— 30秒でわかる結論 —
Q. 不登校の子の個別サポート加算(Ⅲ)は、事業所の判断だけで算定できますか?
学校に行けていない利用児がいて、個別サポート加算(Ⅲ)を取れるか迷っている方へ。事業所の判断だけでは足りません。保護者の同意を得て学校と情報共有し、事業所と学校の間で連携した支援が必要と判断されてから始めます。学校との情報共有と家族への相談援助は月1回以上です(こども家庭庁 Q&A VOL.1 問49・留意事項通知⑫の7(2026年10月30日確認))。
この記事は制度の解説です。運営中の事業所の顧問・相談窓口は、料金と流れを専用のページでご案内しています。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 学校に行けていない利用児がいて、個別サポート加算(Ⅲ)を取れるのか確かめたい放課後等デイサービスの管理者・児童発達支援管理責任者の方
- 保護者や学校に、加算の話をどう切り出せばよいか迷っている方
- 授業時間帯に来ている子の計画時間と延長支援時間の置き方を確かめたい方
ご相談いただくと、こう進みます
- 最初の30分の無料相談で、対象になりそうな子の状況と、保護者・学校とのやりとりの今の状態を一緒に確かめます
- ご依頼後は、同意書、学校との情報共有と家族への相談援助の記録様式、個別支援計画の書き方をそろえます
- その後は、月ごとに記録の抜けと、ほかの加算との重なりを点検し、市町村から確認があったときの説明に備えます
学校に行けていない子が放課後等デイサービスに来ている。個別サポート加算(Ⅲ)は事業所の判断だけでは取れません。保護者の同意と、学校との連携が要件です
放課後等デイサービスに通っている子が、学校には行けていない。事業所には来られるし、職員とも話せる。不登校の子を支援すると加算があると聞いて、うちも取れるのかと調べ始める。ここで止まる方に向けて、国のQ&Aと事務連絡、留意事項通知を並べて読みます。
国のQ&Aにも、ほぼそのままの質問が載っています。「本加算の対象となる不登校の状態にある障害児は、事業所が判断すれば足りるのか。」答えは、事業所が不登校の状態にあると考えた障害児について、保護者の同意を得た上で、学校と情報共有を行い、事業所と学校の間で、緊密な連携を図りながら支援を行うことが必要であると判断された場合に、支援の取組を進めていくことを想定している、というものです(制度。こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A VOL.1」問49・令和6年3月29日(2026年10月30日確認))。
つまり、事業所の判断は入口にすぎません。保護者の同意と、学校との情報共有を経て「必要」と判断されて、はじめて加算の支援が始まります(当事務所の見解)。
個別サポート加算(Ⅲ)とは——不登校の状態にある子を、学校と家庭と連携して支える放課後等デイサービスの加算
ひとことで言うと、個別サポート加算(Ⅲ)とは、不登校の状態にある障害児に対して、学校及び家族等と緊密に連携を図りながら、指定放課後等デイサービスを行う場合に評価を行う加算です(制度。留意事項通知(障害児通所)⑫の7。改正後・現行とも同文(2026年10月30日確認))。改定の概要では、個別サポート加算(Ⅲ)は70単位/日です(厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」令和6年2月6日(2026年10月30日確認))。
こども家庭庁は、令和6年4月22日の事務連絡「個別サポート加算(Ⅲ)の創設と取扱いについて」で、取扱いを詳しく示しました。そこには、本加算の取扱いを事業所が十分に把握しないままに算定することで、保護者や学校とのトラブルに繋がり、ひいては障害児の支援に支障が生じることも想定される、と書かれています(こども家庭庁 事務連絡・千葉県のページに掲載(2026年10月30日確認))。国が、取り方を誤ったときの影響まで先に書いている加算です。
対象になる子——欠席日数の決まりはなく、三者の共通理解で判断する
結論として、何日休んだら対象、という線はありません。事務連絡は、具体的な欠席日数による要件を定めているところではないが、直近の欠席状況を踏まえて判断されたい、としています(事務連絡 記3(2026年10月30日確認))。
