— 30秒でわかる結論 —

Q. NPO法人は、所轄庁の認証を受けた時点で成立するのですか?

いいえ。NPO法人は設立の登記をすることによって成立します(特定非営利活動促進法第13条第1項)。認証は登記をするための前提で、認証通知書が到達した日から2週間以内に、主たる事務所の所在地を管轄する法務局で設立の登記をしなければなりません(組合等登記令第3条)。従たる事務所がある場合は、設立登記から2週間以内にその所在地でも登記します。登記が完了したら、遅滞なく所轄庁へ設立登記完了届出書を提出します(同条第2項)。添付書類は登記事項証明書と財産目録です。なおNPO法人の設立登記に登録免許税はかかりません。設立の認証があった日から6か月を経過しても登記がされない場合は、設立の認証が取り消されることがあります(2026年9月20日確認)。

こんな方に読んでいただきたい記事です

  • NPO法人の設立認証を申請中、または認証書を待っている方
  • 設立後の登記や届出の段取りを知りたい方
  • 株式会社や一般社団法人との手続きの違いを確認したい方

ご相談いただくと、こう進みます

  1. 最初の30分の無料相談で、認証申請の控えと設立総会の議事録を見ながら、認証書が届いてから登記完了届までの段取りを一緒に見ます。
  2. ご依頼後は、認証を待つ間に登記に要る書類の準備を整理し、所轄庁への設立登記完了届出書の提出まで進めます。設立登記は提携の司法書士が担当します。
  3. その後は、最初の事業年度の事業報告書を出す前や役員の任期が近づいたときに、同じ定款と役員名簿で見直します。

認証を受けても、まだ法人ではありません

NPO法人は設立の登記をすることによって成立します(特定非営利活動促進法第13条第1項)。所轄庁の認証は「登記してよい」という許可であって、認証書が届いた時点では法人格はありません。認証通知書が到達した日から2週間以内に、主たる事務所の所在地を管轄する法務局で設立の登記をします(組合等登記令第3条)。

従たる事務所がある場合は、設立登記から2週間以内に従たる事務所の所在地を管轄する法務局でも登記が必要です。

やること期限窓口
設立の登記認証書が到達した日から2週間以内主たる事務所を管轄する法務局
従たる事務所の登記設立登記から2週間以内従たる事務所を管轄する法務局
設立登記完了届出書登記後、遅滞なく所轄庁

なお、NPO法人の設立登記に登録免許税はかかりません(新潟県の案内にも非課税と明記されています。2026年9月20日確認)。株式会社の15万円、一般社団法人の6万円と違い、登記の段階で税金は発生しません。

登記が終わったら、所轄庁へ「完了しました」の届出

登記して終わりではありません。設立登記完了届出書を所轄庁へ提出します(法第13条第2項)。長野県の様式(様式第3号)では、添付書類として設立後の登記事項証明書と財産目録が挙げられています。部数や様式は所轄庁ごとに異なるため、自分の所轄庁の案内で確認してください。

この届出は、所轄庁が「本当に法人ができたか」を確認する手続きです。ここが止まると、所轄庁のポータルサイトにも情報が載らず、法人としての信用情報が空白のままになります。

— この段階でご相談いただく理由 —

認証書が届く時期は、申請から2か月以上先です。その頃には設立準備の緊張がゆるんでいて、2週間という期限が見落とされがちです。登記には定款・議事録・就任承諾書・印鑑届など一式が要りますから、認証を待つ期間に書類を組んでおくのが安全です。

<ご相談時にお持ちいただくもの>認証申請の控え/設立総会の議事録/理事の印鑑証明書の有無/法人印の手配状況。30分無料相談はこちら

放っておくと、認証が取り消されます

期限を過ぎた場合の扱いも公表されています。設立の認証があった日から6か月を経過しても設立の登記がされない場合は、設立の認証を取り消すことがあるとされています(神戸市の案内。2026年9月20日確認)。

登記完了届が出ないときの流れを、高知県は図で示しています。認証日から2か月を経過しても届出がないと督促書、督促から1か月を経過すると再督促書(認証取消しの予告を含む)、それでも提出がなく設立認証から6か月を経過すると聴聞を経て設立認証の取消し、という段取りです。登記自体が完了していれば届出義務違反として改善命令、完了していなければ認証取消しに進みます。

「忙しくて後回し」で済む話ではなく、放置すると設立そのものが無かったことになるということです。

設立までの全体像(期間の目安)

認証申請から法人成立までの流れは、各所轄庁が同じ順番で案内しています。

  • 設立総会(設立の決議、定款、役員、事業計画、活動予算を決める)
  • 所轄庁へ設立認証の申請
  • 縦覧2週間(申請書類の一部が公衆の縦覧に供され、インターネットでも公表)
  • 審査は縦覧期間経過後2か月以内、認証または不認証の決定
  • 認証書の到達 → 2週間以内に設立登記(ここで法人成立)
  • 登記後、遅滞なく設立登記完了届出書を所轄庁へ

群馬県は、申請が受理されてから法人が成立するまで2か月程度(最長で2か月と2週間)が必要としています。ここに設立総会までの準備期間が加わるため、逆算のときは「申請してから2か月半」を目安に置いてください。

