— 30秒でわかる結論 —
Q. 視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算は、身体障害者手帳が無いと算定できませんか?
手帳がまだ無い子でも取れるのか迷っている方へ。身体障害者手帳の交付が基本ですが、年齢等により手帳の判定・取得が困難な事情があり、同等の障害の程度であると市町村が判断した場合は対象になり得ます。等級は総合等級ではなく、視覚・聴覚・言語機能それぞれの等級で見ます(こども家庭庁 Q&A VOL.1 問26・令和6年3月29日(2026年11月1日確認))。
この記事は制度の解説です。変更届・加算届・指定更新のスポット代行は、料金と流れを専用のページでご案内しています。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 聞こえや見え方、ことばに重い障害のある子を受け入れ、この加算を取れるか確かめたい児童発達支援の管理者・児童発達支援管理責任者の方
- 手帳の総合等級と障害別の等級のどちらで見るのか、手帳がまだ無い小さな子はどうなるのかで迷っている方
- 千葉県の別紙72を書こうとして、備考の等級の読み方や、誰を専門性のある人として書けばよいかで止まっている方
ご相談いただくと、こう進みます
- 最初の30分の無料相談で、対象になりそうな子の手帳の等級の見方と、手話通訳等や点字の指導ができる職員の配置を一緒に確かめます
- ご依頼後は、市町村への情報共有、別紙72と体制届、手帳の写しの保管の仕方をそろえ、15日の締切から逆算して出します
- その後は、対象の子の利用開始・終了と職員の異動のたびに、届出の見直しが要るかを一緒に点検します
「手帳がまだ無い子でも、視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算は取れる?」と迷っている方へ。手帳は「基本」で、等級は総合等級ではなく障害別の等級で見ます
児童発達支援事業所で、聞こえや見え方、ことばに重い障害のある子の受け入れが決まった。手話ができる職員もいる。視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算を取れそうだと思ったものの、手帳の等級をどう読めばよいのか、まだ手帳を持っていない小さな子はどうなるのか。ここで手が止まる方に向けて、国のQ&Aと留意事項通知、千葉県の様式を並べて読みます。
国のQ&Aに、ほぼそのままの質問が載っています。対象となる児の判定において、手帳の交付を受けていることは必須の要件か、手帳の等級は総合的な判定による等級でよいか、という問いです。答えは、身体障害者手帳の交付を受けていることが基本となる。ただし、年齢等により手帳の判定・取得が困難な事情がある場合であって、同等の障害の程度であると市町村が判断した場合には、対象とすることも可能とする、です(制度。こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A VOL.1」問26・令和6年3月29日(2026年11月1日確認))。
等級については、総合的な判定による等級ではなく、視覚、聴覚又は言語機能を理由として、それぞれの等級であることが必要である、としています(同)。つまり、手帳の表紙の総合等級が重くても、その子の視覚・聴覚・言語機能の障害別の等級が基準に届いていなければ対象になりません(当事務所の見解)。
視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算とは——重い障害のある子に、意思疎通の専門性がある人を置いて支援する加算
ひとことで言うと、視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算とは、視覚又は聴覚若しくは言語機能に重度の障害のある障害児への支援を促進する観点から、当該障害児との意思疎通に関して専門性を有する人材を配置して支援を行った場合に算定する加算です(制度。留意事項通知(障害児通所)⑫の5。改正後・現行とも同文(2026年11月1日確認))。放課後等デイサービスも、児童発達支援の取扱いを準用します(同 放課後等デイサービス⑫の4)。
対象になる子は、留意事項通知が障害の種別ごとに等級で決めています。
| 障害の種別 | 留意事項通知の文言 | 見る欄(当事務所の見解) |
|---|---|---|
| 視覚 | 視覚障害に関して1級又は2級の身体障害者手帳の交付を受けている障害児 | 手帳の視覚障害の等級 |