対象の定義は、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくてもできない状況にあるため、長期的継続的もしくは断続的に欠席している障害児(病気や経済的な理由による者は除く。)です(同)。そのうえで、対象になるか否かは、学校、家庭、事業所の三者の共通理解の下で判断されたい、と書かれています(同)。
市町村の手続も確かめておきます。事務連絡は、通所給付決定時に対象か否かを決定し、受給者証に印字することは不要である、としています(事務連絡 記4)。その代わり、市町村は請求の審査の際に、必要に応じて学校及び家庭との連携の状況などを個別に確認し、事業所は求めに応じて説明を行う必要がある、とされています(同)。受給者証に書いていないからこそ、説明できる記録が要ります(当事務所の見解)。
| 順 | 確かめること | 原文から | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 1 | 事業所が、不登校の状態にあると考えたか | 事業所が、不登校の状態にあると考えた障害児について | Q&A VOL.1 問49 |
| 2 | 病気や経済的な理由による欠席ではないか | 病気や経済的な理由による者は除く | 事務連絡 記3・留意事項通知⑫の7(一) |
| 3 | 保護者の同意を得たか | あらかじめ保護者の同意を得た上で | 事務連絡 記3・記5(1) |
| 4 | 学校と情報共有し、緊密な連携が必要と判断されたか | 事業所と学校との間で、緊密な連携を図りながら支援を行うことが必要であると判断された | 事務連絡 記3 |
| 5 | 学校と連携して個別支援計画を作ったか | 個別支援計画の作成に当たっては、学校と連携して作成すること | 事務連絡 記5(1) |
| 6 | もともと信頼関係の下で通えている子か | これまで当該放課後等デイサービスの利用をしていなかった不登校の状態にある障害児を集めて、一方的に支援を行うことは想定していない | 事務連絡 記7 |
(制度。Q&A VOL.1 問49、事務連絡 記3・記5・記7、留意事項通知⑫の7(2026年10月30日確認))。1〜5のどこかが欠けたまま算定を始めると、順番が逆です。特に6は、加算を取るために不登校の子を新しく集める使い方を、国がはっきり想定していないと書いている点です(当事務所の見解)。
毎月やること——学校との情報共有と家族への相談援助、どちらも月1回以上
ひとことで言うと、毎月、学校と1回以上、家族と1回以上やりとりし、どちらも記録を残します。留意事項通知は、学校との情報共有を、月に1回以上行うこと、その実施日時、内容に関する要点をまとめた記録を作成し、学校に共有すること、情報共有は対面又はオンラインにより行うこと、としています(制度。留意事項通知⑫の7(三)(2026年10月30日確認))。
家族については、家族への相談援助を月に1回以上行うこと、相談援助は、居宅への訪問、対面、オンラインいずれの方法でも問わないが、個別での相談援助を行うこと、とされています(同(四))。相談援助では、障害児や家族の意向及び居宅での過ごし方の把握、放課後等デイサービスにおける支援の実施状況等の共有を行い、要点をまとめた記録を作成します(同)。
| 毎月の点検 | 原文の要件 | 記録に残すこと(当事務所の見解) |
|---|---|---|
| 学校との情報共有 | 月に1回以上。対面又はオンライン | 実施日時・相手・要点。記録を学校に共有した日 |
| 不登校の状態の確認 | 学校との情報共有で、不登校の状態について確認 | 直近の欠席状況と、本人の様子の変化 |
| 継続の要否 | 学校と事業所との間で本加算による支援の継続の要否について検討 | 続ける・終える、の結論と理由 |
| 家族への相談援助 | 月に1回以上。個別で。訪問・対面・オンラインのいずれでも | 実施日時・方法・家族の意向・居宅での過ごし方 |
| 市町村からの確認 | 確認があったときは、当該状況等について回答 | いつでも出せるよう、上の記録を1か所にまとめる |
(制度。留意事項通知⑫の7(三)〜(六)、事務連絡 記5(2026年10月30日確認))。もう1つ大事なのは、ほかの加算との関係です。留意事項通知は、学校との連携及び家族等への相談援助については、関係機関連携加算(Ⅰ)及び(Ⅱ)、家族支援加算(Ⅰ)は算定できない、としています(同(七))。同じ1回の連絡で2つの加算を取ることはできません。関係機関連携加算の数え方は関係機関連携加算は電話だけでは取れないに、家族支援加算は家族支援加算の訪問と時間に書いています。
