— 30秒でわかる結論 —

Q. 放デイやグループホームの物件で、用途変更の確認申請は必要ですか?

用途変更する部分の床面積の合計が200㎡を超えるなら確認申請が必要、200㎡以下なら手続は不要です(2019年6月25日施行の建築基準法改正。国土交通省 国住指第661号、2026年9月13日確認)。放デイ・児発・生活介護・障害者グループホームは建築基準法上の「児童福祉施設等」で、店舗・事務所・住宅から転用すると用途変更に当たります。ただし国土交通省は「建築確認が不要でも、法に適合するよう維持・管理が必要」と明記しており、200㎡以下は「何もしなくてよい」ではありません。避難経路・排煙・採光・換気などは転用後の用途で求められる基準に適合させる必要があり、指定権者は図面で設備基準を確認します。面積は使う部分の合計で判定するため、1階120㎡+2階120㎡なら240㎡で確認申請が必要です。契約前に、検査済証の有無、現在の用途、床面積の合計、階数と耐火構造、避難経路等、既存不適格の扱いの6項目を確認してください。3階建て200㎡以下は一定条件で耐火要件が緩和されていますが、当てはめは建築士の判断です。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 店舗・事務所・戸建てを放デイやグループホームに転用しようとしている方
  • 「200㎡以下だから手続不要」と聞いて安心している方
  • 検査済証がない物件を候補にしている方

「200㎡以下なら手続は不要」は、「何もしなくていい」ではありません

放課後等デイサービス・児童発達支援・生活介護・障害者グループホームなどは、建築基準法上「児童福祉施設等」という特殊建築物に当たります。店舗・事務所・住宅だった建物をこれらの用途に使うことは用途変更で、原則として建築確認の手続が要ります。

2019年6月25日施行の建築基準法改正で、確認申請が必要な規模が100㎡超から200㎡超に引き上げられました(国土交通省 国住指第661号・2019年6月24日。2026年9月13日確認)。多くの放デイやグループホームは200㎡以下に収まるため、確認申請の手続なしで開設できるようになりました。

ただし国土交通省のリーフレットには、はっきりこう書かれています。「建築確認が不要でも、法に適合するよう維持・管理が必要です」。手続が要らないことと、基準を満たさなくてよいことは別です。指定申請では、指定権者が図面を見て設備基準を確認しますし、消防は消防で用途に応じた要件を求めます。

確認申請の要否と、適合義務の関係

状況確認申請建築基準法への適合
用途変更する部分の床面積が200㎡を超える必要(建築基準法第87条による第6条の準用)必要
用途変更する部分の床面積が200㎡以下不要(2019年6月25日施行の改正)必要(手続が不要でも、適合していない建物は使えない)
類似の用途相互間の変更(例:診療所(入院あり)⇔児童福祉施設等)不要必要

面積の判定は「用途変更する部分の床面積の合計」です。1階120㎡・2階120㎡の建物で両階を放デイに使えば240㎡で確認申請が必要になります。「1フロアは200㎡以下」ではありません。

物件を決める前に、確認する6項目

確認することなぜ効くか見る書類・聞く相手
検査済証があるか検査済証がないと、その建物が建築基準法に適合していたことを証明しにくく、200㎡超の用途変更で手続が難航するオーナー・管理会社。なければ建築士による調査(法適合状況調査)
現在の用途(登記・確認済証上)住宅→児童福祉施設等、事務所→児童福祉施設等は「用途変更」に当たる。類似用途かどうかで手続が変わる確認済証・検査済証・登記事項証明書
用途変更する部分の床面積の合計200㎡の判定は「用途変更する部分の合計」。2階建てで両階を使えば合算図面(床面積の記載)
階数・耐火構造3階以上に居室を置く場合や、200㎡超の場合は耐火要件が絡む。3階建て200㎡以下は一定条件で緩和建築士・建築指導課
避難経路・排煙・採光・換気用途変更後の用途(児童福祉施設等)で求められる基準に適合するか建築士・建築指導課
既存不適格の扱い建築時は適法でも現行基準に合わない部分がある場合、用途変更時に是正が求められることがある建築指導課

とくに1行目の検査済証は、古い建物ほど残っていません。200㎡以下なら手続は不要ですが、指定権者や融資の場面で建物の適法性を示す材料として求められることがあります。検査済証がない場合は、建築士による法適合状況調査を経て対応する方法があります。費用と時間がかかるため、物件候補の段階で有無を確認してください。

グループホームで戸建てを使う場合

戸建て住宅を障害者グループホームに転用するケースは多く、ここでも用途変更の考え方は同じです。3階建ての戸建てを使う場合、従来は3階に居室を置くと耐火構造が求められ、木造では事実上建て替えに近い改修が必要でした。2019年の改正で、3階建て・200㎡以下の場合は一定の条件(警報設備の設置など)のもとで耐火要件が緩和されています。条件の当てはめは建築士の判断なので、3階建てを候補にするときは早い段階で建築士に図面を見てもらってください。

消防の要件は用途変更とは別に掛かります。区分4以上の入居者が概ね8割を超えると(6)項ロとなり、スプリンクラーが延べ面積にかかわらず必要になります(消防設備の要否)。

失敗の典型と、順番

  • 「200㎡以下だから」で契約し、避難経路や排煙の不適合が後から判明——手続不要と適合不要を混同した例。改修費と期間で指定日がずれる
  • 検査済証がない建物を選び、指定申請の直前に建物の適法性を問われる——物件候補の段階で有無を確認していれば避けられた
  • 両階を使って200㎡を超え、確認申請に数か月かかる——使用する部分の合計で判定することを知らなかった

順番は、物件候補→図面と検査済証の確認→建築指導課・消防署の事前相談→建築士の所見→改修見積→契約です。建築と消防は別の窓口で、どちらも指定申請の前提になります。

要確認:用途変更の要否・確認申請・既存不適格の扱いは、建築基準法および特定行政庁(建築指導課)の判断によります。「児童福祉施設等」の範囲、類似用途の扱い、3階建て200㎡以下の耐火要件の緩和条件は、国土交通省の資料と建築士の確認が必要です。設計・法適合の判断は建築士、確認申請の代理は建築士の業務であり、当事務所は行いません。本記事は2026年9月13日時点の整理です。

「この物件で、建築と消防の両方をクリアできるか」という方へ

当事務所では60分の無料相談で、候補物件の図面と用途・面積・階数から「どこで詰まりそうか」を先に洗い出し、消防署・建築指導課・指定権者のどこに何を聞くべきかを整理します。指定申請サポート(220,000円〜/税込)をご依頼いただく場合は、消防・建築の事前相談への同席もお受けしています。ご依頼にならなくても構いません。オンラインで全国対応。お問い合わせフォームからどうぞ。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|松戸・市川・流山の方へ——建築指導課と消防の窓口

用途変更の相談は各市の建築指導課(松戸市・市川市・流山市。市によって建築確認の担当が県の場合もあります)、消防の相談は各消防本部の予防担当です。千葉県の指定申請の事前相談では、建物の適法性と消防の確認状況を聞かれます。当事務所では、指定申請サポートをご依頼いただいた場合、建築・消防・指定権者の3窓口の回答を1本の記録にまとめてお渡ししています。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

「200㎡以下なら大丈夫ですよね」というご相談に、私は「手続は要りません。でも大丈夫かどうかは別です」とお答えしています。国交省のリーフレットの但し書きは小さく書かれていますが、いちばん大事な一文です。手続が要らないことに安心して、避難経路の不適合で改修が必要になった方を見てきました。図面を持って窓口に行く手間は、その改修費に比べれば小さなものです。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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