| 聴覚 | 聴覚障害に関して2級の身体障害者手帳の交付を受けている障害児 | 手帳の聴覚障害の等級 |
| 言語機能 | 言語機能に関して3級の身体障害者手帳の交付を受けている障害児 | 手帳の言語機能障害の等級 |
| 総合等級だけが該当 | 総合的な判定による等級ではなく、視覚、聴覚又は言語機能を理由として、それぞれの等級であることが必要(Q&A 問26) | 対象外 |
| 手帳の判定・取得が困難 | 年齢等により手帳の判定・取得が困難な事情がある場合であって、同等の障害の程度であると市町村が判断した場合には、対象とすることも可能(Q&A 問26) | 市町村の判断を先に確かめる |
(制度。留意事項通知⑫の5(一)、Q&A VOL.1 問26(2026年11月1日確認)。右の列は当事務所の見解です)。手帳の写しを受け取ったら、表紙の等級ではなく、障害名と障害別の等級が書かれた欄を見る、という順番にしておくと読み違えを防げます(当事務所の見解)。
手帳がまだ無い子は——「市町村が判断した場合」に限って対象になり得る
結論として、手帳が無い子を事業所の判断だけで対象にすることはできません。Q&Aの条件は、年齢等により手帳の判定・取得が困難な事情がある場合であって、同等の障害の程度であると市町村が判断した場合、の2つがそろうことです(制度。Q&A VOL.1 問26(2026年11月1日確認))。
受給者証の扱いも国のQ&Aに書かれています。受給者証への記載がされるまでの間は、対象となる障害児に交付されている身体障害手帳の障害別の等級を市町村及び事業所が確認し、写しを事業所で保管していることで算定することでも差し支えない、としています(制度。Q&A VOL.4 問6・令和6年5月24日(2026年11月1日確認))。さらに、算定に当たっては、市町村において決定サービスコードを設定し、各都道府県の国民健康保険団体連合会に送付する必要があることから、あらかじめ市町村に対して、本加算の算定を行うことについて情報共有を行う必要がある、とも書いています(同)。
このため、手帳が無い子の場合も、手帳がある子の場合も、最初に連絡する先は支給決定をした市町村です(当事務所の見解)。
— この段階でご相談いただく理由 —
対象の子の手帳の等級の読み方と、市町村への情報共有、別紙72の記入、体制届の締切を一緒にそろえます。配置する職員の雇用契約と勤務表も、算定の前に見直します。
算定できない4つの場面——手帳の要件を満たしていても取れないことがある
ひとことで言うと、この加算は「対象の子がいる」だけでは取れず、専門性のある人が支援時間帯を通じて、実際にコミュニケーション支援をしていることが前提です。
| 場面 | 原文から | 根拠 |
|---|---|---|
| ①コミュニケーション支援が実質的に不要 | 対象児は手帳の要件を満たしているが、例えばテクノロジーの活用などにより別途の手段でコミュニケーションを図っている場合→不可である | Q&A VOL.1 問27 |
| ②外部から派遣された人が支援 | 他の法人等から専門職員による訪問を受けるなど、外部から派遣された者により当該加算の算定に要する所定の支援を行った場合には、当該加算を算定できない | Q&A VOL.3 問9 |
| ③支援時間帯の一部だけの配置 | 当該障害児に対して支援を行う時間帯を通じて、視覚障害児等との意思疎通に関し専門性を有する者を配置 | 留意事項通知⑫の5(二) |
| ④総合等級だけが該当 | 総合的な判定による等級ではなく、視覚、聴覚又は言語機能を理由として、それぞれの等級であることが必要 | Q&A VOL.1 問26 |
(制度。Q&A VOL.1 問26・問27、VOL.3 問9・令和6年5月2日、留意事項通知⑫の5(2026年11月1日確認))。③は、留意事項通知の「時間帯を通じて」という言葉からの整理です。その子が来ている時間に、専門性のある人が休憩や送迎で抜ける時間帯をどう埋めるかは、勤務表で先に決めておきます(当事務所の見解)。
逆に、緩やかに認められている点もあります。留意事項通知は、当該配置については、指定通所基準の規定により配置すべき従業者によることも可能である。また、常勤換算ではなく単なる配置によることも可能である、としています(留意事項通知⑫の5(二))。つまり、基準人員の児童指導員や保育士が手話通訳等をできるなら、その人を充てることもできます。ただし、その職員は事業者と雇用契約を結んで事業所に配置されている人であることが前提です(Q&A VOL.3 問9)。
「意思疎通に関し専門性を有する者」——誰を置けばよいか
