— 30秒でわかる結論 —

Q. 障害福祉の指定申請で、建物について出す書類は何ですか?

千葉県が指定権者となる入所・通所系のサービスでは、必要書類一覧の4か所に分かれています。①建物の所有状況(自己所有=建物の全部事項証明書/賃借=建物の賃貸借契約書の写し。いずれか)②建物の安全性等の状況(参考様式14 その1+該当区域のちば情報マップ)③消防検査・点検の実施状況(参考様式14 その2)④事業所・施設の状況(参考様式1 その1 位置図/その2 平面図/その2 別紙 写真台帳)。グループホームはこれに家賃の算出方法と根拠資料が加わります。物件の契約前には、県に建物が設備要件等を満たすかを見てもらえる図面の事前確認(任意)が使え、回答まで3週間程度、申請するのは指定を受けようとする法人、平面図は各部屋の用途と内法の面積、位置図は近隣半径200メートル圏内程度の障害者支援施設・障害福祉サービス事業所・病院の位置(なければ「近隣に該当施設なし」と記載)が求められます(2026年9月19日に千葉県ページで確認。障害児通所支援は県の別ページ、千葉市・船橋市・柏市等は各市が指定権者)。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • これから物件を内見する、または契約書に判を押す直前の方
  • 参考様式14の空欄が埋まらず、何を誰に聞けばよいか分からない方
  • 「契約してから基準を満たさないと分かった」を避けたい方

「建物の書類」は、1枚ではなく4か所に分かれています

物件のご相談でいちばん多い誤解が、「建物については賃貸借契約書を出せばいい」というものです。千葉県が公開している指定申請(新規)に係る必要書類一覧【入所・通所系】を見ると、建物に関する書類は番号の違う4か所に分かれて並んでいます(2026年9月19日に千葉県ページで確認)。1か所でも抜けると、そこで補正になります。

必要書類一覧の番号出すもの押さえる点
20 建物の所有状況【自己所有の場合】建物の全部事項証明書
【賃借の場合】建物の賃貸借契約書(写し)
※どちらか
自己所有か賃借かで書類が変わります。賃借なら契約書の写しがそのまま申請書類になります(制度)
21 建物の安全性等の状況参考様式14 その1「建物の安全性等の状況について」
該当区域のちば情報マップ
築年・構造・階数・延べ床面積・スプリンクラー・土砂災害警戒区域・耐震化を1枚で聞かれます(制度)
21(続き)消防参考様式14 その2「消防検査・点検の実施状況について」管轄消防に確認した結果を書く欄です。指摘がなければ「指摘なし」と記載します(制度)
7 事業所・施設の状況参考様式1 その1 位置図
参考様式1 その2 平面図
参考様式1 その2 別紙 写真台帳
図面と写真です。8番の「設備・備品等一覧表」「設備・備品等の写真等」も実質は建物まわりの書類です(制度)

共同生活援助(グループホーム)だけは、これに家賃の算出方法を記載した書類家賃の額の根拠資料(建物に係る工事等の契約書の写し・領収書の写し等)が加わります(制度)。家賃を利用者から受け取る類型だからです。

賃借の場合、申請書類になるのは「契約書そのもの」です

賃貸借契約書は、要約でも抜粋でもなく写しをそのまま出します。つまり、大家さんと交わした文面が、そのまま県の審査の対象になるということです。千葉県の手引きのチェックリストにも、事業所の所在地が建物の登記簿謄本や賃貸借契約書の写し等と一致しているかという確認項目が置かれています(制度)。

ここから先は当事務所が契約前に必ず見ている点です。原典に列挙があるわけではなく、補正になった実例から逆算した実務の整理です(当事務所の見解)。

契約前に見る欄何が起きるか
物件の表示(所在地)申請書・付表・運営規程・登記簿と一字一句そろっているか。「3-1-5」と「三丁目1番5号」、ビル名の有無、部屋番号の有無で照合が止まることがあります
契約者の名義指定を受けるのは法人です。代表者個人の名義で先に契約してしまうと、法人名義への変更や転貸の整理が必要になります。法人設立前に物件を押さえたい場合は、契約の形を先に相談してください
使用目的(用途)の条項「事務所として使用する」のままだと、障害福祉サービス事業所としての使用が契約上読めません。契約書に事業所としての使用を明記してもらうのが安全です
契約期間と更新指定日より後に始まる契約、指定日をまたぐ短い契約期間は、事業の継続性の説明を求められることがあります
原状回復と造作の扱い指定基準を満たすための間仕切り・手すり・トイレ改修が、契約上できるかどうか。「造作不可」の物件で基準を満たせず断念した例があります
転貸・又貸しの可否グループホームでサブリース型を取る場合や、多機能型で区画を分ける場合に関係します

