— 30秒でわかる結論 —

Q. NPO法人でも、日本版DBSの認定を受けたほうがよいですか?

事業によります。こども性暴力防止法は法人の種類ではなく行っている事業で対象が決まるため、NPO法人が放デイ・児発、認可保育所、児童養護施設などを運営していれば義務対象で、2026年12月25日から犯罪事実確認などの措置が法律上の義務です。一方、学習支援、こども食堂や居場所での教育活動、スポーツ教室、放課後児童クラブの受託、一時預かり、認可外保育などは認定対象で、国の認定を受けるかどうかを選べます。認定を取るべきなのは、こどもと1対1になる場面がある、行政の委託や補助で活動している、保護者や学校に安心を示す必要がある、同じ法人で義務対象の事業も行っているの4つに当てはまる場合です。認定対象の民間教育事業には、こどもの自宅以外で教えること、教える者が3人以上いることなどの要件が示されています。NPO法人では役員や会員も、実際にこどもと接する業務を行うなら従事者になりうる点に注意してください(2026年9月25日確認)。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • こども向けの活動をしているNPO法人の理事・事務局の方
  • 放課後児童クラブや学習支援を行政から受託している法人の方
  • 認定を取るべきか、体制が足りるか迷っている方

NPO法人は「義務」の側にも「認定」の側にもなります

こども性暴力防止法(日本版DBS)は、法人の種類ではなく行っている事業で対象が決まります。NPO法人でも、事業によって義務対象になる場合と、認定を受けるかどうかを選ぶ場合に分かれます(制度。こども家庭庁の制度概要資料(2026年9月25日確認))。

NPO法人が行う事業区分どうなるか
放課後等デイサービス、児童発達支援、認可保育所、児童養護施設など義務対象2026年12月25日から、犯罪事実確認などの措置が法律上の義務
学習支援、こども食堂や居場所での教育活動、スポーツ教室、フリースクール、放課後児童クラブの受託、一時預かり、認可外保育など認定対象国の認定を受ければ、義務対象と同じ確認の仕組みを使える(任意)
大人向けの指定障害福祉サービス(生活介護、就労支援など)認定対象同上

認定対象の「民間教育事業」には、こどもの自宅以外の場所で教えること、教える者が3人以上いること、といった要件が示されています(自治体の説明資料。細部は施行ガイドラインで確認)。

認定を「取るべき」4つのケース

  • こどもと1対1になる場面がある——個別の学習支援、送迎、面談。制度が着目する「支配性・継続性・閉鎖性」がそろいやすい活動です。
  • 行政の委託や補助で活動している——放課後児童クラブや学習支援の受託では、委託元が認定の取得を求める流れが想定されます。
  • 保護者や学校に「安心」を示す必要がある——認定を受けるとこども家庭庁のサイトで公表され、認定事業者のマークを使えます。
  • 同じ法人で義務対象の事業もやっている——放デイと居場所事業を同じ法人で行う場合、義務対象で作る体制に居場所事業も乗せれば、二重の手間になりません。

— この段階でご相談いただく理由 —

NPO法人の活動は、有償の職員とボランティアが混ざっているのが普通です。誰が「従事者」として確認の対象になるのかは、施行ガイドラインで職種と業務から判断します。ここを整理しないまま認定を申請すると、体制が実態と合わなくなります。

<ご相談時にお持ちいただくもの>活動の一覧(対象年齢・場所・頻度)/職員とボランティアの人数/委託・補助の有無。60分無料相談はこちら

取らないほうがよい、または急がなくてよいケース

  • ボランティアが一度きりで関わる活動——継続性がなく、制度の趣旨とずれます。認定より、その場の見守り体制を整えるほうが実効的です。
  • こどもの自宅で保護者同席の活動——「自宅以外」の要件に当たらない可能性があります。
  • 情報を管理する担当者を置けない——確認で得た性犯罪歴を扱う人を限定できないなら、まず体制づくりが先です。みだりに伝えれば刑事罰の対象になります。

認定を取るなら、順番はこうです

順番やること
1活動ごとに「義務・認定・対象外」を仕分けする(自宅以外か、教える者が3人以上か、1対1の場面があるか)
2従事者の範囲を決める(有償職員・ボランティア・実習生)
3情報を扱う担当者を限定し、対処規程(国のひな型あり)を整える
4GビズIDを取得し、施行後にこども家庭庁へ認定を申請する
5研修(国の教材あり)と、募集要項・就業規則の見直し

📗 制度の対象一覧は日本版DBS、義務対象と認定対象の一覧、対応しない場合のリスクは放デイ・児発が日本版DBSに対応しないとどうなる?にまとめています。

NPO法人ならではの注意

NPO法人は役員も従事者になりうる点に注意してください。理事がこどもと接する活動に加わるなら、理事も確認の対象になりえます。また、社員(会員)が活動に参加する形が多いため、「会員だから従事者ではない」とは言えません。誰が従事者かは、肩書ではなく実際の業務で判断します。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内のNPO法人が確認しておくこと

放課後児童クラブや学習支援を松戸市・市川市などから受託しているNPO法人は、委託元の市が認定の取得をどう扱うかを早めに確認してください。義務対象の事業(放デイ・児発)を運営している法人は、指定権者(千葉県、千葉市・船橋市・柏市)経由の一括登録の対象で、12月上旬までにシステムの権限設定が必要とされています。GビズIDは法人で取得します。認定申請そのものは施行後にこども家庭庁へ行うため、施行前は従事者の仕分け・規程・研修・情報管理の担当者の決定を先に進めてください(2026年9月25日確認)。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

NPO法人のご相談で難しいのは、「誰が職員で誰がボランティアか」が曖昧なことです。日本版DBSは、その曖昧さを一度整理する機会でもあります。認定を取るかどうかの前に、活動ごとに人と場面を書き出す。そこから始めると迷いません。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

NPO法人については、明治大学経営学部公共経営学科でNPO・非営利組織の経営を専攻し、自らゼロから社員10人を集めて定款作成・設立総会を経て所轄庁の設立認証を取得した当事者でもあります。手続きだけでなく、人の集め方・目的の書き方・設立後2年目の重任まで、経験にもとづいてお伝えしています。

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