— この段階でご相談いただく理由 —
保護者の同意書、学校との情報共有の記録、家族への相談援助の記録、個別支援計画の書き方を一緒にそろえます。ほかの加算と重ねて請求していないかも、月ごとに点検します。
授業時間帯に来る子——加算を取っているときだけ、計画時間と延長支援時間を置ける
結論として、学校の授業時間帯に支援を計画に入れられるのは、この加算の枠組みの下にあるときです。事務連絡は、本加算を算定している場合には、授業時間帯である時間においても、計画時間(発達支援を提供する時間)又は延長支援時間を個別支援計画に位置付けることができるものとする、としています(事務連絡 記8(2026年10月30日確認))。延長支援時間については、計画時間の前又は後あるいは前後共に設定することも可能とする、とも書いています(同)。
逆に、学校や家庭との連携が図られていない状況下で、授業時間帯である時間内に、発達支援又は延長支援が提供されることは想定していない、とされています(同)。そうした状況が生じている場合には、学校及び家庭と必要な連携を図り、本加算の枠組みの下で支援を進めるよう取組まれたい、とも書いています(同)。
| 別紙の例 | 計画時間 | 延長支援時間 |
|---|---|---|
| 例1-① 午前から利用(前半を延長支援) | 後半に置く(時間区分2で算定) | 前半に置く(2時間以上で算定) |
| 例1-② 午前から利用(前半を計画時間) | 前半に置く(時間区分2で算定) | 後半に置く(2時間以上で算定) |
| 例③ 授業終了後から利用 | 授業終了後に置く(時間区分2で算定) | なし |
| 加算を算定していない場合 | 授業終了後の計画時間 | 授業時間帯に支援が必要なら、本加算の枠組みの下で支援を進める |
(こども家庭庁 事務連絡の別紙「個別サポート加算(Ⅲ)を算定している場合の計画時間及び延長支援時間の取扱いについて」(2026年10月30日確認)。例2の午後から利用する場合も同じ組み立てです)。別紙の留意点には、授業時間帯である時間内に計画時間を位置づけることも可能で、この場合においては、計画時間を3時間超過した以降の時間帯が延長支援時間となる、とあります(同)。ただし、本来であれば学校において教育が提供される時間帯であることから、こども本人の意思を尊重しながら、必要性について十分に検討を行った上で位置づけること、とされています(同)。時間区分の考え方は早退した日の時間区分に、延長支援加算は延長支援加算の看護職員の配置にまとめています。
人事15年の目で見ると
この加算は、職員の側から見ると「外との窓口」を1人決める仕事です。学校の担当の先生、保護者、市町村の確認、と相手が3つあり、担当が日によって変わると、記録の書き方も、学校に伝える中身もばらつきます。人事の言葉でいえば、役割と責任者をはっきりさせないまま仕事を増やすと、いちばん気の回る職員に負担が寄ります。始める前に、子ごとの連絡の担当者と、休んだときの代わりを決め、月1回の学校との情報共有の日を先に予定に入れておくと、記録の抜けも、特定の職員の抱え込みも防げます(当事務所の見解)。
終えるときと、始める前の注意——不登校であることだけでは取れない
ひとことで言うと、この加算は「不登校の子がいる」だけでは取れず、連携が続かなくなれば終える加算です。事務連絡は、障害児が不登校の状態に該当することのみをもって算定ができるものではないことに留意すること、としています(事務連絡 記5(1)(2026年10月30日確認))。例えば授業終了後に利用する場合であっても、算定は可能である、とも書いています(同)。
続けるかどうかは、学校との情報共有の場で検討します。留意事項通知は、学校と事業所との間で本加算による支援の継続の要否について検討を行うこと、その結果、本加算の算定を終結する場合にあっても、その後の支援においては、学校との連携に努めること、としています(留意事項通知⑫の7(五))。さらに事務連絡は、不登校の状態のみをもって障害児通所給付費の対象とする趣旨のものではない、としています(事務連絡 記10)。受給者証を持って通っている子が対象で、加算のために新しく利用を始めてもらう制度ではありません(当事務所の見解)。
保護者への説明の順番も大切です。事務連絡は、信頼関係が築けていない場合に、一方的に加算の算定に係る同意や連携を求めることは、信頼関係を損ねるのみならず、不登校の状態にある障害児にも好ましくない影響が生じる恐れがある、としています(事務連絡 記7)。同意書を先に渡すのではなく、まず子どもの様子と、学校とどう連携したいかを話してから、同意の話をします(当事務所の見解)。個別支援計画の交付の段取りは個別支援計画の交付に書いています。
