— 30秒でわかる結論 —
Q. 指定申請の代行を開業コンサル会社に頼んでも大丈夫ですか?
報酬を得て申請書類の作成・提出代行を行えるのは行政書士です。柏市は公式サイトで、書類の作成・提出は法人自らか委任された行政書士が行うことを求め、資格のない者が報酬を得てこれを行うことは行政書士法違反にあたる旨を明示し、認知した場合には厳正に対処すると示しています(2026年7月時点)。注意すべきは、依頼した事業者側もリスクを負うこと——指定という事業の根幹の手続きが、適法性に疑義のある形で進むことになります。ただし事業計画の助言・物件探し・採用支援などのコンサルティング自体は否定されません。問題になるのは「報酬を得て書類を作成し提出を代行する」行為です。依頼先を選ぶときは、①行政書士資格の有無 ②誰が書類を作り誰が提出するのか、の2点を必ず確認してください。
この記事は、自分の資格を守るために書くのではありません。依頼する事業者の方が知らないうちにリスクを負わないために書きます(2026年7月時点。制度の詳細は行政書士法および各指定権者の案内でご確認ください)。
この記事の対象——障害福祉・障害児支援の全類型に共通です
放課後等デイサービス/児童発達支援/グループホーム(共同生活援助)/就労継続支援A型・就労継続支援B型・就労移行支援・就労定着支援/生活介護/同行援護/行動援護/短期入所/自立訓練/保育所等訪問支援/相談支援(その他類型の依頼ガイド)——いずれにも対応しています(指定申請サポート トップ)。
柏市が公式に明示していること
柏市は障害福祉サービス事業者等の指定申請に関する公式ページで、次の趣旨を明示しています(同市の記載内容の要約)——書類の作成や提出は、指定を受ける法人が自ら行うか、委任された行政書士が行うこと。報酬を得て行う書類の作成や提出代行は行政書士の独占業務であり、資格のない者がこれを行うことは行政書士法違反にあたる。そのような事実を認知した場合は厳正に対処する。
行政の公式ページがここまで踏み込んで書くのは、実際に問題が起きているからだと考えるのが自然です。「開業支援」「立ち上げサポート」といった名称で、実質的に申請書類の作成・提出を代行するサービスが存在する——そういう現実への注意喚起でしょう。
依頼した側もリスクを負う
「頼んだ側は悪くないのでは」と思われるかもしれません。しかし考えてみてください——指定は事業の根幹です。その手続きが適法性に疑義のある形で進み、後から問題視されたとき、困るのは事業者です。書類の内容に不備があっても責任を負うのは申請者である法人であり、資格のない代行者に法的な責任追及をするのは容易ではありません。さらに、指定権者との信頼関係という、金額に換算できない資産も損ないます。
境界の整理——何がよくて、何が問題か
| 行為 | 整理 |
|---|---|
| 事業計画・収支計画の助言 | コンサルティングとして問題ない |
| 物件探し・不動産の仲介 | 宅建業の領域(宅建業者が行う) |
| 採用・研修の支援 | 問題ない(労務管理の制度設計は社会保険労務士の領域) |
| 報酬を得て申請書類を作成する | 行政書士の独占業務 |
| 報酬を得て提出を代行する | 行政書士の独占業務 |
つまり「コンサル=ダメ」ではありません。事業づくりの伴走と、書類作成・提出代行という行為を分けて考えることが大切です。フランチャイズ本部や開業支援会社を利用する場合も、書類の部分は行政書士が担当する体制になっているかを確認してください。
依頼先を選ぶときの2つの質問
①「行政書士の資格をお持ちですか」——登録番号は名刺やサイトで確認できます。②「書類は誰が作成し、誰が提出しますか」——ここが曖昧な説明なら要注意です。良心的な事業者なら、提携行政書士の存在を明示するはずです。当事務所も、フランチャイズ本部や開業支援会社と連携し、書類部分を担当する形でお手伝いすることがあります(代行の範囲)。
もう一つの変化——事前相談は「経営者本人から」
柏市はあわせて、令和8年7月以降の指定に係る事前相談(付随する問合せを含む)を、その責任を負う法人代表者・役員、または事業所管理者・管理責任者からのみ受け付けるとの運用を示しています(同市サイト・2026年7月時点)。趣旨は「指定基準を理解しないまま申請を進めることを防ぐため」とされています。
これは経営者にとって重い変化です。代理人任せで進めることが難しくなり、経営者自身が制度を理解して窓口に立つことが求められる。私たち行政書士の役割も、「代わりにやる人」から「経営者が理解して臨めるように支える人」へと軸足が移っていくのだと感じています。当事務所が事前相談への同行を重視しているのは、この流れとも重なります。
これは柏市だけの話ではありません——根拠は全国共通の法律
