— 30秒でわかる結論 —

Q. 世話人が有給休暇を取った週も、グループホームの人員配置体制加算では1人として数えられますか?

有給休暇を取った世話人を、加算の計算でも1人と数えてよいか迷っている方へ。数えられません。人員配置体制加算は特定従業者数換算方法で数え、有給休暇や病休はそのまま特定従業者数換算数が減ります。勤務延べ時間は事業所の常勤の時間ではなく40時間で割ります(厚生労働省 Q&A VOL.1 問36・問37、留意事項通知⑦(2026年10月31日確認))。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 人員配置体制加算を届け出たグループホームで、有給休暇を取った週の数え方に迷っている管理者・サービス管理責任者の方
  • 常勤の勤務時間が週40時間より短く、加算の計算が合っているか不安な方
  • これから人員配置体制加算を取りたくて、勤務表をどう組めばよいか確かめたい方

ご相談いただくと、こう進みます

  1. 最初の30分の無料相談で、今の勤務表と届け出ている区分を一緒に見て、40時間で数え直したときに足りているかを確かめます
  2. ご依頼後は、基準上の時間と加配の時間を分けて数える表を作り、有給休暇や病休が入った週の見積もりの仕方をそろえます
  3. その後は、月ごとに実績を点検し、区分の変更や届出が要るときに早めにお知らせします

世話人が有給休暇を取った週も、人員配置体制加算は取れるのか。休んだ時間は、そのまま加算の数から減ります

グループホームで人員配置体制加算を届け出た。常勤の世話人が有給休暇を取った週、指定基準の人員としては今までどおり1人と数えてきた。加算の計算でも同じでよいのか。ここで手が止まる方に向けて、国のQ&Aと留意事項通知を並べて読みます。

国のQ&Aに、ほぼそのままの質問が載っています。従来の常勤換算方法では、常勤で雇用される従業者は有給休暇や病休(1月未満に限る)があっても常勤換算数1人として計算していたが、特定従業者数換算方法においては雇用形態を問わずに計算するのか、有給休暇や病休があった場合、そのまま特定従業者数換算数が減る計算になるのか。答えは「貴見のとおり」です(制度。厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1」問37・令和6年3月29日(2026年10月31日確認))。

つまり、加算の計算では、常勤かどうかに関係なく、実際に勤務した時間で数えます。有給休暇や病休の時間は、加算の数に入りません(当事務所の見解)。

特定従業者数換算方法とは——勤務延べ時間を「40時間」で割って人数に直す、加算のための数え方

ひとことで言うと、特定従業者数換算方法とは、世話人等の勤務延べ時間数を、事業所の常勤の時間ではなく「40 時間」で除して、従業者の員数に換算する方法です(制度。留意事項通知 共同生活援助 ⑦。改正後・現行とも同文(2026年10月31日確認))。

原文で割る対象は、「指定障害福祉サービス基準の規定により置くべき世話人等」及び「当該加算を算定するに当たり加配すべき世話人等」の勤務延べ時間数です(同)。それぞれ「当該事業所において常勤の従業者が勤務すべき時間数」に変えて「40 時間」で除する、と書かれています(同)。基準上の人員も、加配の人員も、どちらも40時間で割る点が大切です。

加算の要件は、改定の概要に書かれています。人員配置体制加算(Ⅰ)は、指定共同生活援助事業所に置くべき世話人及び生活支援員に加え、特定従業者数換算方法で、利用者の数を12で除して得た数以上の世話人又は生活支援員が配置されている事業所、(Ⅱ)は利用者の数を30で除して得た数以上の事業所です(制度。厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」令和6年2月6日(2026年10月31日確認))。(Ⅰ)を算定している場合は、(Ⅱ)は算定しない、とされています(同 別紙5)。

この加算ができた背景も押さえておきます。改定の概要では、共同生活援助サービス費は見直し後、世話人の配置6:1以上に一本化されました(同)。手厚く配置している事業所は、加算で評価する形に変わったということです(当事務所の見解)。

比べる点常勤換算方法(指定基準の人員)特定従業者数換算方法(人員配置体制加算)
使う場面指定基準上の世話人・生活支援員がそろっているか基準上の人員に加えて、加配がそろっているか
割る時間当該事業所において常勤の従業者が勤務すべき時間数40 時間(事業所の常勤の時間にかかわらず)
常勤が週35時間の事業所これまでどおり週 35 時間で計算加算の必要加配数を算出する際にのみ40時間
有給休暇・病休Q&Aの質問文では、1月未満なら常勤換算数1人として計算していた雇用形態を問わず、そのまま特定従業者数換算数が減る
根拠指定基準 第二条第十六号・第二百八条留意事項通知⑦・Q&A VOL.1 問36・問37

