原則課税
「NPOは補助金がもらえる」自動的にはもらえない。応募資格が非営利法人に限られる助成金はあるが、審査は同じ
「NPOは誰でも作れる」認証主義。所轄庁の認証基準(8項目)を満たし、書面審査と縦覧を経る

NPO法人が向いている活動、向いていない活動

向いているのは、収入に行政の委託・補助、民間の助成金、寄付、会費が混ざる活動です。応募資格が非営利法人に限られる助成金があり、寄付を集めるなら認定NPO法人の制度が使えます。地域の居場所づくり、子ども食堂、学習支援、環境保全、文化・スポーツの振興、当事者・家族の支援などが典型です。

向いていないのは、顧客からの対価だけで回る事業、外部から出資を受けて拡大したい事業、将来売却や承継を考えている事業です。NPO法人には出資も持分もありません。株式会社との使い分けはNPO法人が株式会社より有利になる事業活動で整理しています。

要確認:NPO法の20分野の正確な文言、認証の基準、税務の取扱いは、内閣府NPOホームページ・所轄庁の手引・国税庁の案内でご確認ください。税務の判断は税理士、登記は司法書士の業務であり、当事務所は行いません。本記事は2026年9月13日時点の整理です。

介護・障害福祉の事業者の方へ
障害福祉の指定サービスをNPO法人で運営する場合、指定申請で求められるのは「法人であること」で、NPOである必要はありません。NPOを選ぶ意味は、委託・寄付・助成金・会費といった給付費以外の収入を取りに行くかどうかにあります。障害福祉でNPOが有利になる6つの場面で整理しています。

「うちの活動は、NPO法人にすべきか」

ここまで読んで「たぶんNPOが合っている」と思われた方も、「株式会社でいいかもしれない」と思われた方も、判断の軸はひとつです。その活動のお金は、誰から入ってきますか。これに答えられれば、法人格はほぼ決まります。

当事務所では60分の無料相談をお受けしています。NPO法人設立サポートは税込200,000円(設立登記は提携司法書士が担当・報酬別途。お見積りは登記報酬を含む総額を書面でお出しします)。設立の可否の段階でのご相談は、ご依頼にならなくても構いません。オンラインで全国対応しています。詳しくはNPO法人設立サポート、またはお問い合わせフォームからどうぞ。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|千葉県でNPO法人を設立する方へ

千葉県内のNPO法人の所轄庁は、千葉市内のみに事務所がある場合は千葉市長、それ以外は千葉県知事(県民生活課NPO法人班043-223-4137)です。申請前に定款案の事前確認を受けられます。松戸・市川・流山からのご相談はオンラインでもお受けしています。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

「NPOって儲けちゃいけないんですよね」と言われるたびに、私は「分けちゃいけないんです」とお答えしています。儲けていい、給料も払っていい、でも山分けはしない。この一点を理解していただくと、NPOという器の輪郭がはっきりします。そして輪郭がはっきりすると、自分の活動がこの器に合うかどうかも見えてきます。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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