— 30秒でわかる結論 —
Q. 放デイ・児童発達支援の指導訓練室は、何㎡あれば足りますか?
国の省令に、事業所の指導訓練室の面積は定められていません。省令(平成24年厚生労働省令第15号)が放デイ・児発の事業所に求める設備は「指導訓練室(訓練に必要な機械器具等を備える)」と「支援に必要な設備・備品」で、よく引用される「障害児1人あたり2.47㎡以上」は児童発達支援センターの基準です(センターは遊戯室1.65㎡、屋外遊戯場、医務室、相談室、調理室、便所も必要)。ただし多くの指定権者が2.47㎡を目安に運用し、さらに相談室・事務室・手洗い設備・トイレを求めます(兵庫県は一覧表に明記)。千葉県は面積の目安を公表していないため、候補物件の図面を県に事前確認して回答をもらうのが確実な方法です(回答まで3週間程度)。契約前に、指定権者・消防・建築の3窓口を回してください(2026年9月28日確認)。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 放デイ・児発の物件を探していて「何㎡必要か」を調べている方
- 戸建てや店舗を借りて開業するつもりで、設備が足りるか不安な方
- 「2.47㎡×定員」で物件を決めようとしている方
省令が事業所に求める設備は「指導訓練室」と「必要な設備・備品」だけです
放課後等デイサービス・児童発達支援の「事業所」に国の基準(省令)が求める設備は、指導訓練室(訓練に必要な機械器具等を備えること)と、支援に必要な設備・備品であって、面積の数値は定められていません(制度。児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準〔平成24年厚生労働省令第15号〕の児童発達支援事業所・放課後等デイサービスの設備基準(2026年9月28日確認))。「1人あたり2.47㎡」という数字を見た方が多いと思いますが、それは児童発達支援センターの基準です。
この記事で分かることは、①事業所とセンターで設備基準がどう違うか、②「2.47㎡」の正体、③千葉県で実際に見られる設備と、面積が公表されていないときの確かめ方、④物件を契約する前の順番です。当事務所は千葉県の指定申請で図面の事前確認を経験しており、「省令に書いていない設備」で止まる場面を何度も見てきました。
| 設備 | 放デイ・児発の事業所(省令) | 児童発達支援センター(省令) |
|---|---|---|
| 指導訓練室 | 必要。訓練に必要な機械器具等を備える。面積の定めなし | 必要。定員おおむね10人、障害児1人あたり2.47㎡以上 |
| 遊戯室 | 定めなし | 必要。障害児1人あたり1.65㎡以上 |
| 屋外遊戯場 | 定めなし | 必要(付近の代わるべき場所を含む) |
| 医務室・相談室 | 定めなし(相談室は実務上ほぼ必須。下記) | 必要 |
| 調理室・便所 | 定めなし(便所・手洗いは実務上必須。下記) | 必要 |
| 静養室・聴力検査室 | 定めなし | 主として知的障害/難聴の児童を通わせる場合 |
| 専用性 | 専ら当該事業の用に供する(支援に支障がなければ共用可) | 同左 |
「2.47㎡」は、旧・知的障害児通園施設の基準を引き継いだセンターの数字です(制度)。事業所の指定申請で「2.47㎡×定員10人=24.7㎡以上の指導訓練室」と説明する解説は多いですが、省令上の根拠はセンターの条文であり、事業所に直接は適用されません。ただし、多くの指定権者がこの数字を目安として運用しています(実務の目安。次項)。
では、実際に何が見られるのか——「省令に書いていない設備」が審査の中心です
指定権者は、省令の指導訓練室に加えて、相談室・事務室・手洗い設備・トイレなどを求めるのが一般的で、兵庫県は人員・設備基準一覧表に「他に、相談室、事務室、手洗い設備、トイレ等が必要」と明記しています(制度・運用。兵庫県「障害児通所支援事業に関する人員及び設備基準一覧表」(2026年9月28日確認))。千葉県も指定申請の添付に平面図・写真・備品一覧を求め、図面の事前確認で同じ点を見ます(実務。千葉県の手引き(2026年9月28日確認))。
| 見られる設備 | 何のために | つまずきやすい点(実務の目安) |
|---|---|---|
| 指導訓練室 | 支援の場。定員の児童が同時に活動できる広さ | 面積の目安は指定権者ごと。柱・収納・通路を除いた有効面積で見られることがある |
| 相談室 | 保護者との面談、個別支援計画の説明。プライバシー確保 | 指導訓練室と兼用不可が原則。パーテーションだけで区切った空間は認められないことがある |
| 事務室 | 記録の保管、職員の執務 | 鍵のかかる書庫(個人情報)。相談室と兼用の可否は指定権者に確認 |
| 手洗い設備 | 感染症対策、活動前後の手洗い | 児童の身長に合う高さ。台所のシンクを手洗いに数えられるかは要確認 |
| トイレ | 児童が使える便所 | 男女別・多目的の要否、洋式、扉の向き。既存住宅の1か所で足りるかは定員で判断 |