(制度。指定障害福祉サービス基準 第二条第十六号・第二百八条、留意事項通知⑦、Q&A VOL.1 問36・問37(2026年10月31日確認))。問36は、常勤時間が週 35 時間と定めている事業所について、当該加算の必要加配数を算出する際にのみ特定従業者数換算方法を適用し、指定基準上の人員配置に係る常勤換算の算出時は、これまでどおり週 35 時間で計算する、という理解を「貴見のとおり」としています(Q&A VOL.1 問36)。1つの事業所で、2つの数え方を並べて持つことになります(当事務所の見解)。

計算の例——利用者15人なら、1週間に延べ308時間以上

結論として、留意事項通知の例では、利用者15人の事業所が人員配置体制加算(Ⅰ)を取るには、1週間に延べ合計 308 時間以上の勤務が要ります(制度。留意事項通知⑦の例(2026年10月31日確認))。内訳は次のとおりです。

区分留意事項通知の式(1週間)時間
世話人(基準)40 時間×(15÷6)人100 時間
生活支援員 区分6(基準)40 時間×(5÷2.5)人80 時間
生活支援員 区分5(基準)40 時間×(4÷4)人40 時間
生活支援員 区分4(基準)40 時間×(6÷6)人40 時間
加配すべき世話人等(加算(Ⅰ))40 時間×(15÷12)人48 時間
合計308 時間以上

(例の前提は、利用者を 15 人(区分6が5人、区分5が4人、区分4が6人)とし、常勤の勤務時間を1週間 40 時間とした場合です。留意事項通知⑦(2026年10月31日確認))。世話人の6、生活支援員の2.5・4・6は、指定基準 第二百八条の、世話人は利用者の数を六で除した数以上、生活支援員は区分四を六で、区分五を四で、区分六を二・五で除した数の合計数以上、から来ています(制度。指定基準 第二百八条第一項)。

常勤の時間が短い事業所は、ここで差が出ます。同じ例で常勤の勤務時間が1週間 32 時間の場合、基準上の世話人等は延べ 208 時間となることから、人員配置体制加算(Ⅰ)を算定するために加配すべき世話人等の勤務時間の延べ数は、308 時間-208 時間=100 時間以上確保する必要がある、とされています(留意事項通知⑦の例)。加配の分は48時間ではなく100時間です。基準を常勤の時間で満たしていても、加算は40時間で数え直すので、足りない分がすべて加配に乗ります(当事務所の見解)。

端数と休憩の扱いも原文にあります。計算の過程において、小数点以下の端数が生じる場合については、小数点第2位以下を切り捨てるものとする、とされています(留意事項通知⑦)。また、労働基準法第 34 条第1項における最低限確保すべきとされている程度の休憩時間ついては含めるものとして差し支えない、とも書かれています(同)。

— この段階でご相談いただく理由 —

勤務表から、基準上の時間と加配の時間を40時間で数え直し、有給休暇や病休が入った週に足りるかを一緒に確かめます。届出の区分が今の体制に合っているかも点検します。

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有給休暇や病休の週——延べ時間が減った分、加算の要件を下回らないか先に見る

ひとことで言うと、有給休暇や病休で勤務しなかった時間は、特定従業者数換算では引かれます(制度。Q&A VOL.1 問37(2026年10月31日確認))。例えば上の例で1週間に延べ308時間ちょうどで勤務表を組んでいた場合、誰かが有給休暇を取ると、その週はその時間の分だけ308時間を下回ります(当事務所の見解)。

そこで、勤務表を作る段階で、有給休暇の予定が入っても要件を下回らないだけの余裕を、加配の側に持たせておくことが考えられます(当事務所の見解)。病休は予定できないので、代わりに入れる職員を先に決めておきます(同)。加算の算定を続けるかどうか、区分を(Ⅰ)から(Ⅱ)に変えるかどうかは、指定権者の届出の取扱いを確かめてから判断します(要確認)。

毎月の点検原文の要件勤務表で見ること(当事務所の見解)
割る時間勤務延べ時間数を「40 時間」で除する事業所の常勤の時間(例:週 35 時間)で割っていないか
基準上の人員世話人は利用者の数を六で除した数以上、生活支援員は区分ごと加算の計算でも、基準上の人員を40時間で数え直しているか
加配の人員(Ⅰ)は利用者の数を12、(Ⅱ)は30で除して得た数以上基準上の時間を引いた残りが加配に足りているか
有給休暇・病休そのまま特定従業者数換算数が減る休んだ時間を実績から引いて、要件を下回る週がないか
端数と休憩小数点第2位以下を切り捨て。最低限の休憩時間は含めてよい切り上げていないか。休憩の扱いを月ごとに変えていないか