ここまで柏市の記載を紹介しましたが、根拠は柏市の独自ルールではなく、行政書士法という全国一律の法律です。行政書士法第1条の2で「官公署に提出する書類」等の作成が行政書士の業務と定められ、第19条(業務の制限)と罰則の規定があることで法定独占業務となっています。柏市は、それを公式サイトで明示している自治体という位置づけ——千葉県でも他県でも、法律は同じです。
そして2026年1月、規制は明確に強化されました
ここからが、事業者の方に最も知っていただきたい点です。行政書士法の一部を改正する法律(令和7年法律第65号)が令和7年6月13日に公布され、令和8年(2026年)1月1日から施行されました。日本行政書士会連合会の会長談話(2025年11月1日付)によると、改正の要点は2つです。
| 改正点 | 内容 |
|---|---|
| ①名目を問わない (法19条1項) | 業務の制限規定に「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という趣旨の文言が追加。「会費」「手数料」「コンサルタント料」「商品代金」等どのような名目であっても、対価を受領して業として書類を作成すれば違反にあたることが明確化されました |
| ②法人にも罰則 (法23条の3) | 両罰規定に19条1項違反の罰則が加わり、違反行為者だけでなく、その者が所属する法人に対しても100万円以下の罰金刑が科されることとされました |
改正の背景として、日行連はコロナ禍に無資格者が給付金等の代理申請を行い多額の報酬を受け取っていた事例が散見されたことを挙げています。そして重要なのは、これらは現行法でも変わりがなく、施行日前の行為であっても同条違反になると明示されている点です(出典:日本行政書士会連合会「【会長談話】行政書士法第19条第1項及び第23条の3の改正の趣旨等について」2025年11月1日)。
実務上の意味——「コンサル料に含まれている」は通らない
この改正が事業者にとって持つ意味は明快です。「申請書類の作成費は取っていません。開業支援のコンサル料の一部です」という説明は、法律上の抗弁になりません——名目を問わないと明文化されたためです。さらに代行した会社の法人格まで罰則の対象になりました。日行連は関係機関と連携して厳正に対処する方針も示しています。
指定申請だけでなく、補助金の申請書類の作成代行も同じ論点です(補助金申請の代行と法令)。開業支援・補助金支援を受ける際は、書類部分を誰が担当するのかを必ずご確認ください。
安心して任せられる体制を
目加多龍行政書士事務所は千葉県松戸市の行政書士事務所として、県・千葉市・船橋市・柏市それぞれの窓口に応じた指定申請に対応しています。書類は当事務所が作成し、提出も担当。そのうえで、事業計画・資金調達・採用の伴走までひとつの窓口で行います。料金は費用の記事に明示(指定申請220,000円〜・税込)。初回60分のご相談は無料です(指定申請サポート)。すでに他社に依頼中で不安を感じている方のご相談も承ります。
📍 千葉県ローカルメモ|他の指定権者の案内もあわせて確認を
柏市の記載は2026年7月時点で確認したものです。同様の注意喚起は他の指定権者でも行われる可能性があります。千葉県・千葉市・船橋市など、御社の申請先の最新の案内もあわせてご確認ください。確認の代行も承ります。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
この記事を書くか迷いました。同業を守る話に見えるからです。でも、依頼した事業者が知らずにリスクを負う構図は放置できない。制度は事業者を守るためにある——その一点で、書くことにしました。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
障害福祉・障害児支援の指定申請を専門とする行政書士。放課後等デイサービス・児童発達支援・グループホーム(共同生活援助)・就労継続支援A型/B型・就労移行支援・生活介護・居宅介護・重度訪問介護など障害福祉・障害児の全類型に対応し、千葉県指定と千葉市/船橋市/柏市の市指定どちらの窓口も日常的に扱っています(オンラインで全国対応)。開業後の変更届・体制届・処遇改善加算の届出、運営指導への備えまで伴走します。
前職では従業員約800名規模の3社合併にともなう人事制度統合を主導し、正社員・パート等あわせて約800名の給与計算と社会保険実務を運用。処遇改善加算のキャリアパス要件は、突き詰めれば賃金表と等級制度の設計そのもの——加算の届出だけでなく、その先の賃金設計まで踏み込めることが強みです。国家資格キャリアコンサルタントとして、サビ管・児発管など資格者の採用と定着も支援しています。
保有資格:行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/財務コンサルタント(ASJ)/2級FP技能士(AFP)/人事総務検定2級ほか計11種。制度改正のたびに一次資料を確認しながら、note・LinkedIn・Instagram・Threadsで障害福祉・障害児支援の実務情報をほぼ毎日発信しています。