— 30秒でわかる結論 —

Q. 一般就労している障害者が休職した場合、休職期間中に就労継続支援B型を利用できますか?

休職中の人の受け入れを頼まれた就労継続支援B型の事業所の方へ。利用はできます。ただし、復職支援が見込めない・本人の希望と企業と主治医の判断・市区町村の判断の3要件をいずれも満たし、市区町村が支給決定した場合です。期間は企業の定める休職期間の終了まで(上限2年)です(厚生労働省 Q&A VOL.1 問52・問53(2026年10月28日確認))。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 相談支援事業所や家族から、休職中の人を受け入れられないかと聞かれた就労継続支援B型の管理者・サービス管理責任者の方
  • 雇用されている人がB型を使えるのか、何の書類が要るのかを確かめたい方
  • 受け入れたあとの平均工賃月額や就労移行支援体制加算の計算で迷っている方

ご相談いただくと、こう進みます

  1. 最初の30分の無料相談で、休職期間の終了日と、3要件の書類がそろいそうかを一緒に確かめます
  2. ご依頼後は、受け入れの段取り(市区町村の様式・個別支援計画の期間・工賃の台帳の分け方)を運営の書類とそろえます
  3. その後は、復職後6か月の就労移行支援体制加算の数え方と、年度末の平均工賃月額の計算を一緒に点検します

「休職中の人を受け入れてほしい」と言われた就労継続支援B型の事業所の方へ。利用はできます。3つの要件をいずれも満たし、市区町村が支給決定したときです

就労継続支援B型の事業所に、相談支援事業所や家族から「会社を休職している人が、復職に向けて通えないか」と声がかかる。雇用されている人がB型を使えるのか、使えるとして何を確かめればよいのか、受け入れたあと工賃や加算の計算はどうなるのか。ここで手が止まる方に向けて、法律・省令・国のQ&A・留意事項通知を並べて読みます。

国のQ&Aにも、ほぼそのままの質問が載っています。「一般就労している障害者が休職した場合、休職期間中において就労系障害福祉サービスを利用することができるか。」答えは、以下の要件をいずれも満たす場合には、就労系障害福祉サービスの支給決定を行って差し支えない、です(制度。厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1」問52(2026年10月28日確認))。

利用期間は、企業の定める休職期間の終了までの期間(上限2年)とされています(同 問53)。つまり「使えるかどうか」を決めるのは事業所ではなく市区町村で、事業所が先に確かめるのは、3つの要件と、その裏付けになる書類がそろいそうか、です(当事務所の見解)。

休職中の利用とは——法律の「一時的に必要とするもの」

ひとことで言うと、休職中の利用とは、雇用されている障害者が、休職から復職しようとする場合に、就労継続支援を一時的に使うことです。障害者総合支援法 第5条第15項は、就労継続支援の対象に、通常の事業所に雇用されている障害者であって主務省令で定める事由により当該事業所での就労に必要な知識及び能力の向上のための支援を一時的に必要とするもの、を含めています(制度。障害者総合支援法 第5条第15項(2026年10月28日確認))。

その事由は、施行規則 第6条の9の2が、一 通常の事業所に新たに雇用された後に労働時間を延長しようとする場合、二 休職から復職しようとする場合、の2つと定めています(制度。障害者総合支援法施行規則 第6条の9の2(2026年10月28日確認))。就労継続支援B型で行う支援の中身も、施行規則 第6条の10が、雇用されている障害者で前条の事由があるものを対象に含めて定めています(同 第6条の10)。

Q&A 問53は、休職期間中の利用は従来から運用されてきたもので、令和6年4月施行の法改正は法令上の位置づけを明確化したものであり、従来からの運用と大きな変更はない、と説明しています。ただし、従来からの運用と異なり、利用期間について、企業の定める休職期間の終了までの期間(上限2年)としている、とも書いています(Q&A 問53(2026年10月28日確認))。

3つの要件と、誰がどの書類を書くか

結論として、3つの要件のうち①と②は、雇用先企業・主治医・相談支援事業所の3者の書類で確かめます。Q&A 問52は、上記①及び②の要件に該当するかについては、下記ア~ウが作成する以下の書類の提出により、確認を行うこと、としています(制度。Q&A 問52(2026年10月28日確認))。

要件(Q&A 問52の原文)確かめる書類(原文)事業所が見ておくこと(当事務所の見解)
① 当該休職者を雇用する企業、地域における就労支援機関や医療機関等による復職支援の実施が見込めない場合、又は困難である場合ア 雇用先企業:当該企業による復職支援の実施が困難であり、休職中の障害者が就労系障害福祉サービスによる復職支援を受けることにより復職することが適当と判断していることを示す書類。
イ 主治医:当該主治医の属する医療機関による復職支援の実施が困難であり〜適当と判断していることを示す書類。
ウ 相談支援事業所(申請者):障害者職業センター等による復職支援の利用が困難であること、及び地域における医療機関による復職支援が見込めないことを示す書類
会社と病院の両方で「復職支援ができない」と書いてもらえるか。どちらかが復職支援をしているなら、まずそちらが先
② 休職中の障害者本人が復職を希望し、企業及び休職に係る診断をした主治医が、就労系障害福祉サービスによる復職支援を受けることにより復職することが適当と判断している場合ア・イの書類(企業と主治医の「適当と判断している」)本人の復職の希望。主治医は「休職に係る診断をした」医師であること
③ 休職中の障害者にとって、就労系障害福祉サービスを実施することにより、より効果的かつ確実に復職につなげることが可能であると市区町村が判断した場合(市区町村の判断)どの訓練で復職につなげるのかを、個別支援計画の案で説明できるか