今回の資料に書いていないこと——ここは確かめる
結論として、次の2つは今回読んだ資料では確かめられませんでした。1つ目は、指定権者や支給決定をする市町村が、国の事務連絡のほかに、独自の提出書類や事前の連絡を求めているかどうかです(要確認)。2つ目は、単位数がその後の改定で変わっていないかで、ここでは改定の概要の70単位/日だけを書いています(要確認)。
地域差分——国の取扱いと、千葉県のページ
対象の考え方、保護者の同意、学校との情報共有と家族への相談援助(いずれも月1回以上)、授業時間帯の計画時間の扱いは、こども家庭庁の事務連絡と留意事項通知による全国共通の取扱いです。
千葉県のページは、「報酬改定に係る国からの事務連絡等」に、国の事務連絡と別紙を掲載しています。県独自の届出様式や提出物の案内は、ページ上では見当たりませんでした(当事務所の確認範囲)。支給決定をする市町村の運用は、それぞれの市町村で確認してください(2026年10月30日確認)。
今日やること——3つだけ
まず、学校に行けていない利用児について、欠席の理由が病気や経済的な理由ではないかを確かめ、保護者と、学校とどう連携したいかを話します。で、保護者の同意を得たら、学校の担当の先生と情報共有の場を持ち、連携して支援する必要があるかを一緒に判断し、学校と連携して個別支援計画を作ります。最後に、学校との情報共有と家族への相談援助を毎月1回以上の予定に入れ、記録の様式を決め、関係機関連携加算や家族支援加算と重ねて請求していないかを確かめます。この3つで、「うちも取れるのかな」が「この順番で、記録を残して取る」に変わります。
参考にした一次資料
- こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A VOL.1」(令和6年3月29日。問49。千葉県掲載)(2026年10月30日確認)
- こども家庭庁 事務連絡「個別サポート加算(Ⅲ)の創設と取扱いについて」(令和6年4月22日。千葉県掲載)(2026年10月30日確認)
- 同 別紙「個別サポート加算(Ⅲ)を算定している場合の計画時間及び延長支援時間の取扱いについて」(2026年10月30日確認)
- 「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」新旧対照表(⑫の7 個別サポート加算(Ⅲ)の取扱い。船橋市掲載)(2026年10月30日確認)
- 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(令和6年2月6日)(2026年10月30日確認)
- 千葉県「障害児通所支援及び障害児入所支援の指定・変更等の手続」(2026年10月30日確認)
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内で確かめること
千葉県のページには、国の事務連絡「個別サポート加算(Ⅲ)の創設と取扱いについて」と別紙が掲載されています。請求の審査で連携の状況を確認するのは支給決定をする市町村なので、利用児の住む市町村の障害児支援の担当課の運用も確かめます(2026年10月30日確認)。
※2026年10月30日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
この加算は、書類の数より、保護者と学校との話し合いの順番で決まる加算だと思います。同意書を作る前に、まずその子が事業所でどう過ごせているかを保護者と学校に伝えるところから始めてみてください。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/2級FP技能士(AFP)/国家資格キャリアコンサルタント。
障害福祉・障害児支援とNPO法人を専門にしています。放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援A型・B型・グループホーム(共同生活援助)などの指定申請、処遇改善加算・変更届・指定更新・運営指導(実地指導)への対応を支援します。NPO法人は、設立認証から事業報告書・役員変更などの運営まで支援します。
企業人事15年の経験を土台に、児発管・サビ管の採用・定着、融資・補助金や資金繰りまで、「書類・人・お金」を一体で支えます。