— 30秒でわかる結論 —
Q. 放課後等デイサービスが日本版DBSに対応しないと、どんなデメリットがありますか?
そもそも「やらない」という選択肢がありません。指定を受けて行う障害児通所支援(放デイ・児発)は、こども性暴力防止法の義務対象だからです(学習塾や放課後児童クラブなどの認定対象とは扱いが違います)。こども家庭庁の資料では、この法律に定める義務に違反した場合には児童福祉法等に規定する報告徴収等の対象となると示されています。実務上は、犯罪事実確認が済むまでこどもと1対1にさせない措置が必要なため採用の段取りが止まり、現職者は施行から3年以内、確認後も5年ごとに再確認という期限にも追われます。また、確認で得た性犯歴をみだりに他人に教えるなどすると法に基づく刑事罰が科され、民事の損害賠償の対象にもなりえます。報告徴収の先(勧告・命令や指定の効力への影響)は、児童福祉法の規定と施行ガイドラインで確認が必要です(要確認)。施行日は2026年12月25日です(2026年9月23日確認)。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 放デイ・児発を運営していて、12月25日の施行に備えたい方
- 「うちもやらないといけないのか」を確かめたい方
- 確認した情報をどう扱えばよいか不安な方
まず、「やらない」という選択肢がありません
こども性暴力防止法(日本版DBS)では、事業者が2つに分かれます。学校設置者等=義務対象(学校、児童福祉施設等)と、民間教育保育等事業者=認定対象(学習塾、放課後児童クラブ、認可外保育施設等)です(制度。こども家庭庁の法律概要資料。2026年9月23日確認)。
指定を受けて行う障害児通所支援(放課後等デイサービス・児童発達支援)は、義務対象です。学習塾のように「認定を受けるかどうか」を選ぶ立場ではありません。施行は2026年12月25日です。
| 区分 | 例 | 性格 |
|---|---|---|
| 義務対象(学校設置者等) | 学校、児童福祉施設等(放デイ・児発を含む) | 法律上の義務。選択の余地なし |
| 認定対象(民間教育保育等事業者) | 学習塾、放課後児童クラブ、認可外保育施設等 | 認定を受けるかどうかは任意 |
対応しないと何が起きるか
いちばん押さえるべきは、こども家庭庁が法律の概要資料で示している次の一文です。この法律に定める義務に違反した場合には、児童福祉法等に規定する報告徴収等の対象となる(学校教育法・児童福祉法・認定こども園法を改正して手当て)。
つまり、日本版DBSの義務違反は「こども家庭庁だけの話」ではなく、ふだん指定や運営指導を担当している行政(指定権者)の監督の土俵に乗るということです。運営指導の場で、DBSの対応状況が確認される流れが想定されます。
なお、報告徴収のその先(勧告・命令や指定の効力への影響)が具体的にどうなるかは、児童福祉法の規定と施行ガイドラインで確認が必要です。「指定が取り消される」と断言できる根拠は、本記事の作成時点で確認できていません(要確認)。
| 起きること | 内容 |
|---|---|
| 行政の監督 | 義務違反は児童福祉法等の報告徴収等の対象 |
| 採用が止まる | 犯罪事実確認が済むまで、原則としてこどもと1対1にさせない措置が必要 |
| 期限に追われる | 義務事業の現職者は施行から3年以内、確認した人も5年ごとに再確認 |
| 事故時の責任 | 義務を果たしていない状態で被害が起きれば、管理責任が厳しく問われうる(個別の判断は弁護士) |
— この段階でご相談いただく理由 —
12月25日まで残り3か月を切りました。現職者の確認は3年かけられますが、事業者の登録・規程・研修・採用フローの変更は施行日までに要ります。年末は加算や請求の作業も重なります。10月中に段取りを決めておくのが安全です。
<ご相談時にお持ちいただくもの>職員名簿(職種と業務内容)/就業規則・採用の流れ/GビズIDの取得状況。60分無料相談はこちら
「雑にやる」リスクも同じくらい大きい
やらないことと並んで危ないのが、確認で得た情報の扱いを誤ることです。こども家庭庁は次のように示しています。
- 新たに開発するシステムでのみ犯歴情報を扱う(別の記録・保存は極力控える)。