(制度。Q&A 問52(2026年10月28日確認)。右の列は当事務所の見解です)。セルフプランの場合は、申請者が作成する同様の書類で、市町村は、地域における就労支援機関及び医療機関による復職支援の実施状況等を調査した上で、支給決定の可否を判断すること、とされています(同)。令和6年4月より前に支給決定された人は、令和6年4月以降の受給者証の更新の際に、同様の書類の提出をもって要件を確認し、支給決定を更新すること、とも書いています(同)。

改定の概要も、支給申請の際に、当該障害者の雇用先企業や主治医の意見書等の提出を求めることとする、としています(厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(2026年10月28日確認))。書類の様式は、市区町村が独自に案内している例があります(例:東京都大田区は雇用先企業・主治医・相談支援事業所関係の3種類の意見書)。お住まいの市区町村の案内で確かめてください(要確認)。

期間は「企業の休職期間の終了まで(上限2年)」——一般就労中の利用とは別の話

ひとことで言うと、休職中の利用は、会社が決めた休職期間が終わるまでで、長くても2年です(Q&A 問53(2026年10月28日確認))。厚生労働省の社会保障審議会障害者部会 第159回(R8.9.17)の資料でも、利用期間:企業の定める休職期間の終了までの期間(上限2年)と整理されています(同 資料3(2026年10月28日確認))。B型の事業所としては、受け入れる前に、就業規則上の休職期間の終了日を本人と会社から聞いておかないと、個別支援計画の期間が組めません(当事務所の見解)。

似た話に、一般就労している人が、働かない日や時間にB型などの日中活動サービスを使う場合があります。こちらはQ&A 問51が、企業等での所定労働時間が概ね週10時間未満であることを目安としています。そのうえで、一般就労先の企業等が他の事業所等に通うことを認めている場合、当該利用者が日中活動サービスを受ける必要があると市町村が認めた場合、の条件で支給決定を行うことができる、としています(Q&A 問51(2026年10月28日確認))。同じ「働いている人の利用」でも、根拠も条件も違います(当事務所の見解)。

比べること休職中の利用(復職支援)一般就労中に、働かない日・時間に使う
根拠法 第5条第15項・施行規則 第6条の9の2、Q&A 問52・53Q&A 問51
主な条件3要件をいずれも満たす(①復職支援が見込めない・困難 ②本人の希望と企業・主治医の判断 ③市区町村の判断)所定労働時間が概ね週10時間未満が目安。企業が他の事業所に通うことを認めている・市町村が必要と認める
書類雇用先企業・主治医・相談支援事業所(セルフプランは申請者)Q&A 問51には書類の定めなし(市町村で確認)
期間企業の定める休職期間の終了まで(上限2年)Q&A 問51には期間の定めなし
生活介護・自立訓練問52の①~③と同様の要件を確認できた場合にのみ支給決定(問54)日中活動サービスとして同じ

(制度。Q&A 問51〜54(2026年10月28日確認))。生活介護や自立訓練を復職支援として使う場合も、問52の①~③と同様の要件を確認できた場合にのみ、支給決定を行っても差し支えない、とされています(Q&A 問54)。

— この段階でご相談いただく理由 —

休職中の人を受け入れる前に、3要件の書類がそろいそうか、休職期間の終了日から逆算した個別支援計画が組めるかを一緒に確かめます。受け入れたあとの平均工賃月額の計算や記録の残し方も、運営の書類とそろえます。

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受け入れたあと、B型の事業所で変わる3つの取扱い

結論として、休職中の人を受け入れると、平均工賃月額の計算・就労移行支援体制加算・訪問支援特別加算の記録の3か所で、ほかの利用者と扱いが違います。どれも留意事項通知(就労継続支援B型)に書かれています(制度。留意事項通知(2026年10月28日確認))。

点検すること原文から根拠
□ 平均工賃月額の計算から除いたか前年度の平均工賃月額は〜算出すること。ただし、通常の事業所に雇用されている利用者であって当該事業所での就労に必要な知識及び能力の向上のための支援を一時的に受けるものを除くこと留意事項通知 就労継続支援B型サービス費 エ
□ 就労移行支援体制加算の「6か月」を復職日から数えたか休職からの復職の場合は実際に企業に復職した日を1日目として6月に達した者とする留意事項通知 ⑤、Q&A 問55
□ 休職期間を6か月に入れていないか休職期間や休職以前に雇用されていた期間は算定しないQ&A 問55
□ 訪問支援特別加算の相談援助を記録したか居宅訪問して相談援助を行うことの必要性を市町村が確認できるよう、相談援助に当たって当該利用者の状況、相談援助の内容等を記録しておくこと留意事項通知 ⑧

