— 30秒でわかる結論 —

Q. 障害福祉サービス事業所をやめたい・休みたいとき、いつまでに何をすればよいですか?

まず休止と廃止は別の手続きです。休止なら指定が残り、再開届で戻せます。廃止なら指定が消え、再開には指定申請のやり直し(千葉県の障害児通所支援なら市町村への事前説明と事業相談シートから)が必要です。届出は廃止・休止の日の1か月前までとされていることが多く、様式と期限は指定権者ごとに定められています。ただし1か月前というのは行政への手続きの期限で、実際にいちばん時間がかかるのは利用者の移行先の調整です。相談支援専門員と市町村へは、決断した時点で連絡してください。並行して、職員の雇用(解雇予告は30日前)、賃貸借契約の解約予告(事業用は3〜6か月前が一般的)、リース・借入金の扱いを確認します。廃止日以降も、記録の保存、国保連への過誤調整、加算の実績報告が残ります。なお、収支が理由なら、廃止の前に稼働率・加算の取りこぼし・人員配置を点検してください。原因を特定しないまま廃止を決める例が少なくありません(2026年9月15日時点)。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 事業所の継続を迷っている運営者の方
  • 人員が欠けて一時的に事業を止めざるを得ない方
  • 「いったんやめて、落ち着いたら再開」と考えている方

「廃止」と「休止」は、戻れるかどうかが違います

障害福祉サービス事業所の廃止・休止のご相談は、開業のご相談と同じくらい重い相談です。利用者がいて、職員がいて、契約がある。そして届出の期限が「1か月前まで」と決まっているため、決断してから動くのでは間に合わないことがあります。

(※複数のご相談を合成した架空の場面です)

まず押さえていただきたいのは、休止なら指定が残り、廃止なら指定が消えるということです。廃止後に再開するには、指定申請をやり直します。千葉県の障害児通所支援なら、市町村への事前説明(4〜5か月前)と事業相談シート(4か月前の月末)から。「いったんやめて、落ち着いたら再開」は、制度上はゼロからのやり直しです。

廃止と休止の違い

休止廃止
意味事業を一時的に止める。指定は残る事業をやめる。指定は消える
届出休止届(指定権者へ)廃止届(指定権者へ)
期限休止の日の1か月前まで(指定権者による)廃止の日の1か月前まで(指定権者による)
再開するとき再開届で戻せる指定申請をやり直す(事前説明・事業相談シートから)
利用者への対応休止中の利用先の確保が必要同左。相談支援専門員・市町村との調整が必須
職員雇用契約の扱いを決める必要同左
請求休止期間中は請求できない廃止日以降は請求できない

迷ったら、まず休止を検討してください。人員が一時的に欠けた、物件を移転する、代表者が療養する——こうした事情なら、指定を残したまま立て直せる可能性があります。ただし休止中は請求ができないため、固定費をどう持つかの計画は必要です。

届出までの段取り

時期やること
決断したらすぐ指定権者に相談。休止と廃止のどちらが適切か、届出の期限と様式を確認する
1〜2か月前利用者・家族への説明と、相談支援専門員・市町村への連絡。移行先の調整が最も時間がかかる
1か月前まで廃止届・休止届の提出(指定権者の定める期限。多くは1か月前)
並行して職員の雇用(解雇予告は30日前)、賃貸借契約の解約予告(多くは3〜6か月前)、リース契約、借入金の扱い
廃止日以降記録の保存(指定基準で定める年数)、国保連への過誤調整、残っている加算の実績報告、法人の解散を伴う場合は登記

いちばん時間がかかるのは利用者の移行先の調整です。相談支援専門員と市町村に早く伝えるほど、選択肢が増えます。届出の1か月前という期限は「行政への手続きの期限」であって、利用者への説明を1か月前に始めればよいという意味ではありません。

もうひとつ、賃貸借契約の解約予告を見落とさないでください。事業用物件は3〜6か月前の予告が一般的で、廃止日より前に予告しないと、事業を止めたあとも家賃が発生します。

やめる前に、検討していただきたいこと

「やめる」以外の選択肢中身
休止して立て直す指定が残るため、再開届で戻せる。人員が一時的に欠けた場合など
類型を変える同じ物件・同じ職員で、需要のある類型に変更する(指定は取り直し)
事業譲渡・法人の合併譲渡先が新たに指定を受けるのが原則。利用者と職員の引き継ぎを含めて時間がかかる
収支の改善を先に試す加算の取りこぼし、稼働率、人員配置。単価のレバーを動かしていないまま廃止を決める事業所が少なくない

廃止のご相談を伺っていて多いのは、収支が悪い原因を特定しないまま「もう限界です」となっているケースです。稼働率なのか、加算の取りこぼしなのか、人員配置なのか、単に運転資金が尽きたのか。原因によって打ち手はまったく違います。

もちろん、やめる判断が正しいこともあります。そのときは、利用者と職員への影響を最小にする段取りが仕事になります。大切なのは、どちらを選ぶにしても「間に合う時期」に決めることです。

要確認:廃止届・休止届の様式、提出期限、再開の手続は指定権者ごとに定められています。千葉県は障害児通所支援と障害福祉サービスで担当班が分かれ、千葉市・船橋市・柏市は各市が指定権者です。記録の保存年数、過誤調整の方法、法人の解散に伴う登記・税務の手続については、それぞれ指定権者・司法書士・税理士にご確認ください。労働契約の終了に関する判断は社会保険労務士・弁護士の業務であり、当事務所は行いません。本記事は2026年9月15日時点の整理です。

「続けるか、やめるか」の段階でご相談ください

この判断は、数字と気持ちの両方が絡みます。当事務所では60分の無料相談で、直近の収支・稼働率・加算の算定状況・資金繰りを伺い、立て直せる余地があるか、それとも段取りに入る時期かを一緒に整理します。届出が必要な場合は、期限から逆算した線表と、利用者・職員・契約先への説明の順番までお出しします。

直近の数字が分かるもの(請求データ・試算表)と、体制等状況一覧表の控えをご用意いただけると精度が上がります。ご依頼にならなくて構いません。オンラインで全国対応です。運営中の事業所さまへ、またはお問い合わせフォームからどうぞ。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内の事業所さまへ

千葉県の障害児通所支援(放デイ・児発)は障害児支援事業指定班(043-223-2336)、障害福祉サービスは障害者福祉サービス事業指定班(043-223-2308)が窓口です。廃止・休止・再開の様式と提出期限は県の手続ページで確認できます。千葉市・船橋市・柏市は各市が指定権者で運用が異なります。松戸・市川・流山の事業所さまからのご相談は、オンラインでもお受けしています。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

廃止のご相談は、電話の声で分かります。もう決めている方と、まだ迷っている方がいて、私はまず後者かどうかを確かめます。迷っているなら、数字を一緒に見る時間が要る。決めているなら、利用者と職員への影響を最小にする段取りに全力を使う。どちらの相談も、早いほど選択肢が多い。それだけは、最初にお伝えするようにしています。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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