結論として、障害の種別ごとに求められる専門性が違います。留意事項通知は、視覚障害は点字の指導、点訳、歩行支援等を行うことができる者、聴覚障害又は言語機能障害は日常生活上の場面において、必要な手話通訳等を行うことができる者、そして障害のある当事者、の3つを挙げています(制度。留意事項通知⑫の5(三)(2026年11月1日確認))。
人工内耳を使っている子については、Q&Aが、要件を満たしていれば「人工内耳装用児支援加算」と「視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算」を同時に算定することが可能、としています。さらに、人工内耳装用児支援加算で配置が求められる言語聴覚士が、本加算の「意思疎通に関し専門性を有する者」の要件を満たす者である場合、当該者の配置及び支援をもってこれらの要件を満たすこととすることが可能である、とも書いています(制度。Q&A VOL.1 問25(2026年11月1日確認))。
人事15年の目で見ると
手話や点字ができる人を「加算のために1人雇う」と考えると、採用はなかなか進みません。人事の目で見ると、先に確かめたいのは、今いる職員の中に手話通訳等や点字の指導ができる人がいないか、です。留意事項通知は基準人員でも単なる配置でもよいとしているので、今いる人の勤務時間を対象の子の利用時間に合わせて組み替えるほうが早いことがあります。そのうえで、その人が休んだ日に誰が代わるかを決めておかないと、その日は算定できません。専門性のある人に頼り切らず、代わりに入れる人を育てる計画を勤務表と一緒に作っておくと、加算も支援の質も安定します(当事務所の見解)。
千葉県の様式で書くときの注意——別紙72の備考1は、どの障害の等級かが書かれていない
ひとことで言うと、千葉県が指定権者の事業所は、加算届に(別紙72)視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算に関する届出書を使います。別紙72は、視覚障害児等との意思疎通に関し専門性を有する者の職名・氏名と、専門性を有する者が要する資格又は意思疎通の専門性を書く様式です(千葉県「(別紙72)視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算」(2026年11月1日確認))。
読み違えやすいのは、備考1です。別紙72は、本加算の対象として、身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第15条第4項の規定により交付を受けた身体障害者手帳の障害程度が1級又は2級に該当する者、身体障害者手帳の障害の程度が2級に該当する者、身体障害者手帳の障害の程度が3級に該当する者、の3つを並べています(別紙72 備考1)。様式の文面だけを見ると、どれが視覚・聴覚・言語機能のどれに当たるかが書かれていません。留意事項通知の順番(視覚=1級又は2級、聴覚=2級、言語機能=3級)に当てはめて読むのが自然です(当事務所の見解。千葉県の意図は要確認)。
| 別紙72の欄 | 書くときに確かめること(当事務所の見解) |
|---|---|
| 職名・氏名 | 雇用契約を結んで事業所に配置している職員か(外部から派遣された人は不可) |
| 専門性を有する者が要する資格又は意思疎通の専門性 | ⅰ 視覚障害児の専門性については、点字の指導、点訳、歩行支援等に関する専門性/ⅱ 聴覚障害児又は言語機能障害児の専門性については、手話通訳等に関する専門性/ⅲ 障害のある当事者が支援する場合には、当事者としての経験に基づきコミュニケーション支援を行うことができる経験、のどれかを書く |
| 対象の子(様式外で保管) | 手帳の写し(障害別の等級が分かる面)と、受給者証の記載の有無 |
(千葉県 別紙72 備考1・2、Q&A VOL.3 問9・VOL.4 問6(2026年11月1日確認))。千葉県のページは、加算される単位数が増加する場合は、毎月15日(必着)で提出してください、としています。加算要件を満たす場合は、翌月1日から適用になります。16日以降に届いた場合は、翌々月1日から適用になります(千葉県「障害児通所支援及び障害児入所支援の指定・変更等の手続」(2026年11月1日確認))。加算要件を満たさなくなった場合も、速やかに体制届を提出してください、とも書いています(同)。対象の子が利用を終えて他に対象の子がいなくなったときも、届出を見直します(当事務所の見解)。体制届の年間の段取りは加算の体制届の年間管理に、専門職の配置の考え方は専門的支援体制加算の欠勤と有休に、市町村が関わる加算の例は中核機能強化事業所加算の手続にまとめています。
