— 30秒でわかる結論 —
Q. 処遇改善加算の「取りこぼし」は、いくらになる可能性がありますか?
式は単純で、「月の加算対象額(処遇改善加算を除く加減算後の総単位数ベース)×逃している率の差×12か月」です。たとえば月の対象額200万円の事業所が、上位区分との率差5ポイントを逃していれば年間120万円、未算定なら加算率まるごとの規模になります。加算率はサービス類型・区分ごとに告示で定められ、令和8年度の期中改定(2026年6月〜)で見直しがあったため、自事業所の正確な率は最新の告示・指定権者資料での確認が必要です。取りこぼしの典型は、未算定・下位区分のまま・計画書の提出漏れ・改定未対応・実績報告漏れの5パターンです。
こんな方に読んでいただきたい記事です
- 加算を算定していない、または下位区分のままの事業所の方
- 自事業所の取りこぼし額を知りたい方
- 職員の賃金改善の原資を増やしたい方
先に、この記事の約束を——率の断定はせず、「計算の仕方」を渡します
処遇改善加算の加算率は、サービス類型と加算区分ごとに告示で定められ、しかも令和8年度の期中改定(2026年6月〜)で新しい区分を含む見直しが行われたばかりです(改定の要点はこちら)。ここで特定の率を並べて「あなたの取りこぼしは◯円」と断定するのは不誠実なので、この記事は「率の差×加算対象額」で自分の取りこぼしを自分で概算できる道具をお渡しします。正確な率は、最新の告示・指定権者の資料でご確認ください(当事務所でも確認を代行します)。
この記事の対象——介護・障害福祉の全サービス類型に共通です
放課後等デイサービス/児童発達支援/グループホーム(共同生活援助)/就労継続支援A型・就労継続支援B型・就労移行支援・就労定着支援/生活介護/同行援護/行動援護/短期入所/自立訓練/保育所等訪問支援/相談支援(その他類型の依頼ガイド)——いずれにも対応しています(処遇改善加算サポート)。
ここは必ず確認を——加算率は毎回確認が必要
加算率はサービス類型と区分ごとに告示で定められ、改定のたびに変わります。この記事は率を書かず計算式だけを示していますが、実際の試算ではその時点の最新の告示で率を確認してから当てはめてください。
仕組みはシンプル——加算額=加算対象額×サービス別加算率
処遇改善加算の額は、おおまかに言えば「処遇改善加算を除く、加減算後の総単位数(=加算対象額)」に、サービスごと・区分ごとの加算率を掛けた額です。つまり取りこぼしの金額は、②の式で機械的に見えます。
取りこぼし額 = 月の加算対象額 × 逃している率の差 × 12か月
早見表——「率の差」が年間いくらになるか(当事務所の独自試算)
| 月の加算対象額(給付費ベース・仮置き) | 率の差 3ポイント | 率の差 5ポイント | 率の差 10ポイント |
|---|---|---|---|
| 100万円 | 月3万円/年36万円 | 月5万円/年60万円 | 月10万円/年120万円 |
| 200万円 | 月6万円/年72万円 | 月10万円/年120万円 | 月20万円/年240万円 |
| 300万円 | 月9万円/年108万円 | 月15万円/年180万円 | 月30万円/年360万円 |
たとえば定員10名の放課後等デイサービスで、月の加算対象額が仮に200万円前後だとします。未算定なら加算率の全部、下位区分のままなら上位との率差ぶんが、毎月この表の規模で消えていきます。この表は純粋な掛け算なので、ご自身の請求実績(国保連の請求データの総単位数)と、告示の率を当てはめれば、あなたの事業所の実額になります。
取りこぼしの5パターン——どこからお金が漏れるか
| パターン | よくある背景 | 金額の出方 |
|---|---|---|
| ① そもそも未算定 | 「要件が難しそう」「小規模だから無理」という思い込み | 加算率まるごと×加算対象額。最大の取りこぼし |
| ② 下位区分のまま | 上位区分の要件(キャリアパス・職場環境等)を実は満たせるのに未申請 | 上位との率差×加算対象額が毎月 |
| ③ 計画書の提出漏れ・遅れ | 年度当初の提出を失念、担当者の退職で引き継がれず | 算定できない月数×月額がそのまま消える |
| ④ 令和8年改定への未対応 | 期中改定(2026年6月〜)の新区分・変更点を知らずに旧のまま | 取れたはずの引上げ・新区分ぶんの差 |
| ⑤ 実績報告の漏れ・賃金改善の不足 | 年度終了後の報告を失念、加算額以上の賃金改善ができていない | 返還——取りこぼしどころか逆流します |
「取りこぼしていないか」を10分で確かめる3ステップ
