— 30秒でわかる結論 —
Q. 費用を抑えたいので、バーチャルオフィスを本店にして会社を作ろうと思います。問題ありますか?
業種によります——許認可が必要な事業では、バーチャルオフィスが壁になる場合があります。登記自体は可能でも、介護・障害福祉の指定は事業所の物理的な実態(区画・設備)が審査されるため実態のない住所では成立せず、建設業許可も営業所の実態が要件です。飲食も営業の場は店舗そのもの。つまり許認可業種は「事業の実態がある場所」が先で、本店はそこから逆算して決めるのが実務です(本店=自宅、事業所=店舗のように分ける設計も可能)。許認可が関係ないIT・コンサル系なら、住所公開を避けつつ体裁を整えるバーチャル活用は合理的な選択肢です。口座開設の審査で実態を確認される点も含め、業種から逆算してお選びください。
「本店ってどこでもいいんですよね? じゃあ安いバーチャルで」——ちょっと待ってください。登記できることと、事業に使えることは別です。特に許認可業種では。3択の比較から整理します(2026年7月時点の一般的整理)。
3択の比較表(独自整理)
| 選択肢 | 利点 | 注意点 |
|---|---|---|
| 自宅 | 費用ゼロ・手続き簡単 | 登記情報として住所が公開される/賃貸なら事業利用の可否を契約で確認 |
| バーチャルオフィス | 住所の体裁・自宅住所の非公開化・低コスト | 許認可の実態要件を満たせない場合/口座開設で実態確認 |
| 賃貸事務所・店舗 | 制約が最少・許認可に対応 | 固定費が最大——初期費用に直結 |
本丸——「許認可の壁」を業種別に
介護・障害福祉——指定は事業所の物理的な実態(訓練室・相談室などの区画、設備、そこでの人員配置)を審査します。バーチャルの住所で指定は成立しません。建設業許可——営業所の実態(契約締結等を行う独立した事務スペース)が要件で、実態確認が行われます。飲食——営業許可は店舗そのものに出ます。士業・古物商など——事務所要件が定められている業種が多数。つまり——許認可業種は「実態のある場所」が先、本店は後。本店=自宅、事業所=テナントという分離設計も普通に使えます(この場合の許認可は事業所側で審査)。
住所公開の悩みへの現実解
自宅を本店にする際の「住所が公開される」問題は、特に女性の一人起業で切実な論点です。許認可が絡まない業種ならバーチャル活用は合理的な解。許認可業種なら、小さくても実態のあるシェアオフィスの個室・事業用スペースという中間解や、事業所を借りて本店もそこに置く設計を検討します——要件と費用と安心のバランスは、業種ごとに最適点が違います。
「あとで変える」のコストも知っておく
本店移転は登記の変更(登録免許税等)に加え、許認可の変更届・口座・契約・請求書の住所変更が芋づるで発生します。商号と同じく、「変えられるが高くつく」項目——最初に3年後の事業の姿から逆算して決める価値があります。当事務所は、目指す許認可(介護・障害福祉の指定・建設業許可)の要件から逆算した本店・事業所の設計と、物件確認(この物件で指定が取れるか)からお手伝いします。
📍 千葉県ローカルメモ|契約前の「指定が取れる物件か」確認を
松戸・柏・流山エリアで障害福祉・障害児支援の開業を予定している方は、物件の賃貸借契約前に「その物件で指定要件を満たせるか」の確認が最重要です。用途・区画・面積の観点での物件チェックリストをお渡ししていますので、内見段階でお声がけください。
※2026年7月23日時点の一般的な整理です。個別の管轄・最新の運用は各窓口にご確認ください。
💬 目加多のひとこと
本店所在地の相談は、費用の話に見えて、実は「事業の実態をどこに作るか」という核心の話です。住所は器——器の安さより、その中で行われる事業が要件を満たすかどうか。順番を間違えないことが全てです。

執筆・監修
目加多 龍めかた りょう
行政書士 × 財務・キャリアコンサルタント(目加多龍行政書士事務所 代表)
行政書士/国家資格キャリアコンサルタント/2級FP技能士(AFP)。ブリヂストン系列企業とNEC系列企業で人事・労務の現場15年を経て2026年に独立。個人向けキャリア相談はココナラで約70件・全件★5.0(プラチナランク・2026年7月時点)。障害福祉・障害児支援の指定申請を軸に、資金調達から人材の定着まで、中小企業の「手続き」「資金」「人材」を一体で支援しています。
プロフィールを見る →