— 30秒でわかる結論 —

Q. NPO法人の設立認証には、どんな書類が必要ですか?

申請書に添える書類は10点です(NPO法第10条、内閣府NPOホームページ2026年9月12日確認)。①定款②役員名簿(氏名・住所または居所・報酬の有無)③役員の就任承諾書及び誓約書の謄本④役員の住所又は居所を証する書面⑤社員のうち10人以上の者の氏名・住所または居所を示した書面⑥認証要件に適合することを確認したことを示す書面⑦設立趣旨書⑧設立についての意思の決定を証する議事録の謄本⑨設立当初の事業年度及び翌事業年度の事業計画書⑩同じく活動予算書。提出後2週間の縦覧、その経過後2か月以内に認証・不認証が決まり、認証通知から2週間以内に設立登記で法人が成立します。書く順番は、役員構成と社員10人の確定→定款→事業計画書と活動予算書(定款の事業名と完全一致)→名簿類→設立総会の議事録→設立趣旨書。差し戻しで多いのは、定款と計画書・予算書の事業名のずれ、趣旨書が「やりたいこと」の羅列、役員の親族制限や報酬役員の割合を書類を作ってから確認する、の3つです。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • NPO法人の設立を決め、書類を作り始めるところの方
  • 自分で書類を作ったが、出す前に確認したい方
  • 所轄庁から差し戻されて、どこを直せばよいか分からない方

📗 関連の深掘り——認証の基準8項目ごとに、どんな書き方・組み方が差し戻されるか、縦覧2週間で何が公開されるかはこちらの記事で扱っています。

設立認証の申請書類は10点。書く順番があります

NPO法人の設立は、所轄庁に10点の書類を添えた申請書を提出し、認証を受けることから始まります(NPO法第10条、内閣府NPOホームページ「認証制度について」2026年9月12日確認)。提出後、書類の一部は2週間縦覧され、その経過後2か月以内に認証・不認証が決まります。認証通知から2週間以内に設立登記をして、法人が成立します。

10点の書類は独立していません。定款で決めたことが、役員名簿・社員名簿・事業計画書・活動予算書に流れ、それらを設立趣旨書が束ねる構造です。順番を間違えると作り直しになります。

10点の書類と、それぞれの要点

#書類作るときの要点つまずきやすさ
1定款目的・事業・活動分野・社員の資格・役員・会議・会計・事業年度・解散・公告の方法。3年以内にやる活動まで書く
2役員名簿理事3人以上・監事1人以上の氏名・住所または居所・報酬の有無
3役員の就任承諾書及び誓約書の謄本各役員が就任を承諾し、欠格事由に該当しないことを誓約。署名または記名押印
4役員の住所又は居所を証する書面住民票の写しなど。役員全員分
5社員のうち10人以上の者の名簿氏名と住所または居所。法人が社員の場合は名称と代表者
6認証要件に適合することを確認したことを示す書面宗教活動・政治活動・暴力団関係でないこと等の確認書
7設立趣旨書なぜこの法人が必要かを、地域の課題→これまでの活動→法人化の理由→今後の展望で書く
8設立についての意思の決定を証する議事録の謄本設立総会の議事録。定款・役員・事業計画・予算の議決を記録
9設立当初の事業年度及び翌事業年度の事業計画書定款の事業ごとに、具体的な活動内容・実施予定・対象者・従事者を書く
10設立当初の事業年度及び翌事業年度の活動予算書事業ごとの収益・費用。事業計画書と数字が対応していること

「つまずきやすさ」が高い4点(定款・設立趣旨書・事業計画書・活動予算書)は、いずれも法人の中身を書く書類です。様式を埋める書類ではなく、法人が何をするかを説明する書類なので、ここに時間の大半を使うことになります。

