— 30秒でわかる結論 —

Q. 補助金の申請代行を支援会社に頼んでも問題ありませんか?

報酬を得て申請書類の作成を業として行えるのは行政書士です(行政書士法1条の2・19条)。そして2026年1月1日施行の改正で規制が明確化されました——法19条1項に「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」の趣旨の文言が加わり、「コンサルタント料」「会費」「手数料」「商品代金」等どんな名目でも、対価を受け取って書類を作成すれば違反にあたることが明示されています。さらに両罰規定の整備により、違反行為者だけでなく所属法人にも100万円以下の罰金が科され得ます(出典:日本行政書士会連合会 会長談話・2025年11月1日)。したがって「成功報酬はコンサル料だから大丈夫」という説明は通りません。ただし事業計画づくりの助言や経営相談は問題なく、線引きは「報酬を得て申請書類を作成する」行為です。依頼前に「書類は誰が作成しますか」をご確認ください。

補助金の相談を受けていると、「以前、別の会社に成功報酬20%でお願いしたことがある」というお話を伺うことがあります。その会社が行政書士だったかどうか——2026年1月からは、この点がこれまで以上に重い意味を持つようになりました(2026年7月時点。制度の詳細は行政書士法および最新の公表資料でご確認ください)。

まず前提——書類の作成は行政書士の独占業務

行政書士法第1条の2は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類等を作成することを行政書士の業務と定めています。そして第19条(業務の制限)により、行政書士等でない者は業としてこれを行うことができず、罰則の規定もあることから法定独占業務とされています。補助金の申請書類は国・自治体等の官公署(またはその委託を受けた事務局)に提出する書類であり、この枠組みに入ります。

2026年1月1日、規制が明確に強化されました

行政書士法の一部を改正する法律(令和7年法律第65号)が令和7年6月13日に公布され、令和8年(2026年)1月1日から施行されました。日本行政書士会連合会の会長談話(2025年11月1日付)によれば、要点は次の2つです。

改正点内容
①名目を問わない
(法19条1項)
業務の制限規定に「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という趣旨の文言が追加。「会費」「手数料」「コンサルタント料」「商品代金」等の名目であっても、対価を受領して業として書類を作成すれば違反にあたることが明確化
②法人にも罰則
(法23条の3)
両罰規定に19条1項違反の罰則が加わり、違反行為者だけでなく、その者が所属する法人にも100万円以下の罰金刑

改正の背景として、日行連はコロナ禍に行政書士でない者が給付金等の代理申請を行い、多額の報酬を受け取っていた事例が散見されたことを挙げています。そしてこれらは現行法でも変わりがなく、施行日前の行為であっても同条違反になると明示しています(出典:日本行政書士会連合会「【会長談話】行政書士法第19条第1項及び第23条の3の改正の趣旨等について」2025年11月1日)。

「成功報酬はコンサル料です」は通らなくなった

補助金支援の世界では、採択額の10〜20%を成功報酬とする形が広く行われてきました。問題は、その報酬を受け取る主体が行政書士でない場合です。「書類作成費ではなくコンサルティング料だ」という整理は、名目を問わないと明文化された以上、法律上の抗弁になりません。そして罰則は法人にも及ぶ——支援会社の側のリスクが大きく上がったのが今回の改正です。

依頼する側が負うリスク

「頼んだ側は関係ないのでは」と思われるかもしれませんが、実務上は無関係ではありません。①申請内容の責任は申請者である事業者が負う(書類に誤りがあっても、資格のない代行者に責任を追及するのは容易ではありません)②交付決定後の実績報告や、財産処分の制限といった長い義務が続くのに、支援会社が撤退すれば取り残される(財産処分の制限実績報告③事務局との信頼関係という、金額に換算できない資産を損なう。安く早く見えた選択が、数年単位で高くつくことがあります。

線引き——何がよくて、何が問題か

行為整理
事業計画・収支計画づくりの助言、経営相談コンサルティングとして問題ない
設備・システムの提案や販売問題ない(ただし補助金の対象経費の判断は要注意)
報酬を得て申請書類を作成する行政書士の独占業務(名目を問わない)
認定経営革新等支援機関としての確認・支援制度上の役割であり別の枠組み(書類作成の代行とは区別して考える)

なお雇用関係の助成金(キャリアアップ助成金など厚生労働省系)の申請代行は社会保険労務士の独占業務であり、行政書士は取り扱えません(補助金と助成金の違い)。制度ごとに専門家が分かれる点も、依頼先選びの基準になります。

依頼前に確認したい2つの質問

①「行政書士の資格をお持ちですか」(登録番号は名刺やサイトで確認できます)②「申請書類は誰が作成しますか」——この2つが明確に答えられる相手なら安心です。支援会社を利用する場合も、書類部分を行政書士が担当する体制になっていれば問題ありません。当事務所も、事業会社や金融機関と連携して書類部分を担当する形でお受けしています。

当事務所の補助金支援

目加多龍行政書士事務所は、行政書士として申請書類の作成・提出を担当し、あわせて財務コンサルタントとして事業計画・収支計画の作成、採択から入金までの立て替え資金の設計まで一体で支援します(入金までのタイムライン)。補助金・融資サポートは顧問契約のお客様は着手金0円の完全成功報酬、スポットのご依頼は着手金+成功報酬の二段階です。初回60分のご相談は無料——「今の支援会社との契約、大丈夫でしょうか」というご相談も承ります(補助金申請サポート)。

📍 千葉県ローカルメモ|契約書の「対価の中身」を確認するところから

千葉県・松戸市の補助金でも、国の制度でも、書類作成の代行に関する法律は全国共通です。すでに他社と契約している場合は、契約書で「誰が何を行う対価か」を確認するところから整理できます。ご相談ください。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

この改正は、行政書士を守るためというより、依頼者を守るための整理だと受け止めています。誰が責任を持って書類を作るのか——そこが曖昧なまま進む申請が減ることは、事業者にとっての利益だと思います。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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