📗 設立の全体像はNPO法人設立の完全ガイドに、認証で止まる論点はNPO法人の設立が「不認証」「差し戻し」になる理由にまとめています。

登記が済んだら、次にやること

法人が成立したあとは、税務・労務と、情報公開の準備が始まります。島根県の手引きは、設立後にやることとして税・雇用などの手続きと閲覧書類の備置き、社員および利害関係者から請求があれば閲覧に応じることを挙げています。所轄庁側では、内閣府ポータルサイトでの情報公開が行われます(役員名簿は住所・居所に係る記載を除いたもの)。

登記事項証明書は、税務署・都道府県税事務所・市町村への法人設立の届出、銀行口座の開設、事務所の契約名義の変更などで何通も使います。登記が終わったら、必要通数を見積もってまとめて取得しておくと、後の手続きが早く回ります。

たとえば、こんな場面で迷っていませんか

子どもの居場所づくりの活動をNPO法人にしようとしている設立代表者の方。設立総会を終えて所轄庁に認証の申請を出し、結果を待っています。

仲間と準備を重ねてきたので、認証書が届けばそれで法人ができあがると考えていました。銀行口座の開設や事務所の契約も、認証書を見せれば進められると思っています。

ところが、別の団体の方から「認証のあとにも期限のある手続きがある」と聞き、何をいつまでにやればよいのか分からなくなりました。登記の書類を誰が作るのか、法人の印鑑はいつまでに用意するのかも決まっていません。

このまま認証書を待つだけでいると、届いてから慌てて書類をそろえることになり、期限に間に合わず、最悪の場合は認証の取消しにつながりかねません。

この場面なら、まず認証書が届いた日から設立登記の期限を数え、次に登記のあとに所轄庁へ出す届出までを順に確かめます。本文では、その順に説明しました。

当事務所にご相談いただいた場合の進め方

  1. 1. ご相談の前に手元に用意していただくもの
    設立認証の申請書の控え、定款、設立総会の議事録、役員名簿と役員の就任承諾書、理事の印鑑証明書の取得状況、法人の印鑑の手配状況が分かるものをお手元にご用意ください。
  2. 2. 初回30分の無料相談で一緒に確認すること
    認証書が届く見込みの時期から、設立登記の期限と設立登記完了届出書の提出までの段取りを一緒に並べます。登記に要る書類のうち、まだそろっていないものがあれば、その場でお伝えします。
  3. 3. ご依頼後の進め方当事務所がやること:認証を待つ間に登記に要る書類の準備を整理し、認証後の設立登記完了届出書の作成と提出をお手伝いします。設立登記は提携の司法書士が担当します。登記のあとの税務署などへの届出のうち、税務にかかわるものは税理士の業務です。お客様にお願いすること:役員の就任承諾書や印鑑証明書の取得、法人の印鑑の作成、認証書が届いた日の記録と当事務所へのご連絡は、お客様の団体で行っていただきます。
  4. 4. その後
    法人が成立したあとは、閲覧書類の備置きを整え、最初の事業年度が終わったときの事業報告書等の作成・提出や、役員の任期が来たときの役員変更届の前に、同じ定款と役員名簿で見直します。

料金は料金表と料金シミュレーションでご確認いただけます。

参考にした一次資料

※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・要領および指定権者の案内をご確認ください。

📍 千葉県ローカルメモ|所轄庁の見分け方(千葉県の場合)

設立登記完了届出書の提出先は、設立認証を申請した所轄庁と同じです。事務所が1つの都道府県内にのみある場合はその都道府県知事、事務所が1つの政令指定都市の区域内にのみある場合はその市長が所轄庁になります。千葉県内であれば、千葉市内のみに事務所がある法人は千葉市長、松戸市・市川市・柏市・船橋市など千葉市以外に事務所がある法人は千葉県知事です。一方、登記の窓口は法務局で、所轄庁とは別の役所になります。松戸市に事務所を置く場合、認証と届出は千葉県、登記は千葉地方法務局松戸支局、という組み合わせです。「認証=県、登記=法務局」の2つの窓口があることを、最初に押さえておいてください(2026年9月20日確認)。

※2026年9月20日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。

💬 目加多のひとこと

私自身、ゼロから人を集めてNPO法人の設立認証を取った経験がありますが、認証書が届いた日はうれしくて、少し気が抜けました。そこから2週間という期限があることを知っていたので慌てずに済みましたが、知らなければ危なかったと思います。認証は折り返し地点です。

行政書士 目加多龍

執筆・監修

目加多 龍めかた りょう

行政書士 × 人事・財務アドバイザー(目加多龍行政書士事務所 代表)

行政書士/2級FP技能士(AFP)/国家資格キャリアコンサルタント。
障害福祉・障害児支援とNPO法人を専門にしています。放課後等デイサービス・児童発達支援・就労継続支援A型・B型・グループホーム(共同生活援助)などの指定申請、処遇改善加算・変更届・指定更新・運営指導(実地指導)への対応を支援します。NPO法人は、設立認証から事業報告書・役員変更などの運営まで支援します。
企業人事15年の経験を土台に、児発管・サビ管の採用・定着、融資・補助金や資金繰りまで、「書類・人・お金」を一体で支えます。

NPO法人については、明治大学経営学部公共経営学科でNPO・非営利組織の経営を専攻し、自らゼロから社員10人を集めて定款作成・設立総会を経て所轄庁の設立認証を取得した当事者でもあります。あわせて現在、地域の市民活動の人材育成講座を受講しており、講義と実地体験(2026年9月時点で3団体)を通じて、子育て支援・居場所づくり・福祉・環境など市民活動の現場の運営を学んでいます。手続きだけでなく、人の集め方・目的の書き方・設立後2年目の重任まで、経験にもとづいてお伝えしています。

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