— 30秒でわかる結論 —
Q. 個別支援計画は、どこまでやれば「作った」ことになりますか?
書類が存在するだけでは足りません。①アセスメント→②原案作成→③担当者会議→④本人・保護者への説明と同意(署名)→⑤交付→⑥モニタリング(定期的な見直し)という一連のプロセスを、児発管・サビ管が関与して踏み、記録と日付で証明できる状態が「作った」です。プロセスのどこかが欠けると未作成減算——基本報酬の大幅な減額——の対象になり得ます。とくに日付の前後関係(同意より先にサービス開始していないか)は運営指導の定番チェックです。
この記事は制度の解説です。運営中の事業所の顧問・相談窓口は、料金と流れを専用のページでご案内しています。
放デイ・児発の運営指導で確認される領域のひとつが、個別支援計画です。「うちはちゃんと作っています」という事業所でも、プロセスと日付を見ると穴がある——そんなケースを想定して、守りと質の両面から整理します。
この記事の対象——障害福祉サービスの全類型に共通です
放課後等デイサービス/児童発達支援/グループホーム(共同生活援助)/就労継続支援A型・就労継続支援B型・就労移行支援・就労定着支援/生活介護/同行援護/行動援護/短期入所/自立訓練/保育所等訪問支援/相談支援(その他類型の依頼ガイド)——いずれにも対応しています。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 個別支援計画の作成が形骸化していると感じる方
- モニタリングの期限管理が曖昧な事業所の方
- 未作成減算の重さを正確に知りたい方
ご相談いただくと、こう進みます
- 最初の30分の無料相談で、個別支援計画とアセスメント・担当者会議・同意の記録を拝見し、日付の前後関係と更新の切れ目がないかを一緒に見ます。
- ご依頼後は、利用者ごとに同意日・交付日・次のモニタリング期日が見える台帳を作り、欠けている記録と様式の整え方を整理します。
- その後は、計画の更新の時期や運営指導の前に、同じ台帳で日付と記録を見直します。
なぜ「未作成減算」はこんなに重いのか
個別支援計画を適切に作成せずに提供したサービスは、基本報酬が大幅に減算されます(減算割合は改定で強化されてきた経緯があり、長期間さかのぼると返還額が経営を揺るがす規模になります)。制度がここまで重くしている理由はシンプルで、計画こそが「支援」と「預かり」を分ける境界線だから。お子さま一人ひとりの発達課題に向き合う仕組みの根幹、という位置づけです。
ここは必ず確認を——「作成した」だけでは足りない
個別支援計画は本人・家族への説明と交付、同意の記録、定期的なモニタリングと見直しまでが一連の要件です。作成日だけあって説明・同意・見直しの記録がない状態は、実務上「未作成」と同様に扱われるおそれがあります。
プロセスの全体像——6つのステップと記録
①アセスメント(面談による心身の状況・環境の把握、記録に日付と実施者)、②原案の作成(児発管が作成。目標は具体的に)、③担当者会議(職員で原案を検討、議事録を残す)、④本人・保護者への説明と文書同意(署名・日付)、⑤交付、⑥モニタリング(定期的な状況確認と、必要に応じた計画の見直し。放デイ・児発では概ね6か月ごとの見直しが基準の目安)。運営指導では、この流れが書類の日付で再現できるかを見られます。「会議の日付が同意の後」「更新が切れて空白期間がある」——悪意なきミスが、減算の入口になります。
形骸化の正体——「児発管がひとりで書いている」
計画が形だけになる事業所には共通点があります。児発管が現場の声を聞かずに前回のコピーで更新し、保護者同意も送迎時のサイン取りだけ——これでは支援の質にも、職員の育成にもつながりません。おすすめは、①日々の支援記録に「計画のどの目標に対する支援か」を紐づける、②担当者会議を月例ミーティングに組み込む、③モニタリング期日を台帳(一覧表)で管理して更新漏れをゼロにする、の3点。計画が現場で「使われる」ようになると、職員の会話が変わります。
保護者との関係資産に変える
個別支援計画は、保護者にとって「わが子をどう見てくれているか」が形になる唯一の文書です。目標の根拠を丁寧に説明し、家庭での様子も計画に反映する——この運用ができる事業所は、口コミと契約継続率が目に見えて変わります。減算を避ける守りの文書から、選ばれる理由という攻めの文書へ。同じ1枚の使い方の差です。
たとえば、こんな場面で迷っていませんか
開業して2年目の放課後等デイサービスの管理者の方。指定権者から運営指導の通知が届き、書類をそろえ始めました。
個別支援計画は利用している子ども全員の分がファイルに綴じてあり、「計画はきちんと作ってある」と考えていました。
ところが、日付を並べてみると、担当者会議の議事録が見当たらない子どもや、保護者の同意の日付よりサービスの開始が早い子どもがいました。モニタリングの時期を過ぎたまま更新されていない計画も混じっています。
