— 30秒でわかる結論 —
Q. なぜ介護・障害福祉を専門にしているのですか?
理由は4つあります。第一に、処遇改善加算のキャリアパス要件が、突き詰めれば賃金表と等級制度の設計そのものであり、前職で従業員約800名規模の人事制度統合と、その全員分の給与計算・社会保険実務を担当してきた経験がそのまま活きる領域だったこと。第二に、支援への志は本物なのに手続きと段取りでつまずいた方を身近に見てきたこと。第三に、依頼者・不動産会社・内装業者・消防・建築部局・指定権者・金融機関・採用候補者を一つの工程表で同時に動かす「調整」の質が、企業の人事・総務で15年やってきた仕事と驚くほど同じ構造だったこと。第四に、制度の複雑さが参入障壁ではなく価値を出せる場所だと考えたこと。開業後の処遇改善加算・運営指導・人材の定着まで一体で見るのも、行政書士であると同時に人事の実務者であり国家資格キャリアコンサルタントだからです。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 依頼先を探していて、その事務所の姿勢を知りたい方
- 現場出身で、手続きに不安のある開業予定の方
- 「なぜこの分野なのか」を聞いてから相談したい方
処遇改善加算の書類を初めて見たとき、「これは人事の仕事だ」と思いました
行政書士として独立するとき、扱う分野は自分で選べます。建設業許可でも、相続でも、入管でもよかった。それなのに介護・障害福祉を主軸に据えたのには、はっきりした理由があります。
決定的だったのは、処遇改善加算の書類を初めて手にしたときでした。キャリアパス要件——職位・職責に応じた任用要件と賃金体系の整備。研修の実施体制。職場環境等の要件。
読みながら思ったのです。これは行政手続きの書類ではなく、人事制度そのものだと。
私は前職で、従業員約800名規模の3社合併にともなう就業規則・人事諸制度の統合を担当しました。等級を設計し、賃金表を引き直し、評価制度を作り、それを実務として回しました。正社員・パート等あわせて約800名の給与計算と社会保険実務も自分でやっていました。
キャリアパス要件は、突き詰めれば賃金表と等級制度の設計です。私が15年やってきたことと、同じでした。
この記事の対象——介護・障害福祉の全サービス類型に共通です
放課後等デイサービス/児童発達支援/グループホーム(共同生活援助)/就労継続支援A型・就労継続支援B型・就労移行支援・就労定着支援/生活介護/同行援護/行動援護/短期入所/自立訓練/保育所等訪問支援/相談支援(その他類型の依頼ガイド)——いずれにも対応しています(介護・障害福祉に強い行政書士とは)。
もう一つの理由——志が高かったのに、開業でつまずいた人を見てきたから
身近に、福祉の事業を立ち上げようとして、うまくいかなかった人がいます。
支援への思いは本物でした。現場の経験も、利用者さんへの向き合い方も、私よりずっと深い。それなのに——手続きと段取りのところで、つまずいた。
制度が複雑すぎたのか、相談できる相手がいなかったのか、資金の設計が甘かったのか。理由はひとつではないと思います。ただ確かなのは、「支援がしたい」という思いと、「事業を立ち上げる」という技術は、まったく別のものだということです。
この分野で開業する方の多くは、現場出身です(開業する人の6類型)。支援のプロではあっても、行政手続きや資金調達や人事のプロではない。当然のことです。そこを誰かが引き受けなければ、志が形にならないまま終わってしまう。
私が引き受けたいのは、そこです。
三つ目——この仕事の「調整」の質が、人事・総務の仕事とそっくりだった
指定申請を実際にやってみて、確信に変わったことがあります。この仕事は書類作成ではなく、調整の仕事だということ(指定申請は「調整仕事」である理由)。
一件の開業を成立させるまでに、関わる相手はこれだけあります。
依頼者ご本人——何をどこまで決めるか、いつまでに何が要るかを共有する。不動産会社とオーナー——用途と契約条件を確認し、指定が下りなかった場合の条項を交渉する。内装工事の業者——基準を満たす図面か、工期は指定日に間に合うか。消防と建築の窓口——それぞれ別の部署に、別の観点で確認する。指定権者(県か市か)——事前協議の作法も締切も自治体ごとに違う。金融機関——物件契約と融資実行のタイミングを合わせる(物件・融資・申請の三すくみ)。採用の候補者——サビ管・児発管の要件を確認し、内定から開業までの空白期間をつなぐ。
