— 30秒でわかる結論 —
Q. サービス管理責任者になるには、何年の実務経験が必要ですか?
実務経験と研修の両方が必要です。実務経験は3ルートで、①相談支援業務および直接支援業務が通算5年以上②直接支援業務のみなら通算8年以上③社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士・看護師などの国家資格等による業務なら通算3年以上。ここで見落とされるのが日数で、「1年」は期間が1年以上かつ実際に従事した日数が1年あたり180日以上を指します(5年なら900日以上)。1日の勤務時間は問いません。研修は、基礎研修→原則2年以上のOJT→実践研修の順で、実践研修まで修了して初めてサビ管として配置できます。基礎研修の修了だけでは原則配置できません。ただし令和5年6月30日付の告示改正で、基礎研修の受講開始時に既に実務経験者である人が個別支援計画の作成の一連の業務に従事し指定権者に届け出た場合、OJTを6か月以上にできる例外があります。実践研修の修了後は5年ごとの更新研修が必要です。実務経験の該当判定は指定権者が行います(2026年9月15日時点)。
この記事は制度の解説です。千葉県内の障害福祉サービスの指定申請のご依頼は、料金と流れを専用のページでご案内しています。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- サビ管・児発管を目指していて、あと何年必要か知りたい方
- 「サビ管募集」で採用したのに配置できなかった経験のある事業者
- 基礎研修を修了した職員を早く実践研修に進ませたい事業者
ご相談いただくと、こう進みます
- 最初の30分の無料相談で、候補の方の職歴と研修の修了証を拝見し、実務経験のルートと従事日数、研修の段階を一緒に数えます。
- ご依頼後は、職歴ごとに実務経験の区分を整理し、迷う職歴は指定権者への照会のしかたをまとめたうえで、指定申請や変更届の書類に落とし込みます。
- その後は、更新研修の時期や、サビ管の交代・欠員が見えたときに、同じ整理表で配置できるかを見直します。
サビ管の要件は「実務経験」と「研修」の掛け算です
サービス管理責任者(サビ管)の要件が分かりにくいのは、実務経験と研修という2つの軸があり、それぞれに例外があるからです。求人を出す側も、目指す側も、「何年働けばなれるのか」だけでは答えが出ません。
この記事では、実務経験の数え方(年数だけでなく従事日数)と、研修の順番(基礎研修→OJT→実践研修→5年ごとの更新)を分けて整理し、最後に事業者が採用の場面で何を確認すべきかまで落とします。児童発達支援管理責任者(児発管)も同じ研修体系です。
①実務経験——3つのルート
| 実務経験のルート | 必要年数 | 中身 |
|---|---|---|
| ①相談支援業務および直接支援業務 | 通算5年以上 | 相談支援業務と直接支援業務を合わせて数えるルート(区分の別表で定められた施設・業務) |
| ②直接支援業務のみ | 通算8年以上 | 介護等の直接支援だけで積む場合 |
| ③国家資格等による業務 | 通算3年以上 | 社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士・看護師などの資格で従事した期間 |
資格の有無で必要年数が変わります。社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士・看護師などの国家資格で従事した期間は3年、直接支援だけなら8年。この差は大きく、資格を持っている方は自分が思っているより早く要件に届いていることがあります。
見落とされる「180日ルール」
| 数え方 | 内容 |
|---|---|
| 「1年」の定義 | 業務に従事した期間が1年以上であり、かつ実際に業務に従事した日数が1年あたり180日以上 |
| 5年の場合 | 期間が5年以上、かつ従事日数が900日以上 |
| 1日の勤務時間 | 問わない(時間数ではなく日数で数える) |
| 判定する人 | 指定権者。どの職歴がどの区分に当たるかは県・市の判断 |
実務経験の年数は、カレンダー上の期間だけでは足りません。1年あたり180日以上、実際に業務に従事していることが必要です。5年ルートなら通算900日以上。1日の勤務時間は問われないので、短時間勤務でも日数があれば数えられます。
逆に、週2日の勤務を5年続けた場合は、期間は5年でも従事日数が足りない可能性があります。非常勤・短時間で経験を積んだ方は、日数を先に計算してください。どの職歴がどの区分に当たるかの判定は指定権者が行うので、迷う職歴があれば早めに照会するのが確実です。
②研修——基礎研修を修了しても、すぐには配置できません
| 研修 | 受講の条件 | 注意 |
|---|---|---|
| 基礎研修 | 一定の実務経験を有する者 | 相談支援従事者初任者研修の講義部分もあわせて修了する |
| OJT(実務経験) | 基礎研修の修了後、原則2年以上の相談支援業務または直接支援業務 | 例外=6か月以上:基礎研修の受講開始時に既に実務経験者で、個別支援計画の作成の一連の業務に従事し、その旨を指定権者に届け出ている場合(令和5年6月30日付の告示改正) |