今回の資料に書いていないこと——ここは確かめる
結論として、次の3つは今回読んだ資料では確かめられませんでした。1つ目は単位数で、報酬告示を読んでいないため書いていません(要確認)。2つ目は、手帳の判定・取得が困難な子について、市町村がどの書類で「同等の障害の程度」と判断するかです。市町村ごとに確かめてください(要確認)。
3つ目は、千葉市・船橋市・柏市など、市が指定権者の事業所の様式と締切です。それぞれの市の案内で確かめてください(要確認)。
地域差分——国の取扱いと、千葉県の様式
対象となる子の等級(障害別の等級)、手帳が無い子の扱い、専門性を有する者の範囲、外部派遣の扱いは、国の留意事項通知とQ&Aによる全国共通の取扱いです。
千葉県が指定権者の事業所は、(別紙72)の届出書を使い、加算される単位数が増加する体制届は毎月15日(必着)です。千葉市・船橋市・柏市などが指定権者の事業所は、各市の案内で確認してください(2026年11月1日確認)。
今日やること——3つだけ
まず、対象になりそうな子の手帳の写しで、表紙の総合等級ではなく、視覚・聴覚・言語機能の障害別の等級を確かめます。手帳がまだ無い子は、支給決定をした市町村に、同等の障害の程度と判断してもらえるかを聞きます。で、手話通訳等や点字の指導ができる職員が、その子の支援時間帯を通じていられるかを勤務表で見ます。最後に、市町村へ算定の情報共有をしてから、別紙72と体制届を15日の締切から逆算して出します。この3つで、「うちも取れるのかな」が「この子なら、この順番で取れる」に変わります。
参考にした一次資料
- こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A VOL.1」(令和6年3月29日。問25〜問27。千葉県掲載)(2026年11月1日確認)
- こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A VOL.3」(令和6年5月2日。問9。千葉県掲載)(2026年11月1日確認)
- こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A VOL.4」(令和6年5月24日。問6。千葉県掲載)(2026年11月1日確認)
- 「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」新旧対照表(⑫の5 視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算の取扱い。船橋市掲載)(2026年11月1日確認)
- 千葉県「(別紙72)視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算」(2026年11月1日確認)
- 千葉県「障害児通所支援及び障害児入所支援の指定・変更等の手続」(2026年11月1日確認)
- 千葉県「指定申請等に関する提出様式(障害児通所支援及び障害児入所支援)」(2026年11月1日確認)
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内で確かめること
千葉県が指定権者の事業所の加算届は、千葉県の「指定申請等に関する提出様式」のページの体制届(加算別紙1・別紙72)で出します。手帳が無い子の判断と、算定の情報共有の窓口は、支給決定をした市町村の障害児支援の担当課です(2026年11月1日確認)。
※2026年11月1日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
この加算は、手帳の等級を一つ読み違えるだけで、届出の前提が崩れます。まずは対象になりそうな子の手帳の写しを1枚出して、表紙の等級ではなく障害別の等級の欄を指でなぞってみてください。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/2級FP技能士(AFP)/国家資格キャリアコンサルタント。
障害福祉・障害児支援とNPO法人を専門にしています。放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援A型・B型・グループホーム(共同生活援助)などの指定申請、処遇改善加算・変更届・指定更新・運営指導(実地指導)への対応を支援します。NPO法人は、設立認証から事業報告書・役員変更などの運営まで支援します。
企業人事15年の経験を土台に、児発管・サビ管の採用・定着、融資・補助金や資金繰りまで、「書類・人・お金」を一体で支えます。