(制度。留意事項通知(障発第1031001号)新旧対照表の就労継続支援B型の節。改正後・現行とも同文、Q&A 問55(2026年10月28日確認))。平均工賃月額は、前年度における工賃支払総額÷前年度における開所日1日当たりの平均利用者数÷12か月で出します(留意事項通知 エ)。改定の概要も、就労継続支援B型の基本報酬を算定する際の平均工賃月額の計算から、当該障害者の労働時間と工賃を除く、としています(改定の概要(2026年10月28日確認))。休職中の人の工賃と利用日数を、工賃の台帳で別に集計しておかないと、年度末に除けません(当事務所の見解)。

就労移行支援体制加算の6か月は、Q&A 問55の例がわかりやすいです。令和5年4月1日に就職、令和5年10月1日から休職し、令和6年4月1日に企業へ復職した者は、令和6年9月30日まで就労が継続した場合に算定することができる、とされています(Q&A 問55(2026年10月28日確認))。加算の全体像は就労継続支援B型の令和8年度の見直しに、平均工賃月額の考え方は平均工賃月額の育て方に、工賃目標の計算は目標工賃達成加算の工賃目標に書いています。

なお、初期加算について留意事項通知が「初期加算の対象とすることは想定していない」と書いているのは、労働時間の延長の際に一時的に利用する場合です(留意事項通知 ⑦)。休職からの復職で初めて利用する人の初期加算の扱いは、今回読んだ資料には書かれていません(要確認:指定権者に確かめます)。

人事15年の目で見ると

会社の側から見ると、休職中の社員の復職は「いつ、何を見て復職を決めるか」の段取りの話です。人事の仕事では、休職期間の満了日、復職の判断に使う主治医の意見、試し出勤などの社内の制度の有無を、休職の初めに確かめます。B型の事業所が会社に書類をお願いするときも、この3つを先に聞くと話が早く進みます。逆に、休職期間の満了日がはっきりしないまま利用を始めると、上限2年の手前で会社の側の期限が先に来ることがあります(当事務所の見解)。

今回の資料に書いていないこと——ここは確かめる

結論として、次の3つは今回読んだ資料では確かめられませんでした。1つ目は、書類の様式です。国のQ1つ目は、書類の様式です。国のQ&Aは書類の中身を示していますが、様式は市区町村ごとに用意されています(要確認)。Aは書類の中身を示していますが、様式はお住まいの市区町村の案内で確かめます(要確認)。2つ目は、休職中の人の初期加算の扱いです(要確認)。

3つ目は、支給決定までの期間と、暫定支給決定の扱いです。どれもお住まいの市区町村の障害福祉の担当課で確かめてください(要確認)。指定や運営の書類は就労継続支援B型・就労移行支援の指定申請の案内にもまとめています。

地域差分——国の取扱いと、市区町村の手続

休職中の利用の3要件、書類の中身、上限2年、平均工賃月額から除く取扱いは、国の法令・Q&A・留意事項通知による全国共通の取扱いです。

支給決定をするのは利用者の住む市区町村です。意見書の様式や事前の相談の窓口は、千葉県内の市町村も含めて、それぞれの市区町村の案内で確認してください(2026年10月28日確認)。

今日やること——3つだけ

まず、受け入れの話が来たら、本人と会社に、就業規則上の休職期間の終了日を聞きます。で、相談支援事業所と一緒に、会社・主治医・相談支援事業所の3者の書類が書いてもらえそうかを確かめ、市区町村の担当課に様式を聞きます。最後に、工賃の台帳で、休職中の人の工賃と利用日数を別に集計できるようにしておきます。この3つで、「雇われている人は使えないのでは」が「この書類がそろえば、この期間で受け入れられる」に変わります。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内で確かめること

休職中の人の支給決定をするのは、利用者の住む市町村です。千葉県内の市町村でも、意見書の様式や事前の相談の窓口は市町村ごとに案内されています。受け入れの話が来たら、利用者の住む市町村の障害福祉の担当課に確かめます(2026年10月28日確認)。

※2026年10月28日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

休職中の人の受け入れは、事業所だけで決められる話ではなく、会社・主治医・相談支援事業所・市区町村がそろって初めて動く話だと思います。まずは休職期間の終了日を聞くところから始めると、その先の段取りが一本の線でつながります。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/2級FP技能士(AFP)/国家資格キャリアコンサルタント。
障害福祉・障害児支援とNPO法人を専門にしています。放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援A型・B型・グループホーム(共同生活援助)などの指定申請、処遇改善加算・変更届・指定更新・運営指導(実地指導)への対応を支援します。NPO法人は、設立認証から事業報告書・役員変更などの運営まで支援します。
企業人事15年の経験を土台に、児発管・サビ管の採用・定着、融資・補助金や資金繰りまで、「書類・人・お金」を一体で支えます。

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