ステップ1——直近の国保連請求データで、月の総単位数(加算対象額)を確認する。ステップ2——現在算定中の加算区分と率を、最新の告示・指定権者資料で確認する(令和8年6月以降の新体系での自事業所の位置づけを含めて)。ステップ3——上位区分の要件との差分を洗い出す。足りない要件が「書類の整備だけ」なら、それは取りこぼしです。要件の全体像は一本化後の基本記事を、手続きを自分でやるか頼むかの判断は工数試算の記事をどうぞ。
費用対効果の話を、正直に
当事務所の処遇改善加算サポートは届出 税込55,000円〜、計画から実績報告までの年間管理は運営顧問(月額35,000円〜)の範囲でお受けしています。上の早見表と見比べてください——率差3ポイント・対象額100万円の小さな取りこぼしでも年36万円。専門家費用は、取りこぼしの一部で賄える構造です。もちろん、確認の結果「取りこぼしゼロ・現状が最適」なら、それをお伝えして終わりです。その診断だけでも、無料相談の60分でお持ち帰りいただけます。
手続き・資金・人材を、ひとつの窓口で。当事務所は障害福祉・障害児支援の指定申請・処遇改善加算の届出に加えて、創業融資・資金繰りの支援と、国家資格キャリアコンサルタントによる資格者の採用・定着支援までワンストップで対応します。財務コンサルタントの資格と、人事15年×国家資格キャリアコンサルタントの専門性を併せ持つ行政書士だからできる伴走です。初回60分無料・オンライン全国対応。
参考にした一次資料
- 厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(老発0313第6号・令和8年3月13日)
- 厚生労働省「福祉・介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」(障害福祉分野)
- 厚生労働省「介護職員の働く環境改善について」
- 各都道府県・指定権者が公表する処遇改善加算の届出案内および様式
※制度・要件・金額は改正や自治体の運用で変わります。上記は確認時点のものであり、実際の手続きの前には必ず最新の告示・通知および指定権者の案内をご確認ください。
📍 千葉県ローカルメモ|千葉県内の提出先と、令和8年改定の確認先
処遇改善加算の計画書・実績報告の提出先は指定権者(千葉市・船橋市・柏市の事業所は各市、松戸・流山・市川などは千葉県)です。令和8年度の期中改定に伴う新しい様式・締切の案内も指定権者から出るため、確認先を一本化しておくと漏れが防げます。当事務所は県・各市いずれの窓口にも対応し、改定情報のキャッチアップごと代行しています。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
「取りこぼし」という言葉を選んだのには理由があります。これは損失ではなく、本来あなたの職員に届くはずだったお金だからです。処遇改善加算は事業所の利益ではなく、現場で働く人の賃金に変わる制度。取りこぼしを拾うことは、経営改善であると同時に、一緒に働く人への約束を果たすことでもあります。10分の確認から、始めてみませんか。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
障害福祉・障害児支援の指定申請を専門とする行政書士。放課後等デイサービス・児童発達支援・グループホーム(共同生活援助)・就労継続支援A型/B型・就労移行支援・生活介護・居宅介護・重度訪問介護など障害福祉・障害児の全類型に対応し、千葉県指定と千葉市/船橋市/柏市の市指定どちらの窓口も日常的に扱っています(オンラインで全国対応)。開業後の変更届・体制届・処遇改善加算の届出、運営指導への備えまで伴走します。
前職では従業員約800名規模の3社合併にともなう人事制度統合を主導し、正社員・パート等あわせて約800名の給与計算と社会保険実務を運用。処遇改善加算のキャリアパス要件は、突き詰めれば賃金表と等級制度の設計そのもの——加算の届出だけでなく、その先の賃金設計まで踏み込めることが強みです。国家資格キャリアコンサルタントとして、サビ管・児発管など資格者の採用と定着も支援しています。
保有資格:行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/財務コンサルタント(ASJ)/2級FP技能士(AFP)/人事総務検定2級ほか計11種。制度改正のたびに一次資料を確認しながら、note・LinkedIn・Instagram・Threadsで介護・障害福祉の実務情報をほぼ毎日発信しています。