| 実践研修 | OJTを経てから受講 | ここまで修了して、はじめてサビ管・児発管として配置できる |
| 更新研修 | 実践研修の修了後5年ごと | 受けないと要件を失う |
ここが最大の誤解ポイントです。平成31年4月から、サビ管・児発管になるには基礎研修と実践研修の両方の修了が必要になりました。基礎研修を修了しただけでは、原則としてサビ管として配置できません。
基礎研修と実践研修の間には、原則2年以上のOJTが入ります。ただし令和5年6月30日付の告示改正で例外ができました。基礎研修の受講開始時に既に実務経験者である人が、個別支援計画の作成の一連の業務に従事し、その旨を指定権者に届け出ている場合は、OJTを6か月以上にできます(東京都福祉局の案内・2026年9月15日確認)。
この例外は、事業者にとって実務的な意味があります。基礎研修を修了した職員に個別支援計画の作成業務を任せ、指定権者に届け出れば、実践研修の受講を1年半早められる可能性があるということです。
基礎研修の修了は、まだ「途中の段階」です
研修の段階でいちばん数え違いが起きやすいのは、OJTの「6か月の例外」です。千葉県の実践研修の要領では、この例外を使えるのは次のすべてを満たす人です。
- 基礎研修の受講開始時にすでに実務経験者である
- 個別支援計画の作成の一連の業務に従事する旨を、研修の申込開始日より前に指定権者へ届け出ている(届出は事業所の法人から)
- その業務に通算6か月以上かつ90日以上従事している
届出が募集開始のあとになると、例外は使えず、原則の「2年以上かつ360日以上」に戻ります。
この数え違いのまま配置の予定を組むと、実践研修を受けられる時期が1年半ずれます。予定どおり配置すれば、要件を満たさない人をサビ管として置くことになります。サビ管が欠けた状態として、減算や返還の対象になり得ます(返還の考え方は「報酬の自主点検・過誤調整・返還の流れ」で説明しています)。開設時にみなし配置は使えません。
見方を変えると、基礎研修は運転免許でいえば仮免許のようなものです。指導する人が隣にいれば路上の練習はできますが、それだけで一人の運転者として数えることはできません。「修了した」という言葉の響きに引っ張られず、「どの段階まで来ているか」で見ることが大切です。
今日できる一手は、候補者・配置予定者1人分の棚卸しです。次の項目を1枚に書き出してください。
- 基礎研修の修了日
- 短縮OJTの届出書の控えの有無と届出日
- OJTの対象業務に就いた期間と従事日数
- 実務経験の年数と従事日数(1年=180日以上)
- 実践研修の修了者なら、更新研修の期限
- 実務経験証明書を前の勤務先から出してもらえるか
やってはいけないのは、修了見込みを修了済みとして配置の届出を出すことと、修了証や届出の控えを見ずに自己申告だけで配置することです。段階がはっきりしない人は、配置予定ではなく「育成中」として数えておくと、スケジュールが崩れにくくなります。
③事業者が採用の場面で確認すること
| 採用の場面 | 確認すること |
|---|---|
| 求人に「サビ管有資格者」と書く前に | 欲しいのは「実践研修まで修了した人」か「基礎研修修了+OJT中の人」か。後者はいますぐサビ管として配置できない |
| 応募者の修了証を見るとき | 基礎研修の修了証か、実践研修の修了証か。更新研修の修了年月日(5年以内か) |
| 実務経験を数えるとき | 期間だけでなく従事日数(1年あたり180日以上)。非常勤・短時間勤務の期間は要注意 |
| 自社で育てるとき | 基礎研修→OJT→実践研修で最短でも2年半程度。6か月OJTの例外に乗るなら、個別支援計画作成の業務に従事させ、指定権者に届け出る |
| サビ管が急に辞めたとき | やむを得ない事由で欠けた場合のみなし配置の措置がある。要件を満たす場合に限り最長2年までの延長が可能とされている。必ず指定権者に相談する |
求人票に「サビ管募集」とだけ書くと、基礎研修だけ修了した方からも応募が来ます。悪意はなく、本人も「サビ管の研修を受けた」と認識しているからです。求人の段階で「実践研修修了者」と書き分けるだけで、採用のミスマッチはかなり減ります。
職員の資格取得や研修修了は、加算の要件にも直結します。人事の動きを請求につなぐ運用は加算要件チェック表の回し方にまとめています。
「この人はサビ管になれるか」「いつなれるか」を一緒に数えます
実務経験の年数と日数、資格の有無、研修の修了状況。この4つを並べれば、あと何が足りないか、いつ配置できるかが出ます。ところが職歴が複数の事業所にまたがっていたり、非常勤の期間が混ざっていたりすると、ご本人も事業者も判断がつきません。
当事務所では30分の無料相談で、職歴と修了証を拝見して、要件に届いているか、届いていなければ何年(何日)足りないかを一緒に数えます。指定申請でサビ管の要件が問題になりそうな場合は、指定権者への照会の仕方までお伝えします。職歴が分かるもの(勤務先の種別・期間・勤務日数)と研修の修了証をご用意ください。ご依頼にならなくて構いません。オンラインで全国対応です。指定申請サポート、またはお問い合わせフォームからどうぞ。
たとえば、こんな場面で迷っていませんか
就労継続支援B型の開業を準備している法人の代表の方。サービス管理責任者の候補として、知人の紹介で応募してきた方と面談をしました。
