— 30秒でわかる結論 —

Q. 令和8年6月1日以降に新しく指定を受けるグループホームは、報酬が下がりますか?

令和8年6月1日以降に新しく指定を受ける介護サービス包括型・日中サービス支援型のグループホームは、令和9年度報酬改定まで、基本報酬が所定単位数の1000分の972になります。既存の事業所は従前どおりで、加算は下がりません。重度の方の加算を算定する利用者の分などは従前の単価のままです(2026年10月20日確認)。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • 物件のめどが立ち、これからグループホームの指定申請を考えている方。説明会で聞いた収支の試算が、この見直しを織り込んでいるか分からない方
  • 「総量規制で2027年からはもうグループホームは出せない」と言われ、急いで開業するよう勧められている方
  • 既存のグループホームを譲り受けて運営を引き継ぐ予定で、新しい単価になるのか気になっている方

ご相談いただくと、こう進みます

  1. 最初の30分の無料相談で、開業予定日・物件の所在地・類型・想定する利用者像を伺い、応急的な報酬単価の対象か、配慮措置に当たる可能性があるかを整理します
  2. ご依頼後は、指定権者の事前相談の時期から逆算した日程を作り、1000分の972で試算し直した収支計画の作り直しをお手伝いします
  3. その後は、指定申請書類の作成から、開所後の地域連携推進会議・体制届の期限管理まで、必要に応じて続けて支援します

これからグループホームを始める方へ。令和8年6月1日以降に新しく指定を受けると、基本報酬は所定単位数の1000分の972になります

令和8年6月1日以降に新しく指定を受ける共同生活援助(グループホーム)のうち、介護サービス包括型と日中サービス支援型は、基本報酬が「所定単位数の1000分の972」になります。国はこれを「応急的な報酬単価」と呼んでいて、適用期間は令和9年度報酬改定までです。すでに指定を受けている事業所は従前どおりです(制度。告示第15・1注10・1の2注13、令和8年4月24日 報告資料(2026年10月20日確認))。

ただし、重度の障害のある方を受け入れて一定の加算を算定する利用者の分や、離島・中山間地域、自治体が必要として公募などで設置する事業所などは、従前の単価のままです。外部サービス利用型は対象に入っていません。新規指定の減額の全体像(児童発達支援・放課後等デイサービス・就労継続支援B型を含む)は令和8年6月からの新規指定の減額と配慮措置の記事にまとめています。

対象になるのはどのグループホームか

項目内容
対象サービス共同生活援助の「介護サービス包括型」「日中サービス支援型」(外部サービス利用型は対象外)
対象事業所令和8年6月1日以降に新規に指定された事業所
単価基本報酬が所定単位数の1000分の972
期間令和9年度報酬改定まで
既存事業所従前どおり

(制度。令和8年4月24日 報告資料20頁・22頁(2026年10月20日確認))。同じ見直しで、就労継続支援B型(1000分の984)、児童発達支援(1000分の988)、放課後等デイサービス(1000分の982)も対象になっています。

国の説明では、対象は「年間総費用額全体に占める割合が1%以上で、令和6年度の収支差率が5%以上あるサービスのうち、事業所の伸び率が過去3年間5%以上の伸びを続けているサービス」です。令和6年度の収支差率は、介護サービス包括型6.9%、日中サービス支援型5.1%と示されています(制度。令和8年1月22日 資料1 10頁(2026年10月20日確認))。

「新規に指定された」は、指定を受けた日で見る

告示の文言は「令和8年6月1日以降新規に指定を受けた指定共同生活援助事業所」です。申請した日ではなく、指定を受けた日で区切られる書き方になっています(制度。告示第15・1注10(2026年10月20日確認))。国のQ&Aも、令和8年6月1日以降に障害者総合支援法第36条第1項の指定が行われる事業所に適用する、としています(令和8年度報酬改定Q&A VOL.1 問5)。申請中に6月をまたいだ場合などの個別の事情は、指定権者に確認してください。

次の場合は、新規指定ではないので応急的な報酬単価の対象になりません(制度。令和8年度報酬改定Q&A VOL.1 問13・問14・問15(2026年10月20日確認))。

  • 令和8年6月1日以降の住居追加(サテライト型住居を含む)・定員増加・従たる事業所の追加
  • グループホームのサービス種別の変更(届出で足りるため)
  • 日中サービス支援型で基準上必要な短期入所(短期入所は応急的な報酬単価の対象外)

合併・分割・事業譲渡に伴う指定で、その前後で事業所が実質的に継続して運営されると認められる場合は、既存事業所と同じ扱いになります(制度。令和8年1月22日 資料1 8頁(2026年10月20日確認))。国のQ&Aは、国の事務連絡(令和6年6月21日)に基づいて指定手続の簡略化や報酬上の実績の通算を行った事業譲渡・吸収合併等は、応急的な報酬単価の適用対象外としています(令和8年度報酬改定Q&A VOL.1 問12)。譲り受けを予定している場合は、この「実質的に継続」に当たるかを、譲り受け前に指定権者へ相談しておくと安心です。