(制度。留意事項通知⑦、Q&A VOL.1 問36・問37、指定基準 第二百八条、改定の概要(2026年10月31日確認))。この点検表は、生活介護の人員配置体制加算の数え方(生活介護の人員配置体制加算と前年度の平均利用者数)とは別物です。生活介護は常勤換算方法、グループホームは特定従業者数換算方法と、同じ名前の加算でも数え方が違います(当事務所の見解)。

障害児の通所の専門的支援体制加算では、専門職員の欠勤・有休の扱いを別に整理しています(専門的支援体制加算と専門職員の欠勤・有休)。サービスごとに休暇の数え方が違うので、多くのサービスを運営している法人ほど、加算ごとの数え方を一覧にしておくと安心です(当事務所の見解)。グループホームのほかの加算では、自立生活支援加算(Ⅰ)の回数と期間も書いています。

人事15年の目で見ると

有給休暇は、取らせない方向で帳尻を合わせると、職員の定着に響きます。人事の目で見ると、この加算は「有給休暇を取っても要件を下回らない勤務表」を先に作れるかどうかの加算です。年の初めに職員ごとの有給休暇の予定を聞いて、取りやすい時期を勤務表に先に入れ、その週の加配の時間を厚めに組む。病休に備えて、代わりに入れる非常勤の職員を複数決めておく。加算のために休みを我慢させる形にしないことが、結局は加算を長く続ける近道です(当事務所の見解)。

日中サービス支援型と外部サービス利用型——加配の割合が違う

結論として、ここまでの12:1・30:1は介護サービス包括型の割合です。改定の概要の別紙5では、日中サービス支援型は人員配置体制加算(Ⅴ)(加配 7.5:1)・(Ⅵ)(加配 20:1)、外部サービス利用型は(ⅩⅢ)(加配 12:1)・(ⅩⅣ)(加配 30:1)とされています(制度。改定の概要 別紙5(2026年10月31日確認))。どの類型でも、特定従業者数換算方法で数える点は同じです(同)。日中サービス支援型の仕組みは日中サービス支援型とはにまとめています。

今回の資料に書いていないこと——ここは確かめる

結論として、次の2つは今回読んだ資料では確かめられませんでした。1つ目は、単位数がその後の改定で変わっていないかで、ここでは単位数を書いていません(要確認)。2つ目は、指定権者が届出の際に、どの期間の勤務実績で要件を確かめるのか、有給休暇で要件を下回った週があったときにどう扱うのかです(要確認)。

地域差分——国の取扱いと、千葉県のページ

特定従業者数換算方法(40時間で割る)、有給休暇や病休の扱い、計算の例は、留意事項通知と国のQ&Aによる全国共通の取扱いです。

千葉県のページには、人員配置体制加算に関する届出書(共同生活援助)として別紙37が掲載されています。加算等の取得又は変更を適用する月の前月15日【必着】までに、ちば電子申請サービスで提出します。千葉市、柏市、船橋市で行う事業及び我孫子市で行う共同生活援助の事業所は、各指定権者へ届け出ます(2026年10月31日確認)。

今日やること——3つだけ

まず、直近の勤務表を出して、基準上の世話人・生活支援員と加配の分を、事業所の常勤の時間ではなく40時間で割って数え直します。で、その月に入った有給休暇と病休の時間を実績から引き、要件を下回った週がないかを確かめます。最後に、来月以降の有給休暇の予定を先に聞いて、その週の加配を厚めに組み、病休のときに入る職員を決めておきます。この3つで、「有給の週も1人で数えていいのかな」が「40時間で数え、休んだ分を引いても足りる勤務表」に変わります。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内で確かめること

千葉県が指定権者のグループホームは、人員配置体制加算に関する届出書(共同生活援助)別紙37を、適用する月の前月15日【必着】までに提出します。千葉市・柏市・船橋市・我孫子市のグループホームは、それぞれの市の届出ページで様式と期限を確認します(2026年10月31日確認)。

※2026年10月31日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

加算の計算は、勤務表の数字を一度40時間で数え直すだけで、足りているかどうかがはっきりします。まずは先月の勤務表を1枚出して、有給休暇の時間を引いてみてください。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/2級FP技能士(AFP)/国家資格キャリアコンサルタント。
障害福祉・障害児支援とNPO法人を専門にしています。放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援A型・B型・グループホーム(共同生活援助)などの指定申請、処遇改善加算・変更届・指定更新・運営指導(実地指導)への対応を支援します。NPO法人は、設立認証から事業報告書・役員変更などの運営まで支援します。
企業人事15年の経験を土台に、児発管・サビ管の採用・定着、融資・補助金や資金繰りまで、「書類・人・お金」を一体で支えます。

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