その方は「サビ管の研修は受けました」と話し、介護の仕事を長く続けてきたと言います。ただ、手元にある修了証が基礎研修のものか実践研修のものかは、まだ確かめていません。
職歴を聞くと、途中に非常勤で週に数日だけ働いていた時期があり、複数の事業所にまたがっています。実務経験の年数が足りているのか、日数で数えるとどうなるのか、代表の方には判断がつきません。
採用を決めてから配置できないと分かれば、指定申請の書類がそろわず、開業の予定そのものを組み直すことになりかねません。
この場面なら、まず修了証が実践研修まで済んでいるか、そして実務経験を期間だけでなく従事日数で数えたときに要件に届いているかを確認します。本文では、実務経験・研修・採用の順に説明しました。
当事務所にご相談いただいた場合の進め方
- 1. ご相談の前に手元に用意していただくもの
候補の方の職歴が分かるもの(勤務先の施設の種別・期間・勤務日数)、実務経験証明書(前の勤務先から取り寄せたもの・あれば)、基礎研修・実践研修・更新研修の修了証、国家資格の登録証の写しをお手元にご用意ください。 - 2. 初回30分の無料相談で一緒に確認すること
実務経験がどのルートに当たるかと、期間だけでなく従事日数で要件に届いているかを一緒に数えます。修了証が基礎研修か実践研修か、更新研修の時期が来ていないかもその場で確かめます。どの職歴がどの区分に当たるかで迷うものは、指定権者に照会する点として整理します。 - 3. ご依頼後の進め方当事務所がやること:職歴と研修の状況を整理表にまとめ、指定権者への照会事項を作ります。開業前なら指定申請の書類一式の作成と、指定権者の事前相談への同席を、指定後のサビ管の交代なら管理者・児発管・サビ管の変更届の作成と提出を担当します。お客様にお願いすること:候補の方の採用の判断と雇用の契約、前の勤務先への実務経験証明書の依頼、研修の申し込みは、お客様(またはご本人)に行っていただきます。
- 4. その後
開業後は、更新研修の時期が近づいたときや、サビ管の退職・交代が見えたときに、同じ整理表で人員基準と届出を見直します。毎月の人員基準のチェックをまとめて任せたい場合は、福祉顧問 サポートプランでお受けしています。
料金は料金表と料金シミュレーションでご確認いただけます。
参考にした一次資料
- 厚生労働省「サービス管理責任者等研修制度について」(研修体系の見直し、基礎研修修了後2年のOJTを経て実践研修という仕組み)
- 東京都福祉局「サービス管理責任者研修」(令和5年6月30日付の告示改正によるOJTの例外=個別支援計画の作成の一連の業務に従事し指定権者に届け出た場合は6か月以上、やむを得ない事由で欠けた場合の措置。2026年9月15日確認)
- 愛知県「サービス管理責任者等研修について」(基礎研修・実践研修・更新研修の3種類と受講要件。2026年9月15日確認)
- 千葉県「令和8年度第2回サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者実践研修 実施要領」(OJT短縮の3条件の原典)
- 千葉県「サービス管理責任者等研修について」(令和7年度集団指導資料。実践研修の受講要件)
- 兵庫県「サービス管理責任者の資格要件」(実務経験の3ルートと、1年=従事日数180日以上・5年=900日以上の数え方)
- サービス管理責任者等に関する厚生労働省告示(令和5年6月30日改正)
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|千葉県で研修を受ける方・採用する方へ
千葉県のサービス管理責任者等研修は、年度ごとに募集要項が出ます。申込要件・日程・受講料・定員は毎年度変わるため、当該年度の県の案内でご確認ください。指定申請ではサビ管の資格証・研修修了証・実務経験証明書が求められ、実務経験証明書は前の勤務先から取り寄せる書類です。候補者が決まった時点で依頼を始めてください。指定申請で受理されない不備はトップ10にまとめています。
※2026年9月15日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
サビ管の要件で相談に来られる方の多くが、「あと何年ですか」と聞かれます。私はまず「年数より、日数を教えてください」とお返しします。週3日で5年働いた方と、週5日で5年働いた方では、制度上の扱いが違うからです。ここを知らずに研修を申し込んで、実務経験が足りないと言われる方を見てきました。数えるのは地味な作業ですが、いちばん先にやる価値があります。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/2級FP技能士(AFP)/国家資格キャリアコンサルタント。
障害福祉・障害児支援とNPO法人を専門にしています。放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援A型・B型・グループホーム(共同生活援助)などの指定申請、処遇改善加算・変更届・指定更新・運営指導(実地指導)への対応を支援します。NPO法人は、設立認証から事業報告書・役員変更などの運営まで支援します。
企業人事15年の経験を土台に、児発管・サビ管の採用・定着、融資・補助金や資金繰りまで、「書類・人・お金」を一体で支えます。