- 万が一、漏えいなどの重大な事態が発生した場合は、国(こども家庭庁)に直ちに報告(場合によっては個人情報保護委員会への報告も必要)。
- 犯罪事実確認によって得た従事者の性犯歴をみだりに他人に教えるなどした場合は、法に基づく刑事罰が科されるだけでなく、民事上の損害賠償請求の対象にもなりうる。
「職員会議で共有する」「紙の名簿に印を付ける」といった運用は、この時点で危険です。扱う人を限定し、原本をシステム外に残さない。ここを先に決めてから、確認の作業に入ってください。
採用の順番が変わります
新しく人を雇うとき、配置転換をするときは、こどもと接する業務に就かせる前に犯罪事実確認を行います。確認が済むまでは、原則としてこどもと1対1にさせない措置が必要です。
こども家庭庁の資料は、雇用契約の始期以降に確認を行う場合も想定されるとして、就業規則に試用期間の解約事由・懲戒事由として「重要な経歴の詐称」を定めておくことにも触れています。内定者に性犯罪歴があることが分かった場合は、防止措置として内定取消しなどの対応をとる必要がありますが、その有効性は法に基づく手続きを踏んでいるかによります。
実務では、求人票・面接・内定通知の各段階で「確認を行うこと」を伝え、記録に残すのが安全です。就業規則の作成・変更は社会保険労務士、個別の紛争は弁護士の業務になります。
📗 放デイ・児発の義務の全体像は放デイ・児発と「日本版DBS」——整える8つの義務、先に対応する損得は施行前に先に対応するメリット・デメリットにまとめています。
12月までにやること
- 担当者を決める——制度対応の責任者と、確認情報を扱う人を限定する。
- アカウントの準備——GビズIDと、制度のシステムへの事業者登録。
- 対象者の整理——管理者・児発管・児童指導員・保育士・送迎職員など、職種と実際の業務から確認の対象を洗い出す。
- 規程と書類——国が示す対処規程のひな型をもとに、相談・報告の流れ、就業規則・採用書類、情報の管理方法を整える。
- 研修——職員研修と、事案が起きたときの対応手順。国の研修教材が公表されています。
現職者の確認は3年かけて分散できますが、体制づくりは施行日が締切です。順番を間違えないでください。
参考にした一次資料
- こども家庭庁「こども性暴力防止法」特設ページ(施行ガイドライン・対処規程ひな型・研修教材)(2026年9月23日確認)
- こども家庭庁「こども性暴力防止法の概要」義務対象と認定対象、義務違反は児童福祉法等の報告徴収等の対象(2026年9月23日確認)
- こども家庭庁「こども性暴力防止法について」現職者3年以内・5年ごと・1対1にしない措置・犯歴情報の扱いと刑事罰(2026年9月23日確認)
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内の事業所が確認しておくこと
日本版DBSは国の制度ですが、義務違反が児童福祉法等の報告徴収等の対象になる以上、実務では指定権者との関係が出てきます。千葉県所管エリア(松戸市・市川市・流山市など)の事業所は千葉県、千葉市・船橋市・柏市の事業所は各市が指定権者です。運営指導の際にDBSの対応状況をどう確認するかは、本記事の作成時点で各指定権者の公表資料では確認できていません(要確認)。現段階では、こども家庭庁の施行ガイドライン(令和8年9月2日に掲載資料が更新)に沿って体制を作り、記録を索引ファイルに綴じておくのが確実です。研修教材や対処規程のひな型も国から公表されているので、自前で作らずひな型を土台にしてください(2026年9月23日確認)。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
この制度のご相談で一番多いのが「うちもやるんですか」という確認です。放デイ・児発は義務対象なので、答えは変わりません。そのうえでお伝えしているのは、現職者の確認より先に、情報を扱う人を絞ることです。守るための制度で、別の事故を起こしてしまわないように。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
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