児発管は前回の計画を写して更新していて、どこまでが「作った」と言えるのか、管理者として判断がつきません。
このまま運営指導を迎えると、プロセスが欠けた期間が未作成と扱われ、減算や、さかのぼって返すことにつながりかねません。
この場面なら、まずアセスメントから交付・モニタリングまでの流れが、書類の日付で再現できるかを確かめます。本文では、その順に説明しました。
当事務所にご相談いただいた場合の進め方
- 1. ご相談の前に手元に用意していただくもの
利用者ごとの個別支援計画(現在のものと前回のもの)、アセスメントの記録、担当者会議の議事録、保護者の同意・交付の記録、モニタリングの記録、サービス提供の記録、児発管の勤務の記録をお手元にご用意ください。 - 2. 初回30分の無料相談で一緒に確認すること
何人分かの計画を取り出し、アセスメントから交付・モニタリングまでの日付を並べて、前後関係の逆転や更新の空白がないかを一緒に確かめます。欠けている記録の種類と、指定権者に確かめたほうがよい点を、その場でお伝えします。 - 3. ご依頼後の進め方当事務所がやること:利用者別の計画期日台帳を作り、プロセスごとに記録の有無を点検します。担当者会議の議事録やモニタリングの記録の様式など、運営書類の整備もお手伝いします。減算に当たるかどうかの判断が分かれるものは、指定権者に確かめる事項として整理します。お客様にお願いすること:アセスメントや担当者会議の実施、保護者への説明と同意の取得、計画の作成と見直しは、児発管を中心にお客様の事業所で行っていただきます。児発管の交代や不在が見込まれるときは、早めにお知らせください。
- 4. その後
計画の更新の時期や運営指導の前には、同じ台帳で日付と記録を見直します。運営指導の前の点検は「運営指導の直前対策」「書類点検・模擬運営指導」としてもお受けしています。福祉顧問 トータルプランでは、運営指導前の点検を顧問の中で行います。
料金は料金表と料金シミュレーションでご確認いただけます。
参考にした一次資料
- 障害者総合支援法・児童福祉法に基づく各サービスの指定基準を定める厚生労働省令(個別支援計画の作成に関する規定)
- 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に関するQ&A」(個別支援計画未作成減算の取扱い)
- 各指定権者が公表する運営指導の確認項目一覧
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・通知および指定権者の案内をご確認ください。
💬 目加多のひとこと
私は運営指導の備えのご相談で、「利用者別・計画期日台帳」を必ず作ります。全員分の同意日・交付日・次回モニタリング期日が1枚で見える表です。地味ですが、これがあるだけで空白期間の事故はほぼ消えます。既存の計画の日付総点検からお手伝いできます。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)
障害福祉・障害児支援の指定申請を専門とする行政書士。放課後等デイサービス・児童発達支援・グループホーム(共同生活援助)・就労継続支援A型/B型・就労移行支援・生活介護・居宅介護・重度訪問介護など障害福祉・障害児の全類型に対応し、千葉県指定と千葉市/船橋市/柏市の市指定どちらの窓口も日常的に扱っています(オンラインで全国対応)。開業後の変更届・体制届・処遇改善加算の届出、運営指導への備えまで伴走します。
前職では従業員約800名規模の3社合併にともなう人事制度統合を主導し、正社員・パート等あわせて約800名の給与計算と社会保険実務を運用。処遇改善加算のキャリアパス要件は、突き詰めれば賃金表と等級制度の設計そのもの——加算の届出だけでなく、その先の賃金設計まで踏み込めることが強みです。国家資格キャリアコンサルタントとして、サビ管・児発管など資格者の採用と定着も支援しています。
保有資格:行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/財務コンサルタント(ASJ)/2級FP技能士(AFP)/人事総務検定2級ほか計11種。制度改正のたびに一次資料を確認しながら、note・LinkedIn・Instagram・Threadsで介護・障害福祉の実務情報をほぼ毎日発信しています。
まとめ
個別支援計画は6ステップのプロセスと日付の整合が命。未作成減算は重く、台帳管理と現場に紐づく運用が守りと質の両方を支えます。日付の総点検から運用の仕組みづくりまで伴走します。初回相談30分無料。松戸・柏・流山・船橋・市川をはじめ首都圏の障害児支援・障害福祉事業を支援しています(オンラインで全国対応も可)。
※減算の割合・適用の詳細は報酬改定により見直されます(2026年7月20日時点の一般的な整理)。個別の判断は指定権者の最新の基準・Q&Aでご確認ください。