| 静養スペース | 体調不良の児童を休ませる | 必須ではないが、指導訓練室の一角に横になれる場所を求められることがある |
| 送迎車の駐車・乗降場所 | 送迎加算を取る場合 | 敷地内に停められない場合の乗降場所の安全 |
千葉県は、指導訓練室の面積の目安を県のページで公表していません(2026年9月28日時点で当事務所が確認した範囲。要確認)。だから「何㎡あれば通るか」は、候補物件の図面を県に事前確認して答えをもらうのが唯一確実な方法です(実務)。千葉県の図面事前確認は回答まで3週間程度かかります(実務の目安)。
「省令に面積がない」からこそ、契約前の順番を間違えないでください
面積の定めがないということは、「この広さなら必ず通る」と誰も保証できないということです。契約前に図面を指定権者に見せ、消防と建築の窓口にも行く。この3つを済ませてから契約するのが、当事務所が勧める順番です(当事務所の見解)。
- 候補物件の図面を入手し、指導訓練室・相談室・事務室・手洗い・トイレをどこに置くかを書き込む。
- 指定権者(千葉県・千葉市・船橋市・柏市)に図面の事前確認。「定員10人で足りるか」「相談室は独立しているか」を文書で確認。
- 消防署で(6)項ハとしての必要設備、建築担当課で用途変更の要否(200㎡超なら確認申請)を確認。
- 3つの回答がそろってから、賃貸借契約。契約書には「指定が取れない場合の解約条件」と「使用目的:障害児通所支援事業」を入れる。
— この段階でご相談いただく理由 —
「2.47㎡×定員」で物件を選び、契約後に相談室の独立や手洗いの位置で図面を引き直す相談が続いています。当事務所は指定申請サポート(220,000円〜・税込)の中で、候補物件の図面に設備の配置を書き込み、県の事前確認・消防・建築の3窓口を契約前に回します。
準備物:候補物件の図面(なければ不動産会社の募集図面)、予定する定員、開業希望月。60分の無料相談 →
よくある誤解——「戸建てを借りれば設備は足りる」「センターの基準を満たせば安心」
戸建てや店舗を借りればそのまま使える、という前提は危険です(当事務所の見解)。住宅は相談室にできる独立した部屋があっても、トイレが1か所で2階にあったり、手洗いが台所のシンクしかなかったりします。逆に、センターの基準(2.47㎡・遊戯室・屋外遊戯場・医務室・調理室)を事業所に当てはめて「全部そろえなければ」と思い込むと、物件の選択肢を狭めます。事業所に必要なのは、省令の指導訓練室と、指定権者が運用で求める相談室・事務室・手洗い・トイレです。それ以上でも以下でもありません(制度・運用の整理)。
📗 図面で見る10項目は障害福祉の物件、図面で何を見る?、用途変更は放デイ・グループホームの物件と「用途変更」、消防は消防法令上は「(6)項ハ」、契約書に入れる条件は障害福祉の物件は「契約前」に確かめるにまとめています。
参考にした一次資料
- e-Gov法令検索「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成24年厚生労働省令第15号)児童発達支援・放課後等デイサービスの設備基準(2026年9月28日確認)
- 兵庫県「障害児通所支援事業に関する人員及び設備基準一覧表」(事業所は指導訓練室+相談室・事務室・手洗い設備・トイレ等、センターは1人2.47㎡・遊戯室1.65㎡)(2026年9月28日確認)
- 千葉県「障害児通所支援及び障害児入所支援の指定・変更等の手続」(申請添付書類・図面の事前確認)2026年5月15日更新(2026年9月28日確認)
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内の方へ
千葉県(松戸・市川・流山・野田・我孫子などが対象)は、指導訓練室の面積の目安を県のページで公表していません(当事務所の確認範囲。要確認)。図面の事前確認は県の障害児支援事業指定班(043-223-2336)へ。千葉市・船橋市・柏市は各市が指定権者で、面積の目安や相談室の扱いを独自に定めていることがあるため、各市の手引きで確認してください。本記事の設備一覧は省令と兵庫県の一覧表を基にした整理で、個別の可否は指定権者が判断します(2026年9月28日確認)。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
「2.47㎡×10人で24.7㎡以上の部屋を借りました」と言われて図面を見ると、相談室がない、手洗いが台所だけ、という物件が多い。省令に面積がないぶん、見られるのは数字より「使い方」です。契約の前に、図面を県に見せてください。それだけで、引き直す図面と払い直す工事費が減ります。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
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