書く順番——定款が先、趣旨書は最後

  1. 役員構成と社員10人を確定する——親族制限・報酬役員の割合・欠格事由を、書類を作る前に確認
  2. 定款を確定する——目的・事業・活動分野は、3年以内にやる可能性のある活動まで書く(定款の目的・事業の書き方
  3. 事業計画書と活動予算書を、定款の事業ごとに作る——事業名を定款と完全に一致させる。予算は計画に対応させる
  4. 役員名簿・社員名簿・就任承諾書・住所証明を揃える——役員全員から署名または記名押印をもらう。住民票は取得日に注意
  5. 設立総会を開き、議事録を作る——定款・役員・事業計画・予算を議決した記録
  6. 設立趣旨書を最後に書く——ここまで作った内容を、課題→実績→法人化の理由→展望で束ねる

所轄庁で差し戻される3つのつまずき

つまずき起きること直し方
①定款と事業計画書・活動予算書がずれている定款に書いた事業が事業計画書にない、または事業計画書にある活動が定款の事業に読み込めない定款の事業を先に確定し、その事業名で計画書と予算書を作る。3つの書類の事業名を完全に一致させる
②設立趣旨書が「やりたいこと」の羅列所轄庁から「なぜ法人格が必要か」「地域の課題は何か」を問われる課題→これまでの実績(任意団体としての活動)→法人化で何が変わるか→3年後の姿、の順に組み直す
③役員・社員の要件を書類を作ってから確認する親族制限、報酬役員3分の1、社員10人で引っかかり、名簿から作り直し書類を作る前に役員構成と社員10人を確定させる

①は、当事務所がお手伝いする中でいちばん多い差し戻しです。定款の事業名と事業計画書の事業名が微妙に違う、活動予算書に定款にない事業の収入がある——所轄庁は3つの書類を突き合わせて審査します。

所轄庁の事前確認を使う

多くの所轄庁は、申請前に定款案や書類案の事前確認を受け付けています。千葉県なら県民生活課NPO法人班(043-223-4137)、千葉市内のみに事務所がある場合は千葉市です。10点を揃えてから持ち込むより、定款案と役員構成が固まった段階で一度確認を受けるほうが、結果的に早く進みます。

要確認:申請書類の様式・部数・提出方法は所轄庁(都道府県・指定都市)の条例と手引で定められています。縦覧期間の経過後の審査期間は、所轄庁が条例で2か月より短く定めている場合があります。設立登記は司法書士が担当します。本記事は2026年9月12日時点の整理です。

介護・障害福祉の事業者の方へ
障害福祉の指定申請を予定している場合、事業計画書と活動予算書は指定申請の収支計画と同じ数字になるように作ってください。定款の事業名は根拠法と事業名を法令の用語で書く必要があります。NPO法人で介護・障害福祉事業を始める順番で、設立認証と指定申請を1本の線表にしています。

「この書類で通るか」を、出す前に見てほしい方へ

10点の書類は、ご自身で作れます。ただ、定款・事業計画書・活動予算書の3点の整合と、設立趣旨書の組み立ては、一度第三者の目を通してから出すと、差し戻しの往復(1回あたり数週間)を省けます。

当事務所では、作成済みの書類のチェックから、定款設計を含めた設立サポート(税込200,000円・登記は提携司法書士が担当)まで、段階に応じてお受けしています。60分の無料相談で、いまお持ちの書類や構想を拝見し、どこから手を付けるかをお伝えします。ご依頼にならなくても構いません。オンラインで全国対応です。NPO法人設立サポート、またはお問い合わせフォームからどうぞ。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|千葉県で申請する方へ——事前確認の窓口

千葉県内のNPO法人の設立認証は、千葉市内のみに事務所がある場合は千葉市、それ以外は千葉県(県民生活課NPO法人班043-223-4137)が所轄庁です。申請前に定款案や書類案の事前確認を受けられます。10点を揃えてから持ち込むより、定款案と役員構成が固まった段階で一度確認を受けるほうが早く進みます。松戸・市川・流山からのご相談はオンラインでもお受けしています。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

書類の相談で私が最初に見るのは、定款の事業名と、事業計画書の事業名と、活動予算書の事業名です。この3つが一字一句同じかどうか。ここが揃っていない書類は、ほぼ例外なく他の場所にもずれがあります。逆に揃っている書類は、作った方が法人の中身を理解している証拠です。10点の書類は、書式の集まりではなく、1つの法人の設計図です。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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