従前の単価のままになる場合(配慮措置)

重度の障害のある方への配慮

  • 重度障害者支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)、医療的ケア対応支援加算、医療連携体制加算(Ⅳ)を算定する利用者に係る基本報酬
  • 視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅰ)(Ⅱ)、高次脳機能障害者支援体制加算を算定する事業所に係る基本報酬

1つ目は「利用者ごと」、2つ目は「事業所ごと」の扱いです。告示とQ&Aでは、その月に対象の加算を1日でも算定した利用者・事業所について、その月は所定単位数(従前の単価)で算定すると書かれています(制度。令和8年4月24日 報告資料22頁・告示第15・1注10・令和8年度報酬改定Q&A VOL.1 問9・問10(2026年10月20日確認))。事業所全体が元の単価に戻るとは限らない点に注意してください。

地域への配慮

  • 離島・中山間地域など、特別地域加算の対象地域にある事業所
  • 自治体が客観的に必要であるとして設置する事業所(公募によりサービスが不足する地域に設置する事業所、自治体から補助等の経済的支援を得て設置する事業所)

(制度。令和8年4月24日 報告資料22頁(2026年10月20日確認))。地域への配慮は、指定時の主たる事業所の状況や住所で判断します。また、自治体からの補助でも、運営への補助(指定管理料を含む)や、サービスの質・人材確保のための補助は、それだけでは適用対象外になりません(制度。令和8年度報酬改定Q&A VOL.1 問7・問24(2026年10月20日確認))。

収支への影響の考え方

下がるのは基本報酬で、加算は対象外です。国は案の段階で、加算を含めた給付費全体で見ると「▲1%弱~▲1%半ば程度」と試算していました(令和8年1月22日 資料1 9頁)。なお、共同生活援助(介護サービス包括型)は、給付費に占める基本報酬の割合が47.9%と示されています(制度。同資料10頁(2026年10月20日確認))。

  1. 基本報酬(所定単位数)を、利用者の障害支援区分・類型ごとに出す
  2. 令和8年6月1日以降の新規指定なら、その基本報酬に1000分の972を掛ける(配慮措置に当たる利用者・事業所の月は掛けない)
  3. 加算はそのまま足す(加算には1000分の972は掛からない)

事業計画書や融資用の収支計画を作るときは、この順で試算し直してください。説明会やフランチャイズ本部の試算が、令和8年6月1日以降の新規指定であることを織り込んでいるかも確認が必要です。開業資金の全体はグループホームの開業資金の記事で扱っています。

財務の目で見ると

融資の審査では、収支計画の売上の根拠を聞かれます。基本報酬に1000分の972を掛けていない試算のまま借入額を決めると、開業後の毎月の入金が計画より少なくなり、運転資金の取り崩しが早まります。満室までの期間を長めに見るのと同じように、単価も新規指定の単価で見ておくと、計画と実際のずれが小さくなります(当事務所の見解)。

国が注意を促している勧誘の例

国の資料には、障害福祉サービスで「特段の知識や経験は不要」「簡単にできる」「利益をあげることができる」として、新規の参入や出資を働きかける例が並んでいます。グループホームでは次のようなものです(要旨。令和8年1月22日 資料1 13頁)。

  • 月々のコンサル料金だけで、フランチャイズ加盟金無料で気軽に始められるとするもの
  • 売上の大部分が給付金で、数年で年商数億円とうたうもの
  • 「総量規制により、2027年からはもうグループホームは出せない」といたずらに不安をあおるもの
  • 年間の利回りが高いとして、グループホーム事業への出資を募るもの

法律上の総量規制は、障害者総合支援法第36条第5項にあります。都道府県障害福祉計画で定めた必要な量にすでに達しているときなどに、都道府県知事が指定をしないことができる仕組みです。対象の「特定障害福祉サービス」は、施行規則第34条の20で生活介護・就労継続支援A型・就労継続支援B型と定められています(法令。e-Gov 法令検索(2026年10月20日確認))。共同生活援助は入っていません。今後の制度改正の議論は国の資料で確認が必要ですが、「2027年から出せない」という話を前提に開業を急ぐ前に、開業予定地の障害福祉計画と指定権者の方針を確かめてください。

あわせて押さえたい運営の義務:地域連携推進会議

共同生活援助には、利用者・家族・地域住民の代表・市町村の担当者などで構成する「地域連携推進会議」を、おおむね1年に1回以上開き、運営状況を報告して要望や助言を聴くことが求められています。会議の構成員が、共同生活住居ごとにおおむね1年に1回以上見学する機会を設けることも必要です(制度。基準省令第210条の7、令和8年1月22日 資料1 19頁(2026年10月20日確認))。