— この段階でご相談いただく理由 —

賃貸借契約は、いったん結んでしまうと直すのに大家さんの同意が要ります。名義・使用目的・造作の3つは、契約書に判を押す前なら無料で直せて、押した後は交渉事になります。契約書の案と図面をいただければ、指定申請で引っかかる箇所だけを絞ってお伝えします。

指定申請サポート 60分無料相談(オンライン可)→

参考様式14 その1が聞いてくるのは、築年・土砂災害・耐震の3つ

この様式は物件が決まってから書くものだと思われがちですが、書けない欄があるかどうかを内見の段階で確かめておくための様式でもあります。記入欄は次のとおりです(2026年9月19日に千葉県の様式PDFで確認)。

書くこと内見で確かめておくこと
建物情報建築年月日/構造/階数(延べ床面積)/スプリンクラー設置状況/自己所有か賃貸借か/建物全部使用か一部使用か(一部なら階数と面積)築年と延べ床面積が分かる資料を大家さんから受け取れるか。「不明」のチェック欄はありますが、不明が続くと確認を求められます
土砂災害確認等情報事業者がちば情報マップで土砂災害警戒区域等の該当の有無を確認し、指定等の有無を記載。確認した画面を印刷し、事業所の場所に印を付けて添付します。区域に近接している場合は、具体的な対応方針を示した避難計画等を添付します内見の前にマップで住所を引けます。近接していれば避難計画という作業が1つ増えます(マップの記載に疑義が生じた場合は、建物の所在地区を管轄する土木事務所に確認します)
耐震化情報昭和56年5月以前に建築確認を受けた建物、または建築確認の時期が不明な建物が対象。耐震診断の要否、診断の実施状況・結果、未実施の場合は今後の予定と理由まで書きます。昭和56年6月以降の建物は以降の回答不要築年だけでなく建築確認の時期で切られます。また様式の注記には、昭和56年6月以降の建物でも建築確認または完了検査が実施されていない場合は耐震診断の要否等を確認する場合があるとあります

最後の1行が実務では効きます。「新しい建物だから耐震は関係ない」ではなく、検査済証があるかどうかが問われる場面があるということです。検査済証のない建物は、用途変更の場面でも同じ壁に当たります(用途変更と200㎡の確認申請)。

参考様式14 その2は、消防に「聞いた結果」を書く欄です

その2は、建物の消防設備等の状況を管轄消防に確認した結果を書く様式です。消防設備を新たに設置・変更して消防検査を受けた場合はその結果を書き、指摘等がない場合は「指摘なし」と記載します。当該建物で消防の確認が不要な場合は点検結果を書きます。点検が必要な建物なら、定められた年数ごとに点検し、必要な場合は管轄消防に届け出たうえで結果を記載します(制度)。

つまりこの様式は、消防署に一度も行っていないと白紙になる構造です。物件を決めてから申請書を書く段階で初めて消防に行くと、設備の追加工事がそこから始まります。用途区分((6)項ロか(6)項ハか)で必要な設備が変わるので、順番としては図面を持って消防に行くのが先です(障害福祉の物件に必要な消防設備)。消防設備の要否そのものの判断は消防署と消防設備士の領分で、当事務所が判定するものではありません。

契約前に使えるのが、千葉県の「図面の事前確認」です

建物が設備要件等を満たしているかを、申請前に県に見てもらえる仕組みがあります。これが図面の事前確認です。重要なのは次の3点です(2026年9月19日に千葉県ページで確認)。

項目内容
位置づけ任意。指定申請にあたって必須とされているものではありません(制度)
対象入所系・通所系サービス(療養介護を除く)
申請できる人その建物を使用して指定を受けようとする法人が行います。物件のオーナーや仲介業者が代わりに聞く仕組みではありません
方法ちば電子申請サービスから。原則として郵送・メールによる提出は認められていません
回答まで3週間程度

提出書類は3点と、必要に応じた参考資料です。ここの書き方の指定が細かく、そのまま「物件を見るときのチェックリスト」になります。

提出書類記載事項として求められていること
位置図最寄駅等との位置関係、移動手段、所要時間を記載(必要に応じて縮尺の異なる複数の地図を添付)。近隣(半径200メートル圏内程度)に障害者支援施設・障害福祉サービス事業所・病院がある場合はその位置を記載し、なければ「近隣に該当施設なし」と記載。従たる事業所や共同生活住居を新設する場合は、本体事業所等との位置関係と移動手段・所要時間も記載
平面図各部屋の用途および面積(内法)を記載。多機能型や短期入所など複数のサービスを行う場合は、色分け等でサービスごとに利用する区画と共用部を明確にする
該当するサービスの付表新規指定の場合は不要。申請時点でその建物で行っている事業があれば、全ての事業に係る付表を添付
その他参考となる資料(必要に応じて)建物登記簿謄本/配置図/建物の写真(図面と写真に共通する番号を振るなどして図面上の位置が分かるようにする)/検査済証・耐震基準適合証明書等/ちば情報マップ・ハザードマップ・避難計画書等/事業計画書・資金計画書等