これを、ひとつの工程表の上で同時に動かす。誰かが遅れれば全体がずれる。順序を間違えれば手戻りになる。
——これは、私が人事・総務で15年やってきたことと、驚くほど同じ構造でした。
人事の仕事も、社内の各部署、経営層、労働組合、そして労働基準監督署・年金事務所・法務局・公証役場といった行政機関を相手に、期限のある案件を並行して回す仕事です。制度を正確に理解したうえで、複数の関係者を動かして、決められた日までに形にする。求められる能力が、そっくりでした。
四つ目——制度の複雑さが、参入障壁ではなく「価値」になる分野だから
介護・障害福祉の制度は、率直に言って複雑です。根拠法が介護保険法と障害者総合支援法に分かれ、指定権者は県か市か町村かで変わり、報酬は加算の組み合わせで決まり、しかも数年ごとに改正される。
この複雑さを前に、多くの事業者が疲弊しています。本来なら支援に使うべき時間が、制度の確認に消えていく。
私はこの複雑さを、苦にしませんでした。人事の仕事も、労働法・社会保険・税務が絡み合う複雑な領域で、「調べて、確かめて、正確に運用する」ことが仕事の中身だったからです。
そして気づきました。この複雑さを引き受けられる人が増えれば、その分だけ現場の時間が支援に戻る。制度の複雑さは、私にとって障壁ではなく、価値を出せる場所でした。
だから、開業の「後」まで見ます
もし私が「指定申請だけを売る」なら、開業が終われば関係は切れます。でも実際には、事業所が本当に困るのは開業後です(「指定は取れました、あとは頑張って」がマズい理由)。
処遇改善加算の計画書と実績報告。運営指導への備え。変更届の期限管理。そして——サビ管が辞めそうだという相談。人材の定着は、加算にも人員基準にも直結する経営課題です。
ここまで一体で見られるのは、私が行政書士であると同時に、人事の実務者であり、国家資格キャリアコンサルタントだからです。加算の届出だけでなく、その先の賃金設計や採用まで踏み込める(処遇改善加算を求人票にどう書くか)。この組み合わせは、意図して選んだものです。
最後に
介護・障害福祉を専門にした理由を、四つ書きました。制度が人事の仕事と地続きだったこと。志のある人がつまずくのを見たこと。調整の質が前職とそっくりだったこと。複雑さが価値になる分野だったこと。
ただ、いちばん根っこにあるのは、もっと単純なことかもしれません。
誰かのために事業を始めようとしている人が、手続きのところで諦めるのは、おかしい。
私にできるのは、支援そのものではありません。利用者さんに向き合うのは、事業者の皆さんです。でもその手前にある壁を取り除くことなら、できます。それが、私がこの分野を選んだ理由です。
手続き・資金・人材を、ひとつの窓口で。当事務所は障害福祉・障害児支援の指定申請・変更届・処遇改善加算・運営指導対応に加えて、創業融資・資金繰りの支援と、人事15年×国家資格キャリアコンサルタントによる採用・定着支援をワンストップで提供します。初回60分無料・オンライン全国対応。
📍 千葉県ローカルメモ|千葉県松戸市を拠点にしていること
拠点の千葉県松戸市は、県指定(松戸・流山・市川など)と市指定(千葉市・船橋市・柏市)が混在する地域です。両方の窓口を日常的に扱うため、「自治体ごとに運用が違う」という前提が身についています。これは初めての自治体でも当たりを付けやすいという強みになり、オンラインで全国のご相談に対応できる理由でもあります。地元では小学校のボランティアや社会人フットサルサークルの運営(8年)にも関わっており、地域で暮らす人間として福祉の現場を見ています。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
この記事は、自分のために書いた面もあります。忙しくなると、目の前の書類を片づけることが目的になってしまう。そういうとき、なぜこの分野を選んだのかを読み返すためです。誰かのために事業を始めようとしている人が、手続きのところで諦めるのはおかしい——この一文だけは、何年経っても変えないつもりです。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
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