令和6年度報酬改定で設けられ、令和6年度は経過措置による努力義務で、その後は義務になっています。外部の者による評価と公表などを行っている場合に、会議や見学に代えられる取扱いもありますが、何を認めるかは指定権者が定めています(例:船橋市(2026年10月20日確認))。

住居が複数あるときに会議と見学を年に何回入れるか(会議は事業所ごと、見学は共同生活住居ごと)と、議事録の公表の方法はグループホームの地域連携推進会議——住居ごとの見学と議事録の公表に整理しています。

構成員について、国のQ&Aは「利用者、利用者家族、地域住民の代表者は必ず参画することが望ましい」とし、市町村の担当者は「可能な範囲での出席が望まれる」としています。ここでいう市町村の担当者は、事業所の所在市町村です(制度。令和6年度報酬改定Q&A VOL.1 問48・問49(2026年10月20日確認))。

また国は、令和8年2月26日の通知で「共同生活援助における運営や支援に関するガイドライン」(第1版)と、事業所が自己評価するためのチェックシートを示しています(広島市の掲載ページで確認(2026年10月20日確認))。ガイドラインに基づく自己評価を地域連携推進会議で報告し、構成員から助言を受けることが想定されています(令和8年1月22日 資料1 18頁)。日中サービス支援型の要件は日中サービス支援型グループホームの記事、開業の全体の流れはグループホームの経営と指定申請の記事にまとめています。

地域差分——千葉県内の指定権者

グループホームの指定は都道府県が行い、指定都市・中核市に事業所を置く場合はその市が指定権者です(障害者総合支援法の大都市等の特例)。千葉県内では、千葉市・船橋市・柏市・我孫子市に置く場合は、それぞれの市が指定権者です。これ以外の市町村に置く場合は、千葉県が窓口になります(千葉県の指定申請のページでは、共同生活援助の手引きの対象から「千葉市、柏市、船橋市で行う事業、我孫子市で行う短期入所、共同生活援助」を除いています(2026年10月20日確認))。我孫子市の窓口は我孫子市の指定の窓口の記事で整理しています。

事前相談の時期や届出の様式も指定権者ごとに違います。地域連携推進会議に代えられる取扱いも、指定権者ごとに確認してください。

たとえば、こんな場面で迷っていませんか

物件のめどが立ち、これからグループホームの指定申請を考えている。説明会で聞いた収支の試算が、令和8年6月1日以降の新規指定の単価を織り込んでいるか分からない。

「総量規制で2027年からはもうグループホームは出せない」と言われ、急いで開業するよう勧められている。

既存のグループホームを譲り受けて運営を引き継ぐ予定だが、新しい単価になるのか気になっている。

当事務所にご相談いただいた場合の進め方

  1. 1. ご相談の前に手元に用意していただくもの
    開業予定日、物件の所在地と間取り、類型(介護サービス包括型か日中サービス支援型か)、想定する利用者像(障害支援区分・医療的ケアの有無)、手元の収支の試算。
  2. 2. 初回30分の無料相談で一緒に確認すること
    応急的な報酬単価の対象になるか、配慮措置に当たる可能性があるかを整理し、指定権者の事前相談の時期を確かめます。
  3. 3. ご依頼後の進め方当事務所がやること:指定権者の事前相談から逆算した日程を作り、基本報酬を1000分の972で試算し直した収支計画の作り直しと、指定申請書類の作成を行います。料金は料金表の「指定申請(…グループホーム(共同生活援助))」で、1事業所あたり330,000円(税込)です。お客様にお願いすること:物件の契約、職員の採用、融資の申込みはご自身で行っていただきます(書類づくりと日程の管理はお手伝いします)。
  4. 4. その後
    開所後の地域連携推進会議の準備や、体制届・加算の届出の期限管理も、必要に応じて続けて支援します。

料金は料金表と料金シミュレーションでご確認いただけます。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

💬 目加多のひとこと

単価が下がると聞くと急ぎたくなりますが、急いで開いた事業所ほど、満室までの期間と単価の読み違いが重なりやすくなります。まず試算を1000分の972で作り直してから、日程を決めてみてください。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/2級FP技能士(AFP)/国家資格キャリアコンサルタント。
障害福祉・障害児支援とNPO法人を専門にしています。放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援A型・B型・グループホーム(共同生活援助)などの指定申請、処遇改善加算・変更届・指定更新・運営指導(実地指導)への対応を支援します。NPO法人は、設立認証から事業報告書・役員変更などの運営まで支援します。
企業人事15年の経験を土台に、児発管・サビ管の採用・定着、融資・補助金や資金繰りまで、「書類・人・お金」を一体で支えます。

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