面積が内法で求められている点は、契約前に効きます。募集図面や契約書の面積は壁芯であることが多く、指導訓練室や居室の基準面積を壁芯で計算していると、実測で足りなくなることがあります(図面チェック10項目)。

4か月前・2か月前のスケジュールに、事前確認をどう挟むか

千葉県の障害福祉サービスは、市町村意見申出制度の手続きフローで動きます。指定日から逆算すると、事業相談シートの提出が4か月前の月末まで、指定申請等の書類の提出が2か月前の月末まで、指定は翌月1日付けです(2026年9月19日に千葉県の指定申請フロー図で確認)。図面の事前確認は回答まで3週間程度かかるので、置く場所は自然に決まります。

時期やること建物まわり
5か月前〜物件の内見・条件交渉図面(内法の分かるもの)を入手。ちば情報マップで住所を引く。建築確認・検査済証の有無を大家さんに確認
4か月前より前図面の事前確認を出す(任意)回答3週間。ここで区画が足りなければ、契約前に物件を変えられます
4か月前 月末まで市町村への事前相談/事業相談シートを県へ提出位置図・平面図の添付が求められます
3〜2か月前消防・建築の窓口へ。賃貸借契約参考様式14 その1・その2が書ける状態になる
2か月前 月末まで指定申請等の書類を提出建物の書類4か所+写真台帳をそろえて提出
前月県の審査(補正対応)面積・用途・所在地表記の不一致はここで出ます
指定日翌月1日付けで指定

事前確認は任意です。ただ、契約してしまった後に区画が足りないと分かるのがいちばん高くつきます。任意の制度を、契約の前に置けるかどうかが分かれ目です(当事務所の見解)。

📗 物件・融資・申請の三すくみでは、「契約しないと融資が下りない、物件が確定しないと申請できない」という順番の問題を整理しています。事前確認は、この三すくみを1つほどく道具でもあります。
要確認:本記事は千葉県が指定権者となる障害福祉サービス(入所・通所系)の必要書類一覧・様式にもとづいています。障害児通所支援(放課後等デイサービス・児童発達支援)は県の別ページで様式・必要書類が案内されており、千葉市・船橋市・柏市および我孫子市の一部サービスは各市が指定権者です。訪問系・相談系は別の必要書類一覧になります。建築基準法上の用途変更の要否は建築士・特定行政庁、消防設備の要否は消防署の判断であり、当事務所が判定するものではありません。2026年9月19日時点の整理です。

「この物件で、建物の書類がそろうか」を先に見ます

物件のご相談は、契約書に判を押す前にいただけると、打てる手がいちばん多く残っています。当事務所の60分の無料相談では、いただいた図面と募集条件から、①内法での面積が基準を満たすか②参考様式14で白紙になる欄はどこか③図面の事前確認を出すべき物件か④契約書のどの条項を直してもらうか、の4点を整理してお伝えします。

ご用意いただきたいのは、募集図面(面積の記載があるもの)、住所、建物の築年が分かるもの、賃貸借契約書の案(あれば)です。ご依頼にならなくて構いません。指定申請サポート(220,000円〜・税込)、またはお問い合わせフォームからどうぞ。オンラインで全国対応しています。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|事前相談に「行ける人」が決まっている市があります

柏市は、法人が指定基準を理解しないまま申請を進めることを防ぐため、令和8年7月以降の指定に係る事前相談(付随する問合せを含む)は、責任を負う法人代表者・役員、または事業所管理者・管理責任者からのみ受け付けると案内しています。あわせて、書類の作成や提出は、指定を受ける法人が自ら行うか、委任された行政書士が行うこと、報酬を得て行う書類の作成・提出代行は行政書士の独占業務であることも明記されています(2026年9月19日に柏市ページで確認)。コンサルタント名義で事前相談に同席してもらう段取りは、市によっては通りません。千葉県所管か市所管かで、事前相談の作法そのものが変わります。

※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

物件の相談で私がいちばん最初に見るのは、間取りではなく「内法の面積が書いてあるか」です。募集図面の面積はたいてい壁芯で、指導訓練室の基準をぎりぎりで計算していると、実測で数平米足りません。数平米のために契約を白紙に戻すのは、心情的にとても難しい。だからこそ、判を押す前の一手間なのだと思います。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。

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